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† 十四の罪――咎人たちの慟哭(弐)
しおりを挟む勢い良く振りかぶり、繰り出す撃ち込みは全力。
「そうまでして世を再生するっていうなら……ぼくは妖屠をやめてでも止める!」
幾度も斬りつけて突破したが、重なっていた別の柱が滑り出して脇腹を突いた。
「ごぶぅ……ッ!」
膝から崩れ落ち、悶絶する。なれど、顔を上げた彼女の瞳は、今なお闘気を失っていなかった。震える手で、再び得物を握る。
(……多聞さん、力を貸してください……!)
いつか彼に言われた言葉が、頭をよぎった。
「願うことは人間にゆるされた特権だ。人の想いというのは、時として不可能を可能にする。君が苦しいときは、だまされたと思ってやってみるといい。おじさんはウソなんか言わないよ。無理だと決めつけたら、なにも起きない。強く、鮮明に思い描くんだ」
止まっている暇は無かった。組織に属さくなった桜花にとって、今や任務は存在しない。逆に、その身は常に任務中にあるようなものだ。
無謀な挑戦だとは承知している。しかし、彼女はそれほどまでに――この世界を、人々を、愛してしまった。
「罪なき人の家族を――――」
亡き師の笑顔が脳裏に浮かび、激情が肢体を駆動させる。
「奪わないで!」
次から次へと障害物を斬り払い、遂に倒れている子どもの父と思わしき人物の元へと、桜花は達した。
(助け出さないと……ぼくのせいでバラバラになった隊のみんなにも顔向けできない……!)
しかし、時は待ってはくれない。無慈悲にも、火の手は強まる一方であった。
「せめて……娘だけでも…………」
男が絞り出すようにして、懇願する。
「あきらめないでください!」
懸命に瓦礫を持ち上げようと試みる少女。
「生きることを、あきらめないで……!」
「ありがとう、お姉さん。でももういいんだ……この子を連れて安全なとこへ。早くしないと火が――――」
巨大な残骸は動く気配がない。力を込める度、彼女の傷口に激痛が迸った。
「パパ死んじゃいやー!」
濁った天を衝く、娘の悲痛な叫び。
「お姉ちゃんヒーローなの? ならパパをたすけて! ヒーローは強いんだってパパいつも言ってるもん。パパたちがなにも心配しないでお仕事がんばれるの、ヒーローの人たちがいるからなんでしょ……?」
桜花が父を亡くしたころよりも幼い、少女の涙声が耳に刺さる。
「大丈夫。お姉ちゃんがヒーローの力を見せてあげるよ。そんなよくわかってらっしゃるパパさんを死なせるわけにはいかないからね」
微動だにしない巨塊。見知らぬ子どもに、何をできない約束をしているのだろう、と頭では理解している……してはいるが、どこの誰とも知れない生命が今、目の前で尽きようとしている、その現実が彼女には受け入れ難かった。
「お姉ちゃん、なんでないてうの? パパたすからないの……?」
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