【完結】2人の幼馴染が私を離しません

ユユ

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幼馴染の解消

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【 父 ロイス•エンブレアの視点 】

国王陛下との謁見が許された。 

「どうしたんだ、改まって」

「急に休んで申し訳ございません」

「アリスティーネの具合が悪いのだろう?」

「実は…」

王子妃選考の後に起きたことから現在までの状況を陛下に包み隠さず話した。

「何という…」

「殿下には可愛がっていただきましたが、アリスティーネには身に余ることだったのです。
今回は娘の身体も悲鳴をあげております。
ヴィフノワ公爵にも説明をして絶縁をお願いしました。学園には退学の相談に行きましたが、猶予を設ける話になりました。
このまま休み、2年の進級時までに娘が治らなければ退学させます」

「退学…それではアリスティーネは」

「はい。貴族令嬢としては死亡宣告と同じです。
ですが私も妻もそれで構いません。
これ以上心を病んで最悪の事態になったら、私も妻も生きてはいけません。娘の後を追うことになります」

「侯爵…」

「大変失礼を申し上げます。
ノエル王子殿下とヴィフノワ公子との幼馴染を解消させていただきたくお願い申し上げます」

膝を付き頭を下げた。

「止めてくれ、侯爵」

「娘には荷が重すぎたのです。殿下や公子を取り巻く嫉妬に娘は耐えられません」

「分かった。こちらこそ申し訳なかった」

「王妃様にもよろしくお伝えください。
それと、娘の側にいなくてはなりません。
退職をさせてください」

「休職だ。アリスティーネの様子を見てから決めよう。良くなるかもしれないだろう」

「かしこまりました」

一礼をして、王宮を去った。



【 エミリオの視点 】

授業が終わると教員が呼びに来た。

「ヴィフノワさん。王宮から迎えの馬車が到着しております。大至急荷物を持って降りてきてください」

「分かりました」

支度をしているとセリーヌ嬢が近寄って来た。

「どうしましたの?放課後、」

「悪いが王宮馬車を待たせている。邪魔をしないでくれ」

「っ!」

廊下を出るとノエルがいた。

「何事だ?」

「僕も分からないよ。父上がすぐに戻って来いと言っているらしい」

2人で馬車に乗り王宮に着くと、応接間に案内をされた。そこには父上がいた。

「国王陛下にご挨拶を申し上げます」

「座ってくれ。ノエルはそっちに。王妃が来たら始めよう」

父上は険しい顔をしていた。何が起きたんだ?

王妃様が入室すると 状況説明がなされた。

「ということで、エンブレア侯爵からは幼馴染としての解消の宣言と、アリスティーネの退学とエンブレア侯爵の退職を視野に話が進んでいる。
アリスティーネは心身が弱っていて登校できる状態にない。エンブレア侯爵はアリスティーネが貴族令嬢として生きるより、娘として幸せになることを選んだ。我々は従うしかない」

「信じられない」

「ヴィフノワ公爵、ロスティーユ嬢をエミリオの妻になさるおつもり?」

「いいえ、王妃様。そのつもりはございません」

「ならばロスティーユ公爵に話をつければいいではありませんか」

「まさかこんなことになっているとは」

「申し訳ございません。矛先が向かないよう、セリーヌ嬢を見張っていたつもりだったのですが」

「期待を持たせただけよ」

「王妃。結局ロスティーユ公女の矛先はアリスティーネに向かったはずだ」

「陛下…」

「アリスティーネを叩いたのならセリーヌ・ロスティーユを退学にすればいいではありませんか!」

「ノエル。退学は貴族社会からの追放を意味する。特に高位貴族はな。
だから頬を叩いたくらいでは停学にはできても退学にはさせられない」

「へえ。いいことを聞きました」

「ノエル!?」

「アリスティーネとは会えないのですか」

「無理だな」

「落ち着けば会えますよね?」

「多分な」

「分かりました」


屋敷に帰った後、父上も母上も苛立っていた。

「あの小娘!婚約破棄が何の教訓にもなっていないじゃないか!!反省をしているからとエミリオとの交流を許したのに!!」

「あなた、このままではあの小娘にヴィフノワは潰されてしまいますわ!アリスティーネだけじゃなくて、他の縁談も潰されてしまうわ」

「そうだな。多少のの痛手は仕方あるまい。関わる方が危険だ。
エミリオ。今後はセリーヌ・ロスティーユと行動を共にするな」

「はい」

「アリスティーネへの接触も禁止だ」

「…父上」

「今はアリスティーネの心と身体の方が大事だ」

「分かりました」


翌日からセリーヌ嬢は停学となり登校しなかった。
そしてアリスティーネも。

昼、アリスティーネと彼女の友人達がいつも食べる席へ向かった。

「ここ、いいかな」

「高貴なお方が来る席ではありませんよ」

「私たちも公女様に殴られると困りますので」

「守れなくて申し訳ない」

彼らは公爵家の息子である俺に怒りをぶつけてきた。そうされて当然だな。

俺は彼らに頭を下げた。
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