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双子の企み
【 アレンの視点 】
就寝前。
「アレン。僕、メイが欲しい」
「……」
「アレンもだろう?」
「うん」
「多分この先 メイみたいな子は現れない」
「だが父上達は許さないと思う」
「先ずは令嬢として育てよう」
「本気か?」
「僕達は心を許すことが出来ない生活を送っている。常に醜い心の声が聞こえてしまう。
もうすぐ僕達は婚約者を見つけなくてはならないのに会う令嬢はことごとく不合格だったじゃないか。
あの子は磨けば光る。ちょっとメイド達が整えた程度であれだけ可愛くなるんだから、栄養をとらせて磨けばその辺の令嬢など足元にも及ばなくなる。
カルデック家は妻の実家に何かしてもらわなければならないほど軟弱ではない。モヴィー家に問題があるなら別の家門へ養女に出せばいい。
中身は高位貴族に向かないけど、僕達が守ってあげればいい」
エヴァンの決意は固い。だったらやるしかない。
「分かった。メイを育てよう」
だがメイは思っていたよりも頑固で特殊な子だった。
普通は買い与えれば喜ぶものなのに怒りを滲ませていた。価値観が違う。別世界から来た魂は警戒心で溢れていた。
これからのことを考えると この世界のやり方で受け入れることを教えなくてはならない。公爵と男爵家の格差は理解しているようだったからそれを使った。
メイは賢い。一歩引いてくれた。
メイド長はメイの言動に驚いていた。私達が選んで買うメイの物を自分で払うつもりでいたことも、断ってきたことも。
「メイド長。私達はメイを令嬢として育てることに決めた。制服も注文したから学園へも通わせる。だが雇用関係はまだ残した方がいい。あの通り頑固だから雇用主命令が必要だ」
「かしこまりました」
「父上達はゆっくり説得する。そのつもりで見てほしい」
「では、バード様にもお命じください」
「分かった」
バードは執事だ。彼にも説明をした。
彼女は一度死んで別の世界から今のメイの体に入ったと信じ込んでいた。だがとても嘘とは思えない。
時々ファラルという神に文句を言っている。
何故信じられるのか。無学な貧乏令嬢のはずなのに知識が豊で特に料理と衛生面で様々な心の声が聞こえて来たからだ。内容からして遥かに文明が進んだ世界からきていると納得できたからだ。
彼女を預かって1週間も経たないうちに、使用人の中に咳き込む者が現れて、メイは私達に意見を述べた。
「風邪ひいている使用人には咳が治るまではマスクを付けさせるか屋敷内で治るまで隔離すべきです
〈こんなに医療技術が遅れているなら風邪も命取りになりかねないし、何より不衛生なのよね。手洗いも不十分だし。
マスクは作るの簡単だけど、ほとんどウイルスを通さないマスクを作るのはこの世界では難しい。まあ無いより全然いいよね〉」
材料やどんなものか説明を受けたが来客に応対する使用人には使わせられない。
「でしたら休みにして隔離するか、治るまで一人作業が出来るようにしてください。食事は別部屋で。手洗いを徹底させてください」
試しに風邪をひいている者一人と、ひいていない者でマスク無し四人とマスク有り四人で二日間同じ室内で作業させた。
マクス有りは三人が無事だったが残る一人とマスク無し四人は感染した。
「個々で免疫が違いますから感染しやすい人と感染しにくい人がいます。あと代謝も違うので治る速度も均一ではありません。
この対策を取っても 外からももらいます。子供は特にあちこち触りますし人にも触れ、手洗いを怠ります。他にも家族が職場からもらって来たり、お店でもうつされます。どうしても防ぎれません」
だが、いつもなら一人風邪を引くと屋敷の半数以上が風邪を引くのに、これを導入したおかげで二割で済んだ。
「マスクはうつされないようにするためだけではなく うつさないようにするためのものでもありますので、特に罹っている人は必ず着けて欲しいです。他に利点もありますよ。喉の乾燥を防ぐんです。私は喉が痛いときや咳が出るときは寝る時も着けます」
男爵家でそんな余裕はないはずだ。
付き添いのメイドから メイが厨房で調味料の確認をしていたと報告があった。
「それが、聞いたことのない物が多く、覚えられませんでした。申し訳ございません。それに砂糖の値段を知って驚いていました」
だからティータイムに質問をしてみた。
「そういえば男爵家では菓子は何を食べていたんだ?」
「そんなものはありません」
「…砂糖を使って何か作るとか」
「砂糖なんか買えません〈高いとは聞いていたけど聞いてびっくりした。私の世界では砂糖は基本的な調味料ですごく安いのに。同じ一袋でも安い砂糖なら小麦粉より安いんだけどな〉」
は!? 高級品の砂糖が!?
「砂糖は好きか?」
「一応 好きです〈だけど種類があるからなぁ。我が家では甜菜糖を使っていたし、お菓子はグラニュー糖だし。上白糖や黒糖やきび砂糖に三温糖といろいろスーパーに売っていたのになぁ〉」
そしてテストを受けさせた。
「お嬢様は国語と歴史はかなり勉強が必要ですが、数学はもう何もなさらなくて結構です」
「つまり私達より?」
「はい。王立学園どころか、その先の大学生も敵わないかもしれません」
「他には?」
「貴族に関することも初歩から必要ですが所作の習得は早いかもしれません。雰囲気が異国の育ちの良いお嬢様という感じがします。作法が違うだけで丁寧です。刺繍というより裁縫が得意です。楽器はピアノがひけるようです」
試しにひいてもらったら、聞いたことのない曲だったが素晴らしかった。
「すごいよ メイ!」
「びっくりした」
「少しミスしましたけど、まだ体が覚えていました〈腕はいいけどパッとしないって言われてピアニストの道を諦めたのよね〉」
「何て曲?」
「最初は“愛の挨拶”二曲目は“月光”です」
後で調べさせたら 月光はあった。だが全く違う曲だった。
それにモヴィー男爵家がピアノなんてあるわけがない。あっても習わせてやれない。
つまりメイの体に入る前、異世界でピアノを習っていたということだ。
神が連れて来た異世界の魂…この話は間違いなさそうだ。
就寝前。
「アレン。僕、メイが欲しい」
「……」
「アレンもだろう?」
「うん」
「多分この先 メイみたいな子は現れない」
「だが父上達は許さないと思う」
「先ずは令嬢として育てよう」
「本気か?」
「僕達は心を許すことが出来ない生活を送っている。常に醜い心の声が聞こえてしまう。
もうすぐ僕達は婚約者を見つけなくてはならないのに会う令嬢はことごとく不合格だったじゃないか。
あの子は磨けば光る。ちょっとメイド達が整えた程度であれだけ可愛くなるんだから、栄養をとらせて磨けばその辺の令嬢など足元にも及ばなくなる。
カルデック家は妻の実家に何かしてもらわなければならないほど軟弱ではない。モヴィー家に問題があるなら別の家門へ養女に出せばいい。
中身は高位貴族に向かないけど、僕達が守ってあげればいい」
エヴァンの決意は固い。だったらやるしかない。
「分かった。メイを育てよう」
だがメイは思っていたよりも頑固で特殊な子だった。
普通は買い与えれば喜ぶものなのに怒りを滲ませていた。価値観が違う。別世界から来た魂は警戒心で溢れていた。
これからのことを考えると この世界のやり方で受け入れることを教えなくてはならない。公爵と男爵家の格差は理解しているようだったからそれを使った。
メイは賢い。一歩引いてくれた。
メイド長はメイの言動に驚いていた。私達が選んで買うメイの物を自分で払うつもりでいたことも、断ってきたことも。
「メイド長。私達はメイを令嬢として育てることに決めた。制服も注文したから学園へも通わせる。だが雇用関係はまだ残した方がいい。あの通り頑固だから雇用主命令が必要だ」
「かしこまりました」
「父上達はゆっくり説得する。そのつもりで見てほしい」
「では、バード様にもお命じください」
「分かった」
バードは執事だ。彼にも説明をした。
彼女は一度死んで別の世界から今のメイの体に入ったと信じ込んでいた。だがとても嘘とは思えない。
時々ファラルという神に文句を言っている。
何故信じられるのか。無学な貧乏令嬢のはずなのに知識が豊で特に料理と衛生面で様々な心の声が聞こえて来たからだ。内容からして遥かに文明が進んだ世界からきていると納得できたからだ。
彼女を預かって1週間も経たないうちに、使用人の中に咳き込む者が現れて、メイは私達に意見を述べた。
「風邪ひいている使用人には咳が治るまではマスクを付けさせるか屋敷内で治るまで隔離すべきです
〈こんなに医療技術が遅れているなら風邪も命取りになりかねないし、何より不衛生なのよね。手洗いも不十分だし。
マスクは作るの簡単だけど、ほとんどウイルスを通さないマスクを作るのはこの世界では難しい。まあ無いより全然いいよね〉」
材料やどんなものか説明を受けたが来客に応対する使用人には使わせられない。
「でしたら休みにして隔離するか、治るまで一人作業が出来るようにしてください。食事は別部屋で。手洗いを徹底させてください」
試しに風邪をひいている者一人と、ひいていない者でマスク無し四人とマスク有り四人で二日間同じ室内で作業させた。
マクス有りは三人が無事だったが残る一人とマスク無し四人は感染した。
「個々で免疫が違いますから感染しやすい人と感染しにくい人がいます。あと代謝も違うので治る速度も均一ではありません。
この対策を取っても 外からももらいます。子供は特にあちこち触りますし人にも触れ、手洗いを怠ります。他にも家族が職場からもらって来たり、お店でもうつされます。どうしても防ぎれません」
だが、いつもなら一人風邪を引くと屋敷の半数以上が風邪を引くのに、これを導入したおかげで二割で済んだ。
「マスクはうつされないようにするためだけではなく うつさないようにするためのものでもありますので、特に罹っている人は必ず着けて欲しいです。他に利点もありますよ。喉の乾燥を防ぐんです。私は喉が痛いときや咳が出るときは寝る時も着けます」
男爵家でそんな余裕はないはずだ。
付き添いのメイドから メイが厨房で調味料の確認をしていたと報告があった。
「それが、聞いたことのない物が多く、覚えられませんでした。申し訳ございません。それに砂糖の値段を知って驚いていました」
だからティータイムに質問をしてみた。
「そういえば男爵家では菓子は何を食べていたんだ?」
「そんなものはありません」
「…砂糖を使って何か作るとか」
「砂糖なんか買えません〈高いとは聞いていたけど聞いてびっくりした。私の世界では砂糖は基本的な調味料ですごく安いのに。同じ一袋でも安い砂糖なら小麦粉より安いんだけどな〉」
は!? 高級品の砂糖が!?
「砂糖は好きか?」
「一応 好きです〈だけど種類があるからなぁ。我が家では甜菜糖を使っていたし、お菓子はグラニュー糖だし。上白糖や黒糖やきび砂糖に三温糖といろいろスーパーに売っていたのになぁ〉」
そしてテストを受けさせた。
「お嬢様は国語と歴史はかなり勉強が必要ですが、数学はもう何もなさらなくて結構です」
「つまり私達より?」
「はい。王立学園どころか、その先の大学生も敵わないかもしれません」
「他には?」
「貴族に関することも初歩から必要ですが所作の習得は早いかもしれません。雰囲気が異国の育ちの良いお嬢様という感じがします。作法が違うだけで丁寧です。刺繍というより裁縫が得意です。楽器はピアノがひけるようです」
試しにひいてもらったら、聞いたことのない曲だったが素晴らしかった。
「すごいよ メイ!」
「びっくりした」
「少しミスしましたけど、まだ体が覚えていました〈腕はいいけどパッとしないって言われてピアニストの道を諦めたのよね〉」
「何て曲?」
「最初は“愛の挨拶”二曲目は“月光”です」
後で調べさせたら 月光はあった。だが全く違う曲だった。
それにモヴィー男爵家がピアノなんてあるわけがない。あっても習わせてやれない。
つまりメイの体に入る前、異世界でピアノを習っていたということだ。
神が連れて来た異世界の魂…この話は間違いなさそうだ。
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