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ロドルフ 1

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【 第一王子 ロドルフ 】


私はアロンジェ王国の第一王子。
細長い領土を持つ我が国は小国で、隣国のペルマナント王国の従属国になる事で守られているらしい。

実際に攻め込まれたことがないから分からないが父上がそう言うのだからそうなのだろう。

私には小さな頃から決められた婚約者がいた。

リュフードゥル侯爵家のリディアーヌだ。
アンバーの瞳にクリーム色の髪。可愛い子だった。婚約者になれて良かったと思っていた。

ぎこちないリディアーヌと仲良くなりたくて積極的に彼女を登城させてお菓子とお茶を振る舞った。庭園を散歩したり本を読んだりして過ごすうちにリディアーヌは打ち解けてきた。

『ロドルフ様』

リディアーヌが私の名前を呼んで微笑む。
とても幸せだった。

だが、そのうち王子妃教育が始まると次第に態度が変わっていった。無邪気なリディアーヌが徐々に消えていく。

胸の内を教育係に漏らした。

『仕方のないことでございます。ロドルフ殿下は第一王子で国王になる尊いご身分。リュフードゥル侯爵令嬢はただのご令嬢。後継でもございません。

今から勘違いをして助長せぬよう厳しく躾なければならないのです。ですからいつまでも子供のように馴々しくなさらないよう指導しております。

ロドルフ殿下、どうかリュフードゥル侯爵令嬢との未来のために威厳を持って時には厳しく従わせてくださいませ』

成程。そういうことか。私は次期国王。リディアーヌを従わせる立場なんだ!


それ以降私はリディアーヌに厳しくした。
私に対して馴々しくしたとき、前に出過ぎたときに嗜めた。

親しげに話しかけられれば

『リディアーヌ、私は次期国王だ。もっと敬意を払ってくれ』

意見を口にしたら

『リディアーヌにそのようなことは求めていない。出娑張るな』

他の令息や騎士と話していれば

『リディアーヌ、貞淑という言葉は習わなかったのか。誰にでも尻尾を振るな』

などと注意した。
これも私達の未来のためだと注意し続けた。



学園が始まる前にほとんどの王子妃教育を終えた。

教育係には

『ロドルフ殿下が厳しく接してくださったおかげでございます。残りは学園が終わった後に教えれば在学中に終了します』

『休みの日はどうするんだ』

『社交をなさるのでは』

『それは駄目だ!』

『なら執務を手伝わせてはいかがでしょう』

『リディアーヌにできるのか』

『多少は殿下のお役に立つでしょう』



学園が始まるとクラスが違った。
リディアーヌは特別クラスで10人中8人が令息だった。

私は成績が及ばずその次のクラスだった。
昼食に誘おうと特別クラスに近付くと仲良く話をしているのが聞こえる。

『リディアーヌは長期休暇はどうするの』

『キャサリーンまだ学園が始まったばかりよ』

『予定は早く組むものだ。親の都合もあるからね』

『昨年別荘を改装したんだ皆で遊びにおいでよ』

『デビッドの領地は南だよね。行きたいな』

『俺も』

皆が行きたいと返事をする中、リディアーヌだけは答えていなかった。

『リディアーヌ』

呼ぶとリディアーヌは礼をとった。

『リディアーヌはまだ王子妃教育が残っているし他にもやるべき事がある。

リディアーヌ。食事に行くよ』

『かしこまりました』



食事をしながらリディアーヌを指導する。

『貞淑の意味は分かっているね』

『はい』

『他の令息達との距離を考えないと』

『クラスメイトですわ』

『リディアーヌ』

『やましい事はございません』

『はぁ。君はまだ王子妃教育が必要なのが分かったよ。週末は朝から登城してくれ。
執務を教えよう』

『私の領分ではございません』

『暇を与えるとさっきのように誘惑される。
これは私達のためだ』

『かしこまりました』



平日、他の令息と会話をするリディアーヌに苛つきながら休日を待った。

休日、朝からリディアーヌと一緒に居られると思うと嬉しかった。

執務を教えているが距離が近いし密室だ。
いつも誰かがいるわけではない。
リディアーヌの匂いや身体つきが私を刺激する。
苛々するし落ち着かない。執務にも集中できなくて滞り始めた。

出来るものからリディアーヌが手伝い始めた。



学園でも王宮でも何故こんなに苛立つのか。
私は苦しかった。
婚前に間違いが起こらないよう毎晩毎朝自慰をしたが完全には解決しなかった。

そのうちリディアーヌを執務室に置いて別の場所で執務をすることもあった。

その時に出会いがあった。

伯爵の父と一緒に来ていた令嬢が迷子になっていた。
彼女は私と同い年だった。

話をするようになり友人として学園でも語り合うようになった。

女性の気持ちも知りたくて恥ずかしいが悩みを打ち明けた。

『殿下、それは仕方のないことですわ。
殿方は子孫を残すため早くから性欲が高まるのです。我慢をなさる方が健康に悪いと言われております。殿下もそういうお相手を見つけないとなりませんわ』

『私には婚約者がいる』

『他の令息達も婚約者が居ようが居まいが性欲を発散させていますわ。現に実害が出ているではありませんか。

男と女では違うのです。そういう風に身体が作られているという事は神の定めなのです。

ですが、外聞がありますので信頼のおける令嬢を選ばなくてはなりません』

『メイドや侍女に手を付けるわけにはいかないし、そんな令嬢はいない』

『では、私ではいかがですか』

『駄目だ』

『信用なりませんか』

『…そうではない』

『殿下のお力になれるということは名誉なのでございます。私を頼ってくださいませ』

手を握られ力説する彼女はリディアーヌと同じ髪の色だった。

『頼む』

『私のことはベルローズ…ベルとお呼びください。ロドルフ様とお呼びしてもいいですか。これからは親友です』

『そうだな。よろしくベル』


翌週の放課後から伯爵家の馬車に乗りお忍びの宿にベルと通った。

ベルが鞄から小瓶を出した。乙女の祈りという薬を秘部に塗り込むと痛みがないらしい。
リディアーヌとの初夜の練習にもなると手に取り丁寧に塗り込むと一気に陰茎を膣内に収めた。

『女の体とは…こんなに気持ちいいものなのだな』

『ロドルフ様』

『すまないが出そうだ』

『かまいませんわ』

遠慮なく放出した。

『まだ治らないようですね。続けてください』

二度目はベルを喜ばせることができた。

湯浴みをして待たせていた私専用の馬車に乗って帰った。

その夜はぐっすり眠れた。翌朝も身体が軽く苛立ちも軽減していた。

自慰では得られない満足感がリディアーヌへの罪悪感を消してしまっていた。

婚姻すれば問題は解決すると思っていた。








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