【完結】生き餌?ネズミ役?冷遇? かまいませんよ?

ユユ

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令嬢らしからぬ?それが何か?

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「うわっ、そこで何をやってるのですか」

「レイ様おはようございます。朝食です」

私はカーラを付き添わせて池の側の大きな石に座りサンドイッチのようなものを食べていた
。小さなリンゴも丸齧りだ。

「部屋で食べないのですか?」

「気分転換です」

そこにメイド長が駆けつけた。

「ララ様!お部屋でお召し上がりを、」

「決まり事には無かったわ。此処で食事をしてはいけないだなんて」

「!!」

「午前中は編み物の時間でしたわね。それまでには参りますので」

「し、失礼します」

競歩で戻って行ったけど誰に報告するのかしら。

敷物を敷いてポーズをとる。

「なっ、何をしている!」

ぼっちゃまを呼んだのね。

「静かにしてください。瞑想しながらヨガをしているのです」

「あ、足が2本とも見えてるじゃないか!」

「確かに私の足は2本です」

「そういう意味ではない!恥ずかしくないのか!」

「公爵令息は恥ずかしいと思っておられるなら、何故まだ見ているのですか?
ロザリーナ様に相談しようかしら」

「っ! 失礼した!」

赤くなって早歩きで行ってしまった。

「ララ様、よろしいのですか?」

「いいの。駄目令嬢を目指しているのだから」

「奥様に怒られます」

「お母様には見えないわよ」




そして編み物の時間。

「エリザベス嬢は何を編みますか」

「ウィリアム様にマフラーを」

「ミランダ嬢は何を編みますか」

「わ、私もウィリアム様にマフラーを」

「お二人とも編み物は得意ではなさそうね」

夫人に品定めされている二人の手元はド素人なのが分かる。

「ララ嬢は…熟練の手芸家みたいね」

「カーラの羽織物を編んでいます」

ポンチョのようなデザインだ。

「いつから編み始めているのかしら」

「昨夜です。やり始めたら止まらなくて」

「どなたに教わったのかしら」

「乳母です。乳母は編み物名人で、屋敷の者全員の何かを編んでくれました。

帽子、マフラー、手袋、膝掛け、カーディガン、ベスト、セーター。どれもサッと編んでしまうのです」

「美しい編み目ね。特技が無いだなんて謙遜だったのね。刺繍も凄かったもの」

「編み物も、乳母からよく指摘を受けました。油断すると編み目がキツくなったりして、乳母にはすぐ分かるみたいです。
私の技術で得意などと言ってしまったら乳母に鼻で笑われてしまいますわ。

刺繍もあの程度で特技と言ってしまったら先生に叱られます。
鱗の表現が出来ていないと言われそうです」

「そ、そうなのね」

充分あおったかな?
令嬢二人が睨んでる。



夜は、

エ「まあ、プルシア侯爵令嬢は今夜もドレスではないのですね」

私「はい、決まり事にドレスでと書いてありませんので」

エ「決まり事?令嬢の常識ではございませんか?一枚も持っていらっしゃらないのかしら」

私「はい。持ち込みませんでした」

ミ「エリザベス様、あまり触れてはなりませんわ。ドレスを買うのが難しい方もいらっしゃるのですから」

エ「まあ!不躾でしたわね!ごめんなさい」

私「何か臭ません?」

エ・ミ「……」

私「何日もお風呂に入れていないような臭いと、雑巾臭。どこからかしら」

エ・ミ「……」

私「こんな臭いをしていたら百年の恋も冷めてしまいますわ」

エ・ミ「 !! 」

自分の匂いを嗅いでみる。

私「私じゃなさそうですわ」


二人とも食事が終わるとさっさと部屋に戻ってしまった。




翌朝は廊下で側転や逆立ちをしていた。
ズボンパジャマ姿で。

誰が呼びに行ったのか、ぼっちゃまがやってきた。

「何をしているんだ!」

「運動です」

「そんな姿でか!」

「ワンピースでやったら下着が見えてしまいます。まさか、ご所望ですか?」

「っ!そんなわけがないだろう!
危ないし、そんな格好で廊下に出るな!」

ぼっちゃまは真っ赤だ。

「決まり事にありませんよ?
あ、この時間の会話は定められた時間ですか?違いますよね?
決められた時にしか話しかけないようにと言われたので、怒られてしまいます。では」

そう言って部屋に戻りドアを閉めた。



午前中はダンスのステップを確認された。

夫人「まあ、プルシア侯爵令嬢はかなり難しいステップまで習得なさっておられるのね」

私「私は未熟者です。先生にいつも注意を受けます」

夫人「貴女が注意されたら誰も踊れなくなってしまうわ」

私「そんなはずはございません。モンティ侯爵令嬢が得意だと自己紹介なさっておられましたので拝見するのが楽しみですわ」

ミ「っ!!」

夫人「そうね、モンティ侯爵令嬢のステップを見せてもらいましょう」

ミ「あ、足を傷めました」

夫人「残念だわ」

私「先程まで ぼ…公爵令息を呼んで相手をつとめさせてと言っていたではありませんか。

恥ずかしいのですね?
どなたか公爵令息を呼んできてあげてください」

ミ「ちょっと!余計なことを言わないで!」

私「彼と踊りたくないのですか?
いいですよね?夫人。是非特技を見せていただきたいですわ!」

夫人「そうね、呼んで来てちょうだい」

モンティ侯爵令嬢は顔色が悪いわね。
さて、追い討ちをかけようかしら。

私「おかしいわ。昨夜の変な臭いがまだします。外からかしら」

二人の令嬢が肩を振るわせた。
モンティ侯爵令嬢が立ちあがろうとした時にぼっちゃまが到着した。

夫人「ウィリアム、モンティ侯爵令嬢の手を取って差し上げてダンスをしてちょうだい」

ウ「どうぞ」

モンティ侯爵令嬢の手が震えてるわね。



結局、バランスを崩したり、足を数回踏んで泣き出した。

泣きたいのは踏まれたぼっちゃまだろうに。

私「お時間ですので私は失礼いたします。次はコナー公爵令嬢の番ですわね」

親切に順番を振ってあげたわ。私、優しい!





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