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建国記念パーティ
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失敗したわ……
次期国王の見込みが高いからなのか、今はメット公爵家の養子なのに 他国の来賓の中の王族達と一緒に案内されてしまったわ。
会場入りした陛下は“ん?”って顔をしているし、王子妃様は二度見してるし、ノエル殿下に至っては こちらに来ようとして止められていたし。
「口から内臓全部出そう」
「クッ…大丈夫だよ」
「笑い事じゃないわよ。こんなことなら約束しなきゃ良かったわ」
「知らないとは思わなかった」
「知るわけないじゃない、出席したことがないんだから」
「綺麗だよ、アリス」
「こ、声が大きいっ」
今 挨拶をしている王族の次ということで側にいるのだけど、小さな声じゃないと聞こえてしまう距離だった。案の定、王妃様は一瞬私を見たし、ノエル殿下は顔をこちらに向けてしまった。
「エスペランサ王国メット公爵家レオナルド様
エンブレア侯爵家アリスティーネ様」
順番が来てしまった。
うわぁ…ノエル殿下が笑ってない。どうして?まさか青だから??
王妃「アリスティーネちゃん?」
あっ!いけない!
私「この度は、」
王妃「もう、話を聞いていなかったのね?」
あれ?挨拶は要らないのかしら…
レオナルド公子は私の耳元に近付けて耳打ちをした。
レ「挨拶はいいから、どうして私がエンブレア邸に滞在しているのかとお尋ねだ。それには私が答えた。
今はどう過ごしているのかアリスにお尋ねだ」
私「し、失礼いたしました。
レオを…レオナルド公子を王都観光にお連れする日々です」
王妃「楽しそうね」
王子「どこへ?」
真顔のノエル殿下が質問をした。
私「平民街のお店を訪れ、店員に説明を聞いたり買い物をしたり、屋台で食べ物を買って食べたり、公園で花を見たりしました。貴族街では買い物をしたりカフェに行ったり歌劇と王立美術館も鑑賞しました。郊外に向かって景色を見に馬車を走らせたりもしました」
王子「へえ……そうなんだ」
なんか…怒ってる?
レ「アリスは素敵なレディです。平民街でも夢中になる私をフォローしながら店側への心遣いも忘れません。それに楽しませてくれた平民街の公園のために寄付までする優しいレディです」
王太子妃
「まあ、アリスティーネ様のネックレスはもしかして?」
レ「はい。例の宝飾品店で購入して私がアリスティーネに贈りました」
王太子妃
「衣装も同じ色に揃えたのですね」
レ「彼女の衣装部屋で私が選んだドレスです。青はエスペランサの色ですから」
私「え!?」
王妃「アリスティーネちゃん、知らなかったの?」
私「失念しておりました。申し訳ございません」
王妃「謝らなくていいのよ。そう、じゃあアリスティーネちゃんは知っていて着たわけじゃないのね」
私「はい」
陛下「長くなったな。
レオナルド殿下、アリスティーネ、また後で」
レ・私「「失礼いたします」」
次の挨拶の人を長々と待たせてしまったわ。
話を聞いてないし、エスペランサの国を示す色のことも忘れていたし。やっぱりノエル殿下の妃になんて図々しい望みだったわ。
陛下達に挨拶が続く中、挨拶を終えて会場の後方へ下がったレオナルド殿下への接触が増えていく。エスペランサは大国だものね。
「私は公爵家へ養子に行った身ですから」
「そんなことを仰らずに。私の妹はまだ婚約者もおりません。一度会ってみていただけませんか」
「公爵家の養子に王女を迎えるなどできませんよ」
「そちらの令嬢は婚約者ではないのですよね?」
「ええ。ですが この世の独身女性の中で彼女は私の一番大事な女性です。追随する者がいないほどの存在です」
「そ、そうですか」
他国の王子は苦笑いをして離れていった。
他国の来賓からこんな感じで声をかけられ続け、同じセリフで撃退し続けていた。
「モテるわね」
「単なる風見鶏さ」
「私は盾に使われたようだけど、ネックレスの対価かしら」
「対価ではない。気持ちだよ」
「一番最初に聞いたときは少し動揺したけど、もう何度も聞いていたら “おはよう、ご苦労様”くらいの挨拶として聞き流せるまでになったわ」
「この世の独身女性の中でアリスが一番大事な女性だと言ったのは本心だ。そこは疑われたくない」
「……」
「ノエル王子の瞳の色に勝るものはエスペランサの色だ。とても良く似合う。本当は少しだけそのドレスより濃い青だけどね」
「お世辞でも光栄だわ」
「本心だよ。
アリス、若い令嬢が挨拶をしているが、あれは?」
「ヴァイオレット・ハント侯爵令嬢よ。
婚約者選考一位の素晴らしいご令嬢よ」
「そうかな」
「そうなの」
「アリスティーネ」
私に声をかけたのはヴィフノワ公爵夫妻だった。
次期国王の見込みが高いからなのか、今はメット公爵家の養子なのに 他国の来賓の中の王族達と一緒に案内されてしまったわ。
会場入りした陛下は“ん?”って顔をしているし、王子妃様は二度見してるし、ノエル殿下に至っては こちらに来ようとして止められていたし。
「口から内臓全部出そう」
「クッ…大丈夫だよ」
「笑い事じゃないわよ。こんなことなら約束しなきゃ良かったわ」
「知らないとは思わなかった」
「知るわけないじゃない、出席したことがないんだから」
「綺麗だよ、アリス」
「こ、声が大きいっ」
今 挨拶をしている王族の次ということで側にいるのだけど、小さな声じゃないと聞こえてしまう距離だった。案の定、王妃様は一瞬私を見たし、ノエル殿下は顔をこちらに向けてしまった。
「エスペランサ王国メット公爵家レオナルド様
エンブレア侯爵家アリスティーネ様」
順番が来てしまった。
うわぁ…ノエル殿下が笑ってない。どうして?まさか青だから??
王妃「アリスティーネちゃん?」
あっ!いけない!
私「この度は、」
王妃「もう、話を聞いていなかったのね?」
あれ?挨拶は要らないのかしら…
レオナルド公子は私の耳元に近付けて耳打ちをした。
レ「挨拶はいいから、どうして私がエンブレア邸に滞在しているのかとお尋ねだ。それには私が答えた。
今はどう過ごしているのかアリスにお尋ねだ」
私「し、失礼いたしました。
レオを…レオナルド公子を王都観光にお連れする日々です」
王妃「楽しそうね」
王子「どこへ?」
真顔のノエル殿下が質問をした。
私「平民街のお店を訪れ、店員に説明を聞いたり買い物をしたり、屋台で食べ物を買って食べたり、公園で花を見たりしました。貴族街では買い物をしたりカフェに行ったり歌劇と王立美術館も鑑賞しました。郊外に向かって景色を見に馬車を走らせたりもしました」
王子「へえ……そうなんだ」
なんか…怒ってる?
レ「アリスは素敵なレディです。平民街でも夢中になる私をフォローしながら店側への心遣いも忘れません。それに楽しませてくれた平民街の公園のために寄付までする優しいレディです」
王太子妃
「まあ、アリスティーネ様のネックレスはもしかして?」
レ「はい。例の宝飾品店で購入して私がアリスティーネに贈りました」
王太子妃
「衣装も同じ色に揃えたのですね」
レ「彼女の衣装部屋で私が選んだドレスです。青はエスペランサの色ですから」
私「え!?」
王妃「アリスティーネちゃん、知らなかったの?」
私「失念しておりました。申し訳ございません」
王妃「謝らなくていいのよ。そう、じゃあアリスティーネちゃんは知っていて着たわけじゃないのね」
私「はい」
陛下「長くなったな。
レオナルド殿下、アリスティーネ、また後で」
レ・私「「失礼いたします」」
次の挨拶の人を長々と待たせてしまったわ。
話を聞いてないし、エスペランサの国を示す色のことも忘れていたし。やっぱりノエル殿下の妃になんて図々しい望みだったわ。
陛下達に挨拶が続く中、挨拶を終えて会場の後方へ下がったレオナルド殿下への接触が増えていく。エスペランサは大国だものね。
「私は公爵家へ養子に行った身ですから」
「そんなことを仰らずに。私の妹はまだ婚約者もおりません。一度会ってみていただけませんか」
「公爵家の養子に王女を迎えるなどできませんよ」
「そちらの令嬢は婚約者ではないのですよね?」
「ええ。ですが この世の独身女性の中で彼女は私の一番大事な女性です。追随する者がいないほどの存在です」
「そ、そうですか」
他国の王子は苦笑いをして離れていった。
他国の来賓からこんな感じで声をかけられ続け、同じセリフで撃退し続けていた。
「モテるわね」
「単なる風見鶏さ」
「私は盾に使われたようだけど、ネックレスの対価かしら」
「対価ではない。気持ちだよ」
「一番最初に聞いたときは少し動揺したけど、もう何度も聞いていたら “おはよう、ご苦労様”くらいの挨拶として聞き流せるまでになったわ」
「この世の独身女性の中でアリスが一番大事な女性だと言ったのは本心だ。そこは疑われたくない」
「……」
「ノエル王子の瞳の色に勝るものはエスペランサの色だ。とても良く似合う。本当は少しだけそのドレスより濃い青だけどね」
「お世辞でも光栄だわ」
「本心だよ。
アリス、若い令嬢が挨拶をしているが、あれは?」
「ヴァイオレット・ハント侯爵令嬢よ。
婚約者選考一位の素晴らしいご令嬢よ」
「そうかな」
「そうなの」
「アリスティーネ」
私に声をかけたのはヴィフノワ公爵夫妻だった。
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