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婚約者の不貞
夜のダンスフロアに曲がかかると主役のダンスが始まった。
「ミリアナ様ったら、相変わらず可愛いわ」
「レティシアだって綺麗じゃないか」
「ミリアナ様の誕生日プレゼントはあれで良かったのかしら」
「心配いらないよ。彼女のメイドに聞いたんだから」
そう話すのは私の婚約者クリスチャンだ。ボイズ公爵家の長男で、子供の頃は女の子みたいだったけど、その美貌を損なうことなく大人の男に成長した。
そして誕生日の主役でダンスをしているのはクリスチャンの学友で伯爵令嬢のミリアナ・ボロン。
可愛い顔で甘えるので令息に人気だが、同時に同性からは嫌われている。
ミリアナのダンスの相手は 彼女の婚約者で侯爵令息のディオン・ウィルソン。中性的なクリスチャンとは違い、ガッシリとした身体に男らしさのある端正な顔立ちだ。ディオンはタウンハウスが隣で私とは幼馴染だ。
「クリスチャン、そろそろ式の日取りを決めて教会の予約をしないと。ウェディングドレスも時間がかかるから半年は先じゃないと困るけど」
「そうだね、父上達に聞いてみるよ」
クリスチャンとの婚約はボイズ公爵家からの申し入れで成立した。理由は知らない。小さな頃の婚約で聞いていなかったし、その後も聞いたことはない。優しいクリスチャンに理由などわざわざ聞かなくてもいいと思っていた。
ディオン達は釣書で選んだと聞いているが、ディオンはミリアナを好きなのは確かだと思っている。
私はクリスチャンのことを どう思っているのだろう。もう家族みたいでよくわからない。
次は私達も踊り、その後 ミリアナが寄って来た。
「クリス様、次の曲で私と踊ってくださる?」
「喜んで。レティシアも踊っておいで」
「気が向いたらそうするわ」
2人を送り出してワインを口にした。
「レティシア」
「カーラ。来ていたの?」
「来たくなかったけど、未来のウィルソン侯爵夫人のパーティを理由なく断るなってお父様達に言われちゃって仕方なく。でも従兄と来たわ」
「ふふっ」
カーラは侯爵家のご令嬢で嫁ぎ先は伯爵家だ。
カーラの婚約者がミリアナに言い寄るようになり、両家で揉めた。カーラは他人の婚約者に馴々しいミリアナに腹を立てていて 嫌っている。
「相変わらずボイズ公子のことを愛称で呼んでいるのね」
「学友だからでしょう」
「でも、」
「ミリアナ様も1ヶ月後には婚姻だから、落ち着くわよ」
「そうかなぁ。箍が外れそうだけど」
「これはキャロン嬢、お久しぶりです」
「ボロン伯爵、ご招待いただきありがとうございます」
「ダンスにお誘いしてもよろしいですか?」
「え?」
「嫌ですか?」
「ぜひお願いします」
ミリアナの父親にダンスを申し込まれてしまった。
戻って来たミリアナに“キャロン嬢をお借りするので、その間 ボイズ公子をもてなすように”と言うと、私の手を取った。
ダンスが終わりクリスチャンを探すも見当たらなかった。
「レティシア、ミリアナを見なかったか?」
「ディオン。私もクリスチャンを探しているの。ボロン伯爵がミリアナ様にクリスチャンの相手を頼んだのだけど」
そこにカーラがやって来た。
「レティシア、ちょっと」
「カーラ。今クリスチャンを探しているの。見なかった?」
「……」
カーラはチラッとディオンを見た。
「ミリアナに関係があるなら教えて欲しい」
「ボイズ公子はボロン嬢と会場を出たわ」
「外に散歩にでも行ったのか」
「探しに行く?」
「違うの……2人は外に出てないの」
「カーラ?」
「おかしいなと思って跡をつけたら部屋に…」
「その部屋に案内できるか」
「メイドが立って見張りをしているわ」
会場を出てその部屋に3人で向かうとメイドが立っていて、私達を止めようとした。
カーラはハンカチでメイドの口を塞いで壁に押しつけた。その隙に私とディオンは部屋の扉を開けた。
ソファの背もたれに腰をかけたクリスチャンの性器を 跪いたミリアナが頬張り頭を動かしていた。
「レ、レティシア!? いっ!!」
驚いたクリスチャンが動き、ミリアナの歯が当たったのだろう。股間を押さえて前屈みになった。
ク「レティシア…これは、」
ミ「ごめんなさい。クリスと私は愛し合ってしまったの」
私「は?」
ク「違うんだ」
デ「いつからだ」
ミ「1年以上前から」
ク「レティシア、聞いてくれ、」
私「先ずは口元を拭いたら」
デ「正気か?俺達の式は1ヶ月後なんだぞ!」
クリスチャンは慌ててハンカチで口元を拭った。
ソファの上に女性ものの下着が置いてあるということは、さっきみたいにクリスチャンがミリアナのアソコを舐めたのだろう。口元が濡れるくらい。
うっ…気持ち悪い。
私「帰るわ」
ク「レティシア、送るよ」
私「近寄らないで!気持ち悪い!」
ク「レティシアだって経験あるんだろう?」
私「は?」
ミ「クリス、もう演技はいいの。彼女を好きなフリなんて もう必要ないわ」
ク「何を言って、」
私「…さようなら」
ク「レティシア!」
そのまま屋敷に帰った。
1年以上…
在学中から始まり、卒業した今も続いていたということだ。
つまり、数ヶ月前の卒業パーティーのファーストキスも それ以降のキスも、ミリアナの身体を舐め回し唾液や体液を含んだことのある口で私とキスをしたということだ。
「うっ オエッ」
「お嬢様!?」
「オエッ」
「誰か!お嬢様が!!」
「ミリアナ様ったら、相変わらず可愛いわ」
「レティシアだって綺麗じゃないか」
「ミリアナ様の誕生日プレゼントはあれで良かったのかしら」
「心配いらないよ。彼女のメイドに聞いたんだから」
そう話すのは私の婚約者クリスチャンだ。ボイズ公爵家の長男で、子供の頃は女の子みたいだったけど、その美貌を損なうことなく大人の男に成長した。
そして誕生日の主役でダンスをしているのはクリスチャンの学友で伯爵令嬢のミリアナ・ボロン。
可愛い顔で甘えるので令息に人気だが、同時に同性からは嫌われている。
ミリアナのダンスの相手は 彼女の婚約者で侯爵令息のディオン・ウィルソン。中性的なクリスチャンとは違い、ガッシリとした身体に男らしさのある端正な顔立ちだ。ディオンはタウンハウスが隣で私とは幼馴染だ。
「クリスチャン、そろそろ式の日取りを決めて教会の予約をしないと。ウェディングドレスも時間がかかるから半年は先じゃないと困るけど」
「そうだね、父上達に聞いてみるよ」
クリスチャンとの婚約はボイズ公爵家からの申し入れで成立した。理由は知らない。小さな頃の婚約で聞いていなかったし、その後も聞いたことはない。優しいクリスチャンに理由などわざわざ聞かなくてもいいと思っていた。
ディオン達は釣書で選んだと聞いているが、ディオンはミリアナを好きなのは確かだと思っている。
私はクリスチャンのことを どう思っているのだろう。もう家族みたいでよくわからない。
次は私達も踊り、その後 ミリアナが寄って来た。
「クリス様、次の曲で私と踊ってくださる?」
「喜んで。レティシアも踊っておいで」
「気が向いたらそうするわ」
2人を送り出してワインを口にした。
「レティシア」
「カーラ。来ていたの?」
「来たくなかったけど、未来のウィルソン侯爵夫人のパーティを理由なく断るなってお父様達に言われちゃって仕方なく。でも従兄と来たわ」
「ふふっ」
カーラは侯爵家のご令嬢で嫁ぎ先は伯爵家だ。
カーラの婚約者がミリアナに言い寄るようになり、両家で揉めた。カーラは他人の婚約者に馴々しいミリアナに腹を立てていて 嫌っている。
「相変わらずボイズ公子のことを愛称で呼んでいるのね」
「学友だからでしょう」
「でも、」
「ミリアナ様も1ヶ月後には婚姻だから、落ち着くわよ」
「そうかなぁ。箍が外れそうだけど」
「これはキャロン嬢、お久しぶりです」
「ボロン伯爵、ご招待いただきありがとうございます」
「ダンスにお誘いしてもよろしいですか?」
「え?」
「嫌ですか?」
「ぜひお願いします」
ミリアナの父親にダンスを申し込まれてしまった。
戻って来たミリアナに“キャロン嬢をお借りするので、その間 ボイズ公子をもてなすように”と言うと、私の手を取った。
ダンスが終わりクリスチャンを探すも見当たらなかった。
「レティシア、ミリアナを見なかったか?」
「ディオン。私もクリスチャンを探しているの。ボロン伯爵がミリアナ様にクリスチャンの相手を頼んだのだけど」
そこにカーラがやって来た。
「レティシア、ちょっと」
「カーラ。今クリスチャンを探しているの。見なかった?」
「……」
カーラはチラッとディオンを見た。
「ミリアナに関係があるなら教えて欲しい」
「ボイズ公子はボロン嬢と会場を出たわ」
「外に散歩にでも行ったのか」
「探しに行く?」
「違うの……2人は外に出てないの」
「カーラ?」
「おかしいなと思って跡をつけたら部屋に…」
「その部屋に案内できるか」
「メイドが立って見張りをしているわ」
会場を出てその部屋に3人で向かうとメイドが立っていて、私達を止めようとした。
カーラはハンカチでメイドの口を塞いで壁に押しつけた。その隙に私とディオンは部屋の扉を開けた。
ソファの背もたれに腰をかけたクリスチャンの性器を 跪いたミリアナが頬張り頭を動かしていた。
「レ、レティシア!? いっ!!」
驚いたクリスチャンが動き、ミリアナの歯が当たったのだろう。股間を押さえて前屈みになった。
ク「レティシア…これは、」
ミ「ごめんなさい。クリスと私は愛し合ってしまったの」
私「は?」
ク「違うんだ」
デ「いつからだ」
ミ「1年以上前から」
ク「レティシア、聞いてくれ、」
私「先ずは口元を拭いたら」
デ「正気か?俺達の式は1ヶ月後なんだぞ!」
クリスチャンは慌ててハンカチで口元を拭った。
ソファの上に女性ものの下着が置いてあるということは、さっきみたいにクリスチャンがミリアナのアソコを舐めたのだろう。口元が濡れるくらい。
うっ…気持ち悪い。
私「帰るわ」
ク「レティシア、送るよ」
私「近寄らないで!気持ち悪い!」
ク「レティシアだって経験あるんだろう?」
私「は?」
ミ「クリス、もう演技はいいの。彼女を好きなフリなんて もう必要ないわ」
ク「何を言って、」
私「…さようなら」
ク「レティシア!」
そのまま屋敷に帰った。
1年以上…
在学中から始まり、卒業した今も続いていたということだ。
つまり、数ヶ月前の卒業パーティーのファーストキスも それ以降のキスも、ミリアナの身体を舐め回し唾液や体液を含んだことのある口で私とキスをしたということだ。
「うっ オエッ」
「お嬢様!?」
「オエッ」
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❇❇❇❇❇❇❇❇❇
2024年10月追記
お読みいただき、ありがとうございます。
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