4M のメモリー 16 完

asabato

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綺麗な女性の写真が連続して　1

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　転職して3ヶ月が経ち、ようやく仕事にも人にも慣れて、気持ちに余裕も出来てきたので机の中を整理したくなっていた。

このスチール製の机は過去に誰かが使用したのは、汚れ具合で分かっている。それをやっと自分の机として、片付けることが出来ると喜んでいたが、いざ引き出しを整理すると使用感のあるハンカチ、古いサングラスに古ぼけた小銭入れ・・前の人は男だと知ると片付ける気も無くなりそうだった。

隣の仲良くなった先輩に「これ捨てていいですか」そう聞いていた。

「もう辞めた人だから捨てていいわよ」

「いらないのかな？」でも大切な物があるかもと仕事の合間に整理していた。

すると一番下の引き出しの奥のゴミの中から、S Dカードが出てきた時は捨てられず迷った。4Mという、今では製造もしてないようなメモリーカードである。

会社の情報なのか、または個人的なものなのかは理解出来ないまま、放置して1ヵ月。そして解決出来ないメモリーカードが置いてあるうちは、他人の机のように場所を陣とっていた。

私が与えられたPCは古いデスクトップ型で、残念ながらSDカードスロットが無いから、この場でデーターの確認は出来ない。

もし会社のデーターがあれば報告しなければならないが、私物で忘れものした男の嫌らしい画像が出てくれば、黙って捨てたい気持ちもあるし、先輩にも話すことも出来ないでいた。

4Mの誰も使わないようなメモリーカードを手にしてポケットに入れたのが大失敗してしまう。

・・
それが、いつの間にか持ってなければいけないという強迫観念が、家まで持ち込んでしまったのだ。

結局、ドキドキしながら人のものを盗み見るように、自分のノートパソコンに差し込んでいる。すると綺麗な女性の写真が連続して出てきたのには安心するけど驚いてしまう。

スクロールしても同じ人ばかりでと思ったが、男の写真も載っていた。綺麗な女性の彼なのかな？と・・ただ、2人で映る写真は見つからず、1人でポーズをとっている写真ばかりが気になっていた。

モニターに写る画像を改めてもう一度見ても、うっとりするほど綺麗な女性、脚も長く細くて羨ましいほどである。

・・
翌日に、もう一度先輩に聞いてみた「もしかして、辞めた人は女性ですか」と。

分厚いファイルを持ちながら忙しそうに「男よ」そう言うと足早に消えた先輩。　

「やっぱり勘違いか・・男なんだ？」あの綺麗な女性は、辞めた彼の恋人と考えるのが当然のように思えると、もうどうでもいいかと忘れることにした。

「どうしたのさ？」

「あ！いいえ、何でもないです」何で辞めたのかな・・？なんて、質問する立場でないし、それ以上知りたい気持ちを問うのはなかった。つづく

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