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ルシアンの怒り
【 ルシアンの視点 】
離れに行き、昼食後、アナベルとの面会を申し入れた。
アナベルはまだ寝巻きにガウンで、昼食を食べ終わったところだった。
昨夜を思い出し、つい顔が熱ってしまった。
「ルシアン様?」
「あと少ししたら殿下が訪れる。
話したいことがあると書いてあった。
心当たりはあるか?」
「お仕事かもしれませんね。
王子殿下のお仕事はほとんど私がやっておりましたから、今更急にやれと言われてもできないのでしょう」
「よく陛下は許したな」
「理解不能です」
「そうか。
私と両親で会うから、アナベルが会いたくなければ会わなくていい」
「では、お任せをしてもいいですか?」
「もちろんだ」
「ただ、メアリーを立たせてください。私が決めるべきことを侯爵家に返事を求めていた場合は止めに入らせますので、そのときは私が参ります」
「体は…大丈夫なのか?」
「少し重いような怠いような」
「医者を呼ぶ」
「そこまでではありませんから」
「なら車椅子を、」
「大袈裟ですわ」
「そうかもしれないが、念の為、隣の部屋に置かせるから、使ってくれ。転んだら危ないからな。
いや、迎えに来よう。考えてみたら階段が危ない」
「カリンもおりますから」
「カリンは女性だろう。いくら護衛でやれるとしても、負荷がかかりすぎだ。危ないから迎えにくる」
「…お願いします」
「よし。できる限りさっさと追い払うからな」
一階に降りると丁度殿下が到着したところだった。キョロキョロと何かを探している。
それは聞かずともアナベルを探していることは明白だった。
応接間に通すと早速アナベルの所在を聞いてくる。
ル「妻は参りません。我々でお話しを伺います」
セ「妻!? 妾だろう」
ル「妾という名の妻です」
セ「……昨日移り住んだと聞く。未だ他人だよな?」
ル「いえ。妻です。初夜は済ませましたので」
セ「だが、別に初めてではなかったのだろう?」
ル「私の妻を侮辱なさらないでください。
アナベルは見た目は美しく、頭脳は賢く、夜はとても可愛い女性です。もちろん純潔でした。
卒業パーティでは驚きましたが、今となってはアナベルと縁を繋いでいただいたことを心より感謝しております」
セ「っ!」
父「殿下。アナベルに何用でしょう。内容をお伺いしてから会わせるべきか否かを判断いたします」
セ「私が会いたいと言っているのだから連れてくるのが普通だろう!」
母「それは違いますわ、殿下。他家に嫁いだ女性は当主か夫の許しがなければ殿方が尋ねていらしても会いませんわ。
それが常識です。
殿下がアナベルを犯罪者として捕えるというのなら話は別ですが」
セ「大袈裟だな。アナベルは居るんだろう?」
母「殿下のお迎えになった男爵令嬢は既にお城で共に生活をなさっているとお伺いしております。
ならばお分かりでしょう。
昨夜は初夜です。初めての女性にとっては体が辛いものなのです。まだベッドに伏せております」
セ「アナベルが?」
ル「それで、どの様なご用件でしょう」
セ「アナベルとの個人的な話しだ」
何故この男はこんなに自分勝手でいられるのか。
アナベルがどれだけ傷付いたと思っているんだ!
ル「殿下、お忘れですか?殿下とアナベルは二度と顔を合わせないということで合意なさいましたよね?」
セ「お前達じゃ話にならない」
メ「ルシアン様」
ル「アナベルに聞いてきます」
二階の離れに行きアナベルの部屋に行くとワンピースに着替えていた。
「アナベル。言葉が通じなかった」
「参りましょう」
「すまない」
「ルシアン様のせいではありませんわ」
「掴まって」
抱き上げると、軽くて細くて柔らかい。
これは危険だ。また抱きたくなってきた。
ここで勃ったら変態だ。乱れた心を律しないと。
「ルシアン様は、ビジュー様をお慕いしておりましたよね。気持ちの整理はつきましたか?」
「あれは気の迷いだし早く正気に戻った。恥ずかしい過去だ。無かったことにしてくれ」
卒業パーティで殿下にビジューがエスコートされて、揃いのピンクの衣装を着て騒ぎを起こしたときに完全に我に返った。
実は前日に、ビジューに誘われて学園の備品室でヤったのだが、緩くてなかなかイけず、結局休み時間が終わってしまった。
授業ならサボったが、卒業試験の発表と記念品を貰いにきているのでサボれなかった。
このままでは戻れないので自分で処理をして遅れて戻った。
その時から違和感があった。
ビジューは言い寄って来る男達とこうやって手軽に体を許しているのではないかと。
可愛い顔で無邪気に振る舞っているが、それは表の顔で、裏はただの淫乱じゃないかと。
夜会の歳上の女達より緩いって相当だから。
それに学園の備品室で、僅かな休み時間に手早くなんて。
胸も触ったが、全く無かった。
そして翌日の卒業パーティでアレだ。
私達は純愛で、まるでアナベルが邪魔者みたいに振る舞う。
目が覚めた。
そして、あいつらに嘘の噂を流されても黙って勉学に励み、浮気男の仕事を全部引き受けていた純潔の乙女。
男爵令嬢を虐めた?
うちの使用人に丁寧に接してその日のうちに味方ができる女が?あり得ない。
連れてきたメイド2人の献身振りを見ても分かる。
人として愛されているのだと。
離れに行き、昼食後、アナベルとの面会を申し入れた。
アナベルはまだ寝巻きにガウンで、昼食を食べ終わったところだった。
昨夜を思い出し、つい顔が熱ってしまった。
「ルシアン様?」
「あと少ししたら殿下が訪れる。
話したいことがあると書いてあった。
心当たりはあるか?」
「お仕事かもしれませんね。
王子殿下のお仕事はほとんど私がやっておりましたから、今更急にやれと言われてもできないのでしょう」
「よく陛下は許したな」
「理解不能です」
「そうか。
私と両親で会うから、アナベルが会いたくなければ会わなくていい」
「では、お任せをしてもいいですか?」
「もちろんだ」
「ただ、メアリーを立たせてください。私が決めるべきことを侯爵家に返事を求めていた場合は止めに入らせますので、そのときは私が参ります」
「体は…大丈夫なのか?」
「少し重いような怠いような」
「医者を呼ぶ」
「そこまでではありませんから」
「なら車椅子を、」
「大袈裟ですわ」
「そうかもしれないが、念の為、隣の部屋に置かせるから、使ってくれ。転んだら危ないからな。
いや、迎えに来よう。考えてみたら階段が危ない」
「カリンもおりますから」
「カリンは女性だろう。いくら護衛でやれるとしても、負荷がかかりすぎだ。危ないから迎えにくる」
「…お願いします」
「よし。できる限りさっさと追い払うからな」
一階に降りると丁度殿下が到着したところだった。キョロキョロと何かを探している。
それは聞かずともアナベルを探していることは明白だった。
応接間に通すと早速アナベルの所在を聞いてくる。
ル「妻は参りません。我々でお話しを伺います」
セ「妻!? 妾だろう」
ル「妾という名の妻です」
セ「……昨日移り住んだと聞く。未だ他人だよな?」
ル「いえ。妻です。初夜は済ませましたので」
セ「だが、別に初めてではなかったのだろう?」
ル「私の妻を侮辱なさらないでください。
アナベルは見た目は美しく、頭脳は賢く、夜はとても可愛い女性です。もちろん純潔でした。
卒業パーティでは驚きましたが、今となってはアナベルと縁を繋いでいただいたことを心より感謝しております」
セ「っ!」
父「殿下。アナベルに何用でしょう。内容をお伺いしてから会わせるべきか否かを判断いたします」
セ「私が会いたいと言っているのだから連れてくるのが普通だろう!」
母「それは違いますわ、殿下。他家に嫁いだ女性は当主か夫の許しがなければ殿方が尋ねていらしても会いませんわ。
それが常識です。
殿下がアナベルを犯罪者として捕えるというのなら話は別ですが」
セ「大袈裟だな。アナベルは居るんだろう?」
母「殿下のお迎えになった男爵令嬢は既にお城で共に生活をなさっているとお伺いしております。
ならばお分かりでしょう。
昨夜は初夜です。初めての女性にとっては体が辛いものなのです。まだベッドに伏せております」
セ「アナベルが?」
ル「それで、どの様なご用件でしょう」
セ「アナベルとの個人的な話しだ」
何故この男はこんなに自分勝手でいられるのか。
アナベルがどれだけ傷付いたと思っているんだ!
ル「殿下、お忘れですか?殿下とアナベルは二度と顔を合わせないということで合意なさいましたよね?」
セ「お前達じゃ話にならない」
メ「ルシアン様」
ル「アナベルに聞いてきます」
二階の離れに行きアナベルの部屋に行くとワンピースに着替えていた。
「アナベル。言葉が通じなかった」
「参りましょう」
「すまない」
「ルシアン様のせいではありませんわ」
「掴まって」
抱き上げると、軽くて細くて柔らかい。
これは危険だ。また抱きたくなってきた。
ここで勃ったら変態だ。乱れた心を律しないと。
「ルシアン様は、ビジュー様をお慕いしておりましたよね。気持ちの整理はつきましたか?」
「あれは気の迷いだし早く正気に戻った。恥ずかしい過去だ。無かったことにしてくれ」
卒業パーティで殿下にビジューがエスコートされて、揃いのピンクの衣装を着て騒ぎを起こしたときに完全に我に返った。
実は前日に、ビジューに誘われて学園の備品室でヤったのだが、緩くてなかなかイけず、結局休み時間が終わってしまった。
授業ならサボったが、卒業試験の発表と記念品を貰いにきているのでサボれなかった。
このままでは戻れないので自分で処理をして遅れて戻った。
その時から違和感があった。
ビジューは言い寄って来る男達とこうやって手軽に体を許しているのではないかと。
可愛い顔で無邪気に振る舞っているが、それは表の顔で、裏はただの淫乱じゃないかと。
夜会の歳上の女達より緩いって相当だから。
それに学園の備品室で、僅かな休み時間に手早くなんて。
胸も触ったが、全く無かった。
そして翌日の卒業パーティでアレだ。
私達は純愛で、まるでアナベルが邪魔者みたいに振る舞う。
目が覚めた。
そして、あいつらに嘘の噂を流されても黙って勉学に励み、浮気男の仕事を全部引き受けていた純潔の乙女。
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