【完結】お前も遊べばいいと言われたので

ユユ

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求婚

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「ディオン様!責任など取らなくていいのです!」

「リディアーヌ、昔王子殿下とディオン様が喧嘩になったのは、ディオン様がリディアーヌに求婚したからなの」

「可愛かったわぁ」

「では?」

「私が貴女をペルマナントに遊びに来ないかと誘っていたのは、ディオンと引き合わせる為なの。ディオンはリディアーヌが忘れられないし、王子とは上手くいっていないようだからと希望を見出してどんな縁談も断ってしまったわ」

「あの夜は」

「リディが行くと聞いて私も参加した。
仮面をつけていても直ぐに分かったよ」

「じゃあ……」

「私はリディを愛しているから屋敷に連れて来た」

「でも…他の令嬢とお付き合いをしたのでしょう」

「諦めなくてはいけないと思ったし、後継も必要だから。割り切って務めを果たす条件のいい令嬢と交際してみたが、結局私に愛を求めるし婚約もしていないのに宝石やドレスを強請りだしたから断った。

試しに体を重ねたこともあったが尽くす気持ちにはならなかった」

「社交界の花となるだろうと言われた令嬢も断ったのよ」

「あまりにも自分が可愛いと勘違いするものだったから『リディの方が可愛いから無理だ』と言ったら泣いて帰っていった」

叔母様の方を見ると苦笑いしている。
きっととても可愛らしい方だったのね。

「ディオン!お前見る目があるな!
リディの方が可愛いに決まっている!」

「リディは義兄上の瞳にそっくりでとても可愛い」

「ディオン!よく分かってるな!
賢い男は好きだ!

そうなんだよ。リディと俺の瞳はそっくりなんだよ」

「義兄上のような方が兄様ならリディも幸せでしょう。全力で守ってくださるのですから」

「そうなんだよ。だけど国王のやつ!息子可愛さに俺をこっちの研究所に推薦しやがって!俺とリディを引き離したんだ!」

「とんでもない奴ですね!
義兄上、遊びにいらした時、ゆっくりリディと話ができるよう専用の部屋を用意します。
いつでもいらしてください」

「そうか!ありがたい!」

お兄様…それでは結婚の許可を出したようなものですよ…

「アベル公認ならなぁ」

「そうですね。他の殿方では命が危ないかもしれませんからね」

「あの~。私には婚約者がいて、今回の事を打ち明けたらどうなるか分からない身なのですが」

「問題ない。

義兄上、その時は一緒に行っていただけますか。私もリディを守りますが義兄上がいてかだされば怖いものはありません」

「勿論一緒に行くぞ!
あのクソ王子を生き埋めにしてやるか」

「義兄上、頼りにしております」

「任せておけ」

「お兄様!」

「リディ。私は王宮主催の剣闘会の優勝者だ。安心しろ」

「ええっ!?学校じゃなくて!?」

「リディに変な虫がつくといけないから留守番だったな。アベルは3回優勝して殿堂入りしたからもう参加出来ないが今でも強いんだ」

「そうなのよ騎士団から何度も誘いがあったけど、リディの側にいることが任務だと言って断ったのよ」

「お兄様!」

久しぶりにお兄様の膝の上に乗ってしがみついた。

「何も知らなくてごめんなさい。いつもありがとうございます」

「可愛い俺のリディ。今思えば近衛に入って王族を根絶やしにするんだったよ」

怖い!怖い!

「お兄様が汚れてしまうのは嫌ですわ。
お兄様とまた遠乗りしたいです」

「リディは馬に乗れるのか」

「リディに一人乗りなどさせるか。
勿論俺が乗せて遠乗りするんだよ」

「良かったな、リディ」

本当にそう思ってる?




「ベルナード兄様、リディアーヌが去ってからどうなったのですか」

「手紙が5通届いたところで開封して、執務は自分でやれと返事を出したら訪ねてきたのでリディアーヌはペルマナントだし婚約は解消すると告げた」

「お父様、ご迷惑をおかけしました」

「リディアーヌにもアベルにもまだ話していないが決着した。その事を知らせて戻ってきても大丈夫だと言うためにここに来た。

陛下が王命を取り下げた。
そして第一王子殿下有責の婚約解消が成された」

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