【完結】王子妃になりたくないと願ったら純潔を散らされました

ユユ

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学年一の可愛い令嬢

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皆でケーキを選び、席に戻った。

馬鹿な話をしながら王宮パティシエのケーキを楽しんでいた。

時々サットン卿にも話しかける。

「サットン卿は元々騎士志望でしたか?」

「いえ。スカウトです」

「まあ、余程の才の持ち主なのですね」

「特に将来の希望がなくて、誘われるままなっただけです」

「私も将来の希望はありませんわ。さらに才能もありませんの。
刺繍さえ危ないからとさせてもらえませんし」

「それは姉様が思いっきり指を刺すからです」

「なかなか痛かったわね」

「だから駄目なんです」

「失礼、私もよろしいでしょうか」

ここで返事をしたのはエレノアだった。

「ミルドーサ伯爵令嬢。どうなさったの?」

「お近付きになりたくて」

「誰に?」

「皆様に」

エレノア 怖い……

「あっちに座りなよ」

リオが指を刺したのはエレノアとジェニー様の間だ。

「いえ、私はサルヴィア公爵令嬢とガードナー侯爵令嬢のお側に座らせてください」



リオは一切令嬢の方を見ない。

リオ… こんなキラキラとした可愛い子に冷た過ぎるでしょう。

あれ? もしかして、告白してきた学年で一番可愛い子?

ジェニー様の顔を見るとリオを見て呆れているし、お嬢さんはリオをチラチラ見てるし……ん?

サットン卿が何故か私の背後でややお嬢さん寄りに移動した。

チラッとサットン卿を見ると、“ん?”  と言ってそうな顔で私に微笑んだ。

ドクン…

かーっと顔が熱くなるのが分かった。耳まで熱い。
絶対顔が赤いのだろうとセンスを広げて俯いた。

「ちょっと、サラ。どうしたの?」

「本当だ。熱があるんじゃない?」

「(気に入らない)」

リオの低い呟きに一気に熱が引いていく。

「リオ様のお姉様はこちらの騎士様がタイプなのですね」

ミルドーサ伯爵令嬢が余計なことを言い出した。

「わかるわ~。かっこいいもの。大人の色気にあてられちゃったのね。
こんな可愛い反応をされたら殿方は堪らないでしょうね」

エレノアがフォローのような油を入れてくれた。

「リオ様、一緒にケーキを取りに行ってくださらない?」

「姉から離れるつもりはないから一人で行ってくれ」

「お姉様は騎士様に任せて行きましょう?」

「君にリオ様などと呼んでいいとは言っていない。同学年だがクラスは別だし友人でもない。
そしてサラを馴々しくお姉様などと呼ぶな。
サラを誰かに任せるつもりはないし指図も受けない」

「っ!」

席の空気が重い!
何でそんなに冷たくするの?

「リオ、そんなに言わなくても。私が一緒に行くわ」

「ありがとうございます」

立ち上がり、お嬢さんの側から取りに向かおうとした時に足をかけられた。

倒れそうになった私をサットン卿とリオが支えてくれた。

「ありがとうございます」

足は大丈夫ですか」

「あ、え、ええ」

「お前、足を掛けたのか」

「言いがかりですわ」

「この目でしっかり見た」

サットン卿が手を挙げると近くにいた兵士が寄ってきた。

「この女を会場の端に立たせてくれ。あの辺りがいい」

サットン卿が指を刺したのは王妃殿下のテーブルの横だった。

兵士はお嬢さんの二の腕を掴み引っ張っていく。

「放して! やってないわ!」

お嬢さんの声が周りの目を集めてしまった。

当然このお方にも気付かれてしまった。


「何があった」

サットン卿がユリス殿下に耳打ちをした。

「へえ」

殿下は私の側にきて怪我がないか確認をした。

「サットン卿のおかげで転倒せずに済みました」

「怪我はない様だから捕えることはしないでおこう。だが、ミルドーサ伯爵令嬢。其方は何処かに嫁いで子を産むまで王城に足を踏み入れるな」

「殿下!?」

「この女を城門の外に出せ」

「そんなっ!私は、」

「貴女は最初からガードナー侯爵令嬢に敵意ある視線を向けていたから私は間が良く見える位置に立っていたんだ。茶でもかけるのかと思ったら、親切に付き添うと言ってくれた令嬢の足を掛けるとは。
実に愚かだ」

え?そうなの?

「私、貴女に何かしたかしら。初対面だと思うのだけど」

「何度もリオ様に想いを告げても、全く振り向いてくれなかった。この間は“姉より可愛くなったらな”って言われたわ!
負けてるなんて思えないのにおかしいじゃない!
きっと貴女が、」

彼女はそれ以上何も言えなくなった。
リオが首を掴んで持ち上げたから。

「ガッ……グッ」

「どう考えてもお前はサラに及ばない。サラを攻撃するなら物理的にできないようにしてやる」

「止めて、リオ! 降ろして!」

リオに抱き付くと手を離した。

「ゲホッ ゲホッ」

「早くこの女を城外に出してくれ」

ユリス殿下の命に従い兵士が引き摺って行ってしまった。

「サラ、不快な想いをさせたな」

「殿下のせいではありませんわ」

「おいで。持ち帰り用に焼き菓子を選ぼう」

え?いいの?

殿下の差し出された手に手を乗せた。


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