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処罰
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国中の話題となった醜聞は隠されることなく公表された。
王宮新聞の一面に載ったのだ。
“エリアス第二王子 婚約破棄”という見出しから始まり、サンドル侯爵令嬢とオヌール公爵令息の姿絵まで載せてあった。見せしめ?
“この度、エリアス第二王子殿下はジョアンナ・サンドル侯爵令嬢との婚約を破棄なさった。
理由は王宮内でサンドル侯爵令嬢がランドルフ・オヌール公爵令息と不貞を犯したからだ。
サンドル侯爵令嬢が誘い、まぐわう姿を複数人の王族、貴族、使用人達が確認した。
サンドル侯爵令嬢は既に生娘に非ず、王子妃としての資格を失った。
一方オヌール公爵令息は同じ階に婚約がいるにもかかわらず異性の誘いを受け入れた。
相手が王族の婚約者となれば破棄は免れなかった”
包み隠していなさ過ぎじゃない?
“サンドル侯爵は子爵に降格。多額の慰謝料をエリアス第二王子殿下に支払うことを命じられた。
オヌール公爵家も王族の婚約者との不貞の他に、婚約以来、長年自身のせいで令嬢達から嫌がらせや暴力を受けていた婚約者をわざと守らなかったことを重く見て、伯爵に降格。多額の慰謝料を元婚約者に支払うよう命じられた。
今年の内に2度も殺されかけたにも関わらず耐えていた元婚約者の幸運を祈りたい”
またお金が入るのか。
兄様は個人資産にしていいと言っていた。
私は学生4位の成績で2年生に進級し、リュカ様も1位で3年生に進級した。
クラス替えもあり、友人もできた。
ランドルフ様は相変わらず私の元に復縁を迫りにくる。その執着ぶりでランドルフ様は停学を経験した。
不貞と元婚約者の虐待、そして執着によって、次の婚約が整わないらしい。
まともな貴族は嫁に出さない。
売れ残って歳をとったお姉様令嬢か、借金まみれの支援目的の家の令嬢しか打診が来ないようだ。
サンドル子爵令嬢と婚約すればいいと思うのだけど、ランドルフ様が拒否をしているようだ。
だけどあの事件から4ヶ月後、ランドルフ様とサンドル子爵令嬢の婚約が発表された。
「リュカ様、これ食べてみますか」
口を開いて待つリュカ鳥に餌付けをしている気分になる。
今日もお昼は屋上だ。
「オヌール伯爵令息もついに婚約を決めましたね」
「ああ。あの時に令息がサンドル子爵令嬢を妊娠させたからな」
「えっ!?」
「令嬢の持っていた避妊薬が効かなかったらしい。
よっぽど運命の相手だったのだろう」
「それなのに今朝も私の所に来るなんて」
「は!? 今日も来たのか」
「復縁を迫りにきましたね」
「……」
「また大金が入ったので、卒業したら伯爵家を出て自由に生きようかと思います。
外国にでもいこうかな。その前にカザハ領に遊びに行こう」
「それは無い」
「えっ?」
「カザハ領へは一緒に行くし、外国へは外交で連れて行ってやる。だがリリアーナは王子妃になるから自由には生きられない」
「リュカ様?」
「リリアーナ、俺はリリアーナが好きだ。妻にしたいほど愛している」
「!!」
「屋上で出会ってから惹かれるまで時間はかからなかった。俺の顔を見て見える名前はリリだけだ」
「……」
「伯爵はリリアーナの気持ち次第だと言っている」
「王子妃なんて務まらないわ」
「務まっているし、既に王子妃教育をしている」
「は?」
「リリの雇った講師達を呼んで、王子妃のカリキュラムを元に教育をしてもらっている。
…勝手にごめん」
「でも友人だと思って」
「今日からは男としてリリに接するつもりだ」
その宣言以降、事実上の恋人と言われる程、リュカ様は気持ちを公にして私を溺愛した。
卒業パーティでリュカ様のパートナーを務め、私は首席で3年生になった。
リュカ様のいない昼休みがこんなに寂しいものだとは思わなかった。
1日目にしてもう涙が出そうだ。
登城の日、陛下の玩具の役目を終える頃にリュカ様が迎えに来た。
私はリュカ様の顔を見るなり抱きついて泣いてしまった。
リュカ様に部屋に連れていかれ、私が寂しかったから泣いていると分かると口付けをしてきた。
優しく啄むように何度も口付けた。
涙を舐めとるリュカ様に身をかためていると突然刺激が走った。
「あっ!」
首筋の涙を舐めとられた時だった。
変な声が出て顔が赤くなる。
するとリュカ様は口付けを再開し舌を絡めてきた。
長い長い口付けに朦朧とする私をソファから抱き上げて寝室へ運ぶとベッドに降ろした。
王宮新聞の一面に載ったのだ。
“エリアス第二王子 婚約破棄”という見出しから始まり、サンドル侯爵令嬢とオヌール公爵令息の姿絵まで載せてあった。見せしめ?
“この度、エリアス第二王子殿下はジョアンナ・サンドル侯爵令嬢との婚約を破棄なさった。
理由は王宮内でサンドル侯爵令嬢がランドルフ・オヌール公爵令息と不貞を犯したからだ。
サンドル侯爵令嬢が誘い、まぐわう姿を複数人の王族、貴族、使用人達が確認した。
サンドル侯爵令嬢は既に生娘に非ず、王子妃としての資格を失った。
一方オヌール公爵令息は同じ階に婚約がいるにもかかわらず異性の誘いを受け入れた。
相手が王族の婚約者となれば破棄は免れなかった”
包み隠していなさ過ぎじゃない?
“サンドル侯爵は子爵に降格。多額の慰謝料をエリアス第二王子殿下に支払うことを命じられた。
オヌール公爵家も王族の婚約者との不貞の他に、婚約以来、長年自身のせいで令嬢達から嫌がらせや暴力を受けていた婚約者をわざと守らなかったことを重く見て、伯爵に降格。多額の慰謝料を元婚約者に支払うよう命じられた。
今年の内に2度も殺されかけたにも関わらず耐えていた元婚約者の幸運を祈りたい”
またお金が入るのか。
兄様は個人資産にしていいと言っていた。
私は学生4位の成績で2年生に進級し、リュカ様も1位で3年生に進級した。
クラス替えもあり、友人もできた。
ランドルフ様は相変わらず私の元に復縁を迫りにくる。その執着ぶりでランドルフ様は停学を経験した。
不貞と元婚約者の虐待、そして執着によって、次の婚約が整わないらしい。
まともな貴族は嫁に出さない。
売れ残って歳をとったお姉様令嬢か、借金まみれの支援目的の家の令嬢しか打診が来ないようだ。
サンドル子爵令嬢と婚約すればいいと思うのだけど、ランドルフ様が拒否をしているようだ。
だけどあの事件から4ヶ月後、ランドルフ様とサンドル子爵令嬢の婚約が発表された。
「リュカ様、これ食べてみますか」
口を開いて待つリュカ鳥に餌付けをしている気分になる。
今日もお昼は屋上だ。
「オヌール伯爵令息もついに婚約を決めましたね」
「ああ。あの時に令息がサンドル子爵令嬢を妊娠させたからな」
「えっ!?」
「令嬢の持っていた避妊薬が効かなかったらしい。
よっぽど運命の相手だったのだろう」
「それなのに今朝も私の所に来るなんて」
「は!? 今日も来たのか」
「復縁を迫りにきましたね」
「……」
「また大金が入ったので、卒業したら伯爵家を出て自由に生きようかと思います。
外国にでもいこうかな。その前にカザハ領に遊びに行こう」
「それは無い」
「えっ?」
「カザハ領へは一緒に行くし、外国へは外交で連れて行ってやる。だがリリアーナは王子妃になるから自由には生きられない」
「リュカ様?」
「リリアーナ、俺はリリアーナが好きだ。妻にしたいほど愛している」
「!!」
「屋上で出会ってから惹かれるまで時間はかからなかった。俺の顔を見て見える名前はリリだけだ」
「……」
「伯爵はリリアーナの気持ち次第だと言っている」
「王子妃なんて務まらないわ」
「務まっているし、既に王子妃教育をしている」
「は?」
「リリの雇った講師達を呼んで、王子妃のカリキュラムを元に教育をしてもらっている。
…勝手にごめん」
「でも友人だと思って」
「今日からは男としてリリに接するつもりだ」
その宣言以降、事実上の恋人と言われる程、リュカ様は気持ちを公にして私を溺愛した。
卒業パーティでリュカ様のパートナーを務め、私は首席で3年生になった。
リュカ様のいない昼休みがこんなに寂しいものだとは思わなかった。
1日目にしてもう涙が出そうだ。
登城の日、陛下の玩具の役目を終える頃にリュカ様が迎えに来た。
私はリュカ様の顔を見るなり抱きついて泣いてしまった。
リュカ様に部屋に連れていかれ、私が寂しかったから泣いていると分かると口付けをしてきた。
優しく啄むように何度も口付けた。
涙を舐めとるリュカ様に身をかためていると突然刺激が走った。
「あっ!」
首筋の涙を舐めとられた時だった。
変な声が出て顔が赤くなる。
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