4M のメモリー 16 完

asabato

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男か女か確かめてみたい気も 8

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 「お世話になったからサービスするよ」そう言って成瀬が笑うと、女装している笑顔に似ていた。成瀬と言う男は普段は男の格好しているのだろうか?

「あのさ、美容師の資格持ってたのは知ってたけど、女の髪を触るのが嫌だって言ってなかった ? 」

 「そうそう 髪が長いから洗髪したくないとか、ひどいこと言ってたよね」先輩が追い討ちを掛ける。

成瀬は文句言われても笑顔を絶やさず、優しそうな人物に見えた。そんな人柄を見抜きメモリーを渡す気になり「引き出しに入っていたので」

 「あ!、そんなとこにあったんだ ?」と、探していたようだった。

 先輩が「なにそれ ?」

 成瀬は礼を言うと「自分の写真です」
 
私は写真の全てを知ってたが、黙って渡したら見た?とでも言うように見つめられたので、私は手で顔を覆うような格好をしてしまった。

それは私だけに問いかけてきたようで・・すいません見てしまいました・・と態度で示した形になった。彼は親指を立てて合図をしてくる。

先輩たちは成瀬の写真など、どうでもいいと考えているようで興味を示さない。

私は「きれいです、あっ、そうじゃなくて写真撮るのが上手ですね」女装とは言わずに、慌ててそんなことを言っていた。

成瀬もそれに応じて「公園で撮った写真です」

写真がバレてしまったことで恥ずかしそうにしたが、秘密は知られて嬉しかったようにも思える「ありがとう」思いがけない言葉が返ってくる。

 そこに先輩たちが入り込んで「ねー、付き合っていた彼女とは、どうなったの?」

 「え? 別れたよ」

 私は、成瀬の女装癖がバレたのだろうと、笑いを堪えていたら、先輩たちは別れた理由については興味がなかったようで、それより成瀬には彼女がいたということは、好意を持つのは男なのか?女なのか?どっち何だろう。男か女か確かめてみたい気もする。

不思議なもので秘密も共にするような感覚になっている。私の憧れている女装の彼がここに居て、彼の秘密を知っている私は、成瀬にどう思われているのだろうか。

 成瀬は美容の仕事上、火曜日に出没してたのかと思うと、あの時代遅れの 4Mのメモリーの中の彼女には会えそうもなかった。

彼女に会いたい、いつか同性の友達として一緒に旅行してみたい気持ちにも膨らんでいた。つづく
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