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【ウィリアム王太子視点】
「ジョアンナ!!」
父親の怒声にようやく私達の姿に気が付いた令嬢は悲鳴をあげて枕で前を隠し、令息は毛布で下半身を隠した。
「…あんな素晴らしい婚約者がいながらなんて事だ!!侯爵令嬢は第二王子の婚約者だろう!!」
とんでもない場面を王太子の私とサンドル侯爵夫妻とカザハ公爵夫妻に目撃されて唖然とする2人は動けないでいた。
「カーター、オヌール公爵夫妻を呼んで来てくれ」
「かしこまりました」
「ロイ、エリアスを呼んでくれ」
「かしこまりました」
「デレク、陛下を呼んでくれ」
「かしこまりました」
呼ばれて来た陛下とエリアスとオヌール公爵夫妻に現場を確認させてからメイドと医師を入れた。
その間応接間に移った。
カザハ公爵夫妻は顛末を見届けると同席している。
まるでクロノス伯爵令嬢の親代わりだな。
医師と共にガウンを纏って2人は現れた。
陛下が話の指揮をとる。
「身体検査はいかがでしたかな」
「はい陛下。ご令嬢は既に生娘ではございませんでした。身体に何の傷も痣もありません。性器にも傷がなく充分潤っておいででした。
それに子種を注がれておりました」
「深夜にすまない。休んでくれ」
「失礼します」
医師をさがらせ話を続けた。
「ジョアンナは自ら部屋を抜け令息の部屋に入ったようだな。令息の上に乗って自ら動いていたそうだし、傷も痣もない。
状況はジョアンナが誘いをかけたという事になる。
そして純潔ではなかった。
侯爵、婚約は破棄だ。相応の処罰を下す。
オヌール公爵令息は誘われたからといって同じ階に婚約者が滞在しているにも関わらず拒否をしなかった。これは同意だ。相手は第二王子の婚約者だぞ」
「……サンドル侯爵令嬢ではなくメイドだと思っておりました」
「オヌール公爵、令息とリリアーナの婚約の許可を取り消す。有責による破棄の場合の慰謝料を伯爵家に支払うように」
「嫌です!私はリリアーナと結婚します!」
「其方はリリアーナが酷い目にあっても守らなかったそうではないか。其方の婚約者になりたい令嬢達にずっと嫌がらせをされていて今年は2度も殺されるところだったとか。
その上不貞をしておいて、そんな我儘を言うのか」
「2件の事件の令嬢達には制裁をしました!」
「他は?そうならないように手は打ったのか?」
「…リリアーナには私しかいないと思って欲しかっただけなのです。私はリリアーナを愛しています!絶対に別れません!!」
「孤立させて依存するように望んだから手を打つことなくリリアーナが苦しむ様子を長年見てきたということか!
今日をもって其方とリリアーナの婚約は取り消す!
付き纏えば厳しい処罰を与えよう」
「リリアーナは誰にも渡さない!!」
「ランドルフ!!いい加減にしろ!!」
「貴方、リリちゃんになんて事を……しかも不貞など」
「夫人。令息は今回が初めてではありません。
ヘンダーソン侯爵令嬢とも寝ています。王家主催の茶会でヘンダーソン侯爵令嬢と令息の会話を聞きました。他にもいるみたいですけどね」
「ランドルフ!貴方って子は!」
「魔が刺したんだ…リリアーナは避けるようになるし、手さえ握らせてくれない。
誘惑に負けてしまったが彼女達を愛して抱いたわけではない。だから不貞ではない。余所見さえしていない。リリアーナのことを思いながら抱いていたのだから。
そもそもエリアス王子殿下は関係ありませんよね。なのにリリアーナと呼び捨てて!」
「私の婚約者を寝取っておいて言う言葉か!?
それにリリアーナは私の大切な友人だ!」
「どうせ好きなのでしょう」
「だから何だ」
「!!」
「オヌール公爵、こんな時間だがこのまま滞在させられない。子息を連れて邸宅へ戻ってくれ。
サンドル侯爵も同じだ。退城してくれ。両家とも後日召喚する」
ふ~。
片付いて良かった。
しかしオヌール公爵令息がクロノス伯爵令嬢を愛していたとは。
あの感じでは付き纏うかもしれない。
今の伯爵では頼りなさそうだ。
まぁ王族の血の流れた公爵家に何かを言うのは難しいだろうけど。
カザハ公爵くらいの方が親だったら安心なのだが。
「ジョアンナ!!」
父親の怒声にようやく私達の姿に気が付いた令嬢は悲鳴をあげて枕で前を隠し、令息は毛布で下半身を隠した。
「…あんな素晴らしい婚約者がいながらなんて事だ!!侯爵令嬢は第二王子の婚約者だろう!!」
とんでもない場面を王太子の私とサンドル侯爵夫妻とカザハ公爵夫妻に目撃されて唖然とする2人は動けないでいた。
「カーター、オヌール公爵夫妻を呼んで来てくれ」
「かしこまりました」
「ロイ、エリアスを呼んでくれ」
「かしこまりました」
「デレク、陛下を呼んでくれ」
「かしこまりました」
呼ばれて来た陛下とエリアスとオヌール公爵夫妻に現場を確認させてからメイドと医師を入れた。
その間応接間に移った。
カザハ公爵夫妻は顛末を見届けると同席している。
まるでクロノス伯爵令嬢の親代わりだな。
医師と共にガウンを纏って2人は現れた。
陛下が話の指揮をとる。
「身体検査はいかがでしたかな」
「はい陛下。ご令嬢は既に生娘ではございませんでした。身体に何の傷も痣もありません。性器にも傷がなく充分潤っておいででした。
それに子種を注がれておりました」
「深夜にすまない。休んでくれ」
「失礼します」
医師をさがらせ話を続けた。
「ジョアンナは自ら部屋を抜け令息の部屋に入ったようだな。令息の上に乗って自ら動いていたそうだし、傷も痣もない。
状況はジョアンナが誘いをかけたという事になる。
そして純潔ではなかった。
侯爵、婚約は破棄だ。相応の処罰を下す。
オヌール公爵令息は誘われたからといって同じ階に婚約者が滞在しているにも関わらず拒否をしなかった。これは同意だ。相手は第二王子の婚約者だぞ」
「……サンドル侯爵令嬢ではなくメイドだと思っておりました」
「オヌール公爵、令息とリリアーナの婚約の許可を取り消す。有責による破棄の場合の慰謝料を伯爵家に支払うように」
「嫌です!私はリリアーナと結婚します!」
「其方はリリアーナが酷い目にあっても守らなかったそうではないか。其方の婚約者になりたい令嬢達にずっと嫌がらせをされていて今年は2度も殺されるところだったとか。
その上不貞をしておいて、そんな我儘を言うのか」
「2件の事件の令嬢達には制裁をしました!」
「他は?そうならないように手は打ったのか?」
「…リリアーナには私しかいないと思って欲しかっただけなのです。私はリリアーナを愛しています!絶対に別れません!!」
「孤立させて依存するように望んだから手を打つことなくリリアーナが苦しむ様子を長年見てきたということか!
今日をもって其方とリリアーナの婚約は取り消す!
付き纏えば厳しい処罰を与えよう」
「リリアーナは誰にも渡さない!!」
「ランドルフ!!いい加減にしろ!!」
「貴方、リリちゃんになんて事を……しかも不貞など」
「夫人。令息は今回が初めてではありません。
ヘンダーソン侯爵令嬢とも寝ています。王家主催の茶会でヘンダーソン侯爵令嬢と令息の会話を聞きました。他にもいるみたいですけどね」
「ランドルフ!貴方って子は!」
「魔が刺したんだ…リリアーナは避けるようになるし、手さえ握らせてくれない。
誘惑に負けてしまったが彼女達を愛して抱いたわけではない。だから不貞ではない。余所見さえしていない。リリアーナのことを思いながら抱いていたのだから。
そもそもエリアス王子殿下は関係ありませんよね。なのにリリアーナと呼び捨てて!」
「私の婚約者を寝取っておいて言う言葉か!?
それにリリアーナは私の大切な友人だ!」
「どうせ好きなのでしょう」
「だから何だ」
「!!」
「オヌール公爵、こんな時間だがこのまま滞在させられない。子息を連れて邸宅へ戻ってくれ。
サンドル侯爵も同じだ。退城してくれ。両家とも後日召喚する」
ふ~。
片付いて良かった。
しかしオヌール公爵令息がクロノス伯爵令嬢を愛していたとは。
あの感じでは付き纏うかもしれない。
今の伯爵では頼りなさそうだ。
まぁ王族の血の流れた公爵家に何かを言うのは難しいだろうけど。
カザハ公爵くらいの方が親だったら安心なのだが。
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