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その一 「高潔な探検隊」
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隙間風もないのに蝋燭の炎が揺れる。語り手の話がまだ終わっていないからだ。周囲には同じくらいの長さをした蝋燭が後八十七本残っている。時刻は丑三つ刻に差し掛かろうとしていた。
「お前だーっ!!」
安岡の叫び声ともとれるようなオチで閉じかかっていた瞼が大きく開く。
「芝、お前今寝かかってなかったか?」
「そんなわけないだろ」
嘘だった。もう数秒遅ければ落ちていた。大体この環境も良くない。暗闇の中で火のついた蝋燭がこれだけ周りにあれば何もせずとも体が程よく温まってしまうのである。もしかしたら酸素の減りも早くなっているのかもしれない。安岡が火を吹き消して残りは八十六本になった。
ここまで書くと察しのいい読者は気付くかもしれないが我々は今百物語に興じている。これが昼間は海水浴を楽しみ、夕食後の花火を青春のデザートとした大学のテニスサークルがやっていることなら爽やかなのかもしれないが、残念ながら我々は野郎四人のちっぽけなミステリ同好会だ。学内には「ミステリ研究会」という準リア充的な中規模サークルもちゃんと存在するが、それとは一線を画して洗練された少数精鋭が日夜新本格と言われる世代を中心に……うむ、まどろっこしいのはやめよう。要はそこに馴染めず、或いは爪弾きにされた者が掃き溜めのように集まった情けない同好会なのだ。
ゼミやバイトなど日頃の愚痴を食堂でこぼし合うのが基本的な活動だったがこのままでは単なるインセルになりかねないと会長の安岡が珍しく奮起、かと言って女子学生を呼んできたりする技術や伝手もないため【とりあえず外に出よう】をスローガンに大学のサークル施設を何とか借りてきたのだ。もっともこの時点で安岡は「これでリア充共の青春の一部を占領してやった」とほくそ笑んでいたためもう手遅れかもしれないが。
「じゃあ次は俺だな」
飲みかけの缶チューハイを脇に置いて山形が言った。もう四週目ともなると大体の話のクセが見えてくる。この山形、普段の話は特段気にならないが何故か怪談になると非常につまらなくなるという欠点が今日明らかになっている。最初の話は窓ガラスに手が映っていただけ、その次は首が空を飛んでくるが舞台が花畑なので妙なファンシーさを残して終わり、三回目に至っては完全に落語の「蛇含草」だったので皆ひどい面持ちで聞いていた。
「次こそはまともなやつにしてくれよ」
安岡がヤジを飛ばす。
「大丈夫だよ。次こそは本物だ」
そうだ、こいつタチが悪いことに全部本当にあった体で話してくるのだ。
「明治時代にあった雪山探検隊の話なんだけどさ……」
──我々は高潔な探検隊だ。そう息巻いて出発したのはもう何日前だろうか。震えるガラス窓から外を見る。この山小屋を見つけることができなければ今頃は華族の子息たち五人の氷漬け遺体が出来上がっていただろう。闇の中を吹雪の音だけが響いている。
「そしたら、今から仮眠を取るけどルールを決めていこう」
隊長は普段の訓練の調子で隊員たちに呼びかけた。
「まず見張りをする者が小屋の真ん中で一時間過ごす。それが終わったら四隅の誰かを起こして交代する。交代した者は真ん中に移動してまた一時間過ごす。それを繰り返して全員が見張りを終えたら丁度五時間。その頃にはもう朝だ」
「待ってくれよ。それじゃ誰が見張りをやって誰がやってないか見分けが付かないんじゃないか? そしたらやってないのに見張りをやったと言い張る者も出るし、逆に見張りを二回する羽目になる者が出てくる可能性もある」
隊員の一人が怠そうに発言した。確かにその抗議は的を得ているし、さらに厄介な可能性も残っている。山小屋の暖房が機能していないためあまり長い睡眠は命を落とす危険性があるのだ。うっかりで誰にも起こされぬまま死んでいくのは哀れにも程がある。しかし隊長は狼狽える様子も見せず堂々とポケットから何かを取り出した。
「だから一度見張りをやった者はこれを取り付けてもらう」
夜光塗料の付いた布だった。大きさは縦十センチ横五センチくらいの長方形だ。
「裏に松脂が付いているから肩に貼っておけば見張りの間違いもなくなる。これは中央に置いてあるから見張りをやった者しか貼れないようになっている。我々は高潔な探検隊だ。こういうこともフェアにいこうじゃないか」
それがあることで見張りの証明になるのか。隊長の用意の良さに隊員たちは皆感心しているようだった。しかしなぜこんな手のかかる方法で見張り番を立てる必要があるのだろう。その理由は凍死を避ける最低限の安全性の他にもう一つあった。
隊長の足元にあるリュック、そこから微かに見える魅力的な煌めき。俺たちの隊はこの山の頂上で黄金を発掘したのだ。黄金は延棒状になっており、計五本である。無事下山できたら山分けという暗黙の了解が決まった矢先に発生した吹雪だった。
本当に見張る必要があるのは仲間の安全ではない、この黄金の本数だ。
「それでは最初の見張りを決める。このくじを一本ずつ引いてくれ──」
「そして次の朝には皆死んでたんだ」
「待て待て待て」
僕と安岡のツッコミは完全に被っていた。
「今の流れからどうやってそうなるんだ!」
「もっと黄金の取り合いとか起こされるはずのない見張りとか色々あるだろ!」
「そうか? この流れが一番怖いって聞いてたんだが」
山形自身何が悪いのかわかっていない。高級食材を強火しか知らない料理初心者に与えるとこういう顔になりそうだ。
「大体全員死んでるんなら誰がこの話をここまで伝えたんだよ」
僕のもっともらしい疑問に安岡も横で頷く。
「えっと、確か小屋に来た救助隊が血塗れの手記を発見したんだったような……」
山形は自信無さそうに答えた。
「だったようなって何だよ。どうせネットに載ってたもん引っ張ってきたんだろ?」
安岡が肩をすくめる。
「違う違う、これは俺のじいちゃんから聞いた話なんだ。ただじいちゃんもボケてきてるから細かいところが毎回適当でさ」
「山形、怖くなくていいから何か思い出せないか? このまま消化不良だと別の意味で眠れなくなる」
僕はどうにか追加情報がないかと山形の肩を揺らした。
「ええと……そうだなあ。共通してるとこだと、救助隊が朝方発見して、ほとんどの死因が刺殺だった。それぞれ手持ちのサバイバルナイフで刺されたんだと。そして……ああそうだ、確か死体の中に一人だけ夜光布を付けてないやつがいたんだよ。あと黄金が五本全部無くなっていて、リュックの中には僅かな食糧しかなかったそうだ。それくらいかな。だから黄金の霊が探検隊を皆殺しにしたんだって噂になって……」
それを丁寧に話した方が怪談として成立したのではなかろうか。しかし黄金の霊とは何だろう。まだ墓を荒らしたから呪われたと言う方が説得力はある。
「……その黄金を盗んだ者がいる、というのが妥当でしょう」
一歩下がったところから落ち着いた声がした。今まで沈黙していた、と言えば聞こえはいいが要は人の怪談になると興味が失せるのかまるで上の空だった浮羽がようやく口を開いたのだ。
「最終的に一人称で伝わっているから混乱するのかもしれませんが、話を撒いた人間がいるとすればそれは救助隊か警察です。恐らく現場の状況からルールを推測したに違いない。であれば発見当時死体は四隅に一つずつ、残りの一人は中央かそれに近いところにいたのでしょう」
「何だどうした」
安岡が呆気に取られている。
「なあ、怪談として盛り上げたいだけから別にそこまでの情報はなくても」
何だか非常に面倒くさくなりそうな予感がした。浮羽の悪い癖がまた始まってしまう。僕はまだ長い蝋燭を見た。残念なことに彼が話し終える頃には恐らくこの部屋の中も暗闇になってしまっている可能性が非常に高い。
「怪談? 何を言ってるんですか? この話はどう考えても殺人事件です。証明できそうな気がします」
始まってしまった。元ミステリ研究会エース浮羽創也の悪癖、場の空気を完全に破壊する『謎解き』が。
「つまり話の通りにいくと、探検隊の配置は最初こうだったはずです」
広げられたルーズリーフに浮羽は慣れた手つきで図を書いていく。
「くじ引きで決まった見張りの順番は聞いてますか?」
「いいや」
山形は首を横に振った。
「では最初の見張りをAとします。実際これが最初で最大のチャンスです。何せ無防備の人間が四人も自分の周りにいることになりますから」
「じゃあそれで決まりじゃないか。Aが他の全員を殺して黄金を盗んだんだ」
そう言って山形は残った缶チューハイを一気に飲んだ。
「ところがそうはいかないんです。救助隊は全員の死体を定位置で見つけていますから。この前提がある限りAは小屋の真ん中で自殺してなければならない」
「やっぱりホラーじゃないか。どこのお化けにやられたんだ?」
僕の質問に浮羽はチッチッと指を振った。まだ容姿がいい方だからスルーされているがこれを僕や安岡がやっていたら全員から殴られているだろう。
「まだホラーと断定するには早い。少なくともこの話で『Aに犯行はできない』という説が出来上がりました。先程も言った通り黄金だけどこかにやって自殺しなきゃいけないわけですから」
「ちょっと待て」
安岡が遮った。
「その理屈でいくとくじの二番目から最後まで誰も犯行ができないじゃないか。どういう経緯を辿るにしても最後は自殺しなきゃいけないわけだから」
「会長は鋭い。その通りです」
心なしか嬉しそうにする安岡を見てため息をつく。このペースでいったら翌日の昼まで話が続くぞ。
「じゃああれだ、見張りが寝込んで全員凍死。申し訳ないけど単なる事故だよこれは」
さっさと切り上げるために強引に結論づける。あと四時間弱で八十以上も話をしなければならないのだ。最後の方では一言二言で終わらせることになってしまう。驚異的なストーリーテリング能力が求められる展開になりそうだ。
「でも死因は刺殺だぞ。それに黄金の行方は?」
山形がとぼけた顔で尋ねてくる。
「それは……救助隊がネコババしたんじゃないのか。そして死体にナイフで傷をつけた。明治の頃だから検死もそこまで正確じゃなかったのかも」
咄嗟に出たとは言え我ながらなかなか筋の通った推理ではないのか。浮羽も驚いたように目を見開いていた。
「副会長も冴えてますね。うん、その説も結構イイ線いってると思います。だけど一つ大きな矛盾が発生する」
「矛盾?」
そんなに大胆な説を唱えたつもりはないのだが。
「黄金の存在です。救助隊の誰かが持ち帰ることは難しいでしょう。それに五人分も死体があれば警察の動きも迅速になります。救助隊全員で黄金を隠蔽する可能性も考えられるが、そうなればこの都市伝説に黄金の存在が出ること自体がおかしくなる。自分たちが盗んだことを暴露してるようなものですから」
「なるほど。全員の怪死で済むはずの話が、黄金が絡むことで不可能犯罪になってるのか」
安岡の相槌により奇妙な怪談は完全に殺人事件へと発展していた。大体そんな話が本当にあったかどうかも眉唾ものだ。かわいそうな探検隊も恐らく実在していないのだろう。しかし浮羽は急に何か思いついたようでルーズリーフにボールペンを走らせていた。
「そう、定位置で五人発見されたということは現場も恐らく吐き気を催すほどに凄惨なものではなかったはずです。よって熊に襲われたり全員で乱闘したわけでもない。もちろん居眠りによる凍死でもない。では彼らの間で一体何が起こったのか……」
もう何が起こっても怖い話にはならなさそうだな。諦めながら僕は二本目の缶ビールを開けた。
「ピースは揃いました。後はパズルを組むだけです」
そう言って浮羽は一本蝋燭を吹き消した。そういう使い方じゃないんだけどなあ。
テーブルの四隅、そして中央にも蝋燭が置かれている。普通に照明も点いている。この話が終わったところで誰も百物語をやる気はなさそうだ。
「まずAが見張りを終える。そして二番目、Bということにしましょうか。時間が来たのでAはBを起こしに行った」
浮羽は中央の蝋燭を右下隅に動かし、そこにあった蝋燭と並べる。そのまま中央から寄せた方の蝋燭を吹き消した。
「しかしBは眠っていたのではなくナイフを抜いてAを待ち構えていた。Aはこの起こしに行ったタイミングでBに殺されたんです。そして……」
そう言いながら今度はBの蝋燭を中央に動かした。
「Bは何食わぬ顔で見張りにつく」
「で、ここからどうするんだ」
安岡が既に消えた蝋燭を指で回している。
「Bはくじの三番目、Cを起こしに行く」
中央の蝋燭を今度は左上隅に動かす。
そして、先程と同様に中央から動かした蝋燭を吹き消した。
「えっ」
思わず声を上げてしまった。これではまるでCがBを殺した……。
「そう、Cも一時間前のBと全く同じことをやったんです」
偶然同じアイデアを思いついたのか、はたまたBがAにした凶行にどこかで気づいたのか、いずれにしても今度はCがBを殺したのだ。
「ここまで理解ができれば次のフェーズは簡単です」
浮羽はそうしてCの蝋燭も入れ替えながら吹き消した。そしてDと称した右上隅の蝋燭を中央に移動させる。火がついているのはその蝋燭と後一つ、左下隅の蝋燭だ。既に時間はかなり経っているようで、ボールペンほどの長さだった蝋燭も親指のサイズまで小さくなっていた。
「自然な流れで考えるなら、先程と少し状況は変わってCはDを起こすのではなく殺そうとするはずです。すんなり成功すればそのままEも殺そうとしたでしょう。しかしDに返り討ちに遭ってしまった。奇しくもA、Bと同じ状況になってしまったわけです。だがDも既に極寒の中で三時間眠っていたため体力が落ちている。カウンターは綺麗に決まるはずもなく……相討ちに近い状況だったのではないでしょうか」
息を切らせながら弱った体を動かすDを想像する。今は生き残っても朝まで体力が保つかどうかわからない。Eを起こしたところでこの惨状を見ればまたもや殺し合いになりかねない。
「そこでDは動くのをやめた。これによって最終的にEは凍死する結果になります。山形君の話にあった『ほとんどの』死因が刺殺だったこと、蛍光色のテープを貼ってない隊員が一名いたことの謎がこれではっきりしました」
「ん? 結局黄金の話は解決してないんじゃないか?」
安岡の言葉に僕も頷いた。これで全員死んでしまっては誰が黄金を持ち出したかわからない。
「黄金は幽霊なんですよ」
「幽霊?」
まさかここまで散々引き伸ばして結局呪いの話で締めるのだろうか。床を見るともう蝋燭の火はほとんど消えており、テーブルにあるDとEに見立てた二本だけが今まさに燃え尽きようと揺らめいていた。
「黄金の存在も本数も、確認できるのは救助隊が発見した手記の中だけなんです」
その一言でハッとなった。話のベースが救助隊の発見した手記ならば、確かにそれ以降誰も黄金の話を聞いていないのも変な話だ。
「瀕死のDは残された力で手記を書いた。『そもそも存在していなかった』黄金を自分たちが見つけたという体にしてね。その上でこの不可解な状況が発見されればきっと黄金に絡んだ外部の者、それも得体の知れない何者かが彼らを殺したのだと発見者たちは推測する。実際の争いの火種は、恐らく僅かに残された食糧の方でしょう」
「ちょっと理解が追いつかないんだが……」
安岡が訝しげに尋ねる。
「どうしてそんな周りくどいことをする必要があるんだ? 遭難して食糧の奪い合いというのは珍しい話でもないだろう」
「後世の我々からしたらそう思えるかもしれません。しかし彼は自分たちの死を浅ましい争いの末に起きた結果には絶対にしたくなかったのです」
手帳に血が付くのも厭わずに、一心不乱になって手記を綴る男がいる。彼らはもっと崇高な目的で旅に出たはずだ。他の者とは違う、大海のような志もあったのだろう。それがこんな低俗な幕切れになってしまうことが彼は悔しくて仕方なかったのではないか。だから黄金を作り出してでもこの事件を迷宮入りにさせたかったのだ。そんな想像が頭に浮かび、ふと目を落とすと二本の蝋燭はいつの間にか消えていた。
「だって彼らは『高潔な探検隊』なのだから」
了
「お前だーっ!!」
安岡の叫び声ともとれるようなオチで閉じかかっていた瞼が大きく開く。
「芝、お前今寝かかってなかったか?」
「そんなわけないだろ」
嘘だった。もう数秒遅ければ落ちていた。大体この環境も良くない。暗闇の中で火のついた蝋燭がこれだけ周りにあれば何もせずとも体が程よく温まってしまうのである。もしかしたら酸素の減りも早くなっているのかもしれない。安岡が火を吹き消して残りは八十六本になった。
ここまで書くと察しのいい読者は気付くかもしれないが我々は今百物語に興じている。これが昼間は海水浴を楽しみ、夕食後の花火を青春のデザートとした大学のテニスサークルがやっていることなら爽やかなのかもしれないが、残念ながら我々は野郎四人のちっぽけなミステリ同好会だ。学内には「ミステリ研究会」という準リア充的な中規模サークルもちゃんと存在するが、それとは一線を画して洗練された少数精鋭が日夜新本格と言われる世代を中心に……うむ、まどろっこしいのはやめよう。要はそこに馴染めず、或いは爪弾きにされた者が掃き溜めのように集まった情けない同好会なのだ。
ゼミやバイトなど日頃の愚痴を食堂でこぼし合うのが基本的な活動だったがこのままでは単なるインセルになりかねないと会長の安岡が珍しく奮起、かと言って女子学生を呼んできたりする技術や伝手もないため【とりあえず外に出よう】をスローガンに大学のサークル施設を何とか借りてきたのだ。もっともこの時点で安岡は「これでリア充共の青春の一部を占領してやった」とほくそ笑んでいたためもう手遅れかもしれないが。
「じゃあ次は俺だな」
飲みかけの缶チューハイを脇に置いて山形が言った。もう四週目ともなると大体の話のクセが見えてくる。この山形、普段の話は特段気にならないが何故か怪談になると非常につまらなくなるという欠点が今日明らかになっている。最初の話は窓ガラスに手が映っていただけ、その次は首が空を飛んでくるが舞台が花畑なので妙なファンシーさを残して終わり、三回目に至っては完全に落語の「蛇含草」だったので皆ひどい面持ちで聞いていた。
「次こそはまともなやつにしてくれよ」
安岡がヤジを飛ばす。
「大丈夫だよ。次こそは本物だ」
そうだ、こいつタチが悪いことに全部本当にあった体で話してくるのだ。
「明治時代にあった雪山探検隊の話なんだけどさ……」
──我々は高潔な探検隊だ。そう息巻いて出発したのはもう何日前だろうか。震えるガラス窓から外を見る。この山小屋を見つけることができなければ今頃は華族の子息たち五人の氷漬け遺体が出来上がっていただろう。闇の中を吹雪の音だけが響いている。
「そしたら、今から仮眠を取るけどルールを決めていこう」
隊長は普段の訓練の調子で隊員たちに呼びかけた。
「まず見張りをする者が小屋の真ん中で一時間過ごす。それが終わったら四隅の誰かを起こして交代する。交代した者は真ん中に移動してまた一時間過ごす。それを繰り返して全員が見張りを終えたら丁度五時間。その頃にはもう朝だ」
「待ってくれよ。それじゃ誰が見張りをやって誰がやってないか見分けが付かないんじゃないか? そしたらやってないのに見張りをやったと言い張る者も出るし、逆に見張りを二回する羽目になる者が出てくる可能性もある」
隊員の一人が怠そうに発言した。確かにその抗議は的を得ているし、さらに厄介な可能性も残っている。山小屋の暖房が機能していないためあまり長い睡眠は命を落とす危険性があるのだ。うっかりで誰にも起こされぬまま死んでいくのは哀れにも程がある。しかし隊長は狼狽える様子も見せず堂々とポケットから何かを取り出した。
「だから一度見張りをやった者はこれを取り付けてもらう」
夜光塗料の付いた布だった。大きさは縦十センチ横五センチくらいの長方形だ。
「裏に松脂が付いているから肩に貼っておけば見張りの間違いもなくなる。これは中央に置いてあるから見張りをやった者しか貼れないようになっている。我々は高潔な探検隊だ。こういうこともフェアにいこうじゃないか」
それがあることで見張りの証明になるのか。隊長の用意の良さに隊員たちは皆感心しているようだった。しかしなぜこんな手のかかる方法で見張り番を立てる必要があるのだろう。その理由は凍死を避ける最低限の安全性の他にもう一つあった。
隊長の足元にあるリュック、そこから微かに見える魅力的な煌めき。俺たちの隊はこの山の頂上で黄金を発掘したのだ。黄金は延棒状になっており、計五本である。無事下山できたら山分けという暗黙の了解が決まった矢先に発生した吹雪だった。
本当に見張る必要があるのは仲間の安全ではない、この黄金の本数だ。
「それでは最初の見張りを決める。このくじを一本ずつ引いてくれ──」
「そして次の朝には皆死んでたんだ」
「待て待て待て」
僕と安岡のツッコミは完全に被っていた。
「今の流れからどうやってそうなるんだ!」
「もっと黄金の取り合いとか起こされるはずのない見張りとか色々あるだろ!」
「そうか? この流れが一番怖いって聞いてたんだが」
山形自身何が悪いのかわかっていない。高級食材を強火しか知らない料理初心者に与えるとこういう顔になりそうだ。
「大体全員死んでるんなら誰がこの話をここまで伝えたんだよ」
僕のもっともらしい疑問に安岡も横で頷く。
「えっと、確か小屋に来た救助隊が血塗れの手記を発見したんだったような……」
山形は自信無さそうに答えた。
「だったようなって何だよ。どうせネットに載ってたもん引っ張ってきたんだろ?」
安岡が肩をすくめる。
「違う違う、これは俺のじいちゃんから聞いた話なんだ。ただじいちゃんもボケてきてるから細かいところが毎回適当でさ」
「山形、怖くなくていいから何か思い出せないか? このまま消化不良だと別の意味で眠れなくなる」
僕はどうにか追加情報がないかと山形の肩を揺らした。
「ええと……そうだなあ。共通してるとこだと、救助隊が朝方発見して、ほとんどの死因が刺殺だった。それぞれ手持ちのサバイバルナイフで刺されたんだと。そして……ああそうだ、確か死体の中に一人だけ夜光布を付けてないやつがいたんだよ。あと黄金が五本全部無くなっていて、リュックの中には僅かな食糧しかなかったそうだ。それくらいかな。だから黄金の霊が探検隊を皆殺しにしたんだって噂になって……」
それを丁寧に話した方が怪談として成立したのではなかろうか。しかし黄金の霊とは何だろう。まだ墓を荒らしたから呪われたと言う方が説得力はある。
「……その黄金を盗んだ者がいる、というのが妥当でしょう」
一歩下がったところから落ち着いた声がした。今まで沈黙していた、と言えば聞こえはいいが要は人の怪談になると興味が失せるのかまるで上の空だった浮羽がようやく口を開いたのだ。
「最終的に一人称で伝わっているから混乱するのかもしれませんが、話を撒いた人間がいるとすればそれは救助隊か警察です。恐らく現場の状況からルールを推測したに違いない。であれば発見当時死体は四隅に一つずつ、残りの一人は中央かそれに近いところにいたのでしょう」
「何だどうした」
安岡が呆気に取られている。
「なあ、怪談として盛り上げたいだけから別にそこまでの情報はなくても」
何だか非常に面倒くさくなりそうな予感がした。浮羽の悪い癖がまた始まってしまう。僕はまだ長い蝋燭を見た。残念なことに彼が話し終える頃には恐らくこの部屋の中も暗闇になってしまっている可能性が非常に高い。
「怪談? 何を言ってるんですか? この話はどう考えても殺人事件です。証明できそうな気がします」
始まってしまった。元ミステリ研究会エース浮羽創也の悪癖、場の空気を完全に破壊する『謎解き』が。
「つまり話の通りにいくと、探検隊の配置は最初こうだったはずです」
広げられたルーズリーフに浮羽は慣れた手つきで図を書いていく。
「くじ引きで決まった見張りの順番は聞いてますか?」
「いいや」
山形は首を横に振った。
「では最初の見張りをAとします。実際これが最初で最大のチャンスです。何せ無防備の人間が四人も自分の周りにいることになりますから」
「じゃあそれで決まりじゃないか。Aが他の全員を殺して黄金を盗んだんだ」
そう言って山形は残った缶チューハイを一気に飲んだ。
「ところがそうはいかないんです。救助隊は全員の死体を定位置で見つけていますから。この前提がある限りAは小屋の真ん中で自殺してなければならない」
「やっぱりホラーじゃないか。どこのお化けにやられたんだ?」
僕の質問に浮羽はチッチッと指を振った。まだ容姿がいい方だからスルーされているがこれを僕や安岡がやっていたら全員から殴られているだろう。
「まだホラーと断定するには早い。少なくともこの話で『Aに犯行はできない』という説が出来上がりました。先程も言った通り黄金だけどこかにやって自殺しなきゃいけないわけですから」
「ちょっと待て」
安岡が遮った。
「その理屈でいくとくじの二番目から最後まで誰も犯行ができないじゃないか。どういう経緯を辿るにしても最後は自殺しなきゃいけないわけだから」
「会長は鋭い。その通りです」
心なしか嬉しそうにする安岡を見てため息をつく。このペースでいったら翌日の昼まで話が続くぞ。
「じゃああれだ、見張りが寝込んで全員凍死。申し訳ないけど単なる事故だよこれは」
さっさと切り上げるために強引に結論づける。あと四時間弱で八十以上も話をしなければならないのだ。最後の方では一言二言で終わらせることになってしまう。驚異的なストーリーテリング能力が求められる展開になりそうだ。
「でも死因は刺殺だぞ。それに黄金の行方は?」
山形がとぼけた顔で尋ねてくる。
「それは……救助隊がネコババしたんじゃないのか。そして死体にナイフで傷をつけた。明治の頃だから検死もそこまで正確じゃなかったのかも」
咄嗟に出たとは言え我ながらなかなか筋の通った推理ではないのか。浮羽も驚いたように目を見開いていた。
「副会長も冴えてますね。うん、その説も結構イイ線いってると思います。だけど一つ大きな矛盾が発生する」
「矛盾?」
そんなに大胆な説を唱えたつもりはないのだが。
「黄金の存在です。救助隊の誰かが持ち帰ることは難しいでしょう。それに五人分も死体があれば警察の動きも迅速になります。救助隊全員で黄金を隠蔽する可能性も考えられるが、そうなればこの都市伝説に黄金の存在が出ること自体がおかしくなる。自分たちが盗んだことを暴露してるようなものですから」
「なるほど。全員の怪死で済むはずの話が、黄金が絡むことで不可能犯罪になってるのか」
安岡の相槌により奇妙な怪談は完全に殺人事件へと発展していた。大体そんな話が本当にあったかどうかも眉唾ものだ。かわいそうな探検隊も恐らく実在していないのだろう。しかし浮羽は急に何か思いついたようでルーズリーフにボールペンを走らせていた。
「そう、定位置で五人発見されたということは現場も恐らく吐き気を催すほどに凄惨なものではなかったはずです。よって熊に襲われたり全員で乱闘したわけでもない。もちろん居眠りによる凍死でもない。では彼らの間で一体何が起こったのか……」
もう何が起こっても怖い話にはならなさそうだな。諦めながら僕は二本目の缶ビールを開けた。
「ピースは揃いました。後はパズルを組むだけです」
そう言って浮羽は一本蝋燭を吹き消した。そういう使い方じゃないんだけどなあ。
テーブルの四隅、そして中央にも蝋燭が置かれている。普通に照明も点いている。この話が終わったところで誰も百物語をやる気はなさそうだ。
「まずAが見張りを終える。そして二番目、Bということにしましょうか。時間が来たのでAはBを起こしに行った」
浮羽は中央の蝋燭を右下隅に動かし、そこにあった蝋燭と並べる。そのまま中央から寄せた方の蝋燭を吹き消した。
「しかしBは眠っていたのではなくナイフを抜いてAを待ち構えていた。Aはこの起こしに行ったタイミングでBに殺されたんです。そして……」
そう言いながら今度はBの蝋燭を中央に動かした。
「Bは何食わぬ顔で見張りにつく」
「で、ここからどうするんだ」
安岡が既に消えた蝋燭を指で回している。
「Bはくじの三番目、Cを起こしに行く」
中央の蝋燭を今度は左上隅に動かす。
そして、先程と同様に中央から動かした蝋燭を吹き消した。
「えっ」
思わず声を上げてしまった。これではまるでCがBを殺した……。
「そう、Cも一時間前のBと全く同じことをやったんです」
偶然同じアイデアを思いついたのか、はたまたBがAにした凶行にどこかで気づいたのか、いずれにしても今度はCがBを殺したのだ。
「ここまで理解ができれば次のフェーズは簡単です」
浮羽はそうしてCの蝋燭も入れ替えながら吹き消した。そしてDと称した右上隅の蝋燭を中央に移動させる。火がついているのはその蝋燭と後一つ、左下隅の蝋燭だ。既に時間はかなり経っているようで、ボールペンほどの長さだった蝋燭も親指のサイズまで小さくなっていた。
「自然な流れで考えるなら、先程と少し状況は変わってCはDを起こすのではなく殺そうとするはずです。すんなり成功すればそのままEも殺そうとしたでしょう。しかしDに返り討ちに遭ってしまった。奇しくもA、Bと同じ状況になってしまったわけです。だがDも既に極寒の中で三時間眠っていたため体力が落ちている。カウンターは綺麗に決まるはずもなく……相討ちに近い状況だったのではないでしょうか」
息を切らせながら弱った体を動かすDを想像する。今は生き残っても朝まで体力が保つかどうかわからない。Eを起こしたところでこの惨状を見ればまたもや殺し合いになりかねない。
「そこでDは動くのをやめた。これによって最終的にEは凍死する結果になります。山形君の話にあった『ほとんどの』死因が刺殺だったこと、蛍光色のテープを貼ってない隊員が一名いたことの謎がこれではっきりしました」
「ん? 結局黄金の話は解決してないんじゃないか?」
安岡の言葉に僕も頷いた。これで全員死んでしまっては誰が黄金を持ち出したかわからない。
「黄金は幽霊なんですよ」
「幽霊?」
まさかここまで散々引き伸ばして結局呪いの話で締めるのだろうか。床を見るともう蝋燭の火はほとんど消えており、テーブルにあるDとEに見立てた二本だけが今まさに燃え尽きようと揺らめいていた。
「黄金の存在も本数も、確認できるのは救助隊が発見した手記の中だけなんです」
その一言でハッとなった。話のベースが救助隊の発見した手記ならば、確かにそれ以降誰も黄金の話を聞いていないのも変な話だ。
「瀕死のDは残された力で手記を書いた。『そもそも存在していなかった』黄金を自分たちが見つけたという体にしてね。その上でこの不可解な状況が発見されればきっと黄金に絡んだ外部の者、それも得体の知れない何者かが彼らを殺したのだと発見者たちは推測する。実際の争いの火種は、恐らく僅かに残された食糧の方でしょう」
「ちょっと理解が追いつかないんだが……」
安岡が訝しげに尋ねる。
「どうしてそんな周りくどいことをする必要があるんだ? 遭難して食糧の奪い合いというのは珍しい話でもないだろう」
「後世の我々からしたらそう思えるかもしれません。しかし彼は自分たちの死を浅ましい争いの末に起きた結果には絶対にしたくなかったのです」
手帳に血が付くのも厭わずに、一心不乱になって手記を綴る男がいる。彼らはもっと崇高な目的で旅に出たはずだ。他の者とは違う、大海のような志もあったのだろう。それがこんな低俗な幕切れになってしまうことが彼は悔しくて仕方なかったのではないか。だから黄金を作り出してでもこの事件を迷宮入りにさせたかったのだ。そんな想像が頭に浮かび、ふと目を落とすと二本の蝋燭はいつの間にか消えていた。
「だって彼らは『高潔な探検隊』なのだから」
了
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連はモテるからいつも、周りに女の子がいるのは慣れいてたがもやもやした気持ちになった
女の子は、薄い緑色の髪、ピンク色の瞳、ピンクのフリルのついたワンピース
誰が見ても、愛らしいと思う子だった。
それに比べて、自分は濃い藍色の髪に、水色の瞳、目には大きな黒色の眼鏡
どうみても、女の子よりも女子力が低そうな黄土色の入ったお洋服
どちらが可愛いかなんて100人中100人が女の子のほうが、かわいいというだろう
「こっちを見ている人がいるよ、知り合い?」
可愛い声で連に私のことを聞いているのが聞こえる
「ああ、あれが例の許嫁、氷瀬 美鈴(こおりせ みすず)だ。」
例のってことは、前から私のことを話していたのか。
それだけでも、ショックだった。
その時、連はよしっと覚悟を決めた顔をした
「美鈴、許嫁をやめてくれないか。」
頭を殴られた感覚だった。
いや、それ以上だったかもしれない。
「結婚や恋愛は、好きな子としたいんだ。」
受け入れたくない。
けど、これが連の本心なんだ。
受け入れるしかない
一つだけ、わかったことがある
私は、連に
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