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ライアン達の子

気持ちの変化

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翌日の学園の食堂で、いつもの6人に加えてカトリーヌが居た。

カ「ねえ、どうだった? セドリック兄様はなかなか良いと思うけど」

私「家族の評判は良かったわ」

カ「リリアンはどうなの?」

私「どうって、何も言われてもないのに自意識過剰になっちゃうわ」

カ「兄様とリリアンが結ばれてくれたら、私頻繁に遊びに行っちゃうわ」

ゼ「その話、詳しく教えてくれないか」

兄「実は、」

アンベール兄様がシャルール伯爵のことを説明した。

ジャ「リリアンちゃんの旦那さん候補か」

マ「シャルール伯爵家なら代替わりして伯爵になったけど、若い事業家で注目株と言われているよ。
中位の中ではかなりモテているな」

カ「そうなの。縁談の打診とか恋文とか届くらしいわ」

兄「それは心配だな。リリアンには一途な男でないと困る」

カ「兄様はちゃんとお断りしていますわ。縁談は一応顔を合わせて断っているようですけど」

ゼ「会うのか?」

カ「相手にもよりますけど、非もないのに釣書だけ見て断るのは店に影響しかねないから、会って嫌なら嫌われて帰るらしいです」

ジャ「というと?」

カ「結婚したらこうなりますという、いかにも貴族令嬢が嫌がりそうなことを言うのです。
相手によって多少変えるみたいですが」

兄「例えば?」

カ「“帳簿くらいつけられるよね?” とか、“場合によってはトラブルのあった客に頭を下げて謝らないと駄目だ” とか、“忙しいからほとんど相手はできない” とか」

ゼ「リリアンは印象はどう?」

私「いい人だと思います」

ゼ「そうか」

カ「じゃあ、兄様が申し込んだらどうするの?」

私「まだ全然分からないわ。好感は持ってるけど、伯爵からすれば私は子供でしょう」

カ「はぁ~、リリアンお義姉様って呼ぶのね」

兄「リリアンはまだやらない」

ゼ「……」





毎週土曜か日曜には一時間でもシャルール伯爵と会うようになった。
時間が短ければ公爵邸に来て、時間があれば一緒に出かけた。

友人以上恋人未満といった方がいいのかよく分からない関係だったが、信頼していた。
   
情報ギルドに依頼してくれていたみたいで、評価としては“許容範囲だな” とお父様が言っていた。  

お母様を見ると目を逸らした。

「パパ。何が書かれていたら許容範囲になるの?」

「完璧はないってことだ」

「何で教えてくれないの?」

「男には色々あるんだ」

「なにそれ。パパやお兄様にもあるの?」

「ライアン?」

「無いな。グレース、あるわけないだろう」

「ふ~ん」

「ずっと一緒にいるんだから不可能だろう」

「ライアンだもの。やろうと思えばバレずに出来るわ」

「お母様、教えてください」

「……女性関係よ」

「は!?」

「許容範囲だ。交際している女性もいないし、婚約もしていない」

つまり、その場限りの相手とかそういうこと?体だけの関係とか。

「まあ男性だから、年齢的には未経験という方が無理があるわね」

「私はグレースだけだけどな」



かなりもやもやしてその夜はなかなか寝付けなかった。

翌朝、お母様が私の部屋に来て抱きしめてくれた。

「眠れないのは、リリアンが彼を好きになった証拠ね」

「そうでしょうか」

「想像しちゃって嫌なのでしょう?」

「……」

「それは嫉妬というのよ」

お母様に抱きついたまましばらくウジウジして甘えた。






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