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あっけない終戦
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リタが挨拶をした。
「リアム王太子殿下にご挨拶を申し上げます」
「リタ、ご苦労だった」
「セラフィン殿下にご挨拶を申し上げます」
「リタ、ご苦労様」
「其方がウィリアム王太子か」
「はい」
「何だこの有様は」
「……申し訳ございません」
「怪我か」
「リアム従兄様、ウィリアム様は私を助けて斬られたのです」
「そもそも、」
怒りが滲んでいたリアムの気を逸らすかのように、イレーヌはリアムの服を少し引っ張って自身の方を向かせた。
「ありがとうございます、リアム従兄様、セラフィン従兄様」
「……声も可愛いな」
「兄上、私にもイレーヌを抱きしめさせてください」
「嫌だ」
「兄上!?」
リアムはセラフィンに譲らないまま説明を始めた。
「この隠し通路は城壁の外の森と繋がっていた。隠し通路にいた数人は始末したし、うちの兵士が隠し扉の前に立って見張っている。あとはどの程度紛れているかだが、男も女も裸にして調べればいい。ゾルディアの兵士なら、男には右胸の上の方に、女なら右太腿に刺青がある」
「なんだかあっけなかったですね、兄上」
「ゾルディアだぞ?話にならん。だからお前を連れてきたんだ」
「酷いですよ兄上」
「では、バロス辺境伯達の帰りを待つか。
ブクリエの戦士を投入したから直ぐに終わるだろう。それよりイレーヌ、リタ。お前達の腕前を見たいな」
「恐れ多いことでございます。私などではリアム王太子殿下のお時間を無駄にしてしまいます」
「ちゃんと加減はするさ。刺激を受ければより一層強くなろうとする。それはリタのためにもイレーヌのためにもなる」
「あの、私…剣はちょっと…」
「どうした」
「イレーヌ様のお身体では剣での戦闘は不向きです」
「確かにこの細さでは辛いかもな。ナイフは教えたのか?」
「はい」
「よし、」
「あの、リアム従兄様。今はちょっと」
「何故だ」
「ウィリアム様の手当てをしっかりしませんと」
「イレーヌの仕事ではないだろう。その程度の擦り傷で俺のイレーヌを侮辱したことが消えて無くなるわけではないぞ?」
「そんなこともありましたが、3人で仲良くしています」
「それはそれで気に入らないが…3人?」
「ナディア王太子妃殿下が可愛がってくださいます」
緩んだ従兄様の腕から抜け出して、ナディア様に抱き付いた。
「ナディア王太子妃殿下、挨拶が遅れたました。
ブクリエ王国 王太子リアムと申します」
リアム従兄様はナディア様の手を取りハンドキスをした。
「イレーヌ様の従兄上様にお会いできて光悦ですわ」
「エスペランス出身でしたね」
「はい」
「イレーヌは虐められていませんか」
「そんなことは無いと思います。
こんなに愛らしい子を虐めるわけないものね?イレーヌ」
「はい、ナディア様」
「この子のお転婆で寿命が縮みそうですが」
「イレーヌが危険なことを?」
「それはもう、」
ナディア様は、以前 襲われていた馬車の中の2人を助けに行ったことを話した。
「リタが鍛えたのです。リタも一緒なら普通の賊など何ともありませんよ」
「それでも私の寿命は確実に縮みました」
「イレーヌの寿命ではなく王太子妃殿下の寿命でしたか。ハハッ」
「笑い事ではございません。しっかりと従兄上様から言い含めてくださいませ」
そんな話をしている間にウィリアム様の手当が終わった。背中なので早く治るようリタが縫合した。
「で、この女は?」
「バロス家のお嫁さんで、ゾルディアに情報を流した人です」
「イレーヌを危険に晒したのだな?
処刑場へ連れて行け」
「嫌よ!私は大したことはしていないわ!」
「直ぐに殺すわけではない。辺境伯が戻ってくるまで生かしてやる。煩くすると舌を切り落とすぞ」
「っ!!」
ウィリアム様とナディア様は部屋に残して処刑場へ行くと、既に知らない男が裸にされ積み重ねた土嚢に縛り付けられて四つん這いの姿にさせられていた。
「誰でしょう」
「アレか?ゾルディアの国王だ」
「え!?」
よく見ると、裸だけど王冠が頭部に紐で括り付けられていた。
「一番最初にゾルディアの王城に行って こいつを捕らえた。そのまま俺は一部の部下とこいつを連れてバロス城に来た。残りの戦士は国境に置いてきた。イレーヌが心配だったからな。
ゾルディア軍を率いているのは第一王子だそうだ。生かして連れて来いといってあるから、親子が揃うぞ」
その後、下着姿にしたキャスリンを立たせたまま磔にした。
そして四つん這い姿のゾルディア王の尻の割れ目に蜂蜜を垂らし、キャスリンの腹を皮と肉だけナイフで裂いた。
「ギャアアアアッ!!」
腹の中に収まっていた腑が溢れ垂れ下がった。
「ここの主人が戻るまで、生き延びろよ」
磔柱ではあるが、手は片方だけ縛り、胸の上、胸の下、脚の付け根、膝、足首が縛られていた。
縛られていないもう片方の手で腹に触れ、それが腸で露わになりぶら下がっているのを見てしまったキャスリンは気を失った。
「つまらんな。鼻に水か煙を入れてやれ」
その後、鼻に水を入れられて咽せて目覚め、泣き叫ぶキャスリンの声がずっと響いていた。
「煩くてごめんな」
湯浴みをした後、リアム従兄様が髪の水気を取ってくれている。
セラフィン従兄様はバロス城の警備を渋々している。
「驚きました」
「嫌いになったか?」
「なりません」
「いつも寝顔しか見れなかったから嬉しいよ」
「私もです」
「イレーヌ、離縁してブクリエに来ないか」
「私は今のままで充分です」
「俺が充分じゃない」
「私はルフレーで育ちました。ブクリエ式には生きられません」
「イレーヌにそんなことは強要しない」
「それより、お母様はどう過ごしていらっしゃるかご存知ですか」
「ああ、叔母上は…」
お母様の話を聞いている間に眠ってしまった。
「リアム王太子殿下にご挨拶を申し上げます」
「リタ、ご苦労だった」
「セラフィン殿下にご挨拶を申し上げます」
「リタ、ご苦労様」
「其方がウィリアム王太子か」
「はい」
「何だこの有様は」
「……申し訳ございません」
「怪我か」
「リアム従兄様、ウィリアム様は私を助けて斬られたのです」
「そもそも、」
怒りが滲んでいたリアムの気を逸らすかのように、イレーヌはリアムの服を少し引っ張って自身の方を向かせた。
「ありがとうございます、リアム従兄様、セラフィン従兄様」
「……声も可愛いな」
「兄上、私にもイレーヌを抱きしめさせてください」
「嫌だ」
「兄上!?」
リアムはセラフィンに譲らないまま説明を始めた。
「この隠し通路は城壁の外の森と繋がっていた。隠し通路にいた数人は始末したし、うちの兵士が隠し扉の前に立って見張っている。あとはどの程度紛れているかだが、男も女も裸にして調べればいい。ゾルディアの兵士なら、男には右胸の上の方に、女なら右太腿に刺青がある」
「なんだかあっけなかったですね、兄上」
「ゾルディアだぞ?話にならん。だからお前を連れてきたんだ」
「酷いですよ兄上」
「では、バロス辺境伯達の帰りを待つか。
ブクリエの戦士を投入したから直ぐに終わるだろう。それよりイレーヌ、リタ。お前達の腕前を見たいな」
「恐れ多いことでございます。私などではリアム王太子殿下のお時間を無駄にしてしまいます」
「ちゃんと加減はするさ。刺激を受ければより一層強くなろうとする。それはリタのためにもイレーヌのためにもなる」
「あの、私…剣はちょっと…」
「どうした」
「イレーヌ様のお身体では剣での戦闘は不向きです」
「確かにこの細さでは辛いかもな。ナイフは教えたのか?」
「はい」
「よし、」
「あの、リアム従兄様。今はちょっと」
「何故だ」
「ウィリアム様の手当てをしっかりしませんと」
「イレーヌの仕事ではないだろう。その程度の擦り傷で俺のイレーヌを侮辱したことが消えて無くなるわけではないぞ?」
「そんなこともありましたが、3人で仲良くしています」
「それはそれで気に入らないが…3人?」
「ナディア王太子妃殿下が可愛がってくださいます」
緩んだ従兄様の腕から抜け出して、ナディア様に抱き付いた。
「ナディア王太子妃殿下、挨拶が遅れたました。
ブクリエ王国 王太子リアムと申します」
リアム従兄様はナディア様の手を取りハンドキスをした。
「イレーヌ様の従兄上様にお会いできて光悦ですわ」
「エスペランス出身でしたね」
「はい」
「イレーヌは虐められていませんか」
「そんなことは無いと思います。
こんなに愛らしい子を虐めるわけないものね?イレーヌ」
「はい、ナディア様」
「この子のお転婆で寿命が縮みそうですが」
「イレーヌが危険なことを?」
「それはもう、」
ナディア様は、以前 襲われていた馬車の中の2人を助けに行ったことを話した。
「リタが鍛えたのです。リタも一緒なら普通の賊など何ともありませんよ」
「それでも私の寿命は確実に縮みました」
「イレーヌの寿命ではなく王太子妃殿下の寿命でしたか。ハハッ」
「笑い事ではございません。しっかりと従兄上様から言い含めてくださいませ」
そんな話をしている間にウィリアム様の手当が終わった。背中なので早く治るようリタが縫合した。
「で、この女は?」
「バロス家のお嫁さんで、ゾルディアに情報を流した人です」
「イレーヌを危険に晒したのだな?
処刑場へ連れて行け」
「嫌よ!私は大したことはしていないわ!」
「直ぐに殺すわけではない。辺境伯が戻ってくるまで生かしてやる。煩くすると舌を切り落とすぞ」
「っ!!」
ウィリアム様とナディア様は部屋に残して処刑場へ行くと、既に知らない男が裸にされ積み重ねた土嚢に縛り付けられて四つん這いの姿にさせられていた。
「誰でしょう」
「アレか?ゾルディアの国王だ」
「え!?」
よく見ると、裸だけど王冠が頭部に紐で括り付けられていた。
「一番最初にゾルディアの王城に行って こいつを捕らえた。そのまま俺は一部の部下とこいつを連れてバロス城に来た。残りの戦士は国境に置いてきた。イレーヌが心配だったからな。
ゾルディア軍を率いているのは第一王子だそうだ。生かして連れて来いといってあるから、親子が揃うぞ」
その後、下着姿にしたキャスリンを立たせたまま磔にした。
そして四つん這い姿のゾルディア王の尻の割れ目に蜂蜜を垂らし、キャスリンの腹を皮と肉だけナイフで裂いた。
「ギャアアアアッ!!」
腹の中に収まっていた腑が溢れ垂れ下がった。
「ここの主人が戻るまで、生き延びろよ」
磔柱ではあるが、手は片方だけ縛り、胸の上、胸の下、脚の付け根、膝、足首が縛られていた。
縛られていないもう片方の手で腹に触れ、それが腸で露わになりぶら下がっているのを見てしまったキャスリンは気を失った。
「つまらんな。鼻に水か煙を入れてやれ」
その後、鼻に水を入れられて咽せて目覚め、泣き叫ぶキャスリンの声がずっと響いていた。
「煩くてごめんな」
湯浴みをした後、リアム従兄様が髪の水気を取ってくれている。
セラフィン従兄様はバロス城の警備を渋々している。
「驚きました」
「嫌いになったか?」
「なりません」
「いつも寝顔しか見れなかったから嬉しいよ」
「私もです」
「イレーヌ、離縁してブクリエに来ないか」
「私は今のままで充分です」
「俺が充分じゃない」
「私はルフレーで育ちました。ブクリエ式には生きられません」
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