【完結】2人の幼馴染が私を離しません

ユユ

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スカートを摘み、膝を折ってカーテシーをした…

よろっ

「!!」

王妃は驚いてアリスティーネに手が伸びたが、エミリオがサッと支えた。

「アリスちゃん、いいのよ。危ないから」

「アリス、もう一度」

エミリオは側で厳しい口調で命じた。

「……王妃様、ノエル殿下、お招きいただきありがとうございます。アリスティーネ・エンブレアがご挨拶を申し上げます」

よろっ

「!!」

「アリス、カーテシーだけもう一度」

どうしてエミリオがそんなことを言うの?

「……」ポロッ

「エミリオ、可哀想じゃない!
いいのよ。その内できるようになるから。ね?」

王妃様…

「……」ポロポロッ

「アリス。その程度で泣くな。
カーテシーは先生が教えてくれたように出来ているのか?よく思い出せ。足の位置を思い出しながらもう一度やるんだ」

「……」

軸足でバランスを取らないと…

その時、私の手を取った人がいた。
ノエル殿下だった。

「これならフラついても大丈夫だ。
出来ないことは少しずつやればいい。
一人で出来なかったら、支えてもらえばい。
支え付きでできるようになったら、そのときは一人でやってみればいい。
アリスティーネはきっとまだ本格的に学びだして日が浅いのだろう?
ほら、僕が支えるからやってごらん」

「王妃様にご挨拶を申し上げます」

支え付きだけど出来た。

「ごきげんよう、アリスちゃん。
愛らしい挨拶をありがとう」

「ほら、出来たじゃないか」

「偉いわね」

「ありがとうございます、ノエル殿下」

「前に会ったときよりも成長してるよ。
エミリオ、やり過ぎだぞ」

「アリスは今までの分を取り返さなくてはいけません。他の令嬢と差が付いている状態です。令嬢達は今も教育を受け成長し続けています。同じ努力では足りないのです」

「アリスティーネ、おいで。料理人達がアリスティーネの為に頑張ったんだよ」

ノエル殿下に手を引っ張られてテーブルまで来ると、メイドが座らせてくれた。

テーブルの上には月とネコ型のクッキー、5種類の小さなケーキが乗っていた。

「可愛い。ありがとう……ございます」

「ノエル、大丈夫そう?」

「はい、母上。アリスティーネは良い子ですから」

「そうね。本当に良い子ね。
2時間経ったらアリスちゃんを貸してね」

そう言い残して王妃様はどこかへ行ってしまった。

「アリスティーネ、好きなものを食べて良いんだよ。持ち帰ってもいいからね」

「本当?……ですか」

「本当だよ。アリスティーネは可愛くて本当に良い子だ」

優しく微笑みながら頭を撫でてくれた。


食べ終わると、ノエル殿下は犬を見せてくれた。

「おっきい!」

犬を撫でようと近付いて手を伸ばした。

「アリス!」

身体に腕を回されて持ち上げられた。

「??」

「飼い慣らした犬だとしても動物だ。
いきなり近付いて手を出せば噛まれる可能性が十分にある」

「エミリオ」

「犬にとっては知らない人間だし、攻撃されると思えば反撃を選ぶ犬もいる。
もしアリスに怪我を負わせたら この犬は処分される可能性がすごく高い。犬のリード持っていた兵士も調教師も、咎めを受けるかもしれない。

教育を受けるということは、罪のない他人を守るためでもあるんだ」

「…ごめんなさい」

「アリスティーネ、おいで。お座りさせたから。
僕とゆっくり近付いて、まずはアリスティーネの匂いを知ってもらおうね」

「はい」

エミリオの厳しさの後だから、私はノエル殿下の優しさに直ぐに心を開いた。
つまり、好きになったのだ。
この時はまだ、子供同士としての“好き”だった。


2時間が過ぎた後は王妃様のドレスや髪型やアクセサリーについて意見を聞かれ、答えて帰った。

お土産はクッキーと箱。
屋敷に帰ってからママと開けた。
黄色い宝石のついた髪留めだった。

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