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卒業します
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困惑しております。
卒業パーティのパートナーを務めると言い出しました。
デビュー以来、ロバートがたまに屋敷に来るようになりました。
週末の休みなら昼間、平日なら夜。
週に2回来た時もあれば2週間ぶりのこともありました。
何なのでしょう。
そしてコーネリア様とレオナード様にも頻繁にお呼ばれするようになりましたし。
学園へ向かう馬車の中にはロバートと両親が乗っていた。
「やっと卒業だな」
「はあ」
「学園生活は楽しかったか」
「まあ」
「虐められたことは無かったか」
「いつもコーネリア様が一緒なので」
「屋敷内で困ったことはないか」
「数日前に大きな蜘蛛が部屋に現れて困りました」
「どのくらいだ」
「私の爪くらいです」
「足の親指の爪か?」
「手の人差し指とかの爪の大きさです」
「胴体がか」
「足も含めてです」
「……」
「冬だから油断していました」
「領地ではどうしていたんだ」
「同じです。使用人や兄が常日頃から目を光らせております」
「そうか」
「緊急会議を開きましたので、タウンハウスでも気を引き締めて徹底してくれると信じています」
「大変だったな」
「怖くて兄の部屋で寝ました」
「は?」
「私の部屋に出て メイドが捕まえ損ねたのです。
安眠できるはずがありません」
「だがな、男の部屋で寝るのは、」
「私の兄ですが」
「そうだな」
くだらない話をしている間に学園に到着した。
会場に入るとデビューの時のような視線が突き刺さる。
お父様達は知り合いに話しかけられて盛り上がっているので私達は離れて飲み物を飲んでいた。
「ロバート様、お久しぶりですわ」
振り向くと私より歳上の女性が立っていた。
「よく覚えていないが、久しぶりなのか?」
「っ!」
あ、この女性はもしかして、ロバートの夜のお相手?
「こちらの方を紹介してくださるかしら」
「何でだ」
「え?」
「何故 紹介しなくてはならない」
「……」
「特に用がないなら遠慮してくれないか。彼女の卒業パーティなんだ」
「あんまりですわ。半年前に愛し合ったではありませんか」
「愛し合ったとは?」
「わ、私と体を繋げたではありませんか」
「体を使いあっただけでは愛ではない。おかしなことを言わないでくれ。
半年前?一度か?
交際もしていないのに体を許す女を愛するわけがないだろう。
妄想は止めてくれ」
「っ!」
ド屑だけど清々しい。なんなのこの男は。
女性は顔を真っ赤にして去っていった。
「すまないなビビアン」
なんかズレてるのよね。
「私には関係ありませんから どうぞご自由に」
「婚姻したら他の女には手を付けない」
「寧ろ今まで通り 手を付けてください」
「ビビアン、」
「始まりますわ。参りましょう」
でも意外だった。もっと女ったらしを想像していた。こんなに冷たいのに 彼女達はどうして体を許すのか理解ができない。
学園長や来賓の挨拶を聞き、主席卒業生の挨拶を聞いた後、自由時間になった。
ダンスを踊る者、食事をする者、会話を楽しむ者と様々だ。
「ビビアン」
聞き慣れた声に反応して振り向いた。
「コーネリア様、レオナード様」
「今日も可愛いわ」
「コーネリア様こそ美しいです」
「ビビアン、よく似合っているよ。
ダンスに誘ってもいいかな」
「ビビアン」
止めたそうなロバートを無視してレオナード様とダンスを踊った。
「領地へはまだ戻らないということだったけど変更は無い?」
「はい。エリンが卒業するまでいることになっていますから」
「私とコーネリアに会いに来て欲しいな」
「たまに伺います」
「頻繁がいいな。
毎日のように会っていたからコーネリアが寂しがるよ」
「確かに寂しいですね」
「さっき一悶着あった?」
「あったような…よく分かりません。
ロバート様のことも思っていたのとは違って よく分からなくなってきました」
「どういうこと?」
さっきの出来事を話した。
「ビビアンは気にしなくていいよ」
「私が見ていない何かがある気がして…」
「君に冷たくして女達と不貞を繰り返していたのは事実だ。変わらないだろう」
「……」
「ちょっと関わるようになったからと絆されちゃうのか?」
「そういう訳じゃ…」
「ダンスが終わったらコーネリアと何か食べに行こう。ほら、彼はもう別の女性に目を向けているよ」
夫人?
夫人にまで手を出すの??
ちょっと苛立ちを覚えてきた。
女遊びがしたいなら私のエスコートなんてしなければいいのに。
急に会うようになってから他人がただの他人に思えなくなってきている。
距離を置きたい。
卒業パーティが終わると、ロバートを城まで送って屋敷に帰ってきた。
卒業パーティのパートナーを務めると言い出しました。
デビュー以来、ロバートがたまに屋敷に来るようになりました。
週末の休みなら昼間、平日なら夜。
週に2回来た時もあれば2週間ぶりのこともありました。
何なのでしょう。
そしてコーネリア様とレオナード様にも頻繁にお呼ばれするようになりましたし。
学園へ向かう馬車の中にはロバートと両親が乗っていた。
「やっと卒業だな」
「はあ」
「学園生活は楽しかったか」
「まあ」
「虐められたことは無かったか」
「いつもコーネリア様が一緒なので」
「屋敷内で困ったことはないか」
「数日前に大きな蜘蛛が部屋に現れて困りました」
「どのくらいだ」
「私の爪くらいです」
「足の親指の爪か?」
「手の人差し指とかの爪の大きさです」
「胴体がか」
「足も含めてです」
「……」
「冬だから油断していました」
「領地ではどうしていたんだ」
「同じです。使用人や兄が常日頃から目を光らせております」
「そうか」
「緊急会議を開きましたので、タウンハウスでも気を引き締めて徹底してくれると信じています」
「大変だったな」
「怖くて兄の部屋で寝ました」
「は?」
「私の部屋に出て メイドが捕まえ損ねたのです。
安眠できるはずがありません」
「だがな、男の部屋で寝るのは、」
「私の兄ですが」
「そうだな」
くだらない話をしている間に学園に到着した。
会場に入るとデビューの時のような視線が突き刺さる。
お父様達は知り合いに話しかけられて盛り上がっているので私達は離れて飲み物を飲んでいた。
「ロバート様、お久しぶりですわ」
振り向くと私より歳上の女性が立っていた。
「よく覚えていないが、久しぶりなのか?」
「っ!」
あ、この女性はもしかして、ロバートの夜のお相手?
「こちらの方を紹介してくださるかしら」
「何でだ」
「え?」
「何故 紹介しなくてはならない」
「……」
「特に用がないなら遠慮してくれないか。彼女の卒業パーティなんだ」
「あんまりですわ。半年前に愛し合ったではありませんか」
「愛し合ったとは?」
「わ、私と体を繋げたではありませんか」
「体を使いあっただけでは愛ではない。おかしなことを言わないでくれ。
半年前?一度か?
交際もしていないのに体を許す女を愛するわけがないだろう。
妄想は止めてくれ」
「っ!」
ド屑だけど清々しい。なんなのこの男は。
女性は顔を真っ赤にして去っていった。
「すまないなビビアン」
なんかズレてるのよね。
「私には関係ありませんから どうぞご自由に」
「婚姻したら他の女には手を付けない」
「寧ろ今まで通り 手を付けてください」
「ビビアン、」
「始まりますわ。参りましょう」
でも意外だった。もっと女ったらしを想像していた。こんなに冷たいのに 彼女達はどうして体を許すのか理解ができない。
学園長や来賓の挨拶を聞き、主席卒業生の挨拶を聞いた後、自由時間になった。
ダンスを踊る者、食事をする者、会話を楽しむ者と様々だ。
「ビビアン」
聞き慣れた声に反応して振り向いた。
「コーネリア様、レオナード様」
「今日も可愛いわ」
「コーネリア様こそ美しいです」
「ビビアン、よく似合っているよ。
ダンスに誘ってもいいかな」
「ビビアン」
止めたそうなロバートを無視してレオナード様とダンスを踊った。
「領地へはまだ戻らないということだったけど変更は無い?」
「はい。エリンが卒業するまでいることになっていますから」
「私とコーネリアに会いに来て欲しいな」
「たまに伺います」
「頻繁がいいな。
毎日のように会っていたからコーネリアが寂しがるよ」
「確かに寂しいですね」
「さっき一悶着あった?」
「あったような…よく分かりません。
ロバート様のことも思っていたのとは違って よく分からなくなってきました」
「どういうこと?」
さっきの出来事を話した。
「ビビアンは気にしなくていいよ」
「私が見ていない何かがある気がして…」
「君に冷たくして女達と不貞を繰り返していたのは事実だ。変わらないだろう」
「……」
「ちょっと関わるようになったからと絆されちゃうのか?」
「そういう訳じゃ…」
「ダンスが終わったらコーネリアと何か食べに行こう。ほら、彼はもう別の女性に目を向けているよ」
夫人?
夫人にまで手を出すの??
ちょっと苛立ちを覚えてきた。
女遊びがしたいなら私のエスコートなんてしなければいいのに。
急に会うようになってから他人がただの他人に思えなくなってきている。
距離を置きたい。
卒業パーティが終わると、ロバートを城まで送って屋敷に帰ってきた。
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