【完結】嫌いな婚約者を抱いたら好きになってしまったらしい

ユユ

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王子殿下の恋人

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それから4年後、同い歳の俺達は成人パーティで3度目の再会を果たした。

現地集合でエスコート無し。
父上達は小言を言っていたが、“公女が望んでいないんだよ”と言うと黙った。

ファーストダンスは彼女と踊らなくてはならない。
彼女の手を取った。細くて柔らかい。初めて彼女に触れた瞬間だった。
 
ものすごく緊張してステップを乱しぶつかった。

「す、すまない」

「いえ」

彼女との会話もこれだけ。

彼女は俺を見ているようで見ていない。顔は上げているが僅かに視線をずらしている。

そこまで俺が嫌か。

ダンスが終わるとヴィクトル王子殿下が迎えに来ていた。

「レア、おいで」

「ヴィクトル」

「私と踊る番だよ」

「せっかくだから他のご令嬢と踊ればいいのに」

「レアと踊りたいんだ」

「いつも踊ってるじゃない」

「成果を見せるときだろう?慣れた君とがいい。
ほら。いいからおいで」

「分かったから引っ張らないで」

……なんだあれ。

殿下は嬉しそうにレアを見つめ、レアも楽しそうに見つめ返す。

〈素敵ね。お似合いだわ〉

〈息ぴったりね〉

〈殿下が公女の家に行ったり城に呼び付けたりして公女を離さないらしい〉

〈やっぱり公女なだけあるよな。凛としていて品がある〉

〈公女に釣り合うのはやっぱり王子殿下だな〉

〈相思相愛のね〉

は?

俺とは会おうとしないのに?
俺とは話そうとしないのに?
俺とは目も合わさないのに?

恋人同士!?

フェリックスは拳を握りしめ会場を後にした。



屋敷に戻り湯浴みの準備をさせた。

レアの感触を手から消したかったからだ。

彼女は公爵家の令嬢。
俺は格下の侯爵令息だから下に見ているのだと思った。

王命による婚約は政略結婚だ。
だが、レアは殿下を恋人にしている。
なら俺も恋人を作っていいはずだ。

婚姻して子を成しても、互いに愛人は別にいる政略結婚の貴族夫婦は珍しくないと聞く。中には妾として屋敷に住まわせる当主もいるらしい。

来年からは学園が始まるから出会いがある。
成人すれば夜会で出会いもある。
早く恋人を作ってしまおうと決意した。



そして翌年、学園に入学すると教室には制服を着たレアがいた。

席は俺が窓側の後ろ。
レアは一番前の入り口から二列目。
入り口側の隣にはアルフレッド・ベロン。ベロン公爵家の三男が座った。。

よりによって同じクラスだなんて。


隣の公子はレアと近い。
授業中も何かとレアに構うし教えている時もある。

初日は午前中だけで終わりだ。荷物を纏めていると息を切らした殿下が教室にやってきた。

王子「レア、アル。 行くぞ」

レ「え?」

公子「ほら。レア、行くよ」

レ「だってうちで食事の用意が、」

王子「朝に連絡を入れてある。いいからおいで」

レ「勝手なんだから」

公子「いつものことじゃないか」

殿下と公子はレアを連れ帰ってしまった。


夜に父上から学園初日について聞かれた。

「そうか。レア嬢と同じクラスか。声を掛けなかったのか?」

「席が離れてるし、殿下が迎えに来てベロン公子と帰りました」

「ああ、三男か。彼はヴィクトル王子殿下の側近に既に内定しているらしい。とても賢い子息だと評判だ」

未来の側近とも親しいのか。
俺と婚姻後も愛人として関係を続けるつもりか?

「ヴィクトル。時期は決めていないけど婚姻は決まっているのだから、少しでも関係を築くのですよ」

「…はい」

そんなこと言ったって、向こうに全くその気が無いんだから仕方ないじゃないか。






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