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第2章:第二学院創設編
第14話:最強賢者は二人を試す
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三日後には通常通りの授業が始まる。
俺の身分は教師ではあるが、生徒でもある。学院長の出した条件の一つに授業に出なくても卒業を認めるというものがあった。だが、今のところ授業は受けておこうと思う。
俺とて知らないことはたくさんある。この魔法学院に入学してから、この世界の常識をたくさん知った。魔法や戦いに関して学ぶことがなくても、学生としてしか学べないことはたくさんあるのだ。
俺がこの学院を本当の意味で卒業するのは、学生として学ぶべきことを知ってからにしたい。
「リーナとエリスが一緒にいると飯がうまいな、不思議だ」
「え!? ……それってどういう?」
朝の食堂。
四人掛けの席で目の前にはリーナとエリスが座っている。二人の顔を見ているとなんだか落ち着いて、いつもより飯がうまく感じるのだ。
前世で食べた旨味成分たっぷりのカップラーメンよりも美味しい。ドレイク家で家族揃って食べたご飯と少し似ているような気がする。
「いや、なぜかわからないが一人で食べるときより美味いと思ってな。前から不思議だったんだが、やっと美味い理由がわかったんだ」
「そ、それは悪い気はしませんねっ!」
エリスは顔を真っ赤にして水を呷った。
「ふむ……それにしても、どんな魔法を使ってるんだ?」
「それは多分魔法じゃないわよっ!」
「魔法じゃなかったら、なんなんだ?」
俺の問いにエリスは黙り、リーナが次のように答えた。
「ううん……精神的なもの?」
一番しっくりくるような気はする。
まあ、そのうち答えはわかるだろう。
◇
「そういえば待ち合わせ場所決めてなかったじゃない……! ユーヤ、どうしよう……」
リーナが珍しく慌てていた。
レムとアミの二人とは昨日別れたきりで、確かに待ち合わせ場所などを具体的に決めていなかった。だが、それほど慌てることじゃないと思うんだがな。
「王都を探すとなると骨が折れるわね……ギルドの周りに絞ったとしても範囲が広すぎるわ」
「二人とも落ち着け。慌てるようなことじゃない」
「でも……どうすれば……」
なおもリーナは心配しているらしい。やれやれ、安心させてやるか。
「俺は何もしない。何もしなくても解決するからな。ほら、ついてこい」
リーナとエリスを説得し、院門の前にやってきた。
「え!? なんで二人がここに!?」
院門の前にはレムとアミが俺たちを待っていた。
不思議そうにリーナとエリスの二人が俺を見る。
まあ、本気でわかっていないようだし説明は必要か。
「本気で何かを教えてもらいたければ、自ら尋ねにいくものだ。……まあ、俺は二人を試していたというわけさ」
「な、なるほど……さすがはユーヤね!」
「私には想像もできなかった。本当に凄い!」
本音を言えば少しだけ心配ではあったのだが、ちゃんと二人揃ってきてくれた。
これで俺を師として意識させることができる。
「さて、今日の修行だがな。リーナとエリスにも参加してもらおうと思う。姉弟子として見習うようにな」
「「はい!」」
レムとアミの二人が元気よく返事した。
逆に、リーナとエリスの二人は「えっ」と驚いている。
「お前ら二人も俺の目から見ればまだまだだ。先輩として後輩に恥じない姿を見せてやってくれ」
そう言って、俺は【空間転移】を使う。
場所は学院地下のダンジョンだ。教師の同伴であれば自由に使うことができるので、絶好の修行スポットだ。魔法学院の生徒ではない者が入っていいかどうかはわからないが、文句を言われたら俺の口利きでどうにでもしてしまえばいい。
第一層に大した魔物はいないので、修行に集中できる。
「さて、まずは手始めに、素振り千回だ」
俺の身分は教師ではあるが、生徒でもある。学院長の出した条件の一つに授業に出なくても卒業を認めるというものがあった。だが、今のところ授業は受けておこうと思う。
俺とて知らないことはたくさんある。この魔法学院に入学してから、この世界の常識をたくさん知った。魔法や戦いに関して学ぶことがなくても、学生としてしか学べないことはたくさんあるのだ。
俺がこの学院を本当の意味で卒業するのは、学生として学ぶべきことを知ってからにしたい。
「リーナとエリスが一緒にいると飯がうまいな、不思議だ」
「え!? ……それってどういう?」
朝の食堂。
四人掛けの席で目の前にはリーナとエリスが座っている。二人の顔を見ているとなんだか落ち着いて、いつもより飯がうまく感じるのだ。
前世で食べた旨味成分たっぷりのカップラーメンよりも美味しい。ドレイク家で家族揃って食べたご飯と少し似ているような気がする。
「いや、なぜかわからないが一人で食べるときより美味いと思ってな。前から不思議だったんだが、やっと美味い理由がわかったんだ」
「そ、それは悪い気はしませんねっ!」
エリスは顔を真っ赤にして水を呷った。
「ふむ……それにしても、どんな魔法を使ってるんだ?」
「それは多分魔法じゃないわよっ!」
「魔法じゃなかったら、なんなんだ?」
俺の問いにエリスは黙り、リーナが次のように答えた。
「ううん……精神的なもの?」
一番しっくりくるような気はする。
まあ、そのうち答えはわかるだろう。
◇
「そういえば待ち合わせ場所決めてなかったじゃない……! ユーヤ、どうしよう……」
リーナが珍しく慌てていた。
レムとアミの二人とは昨日別れたきりで、確かに待ち合わせ場所などを具体的に決めていなかった。だが、それほど慌てることじゃないと思うんだがな。
「王都を探すとなると骨が折れるわね……ギルドの周りに絞ったとしても範囲が広すぎるわ」
「二人とも落ち着け。慌てるようなことじゃない」
「でも……どうすれば……」
なおもリーナは心配しているらしい。やれやれ、安心させてやるか。
「俺は何もしない。何もしなくても解決するからな。ほら、ついてこい」
リーナとエリスを説得し、院門の前にやってきた。
「え!? なんで二人がここに!?」
院門の前にはレムとアミが俺たちを待っていた。
不思議そうにリーナとエリスの二人が俺を見る。
まあ、本気でわかっていないようだし説明は必要か。
「本気で何かを教えてもらいたければ、自ら尋ねにいくものだ。……まあ、俺は二人を試していたというわけさ」
「な、なるほど……さすがはユーヤね!」
「私には想像もできなかった。本当に凄い!」
本音を言えば少しだけ心配ではあったのだが、ちゃんと二人揃ってきてくれた。
これで俺を師として意識させることができる。
「さて、今日の修行だがな。リーナとエリスにも参加してもらおうと思う。姉弟子として見習うようにな」
「「はい!」」
レムとアミの二人が元気よく返事した。
逆に、リーナとエリスの二人は「えっ」と驚いている。
「お前ら二人も俺の目から見ればまだまだだ。先輩として後輩に恥じない姿を見せてやってくれ」
そう言って、俺は【空間転移】を使う。
場所は学院地下のダンジョンだ。教師の同伴であれば自由に使うことができるので、絶好の修行スポットだ。魔法学院の生徒ではない者が入っていいかどうかはわからないが、文句を言われたら俺の口利きでどうにでもしてしまえばいい。
第一層に大した魔物はいないので、修行に集中できる。
「さて、まずは手始めに、素振り千回だ」
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