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ライアン達の子

ゆっくりと確実に距離を詰められる

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謹慎の続く中、シャルール伯爵からお手紙と贈り物が届いた。

あのタルトを再現して焼きたてを屋敷に届けさせてくれた。
ベースは同じでも食感や酸味が変わるだけで飽きがくるのを遅らせる。

使用人達の分まで焼いてくれて公爵家で評価を上げた。

その後も文通が続いた。

シャルール伯爵からの手紙の内容は、情報が書いてあったり、アイディアの感想を求めるものが占めていた。
私からのお返事は、伯爵のアイディアの感想やそれをヒントにした別案などを書いて送った。


謹慎は解けて、日曜日の日中のお誘いに行くことになった。

山のような注意事項を家族から言い渡されたけど、カトリーヌ様も一緒だから大丈夫と聞き流した。

多目的ホールで催される一芸やマジックを観て、ティールームでお茶をして、屋敷まで送り届けてもらった。

そこで初めて挨拶となった。

「リリアンの父のライアンです」

「母のグレースです」

「カトリーヌの兄のセドリック・シャルールと申します。ご挨拶が遅れ、大変失礼いたしました」

「今日は娘を楽しませてくれてありがとう」

「ケーキ、美味しかったですわ」

「こちらは、私の手掛けるティールームで出している茶葉と焼き菓子です。皆様でどうぞ」

「まあ、ありがとうございます」

「土産まで用意してもらって申し訳ない」

「リリアン嬢は率直で素晴らしい案をくださいます。それに比べたら何のお返しにもなっておらず、こちらこそ申し訳ございません」

「寄って行かないか?」

「ではお言葉に甘えて少しだけ」


どうも仕事の話しで二人は話が合うようだ。

結局 伯爵とカトリーヌは夕食を食べてから屋敷に帰った。

母「良さそうな方ね」

兄「少し歳が離れていますね」

母「離れているうちに入らないわよ」

兄「忙しそうですね。リリアンは甘えん坊だから、あまり忙しい方は向かないと思います」

父「う~ん」

母「いいじゃないの、財政難で固いパンを食べて服も新調してもらえないより」

兄「女慣れしていそうです」

母「そうかしら」

父「う~ん」

母「リリアンとしてはどうなの?」

私「情報ギルドに聞きたいです。ですがそもそも好きとか交際して欲しいとか言われていないのに、自惚れていると思われたら恥ずかしいです」

父「調査入れておくか」

私「パパ」

パパにピッタリとくっついて座った。

兄「まだまだ幼い子供みたいで嫁どころじゃないですよ」

母「でも、嫌いではないはずよ。もしものときの返事を考えないと、ウジウジしていたら別の令嬢と出会って進展してしまうわ。彼はもう成人して学園も卒業していて、伯爵として独立しているのだから。

容姿も悪くないし、財力はうちほどじゃなくても良さそうだし」

父「可愛いリリアン」

私「パパ」

母「ライアン?」

父「ちゃんと調査を入れるよ」










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