7 / 19
恥ずかしいのに呼ばないで!
しおりを挟む
眠れなかった。
「ユピルピア様、朝食は食堂に集まるようエルダ様から指示がありました」
「行きたくない」
「熱でも出ない限り断れません。お支度をいたします」
「ん~!!」
「たくさん食べて、戻ってきたら直ぐ眠れるように楽な服にしますから」
昔からこうやってぐずると宥めてくれるペルペナに甘えるのが大好きだ。
ニコニコしていると、
「まだまだ甘えん坊ですね」
「ペルペナにだけよ」
一切締め付けのない、エンパイアドレスに着替えて食堂へ向かうとエルダが待っていた。
「中でお待ちください」
食堂の中には多くの女性がいた。
最後にヴィヴィアン様が到着するとエルダが指示を出す。
「本日は、本宮殿の小広間に席をご用意しました。
ご案内しますので付いて来て下さい」
渡り廊下を逆行するとは思わなかった。
ゾロゾロとエルダについて歩き、到着した小広間の前でエルダが注意事項を告げる。
「呼ばれた順に指定された席へ座ってください。
違う席に座れば、即部屋へ戻っていただきます。
話しかけるのは皇帝陛下のみ。尋ねられた者にだけ返事をする権利があります。よろしいですね」
今から陛下との朝食会だと知って女性達が騒ぎ出した。
パンパン!
「お静かに。
入室したらカーテシーをして席に座ってください。言葉を発してはいけません。
名前を呼んだら末席から座ってください。中でメイドが椅子を引いていますので分かると思います」
手を叩き、女性達を黙らせて告げた言葉に緊張が走る。末席に座る者から呼ばれる…それは寵愛から程遠い存在ということになる。
先ず私が呼ばれるだろうと前に出た。だけど…
「ヴィヴィアン様」
「は!? 私!?」
「はい」
「何かの間違いよ!」
「では お部屋へお戻りください」
「確かめて来て!逆じゃないの?」
「次の方は、」
「分かったわよ!」
ヴィヴィアン様が怒りながら入室した。
次々と呼ばれるのに私の名前が呼ばれない。
きっとリストにも載っていなくて、帰されるパターンね。
どうでもいいけど朝食は運んでくれるのかな などと思っていた。
「モアナ様、シャンティ様、ユピルピア様、ご一緒にお入りください」
私達は顔を見合わせた。
「どうぞ」
中に入ると、陛下の右手側に2席、左手側に1席が空いていた。
メイドに促された席は、右手側直ぐの席に私、その隣の席にモアナ様、左手側の席にシャンティ様だった。
「……」
座ったはいいが、陛下の顔は見れない。
だって昨夜 胸を見られてしまったから。
顔が熱い。きっと赤くなっているんだわ。
下を向いてやり過ごすことにした。
「……おはよう。
問題無く過ごしていると報告を受けている。
これからもそうあって欲しい。
昨日、シャンティの実家シトール家から後宮に差し入れが届いた。シトール領の最高級ブドウジュースだ。皆でいただきたいと思う。シャンティ、ありがとう。其方が送るように手紙に書いてくれたと聞いた」
「はい。
実は、ユピルピア様と特産品の話になりまして、ワインよりジュースがいいと仰るので、特別にワイン用の最高級ブドウをジュースにしていただきましたの」
「そうか。良かったな、ユピルピア」
「はい、シャンティ様、ありがとうございます。
ご家族にお礼のお手紙を書かせてください」
シャンティ様はニッコリ微笑んで返事をした。
「さて、食事にしよう」
ジュースが美味しくて食も進む。
「ユピルピアにジュースを注いでやってくれ」
日頃質素な献立にしてもらっているからか、もったいないと全部食べた。陛下の顔も見れないからひたすらナイフとフォークを動かして口に入れるしかなかったし。
そして美味しいジュースも飲んだ。
「そろそろデザートにしてくれ」
カクンカクンと身体が揺れる。強烈な眠気が襲っているのが分かる。
「(ユピルピア様)」
モアナ様が小声で私の名を呼んでいる。
目の前にフルーツが…
口に入れたけど、そこから記憶がなかった。
「……私が連れて行こう」
最後にそんな声が聞こえた気がする。
ふわりと浮いた。
抱き上げられて運ばれてる。きっとお父様かお兄様が運んでくださっているのだわ。
「…大好き」
「……ユピルピア」
「お父様…お兄様…」
「……」
「ユピルピア様、朝食は食堂に集まるようエルダ様から指示がありました」
「行きたくない」
「熱でも出ない限り断れません。お支度をいたします」
「ん~!!」
「たくさん食べて、戻ってきたら直ぐ眠れるように楽な服にしますから」
昔からこうやってぐずると宥めてくれるペルペナに甘えるのが大好きだ。
ニコニコしていると、
「まだまだ甘えん坊ですね」
「ペルペナにだけよ」
一切締め付けのない、エンパイアドレスに着替えて食堂へ向かうとエルダが待っていた。
「中でお待ちください」
食堂の中には多くの女性がいた。
最後にヴィヴィアン様が到着するとエルダが指示を出す。
「本日は、本宮殿の小広間に席をご用意しました。
ご案内しますので付いて来て下さい」
渡り廊下を逆行するとは思わなかった。
ゾロゾロとエルダについて歩き、到着した小広間の前でエルダが注意事項を告げる。
「呼ばれた順に指定された席へ座ってください。
違う席に座れば、即部屋へ戻っていただきます。
話しかけるのは皇帝陛下のみ。尋ねられた者にだけ返事をする権利があります。よろしいですね」
今から陛下との朝食会だと知って女性達が騒ぎ出した。
パンパン!
「お静かに。
入室したらカーテシーをして席に座ってください。言葉を発してはいけません。
名前を呼んだら末席から座ってください。中でメイドが椅子を引いていますので分かると思います」
手を叩き、女性達を黙らせて告げた言葉に緊張が走る。末席に座る者から呼ばれる…それは寵愛から程遠い存在ということになる。
先ず私が呼ばれるだろうと前に出た。だけど…
「ヴィヴィアン様」
「は!? 私!?」
「はい」
「何かの間違いよ!」
「では お部屋へお戻りください」
「確かめて来て!逆じゃないの?」
「次の方は、」
「分かったわよ!」
ヴィヴィアン様が怒りながら入室した。
次々と呼ばれるのに私の名前が呼ばれない。
きっとリストにも載っていなくて、帰されるパターンね。
どうでもいいけど朝食は運んでくれるのかな などと思っていた。
「モアナ様、シャンティ様、ユピルピア様、ご一緒にお入りください」
私達は顔を見合わせた。
「どうぞ」
中に入ると、陛下の右手側に2席、左手側に1席が空いていた。
メイドに促された席は、右手側直ぐの席に私、その隣の席にモアナ様、左手側の席にシャンティ様だった。
「……」
座ったはいいが、陛下の顔は見れない。
だって昨夜 胸を見られてしまったから。
顔が熱い。きっと赤くなっているんだわ。
下を向いてやり過ごすことにした。
「……おはよう。
問題無く過ごしていると報告を受けている。
これからもそうあって欲しい。
昨日、シャンティの実家シトール家から後宮に差し入れが届いた。シトール領の最高級ブドウジュースだ。皆でいただきたいと思う。シャンティ、ありがとう。其方が送るように手紙に書いてくれたと聞いた」
「はい。
実は、ユピルピア様と特産品の話になりまして、ワインよりジュースがいいと仰るので、特別にワイン用の最高級ブドウをジュースにしていただきましたの」
「そうか。良かったな、ユピルピア」
「はい、シャンティ様、ありがとうございます。
ご家族にお礼のお手紙を書かせてください」
シャンティ様はニッコリ微笑んで返事をした。
「さて、食事にしよう」
ジュースが美味しくて食も進む。
「ユピルピアにジュースを注いでやってくれ」
日頃質素な献立にしてもらっているからか、もったいないと全部食べた。陛下の顔も見れないからひたすらナイフとフォークを動かして口に入れるしかなかったし。
そして美味しいジュースも飲んだ。
「そろそろデザートにしてくれ」
カクンカクンと身体が揺れる。強烈な眠気が襲っているのが分かる。
「(ユピルピア様)」
モアナ様が小声で私の名を呼んでいる。
目の前にフルーツが…
口に入れたけど、そこから記憶がなかった。
「……私が連れて行こう」
最後にそんな声が聞こえた気がする。
ふわりと浮いた。
抱き上げられて運ばれてる。きっとお父様かお兄様が運んでくださっているのだわ。
「…大好き」
「……ユピルピア」
「お父様…お兄様…」
「……」
1,718
あなたにおすすめの小説
初恋に見切りをつけたら「氷の騎士」が手ぐすね引いて待っていた~それは非常に重い愛でした~
ひとみん
恋愛
メイリフローラは初恋の相手ユアンが大好きだ。振り向いてほしくて会う度求婚するも、困った様にほほ笑まれ受け入れてもらえない。
それが十年続いた。
だから成人した事を機に勝負に出たが惨敗。そして彼女は初恋を捨てた。今までたった 一人しか見ていなかった視野を広げようと。
そう思っていたのに、巷で「氷の騎士」と言われているレイモンドと出会う。
好きな人を追いかけるだけだった令嬢が、両手いっぱいに重い愛を抱えた令息にあっという間に捕まってしまう、そんなお話です。
ツッコミどころ満載の5話完結です。
魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました
iru
恋愛
小説家になろうですでに完結済みの作品です。よければお気に入りブックマークなどお願いします。
両親と旅をしている途中、魔物に襲われているところを、魔法師団に助けられたティナ。
両親は亡くなってしまったが、両親が命をかけて守ってくれた自分の命を無駄にせず強く生きていこうと決めた。
しかし、肉親も家もないティナが途方に暮れていると、魔物から助けてくれ、怪我の入院まで面倒を見てくれた魔法師団の団長レオニスから彼の家政婦として住み込みで働かないと誘われた。
魔物から助けられた時から、ひどく憧れていたレオニスの誘いを、ティナはありがたく受ける事にした。
自分はただの家政婦だと強く言い聞かせて、日に日に膨らむ恋心を抑え込むティナだった。
一方、レオニスもティナにどんどん惹かれていっていた。
初めはなくなった妹のようで放っては置けないと家政婦として雇ったが、その健気な様子に強く惹かれていった。
恋人になりたいが、年上で雇い主。
もしティナも同じ気持ちでないなら仕事まで奪ってしまうのではないか。
そんな思いで一歩踏み出せないレオニスだった。
そんな中ある噂から、ティナはレオニスの家政婦を辞めて家を出る決意をする。
レオニスは思いを伝えてティナを引き止めることができるのか?
両片思いのすれ違いのお話です。
顔も知らない旦那様に間違えて手紙を送ったら、溺愛が返ってきました
ラム猫
恋愛
セシリアは、政略結婚でアシュレイ・ハンベルク侯爵に嫁いで三年になる。しかし夫であるアシュレイは稀代の軍略家として戦争で前線に立ち続けており、二人は一度も顔を合わせたことがなかった。セシリアは孤独な日々を送り、周囲からは「忘れられた花嫁」として扱われていた。
ある日、セシリアは親友宛てに夫への不満と愚痴を書き連ねた手紙を、誤ってアシュレイ侯爵本人宛てで送ってしまう。とんでもない過ちを犯したと震えるセシリアの元へ、数週間後、夫から返信が届いた。
※この作品は、『小説家になろう』様『カクヨム』様にも投稿しています。
※全部で四話になります。
婚約者は冷酷宰相様。地味令嬢の私が政略結婚で嫁いだら、なぜか激甘溺愛が待っていました
春夜夢
恋愛
私はずっと「誰にも注目されない地味令嬢」だった。
名門とはいえ没落しかけの伯爵家の次女。
姉は美貌と才覚に恵まれ、私はただの飾り物のような存在。
――そんな私に突然、王宮から「婚約命令」が下った。
相手は、王の右腕にして恐れられる冷酷宰相・ルシアス=ディエンツ公爵。
40を目前にしながら独身を貫き、感情を一切表に出さない男。
(……なぜ私が?)
けれど、その婚約は国を揺るがす「ある計画」の始まりだった。
お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。
下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。
またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。
あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。
ご都合主義の多分ハッピーエンド?
小説家になろう様でも投稿しています。
【完結】離婚を切り出したら私に不干渉だったはずの夫が激甘に豹変しました
雨宮羽那
恋愛
結婚して5年。リディアは悩んでいた。
夫のレナードが仕事で忙しく、夫婦らしいことが何一つないことに。
ある日「私、離婚しようと思うの」と義妹に相談すると、とある薬を渡される。
どうやらそれは、『ちょーっとだけ本音がでちゃう薬』のよう。
そうしてやってきた離婚の話を告げる場で、リディアはつい好奇心に負けて、夫へ薬を飲ませてしまう。
すると、あら不思議。
いつもは浮ついた言葉なんて口にしない夫が、とんでもなく甘い言葉を口にしはじめたのだ。
「どうか離婚だなんて言わないでください。私のスイートハニーは君だけなんです」
(誰ですかあなた)
◇◇◇◇
※全3話。
※コメディ重視のお話です。深く考えちゃダメです!少しでも笑っていただけますと幸いです(*_ _))*゜
図書館でうたた寝してたらいつの間にか王子と結婚することになりました
鳥花風星
恋愛
限られた人間しか入ることのできない王立図書館中枢部で司書として働く公爵令嬢ベル・シュパルツがお気に入りの場所で昼寝をしていると、目の前に見知らぬ男性がいた。
素性のわからないその男性は、たびたびベルの元を訪れてベルとたわいもない話をしていく。本を貸したりお茶を飲んだり、ありきたりな日々を何度か共に過ごしていたとある日、その男性から期間限定の婚約者になってほしいと懇願される。
とりあえず婚約を受けてはみたものの、その相手は実はこの国の第二王子、アーロンだった。
「俺は欲しいと思ったら何としてでも絶対に手に入れる人間なんだ」
身代わり令嬢、恋した公爵に真実を伝えて去ろうとしたら、絡めとられる(ごめんなさぁぁぁぁい!あなたの本当の婚約者は、私の姉です)
柳葉うら
恋愛
(ごめんなさぁぁぁぁい!)
辺境伯令嬢のウィルマは心の中で土下座した。
結婚が嫌で家出した姉の身代わりをして、誰もが羨むような素敵な公爵様の婚約者として会ったのだが、公爵あまりにも良い人すぎて、申し訳なくて仕方がないのだ。
正直者で面食いな身代わり令嬢と、そんな令嬢のことが実は昔から好きだった策士なヒーローがドタバタとするお話です。
さくっと読んでいただけるかと思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる