討妖の執剣者 ~魔王宿せし鉐眼叛徒~ (とうようのディーナケアルト)

LucifeR

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† 五の罪――運命(さだめ)との対峙(肆)

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「お前はかつて、なぜ強くあり続けるのかと言ったが、単純だ。理想を実現するには、現実を変えねばならないが、それに必要なのは力。創るのも壊すのも、強者にのみ許された権利だ。その為に、俺は――誰よりも強くなってみせよう」
 ビルの屋上へと到った彼は、一面に控える同士たちを一瞥し、紫煙を吐き出した。
 次に、眼下に広がる夜明けの来ない世界を見渡すと、おもむろに告げる。
「バスティーユ監獄の襲撃が革命への第一歩だった。確かに、バカと犯罪者は使いようだ」


                † † † † † † †

 ドアが開ききるより早く、多聞さんが駆け込んできた。
「みんな、起きてるか!?」
「おっ、たもんまる!」
 こたつから上体を起こした拍子に、ベルゼブブがカゴのせんべいをぶちまける。
「まったく、どこに行っておったのだー」
 召喚者よりも先になついたのか、惨状に構わず歓喜の声を上げていたが、迎えに這い出ようとして、やっと落ちたせんべいに気づいたようだ。
「多聞さん、今日は戻らないんじゃなかったんすか?」
 食べようとする彼女を片手で押さえつけながら、犠牲者たちを拾い集めつつ質問する。
「茅原くんが……武力クーデターをやらかした」
 愕然と立ち尽くす三条。
「あの首席妖屠が…………」
「ま、とりあえず支部行こうぜ」
「いや、集まる時間も惜しいから現地で合流だってさ。くわしくは車の中で話すよ」
 多聞さんにうながされるまま、固まったままの三条を引っ張って乗り込む。


「優秀な軍人だった茅原くんがたった数十人で挙兵なんて、なにかしら考えてのことだろうし、東京湾に多くの怪魔の反応があるとも聞いた。まあ陸路は陸軍とヘルシャフトが構えてるから、僕らはお台場に展開して沿岸で迎え撃つ」
 南へとひた走る車で、銃のチェックを行いながら多聞さんの説明に耳を傾けるが、こんな事態なのに対応の早さが気になった。
 政府の指揮下にある軍や林原正俊なんかと、各国の承認と協力を得てるとはいえ、俺たち民間組織が連携して動いているのも違和感がある。あたかも、乱が発生することを知っていたかのような――――
「しっかし、連中がおかを北上しねーでも、勝手に殺し合いが始まりそうな組み合わせだな」
「林原くんもこういうときぐらいは大人になれる子だよ、たぶん。んで、こっちは中央に沢城所長。左翼にオネエ系最強の鞭使い、世界五位の赤崎権兵衛。右翼にかつての首席妖屠で、現四位のクロムウェル卿の七騎士コンビが布陣。そして、我々チーム多聞丸は、栄えある先鋒を任せられたよ」
「そいつは分かったけど、政府うえは何してるんすか」
「対話による平和的な解決を模索してるんだって。おこがましいことこの上ないねー。戦争を知らずに平和を語るなんて、見苦しくて腹立たしい」
「革命側の言い分に耳を貸そうなんて笑わせてくれますね。正しい戦争も間違っている戦争もねーのに。罪なき人々を巻き込んだことは許されない――どんな理由があっても、戦争は人殺しだ。で、今さらだけどヤツは何歳なんすか?」

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