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第二章
第102話:ダンジョン
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リビングルームにて、マーカスさんの話が始まった。
「君たちが村を去った後も、村近くへの魔物の出現が止まらない状況なんだ」
「あの時の魔物みたいなのが大量発生しているってことですか⁉︎」
シーナの質問にマーカスさんは首を振った。
「いや、幸いにもまだそこまでの魔物は出てきていない。だが、日を追うごとに村に近づいてくる魔物が強くなっているような気はしている」
「もし、前みたいな大型の魔物が出てきたら……」
「今は村の戦力を掻き集めてどうにか対応できているが、限界があるな……。王国には既に応援要請を出しているが、いつ助けが来るかわからないという状況だ」
マーカスさんは眉間に皺を寄せ、難しい表情になった。
俺の想像以上に事態は深刻らしい。
それにしても、『魔物が強くなっている』か。
俺たちがこの世界に来たタイミングと重なっているし、関連をどうしても疑ってしまう。
『神』と名乗っていた男は、魔王の復活がどうのと言っていたので、安直な発想かもしれないが、その影響がリードの村に出ているという可能性はないだろうか。
「アリア、これってもしかして魔王が関係していたりとかって可能性はないか?」
「ないと思う」
まさかの即答だった。
「な、ないのか……」
ほっとしたと同時に、拍子抜けしたような気分である。
「断言はできないけど……。だけど、リード村の異変と直接の関係はないと思う」
「どうしてわかるんだ?」
「魔王の魔力の影響だとしたら、もっと影響範囲が広いから。この村の近くだけ魔物が明らかに強くなってるのはちょっとおかしい」
「なるほど」
まあ、もし魔王の影響だとしたら今の俺たちでは手に負えない案件だし、最悪の事態ではないという感じか。
だとしても、原因がわからないのではたとえ魔物を倒しても意味がわからない。
この村はシーナの故郷だし、俺としてもお世話になって村。どうにかできないものか。
そんなことを考えていると、アリアがポツリと呟いた。
「それにしても、毎日強くなってるって、明らかに異常。まるで、近くに大きめのダンジョンがあるみたいな……」
「ダンジョン?」
ゲームなどでは聞いたことがあるが、その認識で合っているのかがわからない。
片桐や遠藤たちも声には出さないが、表情を見る限り俺と同じ反応。
すると、シーナが説明してくれた。
「この世界には、『ダンジョン』と呼ばれる魔物の巣窟が自然発生することがあるのです。自然界に溢れる魔力が偶然作ってしまうものだと言われていますが、詳しいことは分かっていません」
「なるほど」
だとすると、俺の認識通りのダンジョンで問題なさそうだ。
「マーカスさん、近くにダンジョンがあったりとかは……?」
「もちろん山も含めて隈なく調べたのだが、ダンジョンらしきものは見つけられなかった」
「そうですか……」
まあ、そりゃそうか。
ダンジョンの存在自体はこの世界では常識的に知られたものらしいし、状況的にはそこを疑うのは当然の流れだろう。
「お父様、あの場所にも行かれたのですか?」
シーナがすかさず質問した。
あの場所?
「いや、祠はさすがにな。村長とはいえ、さすがに立ち入ることはできんよ。でも、あの小さな区画にダンジョンがあるとは思えな——」
マーカスさんがそう言った瞬間。
「ねえ。その祠って、どこ?」
アリアは珍しく焦った様子で尋ねたのだった。
「君たちが村を去った後も、村近くへの魔物の出現が止まらない状況なんだ」
「あの時の魔物みたいなのが大量発生しているってことですか⁉︎」
シーナの質問にマーカスさんは首を振った。
「いや、幸いにもまだそこまでの魔物は出てきていない。だが、日を追うごとに村に近づいてくる魔物が強くなっているような気はしている」
「もし、前みたいな大型の魔物が出てきたら……」
「今は村の戦力を掻き集めてどうにか対応できているが、限界があるな……。王国には既に応援要請を出しているが、いつ助けが来るかわからないという状況だ」
マーカスさんは眉間に皺を寄せ、難しい表情になった。
俺の想像以上に事態は深刻らしい。
それにしても、『魔物が強くなっている』か。
俺たちがこの世界に来たタイミングと重なっているし、関連をどうしても疑ってしまう。
『神』と名乗っていた男は、魔王の復活がどうのと言っていたので、安直な発想かもしれないが、その影響がリードの村に出ているという可能性はないだろうか。
「アリア、これってもしかして魔王が関係していたりとかって可能性はないか?」
「ないと思う」
まさかの即答だった。
「な、ないのか……」
ほっとしたと同時に、拍子抜けしたような気分である。
「断言はできないけど……。だけど、リード村の異変と直接の関係はないと思う」
「どうしてわかるんだ?」
「魔王の魔力の影響だとしたら、もっと影響範囲が広いから。この村の近くだけ魔物が明らかに強くなってるのはちょっとおかしい」
「なるほど」
まあ、もし魔王の影響だとしたら今の俺たちでは手に負えない案件だし、最悪の事態ではないという感じか。
だとしても、原因がわからないのではたとえ魔物を倒しても意味がわからない。
この村はシーナの故郷だし、俺としてもお世話になって村。どうにかできないものか。
そんなことを考えていると、アリアがポツリと呟いた。
「それにしても、毎日強くなってるって、明らかに異常。まるで、近くに大きめのダンジョンがあるみたいな……」
「ダンジョン?」
ゲームなどでは聞いたことがあるが、その認識で合っているのかがわからない。
片桐や遠藤たちも声には出さないが、表情を見る限り俺と同じ反応。
すると、シーナが説明してくれた。
「この世界には、『ダンジョン』と呼ばれる魔物の巣窟が自然発生することがあるのです。自然界に溢れる魔力が偶然作ってしまうものだと言われていますが、詳しいことは分かっていません」
「なるほど」
だとすると、俺の認識通りのダンジョンで問題なさそうだ。
「マーカスさん、近くにダンジョンがあったりとかは……?」
「もちろん山も含めて隈なく調べたのだが、ダンジョンらしきものは見つけられなかった」
「そうですか……」
まあ、そりゃそうか。
ダンジョンの存在自体はこの世界では常識的に知られたものらしいし、状況的にはそこを疑うのは当然の流れだろう。
「お父様、あの場所にも行かれたのですか?」
シーナがすかさず質問した。
あの場所?
「いや、祠はさすがにな。村長とはいえ、さすがに立ち入ることはできんよ。でも、あの小さな区画にダンジョンがあるとは思えな——」
マーカスさんがそう言った瞬間。
「ねえ。その祠って、どこ?」
アリアは珍しく焦った様子で尋ねたのだった。
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