8 / 10
吐き出す
「俺が原因で、俺が悪いのは分かった。
だが勘違いしてもおかしくなかった」
「私に謝りたいの?責めたいの?」
「謝りたい。だけど、」
「ヴィクトル王子殿下とは幼馴染で親友です」
「誰もがそれ以上だと思っていても?」
「周りに誤解を受けていたのはなんとなく分かります。だけど貴方は私の顔も髪の色も好みじゃないと言っていたから気にしないと思っていました。
王命だから解消はできないと聞いて、せめて邪魔にならないようにと交流をしませんでした。
誕生日の贈り物をチケットにしていたのは、物として残らないからです。
私から残る物をもらっても不快だろうと思ったからです。
あれだけ大事にしてくださる殿下が婚約者だったらと思ったことも何度もありますが、身体を許したこともありません。口付けをしたこともありません。
貴方は違うようですけどね」
「っ!」
「妻になる予定だから犯してもいいと?」
「申し訳なかった」
「言い訳してるじゃない」
「ごめん」
そこに母上が現れて俺のことを説明した。
その後で、
「レア嬢には謝っても許されないことをしました。
昨夜のうちにご両親に知らせようとしましたが、内容がデリケートな話だったので、レア嬢の許可をもらってからということになりました。
ご両親への報告も、陛下への報告もレア嬢の思う通りになさってください」
「……許せるわけではありません。
ですが、こんなことを話したくありません」
「だとすると、婚約は続くことになります」
「回避したいのなら、侯爵家から理由を陛下に説明願いします」
「こんなことをしたフェリックスと夫婦になれますか?」
「ご子息は閨事は別の方と済ますでしょう。
私とは授からなかったといって愛人との子でも親類の子でも引き取って跡継ぎに添えてください」
「本当にごめんなさい、レア嬢」
俺達は退室して、レアの湯浴みをメイドに任せた。
その後、薬を塗りに入室しようとしたら追い払われた。
午後にはレアを公爵邸に送り届けたが、引き返してレアを捕まえた。
「レア!」
「…はい」
「何で城に泊まりに行くんだよ」
「はい?」
「殿下は間違いなくレアが好きなんだぞ!
泊まりなんて危険だろう!」
「……貴方ねぇ」
分かってる。レアにとって俺の方が危険とか言いたいんだろう?でも!
「公爵は、夫人は一緒なのか」
「いえ」
「なら俺がついて行く!」
「私は通訳に行くの」
「は?」
「今、他国の要人がいらしていて、言葉の壁があるの。通訳が病気で出てこれなくて、文官は文字は読み書きできても会話は無理だっていうから行くの」
「何でレアは話せるんだよ」
「うちのメイドがその国の出身で、幼い頃から教わっていたの。話せる者が多い言語より、話せる者が少ない言語を覚えた方がいいと思ったの」
「だけどっ!」
「……泊まりは止めるけど行ってきます」
「待ってるからな」
「?」
俺は夜に押しかけて、レアの帰りを待った。
公爵夫妻は困惑気味だった。
22時に帰ってきたレアを確認した。
「おかえり」
「!! 何で居るの」
「心配だから」
「……」
「ありがとう、レア」
そして俺は帰った。
それ以来、毎晩レアが屋敷にいるか確認しに通った。
公爵は呆れていたが、おかげで式の日取りは最短になった。
5ヶ月後に式を挙げてレアは侯爵邸に移り住んだ。
だが勘違いしてもおかしくなかった」
「私に謝りたいの?責めたいの?」
「謝りたい。だけど、」
「ヴィクトル王子殿下とは幼馴染で親友です」
「誰もがそれ以上だと思っていても?」
「周りに誤解を受けていたのはなんとなく分かります。だけど貴方は私の顔も髪の色も好みじゃないと言っていたから気にしないと思っていました。
王命だから解消はできないと聞いて、せめて邪魔にならないようにと交流をしませんでした。
誕生日の贈り物をチケットにしていたのは、物として残らないからです。
私から残る物をもらっても不快だろうと思ったからです。
あれだけ大事にしてくださる殿下が婚約者だったらと思ったことも何度もありますが、身体を許したこともありません。口付けをしたこともありません。
貴方は違うようですけどね」
「っ!」
「妻になる予定だから犯してもいいと?」
「申し訳なかった」
「言い訳してるじゃない」
「ごめん」
そこに母上が現れて俺のことを説明した。
その後で、
「レア嬢には謝っても許されないことをしました。
昨夜のうちにご両親に知らせようとしましたが、内容がデリケートな話だったので、レア嬢の許可をもらってからということになりました。
ご両親への報告も、陛下への報告もレア嬢の思う通りになさってください」
「……許せるわけではありません。
ですが、こんなことを話したくありません」
「だとすると、婚約は続くことになります」
「回避したいのなら、侯爵家から理由を陛下に説明願いします」
「こんなことをしたフェリックスと夫婦になれますか?」
「ご子息は閨事は別の方と済ますでしょう。
私とは授からなかったといって愛人との子でも親類の子でも引き取って跡継ぎに添えてください」
「本当にごめんなさい、レア嬢」
俺達は退室して、レアの湯浴みをメイドに任せた。
その後、薬を塗りに入室しようとしたら追い払われた。
午後にはレアを公爵邸に送り届けたが、引き返してレアを捕まえた。
「レア!」
「…はい」
「何で城に泊まりに行くんだよ」
「はい?」
「殿下は間違いなくレアが好きなんだぞ!
泊まりなんて危険だろう!」
「……貴方ねぇ」
分かってる。レアにとって俺の方が危険とか言いたいんだろう?でも!
「公爵は、夫人は一緒なのか」
「いえ」
「なら俺がついて行く!」
「私は通訳に行くの」
「は?」
「今、他国の要人がいらしていて、言葉の壁があるの。通訳が病気で出てこれなくて、文官は文字は読み書きできても会話は無理だっていうから行くの」
「何でレアは話せるんだよ」
「うちのメイドがその国の出身で、幼い頃から教わっていたの。話せる者が多い言語より、話せる者が少ない言語を覚えた方がいいと思ったの」
「だけどっ!」
「……泊まりは止めるけど行ってきます」
「待ってるからな」
「?」
俺は夜に押しかけて、レアの帰りを待った。
公爵夫妻は困惑気味だった。
22時に帰ってきたレアを確認した。
「おかえり」
「!! 何で居るの」
「心配だから」
「……」
「ありがとう、レア」
そして俺は帰った。
それ以来、毎晩レアが屋敷にいるか確認しに通った。
公爵は呆れていたが、おかげで式の日取りは最短になった。
5ヶ月後に式を挙げてレアは侯爵邸に移り住んだ。
あなたにおすすめの小説
我慢しないことにした結果
宝月 蓮
恋愛
メアリー、ワイアット、クレアは幼馴染。いつも三人で過ごすことが多い。しかしクレアがわがままを言うせいで、いつもメアリーは我慢を強いられていた。更に、メアリーはワイアットに好意を寄せていたが色々なことが重なりワイアットはわがままなクレアと婚約することになってしまう。失意の中、欲望に忠実なクレアの更なるわがままで追い詰められていくメアリー。そんなメアリーを救ったのは、兄達の友人であるアレクサンダー。アレクサンダーはメアリーに、もう我慢しなくて良い、思いの全てを吐き出してごらんと優しく包み込んでくれた。メアリーはそんなアレクサンダーに惹かれていく。
小説家になろう、カクヨムにも掲載しています。
最後に一つだけ。あなたの未来を壊す方法を教えてあげる
椿谷あずる
恋愛
婚約者カインの口から、一方的に別れを告げられたルーミア。
その隣では、彼が庇う女、アメリが怯える素振りを見せながら、こっそりと勝者の微笑みを浮かべていた。
──ああ、なるほど。私は、最初から負ける役だったのね。
全てを悟ったルーミアは、静かに微笑み、淡々と婚約破棄を受け入れる。
だが、その背中を向ける間際、彼女はふと立ち止まり、振り返った。
「……ねえ、最後に一つだけ。教えてあげるわ」
その一言が、すべての運命を覆すとも知らずに。
裏切られた彼女は、微笑みながらすべてを奪い返す──これは、華麗なる逆転劇の始まり。
夫が運命の番と出会いました
重田いの
恋愛
幼馴染のいいなづけとして育ってきた銀狼族の族長エーリヒと、妻ローゼマリー。
だがエーリヒに運命の番が現れたことにより、二人は離別する。
しかし二年後、修道院に暮らすローゼマリーの元へエーリヒが現れ――!?
その眼差しは凍てつく刃*冷たい婚約者にウンザリしてます*
音爽(ネソウ)
恋愛
義妹に優しく、婚約者の令嬢には極寒対応。
塩対応より下があるなんて……。
この婚約は間違っている?
*2021年7月完結
突然倒れた婚約者から、私が毒を盛ったと濡衣を着せられました
景
恋愛
パーティーの場でロイドが突如倒れ、メリッサに毒を盛られたと告げた。
メリッサにとっては冤罪でしかないが、周囲は倒れたロイドの言い分を認めてしまった。
婚約者のことが好きで好きで好きで仕方ない令嬢、彼に想い人がいると知って別れを切り出しました〜え、彼が本当に好きだったのは私なんですか!?〜
朝霧 陽月
恋愛
ゾッコーン伯爵家のララブーナは、3日間涙が止まらず部屋に引きこもっていた……。
それというのも、ふとした折に彼女の婚約者デューキアイ・グデーレ公爵子息に想い人がいると知ってしまったからだ。
※内容はタイトル通りです、基本ヤベェ登場人物しかいません。
※他サイトにも、同作者ほぼ同タイトルで投稿中。
冷酷公爵と呼ばれる彼は、幼なじみの前でだけ笑う
由香
恋愛
“冷酷”“無慈悲”“氷の貴公子”――そう恐れられる公爵アレクシスには、誰も知らない秘密がある。
それは、幼なじみのリリアーナの前でだけ、優しく笑うこと。
貴族社会の頂点に立つ彼と、身分の低い彼女。
決して交わらないはずの二人なのに、彼は彼女を守り、触れ、独占しようとする。
「俺が笑うのは、お前の前だけだ」
無自覚な彼女と、執着を隠しきれない彼。
やがてその歪な関係は周囲を巻き込み、彼の“冷酷”と呼ばれる理由、そして彼女への想いの深さが暴かれていく――
これは、氷のような男が、たった一人にだけ溺れる物語。
すれ違う思い、私と貴方の恋の行方…
アズやっこ
恋愛
私には婚約者がいる。
婚約者には役目がある。
例え、私との時間が取れなくても、
例え、一人で夜会に行く事になっても、
例え、貴方が彼女を愛していても、
私は貴方を愛してる。
❈ 作者独自の世界観です。
❈ 女性視点、男性視点があります。
❈ ふんわりとした設定なので温かい目でお願いします。