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番とは
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【 エデン王国 国家騎士第一隊長マルクスの視点 】
最初の数十分は何もなかったが、すぐに新たな問題が生じた。ネスティフィーネ様が馬車にすぐ飽きてしまったのだ。
「あっちに座る」
「では俺が馬車を操ろう」
「そんな、お待ちくださいっ」
ネスティフィーネ様は御者台に座りたがり、ゼノン王弟殿下は人の姿で御者をやると言い出した。
御者をしている騎士は慌てている。
今回は御者も私が選んだ騎士にした。人数を増やさず精鋭を確保するためだ。
「フィル、お任せしろ」
「は、はい…ですが殿下は馬車の操縦をなさったことがないのでは?」
ネスティフィーネ様が殿下を見つめると、ゼノン王弟殿下は“まあ、初めてだが大丈夫だろう”と言った。
ネスティフィーネ様は馬車を引く馬2頭に近寄ると撫でながら告げた。
「いい?これからゼノンが手綱を持つけど、あなた達が頼りなの。任せても大丈夫?」
「ブルッ」
「賢くて良い子ね」
「ヒヒ~ン」
「よし」
ネスティフィーネ様は交渉は終わったと御者台に登り始めた。殿下は少し元気がなくなった。殿下じゃ頼りないからと馬にお願いしたのだから。
「ゼノン、早く」
ネスティフィーネ様が御者台の座面をポンポンと叩いて呼ぶと笑顔で御者台に上がった。
この殿下は本当にネスティフィーネ様次第なのだな。
国境へ到着し、フォルモント側に入ると近くにいた兵士が駆け寄った。他の兵と装飾が違うから上官か何かなのだろう。停車した馬車に近付き跪いた。
「ゼノン王弟殿下に第一国境検問所警備隊主任ドミニクがご挨拶を申し上げます。ご帰還心よりお待ちしておりました」
「ご苦労、ドミニク卿。連絡は行っていると思うが大事な客人方だ。よろしく頼む」
「かしこまりました。ご宿泊は2つ先のカラクと伺っておりますので、こちらでご休憩をなさると思い、ご用意いたしました」
「案内してもらおう」
我々は検問所の応接間でお茶と菓子を出してもらい休憩した後、水の補給をして出発前に用を足すなどしていた。戻ってくるとネスティフィーネ様が赤い狼を撫でていた。
アミルス卿に聞くとあの赤い狼はドミニク卿だという。
「赤い狼 可愛い」
ドミニク卿の髪はワイン色だった。髪の色がそのまま狼の毛の色だと知ると、ワイン色の毛の狼を見たいとネスティフィーネ様が目を輝かせたようだ。言葉にはしていないのに殿下は察してドミニク卿に見せてやれと言った。
狼になって戻って来た赤狼ドミニクはゼノン王弟殿下よりも遥かに小さかったが、それでも狼としてはかなり大きい。ネスティフィーネ様はソファから立って赤狼ドミニク卿を撫でた。そこに我らが戻って来たとアミルス卿が教えてくれた。
お座りした赤狼にネスティフィーネ様が“可愛い”と口にしたのだ。
「クゥン」
頭を下げて撫でられ続ける赤狼は殿下を見て震え出した。
「どうしたの?力加減が強い?毛繕いしてあげようか?」
「出発だ!」
殿下は立ち上がり、ネスティフィーネ様を抱き上げた。
「なんで!降ろして!」
「……」
赤狼は既に部屋の角まで後退りして怯えていた。
「ネスティフィーネ様、殿下はネスティフィーネ様が大好きなのです。なのに誰にでも毛繕いしようとなさるので殿下は悲しいんです」
「そうなの?」
「そうです。ドミニク卿の赤毛も確かに可愛いですが、殿下はネスティフィーネ様の1番でいたいのです。追従を許さない立場でいたいのです」
「我儘だなぁ」
「ネスティフィーネ」
ネスティフィーネ様は人の姿をした殿下の頭を撫でて頬擦りをした。それだけで殿下は満面の笑みになった。
「ドミニク卿、悪かったな」
「クゥン」
「そうだよ。私が狼になってって望んだのにゼノンに虐められたら可哀想じゃない。あんなに怯えさせて酷いよ。
ゼノン、ごめんねをしてきて」
殿下はネスティフィーネ様を降ろすとドミニク卿の元へ行き、頭を撫でた。赤狼ドミニク卿はすぐに腹を見せた。
「ふふっ、嬉しそう。そうだ、みんなで撫でてあげたらゼノンが妬かないよね」
え!?
結果…
部下「おぉ~よしよしよし」
部下「いい子ですね」
部下「立派な毛並みですよ」
部下「牙も素敵ですよ」
部下「手触りがいいですね」
ネ「お耳も可愛いね」
ゼ「だらしない舌もいいぞ」
私「肉球も逞しいですよ」
ネスティフィーネ様の意思に従いみんなで褒めながら撫でた後、別室で着替えて人の姿で戻って来たドミニク卿の肌は真っ赤だった。とても恥ずかしいのだろう。
「あれ?肌も赤かったっけ?」
ネスティフィーネ様!触れちゃ駄目です!ますます赤くなったじゃないですか!
「あんなに褒められると思わなくて嬉しくて赤くなってるんだ」
「そうなんだ。ゼノンは?褒めたら赤くなる?」
「いずれネスティフィーネにいろいろと褒めてもらう予定だ」
「いろいろ?」
「まだネスティフィーネが知らない俺を知ってもらう」
「例えば?」
「まだネスティフィーネには早い」
「何が?」
「なんでもない」
まさか…ネスティフィーネ様に卑猥な妄想をしているんじゃ!
検問所を出発し、2つ先の町カラクに到着すると宿に泊まった。2人は自然に1つの部屋に入って行ったが大丈夫なのか!?
「いつも狼になってネスティフィーネ様の添い寝をしていますよ」
「どちらかといいますと、殿下が添い寝してもらいたくて狼化しているんです。ペットのような動物ならネスティフィーネ様に追い出されないと分かったので」
双子のアミルス卿とコントラ卿が教えてくれたけが、あの大きな黒狼がペット!?牙なんかネスティフィーネ様の人差し指の1.5倍の長さがありそうなのに?
「殿下を?」
「ペットの犬と同じ扱いですよ。ああ、サフィール村では部屋の外にいて見ていないのですね。狼のままネスティフィーネ様に甘えていましたよ」
「いいのですか?」
「殿下が望んでなさっていることですので」
「見回りとかはどうしますか?」
「私かアミルスが見張りますから大丈夫です。殿下はフォルモント最強で匂いや気配に敏感です。それにネスティフィーネ様もお強いですから」
匂いや気配に敏感なら
「誰かと一緒に寝るなんて気が休まらないのではありませんか?」
「番と認めた相手には大丈夫です」
「番?」
「はい。絵本の世界のような運命に決められた番ではなく、つまり惚れた相手という意味です」
「だとすると番はたくさん入れ替わるのではありませんか?大抵の恋は冷めてはまた新たに落ちますよね」
「我々のいう番とは、妻にして子を産ませ生涯を共に暮らし同じ墓に入りたいほど愛してる相手のことを指します。我らは強ければ強いほど、番を見つければ盲目です」
「見つける前は?」
「繁殖機能が欠けた娼婦で済ませていました。うっかり孕ませれば本命と出会った時に嫌われる可能性がありますからね。フォルモントの人狼族の男は自分の子と産んだ母親を必ず受け入れなければなりません。例外は、母親本人が望まないときです。そして新たに他の男の子を孕んだときや害を成したときは追放されます。まあ罪状次第では処刑されますが」
「ですがゼノン王弟殿下は貴族のご令嬢か他国の王女様を娶るのではありませんか?」
「慣習であって法律ではありません。殿下は王になれましたが辞退しました。ですのでガイア国王陛下が慣習に従っています。ゼノン殿下もそのつもりはあったはずですが番に出会ってしまった今は諦めるなんてことはしません。それに人竜族相手に誰が拒否しますか?」
「わかりました。ただネスティフィーネ様の望まないことだけはお止めください」
「もちろんですよ。誘導はしますけど」
コントラ卿はニヤリと笑った。
最初の数十分は何もなかったが、すぐに新たな問題が生じた。ネスティフィーネ様が馬車にすぐ飽きてしまったのだ。
「あっちに座る」
「では俺が馬車を操ろう」
「そんな、お待ちくださいっ」
ネスティフィーネ様は御者台に座りたがり、ゼノン王弟殿下は人の姿で御者をやると言い出した。
御者をしている騎士は慌てている。
今回は御者も私が選んだ騎士にした。人数を増やさず精鋭を確保するためだ。
「フィル、お任せしろ」
「は、はい…ですが殿下は馬車の操縦をなさったことがないのでは?」
ネスティフィーネ様が殿下を見つめると、ゼノン王弟殿下は“まあ、初めてだが大丈夫だろう”と言った。
ネスティフィーネ様は馬車を引く馬2頭に近寄ると撫でながら告げた。
「いい?これからゼノンが手綱を持つけど、あなた達が頼りなの。任せても大丈夫?」
「ブルッ」
「賢くて良い子ね」
「ヒヒ~ン」
「よし」
ネスティフィーネ様は交渉は終わったと御者台に登り始めた。殿下は少し元気がなくなった。殿下じゃ頼りないからと馬にお願いしたのだから。
「ゼノン、早く」
ネスティフィーネ様が御者台の座面をポンポンと叩いて呼ぶと笑顔で御者台に上がった。
この殿下は本当にネスティフィーネ様次第なのだな。
国境へ到着し、フォルモント側に入ると近くにいた兵士が駆け寄った。他の兵と装飾が違うから上官か何かなのだろう。停車した馬車に近付き跪いた。
「ゼノン王弟殿下に第一国境検問所警備隊主任ドミニクがご挨拶を申し上げます。ご帰還心よりお待ちしておりました」
「ご苦労、ドミニク卿。連絡は行っていると思うが大事な客人方だ。よろしく頼む」
「かしこまりました。ご宿泊は2つ先のカラクと伺っておりますので、こちらでご休憩をなさると思い、ご用意いたしました」
「案内してもらおう」
我々は検問所の応接間でお茶と菓子を出してもらい休憩した後、水の補給をして出発前に用を足すなどしていた。戻ってくるとネスティフィーネ様が赤い狼を撫でていた。
アミルス卿に聞くとあの赤い狼はドミニク卿だという。
「赤い狼 可愛い」
ドミニク卿の髪はワイン色だった。髪の色がそのまま狼の毛の色だと知ると、ワイン色の毛の狼を見たいとネスティフィーネ様が目を輝かせたようだ。言葉にはしていないのに殿下は察してドミニク卿に見せてやれと言った。
狼になって戻って来た赤狼ドミニクはゼノン王弟殿下よりも遥かに小さかったが、それでも狼としてはかなり大きい。ネスティフィーネ様はソファから立って赤狼ドミニク卿を撫でた。そこに我らが戻って来たとアミルス卿が教えてくれた。
お座りした赤狼にネスティフィーネ様が“可愛い”と口にしたのだ。
「クゥン」
頭を下げて撫でられ続ける赤狼は殿下を見て震え出した。
「どうしたの?力加減が強い?毛繕いしてあげようか?」
「出発だ!」
殿下は立ち上がり、ネスティフィーネ様を抱き上げた。
「なんで!降ろして!」
「……」
赤狼は既に部屋の角まで後退りして怯えていた。
「ネスティフィーネ様、殿下はネスティフィーネ様が大好きなのです。なのに誰にでも毛繕いしようとなさるので殿下は悲しいんです」
「そうなの?」
「そうです。ドミニク卿の赤毛も確かに可愛いですが、殿下はネスティフィーネ様の1番でいたいのです。追従を許さない立場でいたいのです」
「我儘だなぁ」
「ネスティフィーネ」
ネスティフィーネ様は人の姿をした殿下の頭を撫でて頬擦りをした。それだけで殿下は満面の笑みになった。
「ドミニク卿、悪かったな」
「クゥン」
「そうだよ。私が狼になってって望んだのにゼノンに虐められたら可哀想じゃない。あんなに怯えさせて酷いよ。
ゼノン、ごめんねをしてきて」
殿下はネスティフィーネ様を降ろすとドミニク卿の元へ行き、頭を撫でた。赤狼ドミニク卿はすぐに腹を見せた。
「ふふっ、嬉しそう。そうだ、みんなで撫でてあげたらゼノンが妬かないよね」
え!?
結果…
部下「おぉ~よしよしよし」
部下「いい子ですね」
部下「立派な毛並みですよ」
部下「牙も素敵ですよ」
部下「手触りがいいですね」
ネ「お耳も可愛いね」
ゼ「だらしない舌もいいぞ」
私「肉球も逞しいですよ」
ネスティフィーネ様の意思に従いみんなで褒めながら撫でた後、別室で着替えて人の姿で戻って来たドミニク卿の肌は真っ赤だった。とても恥ずかしいのだろう。
「あれ?肌も赤かったっけ?」
ネスティフィーネ様!触れちゃ駄目です!ますます赤くなったじゃないですか!
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「そうなんだ。ゼノンは?褒めたら赤くなる?」
「いずれネスティフィーネにいろいろと褒めてもらう予定だ」
「いろいろ?」
「まだネスティフィーネが知らない俺を知ってもらう」
「例えば?」
「まだネスティフィーネには早い」
「何が?」
「なんでもない」
まさか…ネスティフィーネ様に卑猥な妄想をしているんじゃ!
検問所を出発し、2つ先の町カラクに到着すると宿に泊まった。2人は自然に1つの部屋に入って行ったが大丈夫なのか!?
「いつも狼になってネスティフィーネ様の添い寝をしていますよ」
「どちらかといいますと、殿下が添い寝してもらいたくて狼化しているんです。ペットのような動物ならネスティフィーネ様に追い出されないと分かったので」
双子のアミルス卿とコントラ卿が教えてくれたけが、あの大きな黒狼がペット!?牙なんかネスティフィーネ様の人差し指の1.5倍の長さがありそうなのに?
「殿下を?」
「ペットの犬と同じ扱いですよ。ああ、サフィール村では部屋の外にいて見ていないのですね。狼のままネスティフィーネ様に甘えていましたよ」
「いいのですか?」
「殿下が望んでなさっていることですので」
「見回りとかはどうしますか?」
「私かアミルスが見張りますから大丈夫です。殿下はフォルモント最強で匂いや気配に敏感です。それにネスティフィーネ様もお強いですから」
匂いや気配に敏感なら
「誰かと一緒に寝るなんて気が休まらないのではありませんか?」
「番と認めた相手には大丈夫です」
「番?」
「はい。絵本の世界のような運命に決められた番ではなく、つまり惚れた相手という意味です」
「だとすると番はたくさん入れ替わるのではありませんか?大抵の恋は冷めてはまた新たに落ちますよね」
「我々のいう番とは、妻にして子を産ませ生涯を共に暮らし同じ墓に入りたいほど愛してる相手のことを指します。我らは強ければ強いほど、番を見つければ盲目です」
「見つける前は?」
「繁殖機能が欠けた娼婦で済ませていました。うっかり孕ませれば本命と出会った時に嫌われる可能性がありますからね。フォルモントの人狼族の男は自分の子と産んだ母親を必ず受け入れなければなりません。例外は、母親本人が望まないときです。そして新たに他の男の子を孕んだときや害を成したときは追放されます。まあ罪状次第では処刑されますが」
「ですがゼノン王弟殿下は貴族のご令嬢か他国の王女様を娶るのではありませんか?」
「慣習であって法律ではありません。殿下は王になれましたが辞退しました。ですのでガイア国王陛下が慣習に従っています。ゼノン殿下もそのつもりはあったはずですが番に出会ってしまった今は諦めるなんてことはしません。それに人竜族相手に誰が拒否しますか?」
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