12 / 53
ヘレナの返却
しおりを挟む
【 ヘレナの視点 】
侯爵は封筒をテーブルに置いた。
!! あれは!
侯「この手紙を確認してくれ。
これはヘレナが領地にいるマリッサに宛てた手紙だ」
伯「!!」
侯「クリスティーナに小さな冤罪をかけ続けて 孤立させた上に、皆が悪意を持つように扇動させる具体的な指示が書いてある。
伯爵のお墨付きの犯罪者3人を返却するから引き取ってくれ。夫人の荷物は馬車の屋根に乗せさせる」
どうしよう…大変なことになってしまった。
侯爵が合図をすると、変わり果てたマリッサとカーラが運び込まれた。
私「マリッサ! カーラ!」
娘「うっ…助けて…」
顔や体に大怪我を負っていた。
顔は腫れ上がり血は固まって異臭も放っていた。
伯「これは一体」
侯「マリッサとカーラがクリスティーナにしたことを診断書で説明したと思うが?」
私「鼻が!指も膝も…腕が…どうしたの!!」
キ「発言をよろしいでしょうか」
侯「キラ卿、頼む」
キ「クリスティーナ様は現在跡継ぎとして指名を受けております。当時侯爵様は王都におられましたので、領地の屋敷はクリスティーナ様が当主代理として領主法の執行を行う権利…義務がございます。
当主代理にマリッサ嬢とカーラ嬢が酷い暴行を私の目の前で行いましたので、制裁をなさいました。
腕は脱臼です。膝は完治は無理でしょう。
死にはしませんのでご安心ください」
私「だからといって、こんな惨いことを!
しかも傷の手当もしないだなんて!!」
侯「罪人に手当をする必要が?
本来なら処刑でもよかったのだぞ?
だが、母親が指示を出した証拠があったから、コレで済ませてやったんだ。
伯爵。おかげで全使用人を入れ替えることになったし、改装も必要だ。様々な美術品や備品も粉々だ。
損害金とクリスティーナの治療費と慰謝料を請求する」
伯「なっ!」
侯「これは貴方が持ち掛けた縁談だ。しかも義妹と姪達なら無関係とは言えないだろう。
さあ、母娘を引き取って帰ってくれ」
兵士達に追い出されるかのように、外に連れ出され、馬車に4人で乗せられたが、娘達は座って乗ることができず足元に転がされた。
伯爵様は御者台に移ってしまった。
伯爵領の屋敷に到着するとしばらく馬車に放置された。
1時間後にドアが開いたが、地面に布が敷かれていた。
兵士が娘達を布の上に並べるとナイフで衣服を切り裂いた。
「ちょっと!レディなのよ!!」
「お前達は平民だ。手当をしてやるだけありがたいと思え」
「そんな!」
全裸にされた娘達に次々とバケツで水をかけていき布で体を擦られた。
血が渇いていて落ち難かった。
娘達は痛いと泣いていた。
兵士達はニヤニヤと娘達の体を見ていた。
「時間が経っておりますので、脱臼の治りは微妙です。指と脚は添え木をしましたが、鼻も含めて治りかけていますので、無理矢理整えるしかございません。指や脚は元の通りに動かせないでしょう。
場合によっては血流障害が起きて切り落とさねばならないかもしれません。
大きな病院に入院させるしかありません」
「分かった。もういい」
また待たされること1時間。
また馬車に乗せられた。
かなり外れた場所に小屋のようなものがあった。
「3人とも、3ヶ月だけ この小屋に滞在することを許す。以降は領地を出て自活していけ」
「そんな!お、お金は」
「聞いてなかったのか?
屋敷と調度品などの賠償金、治療費、慰謝料などが請求されるのだぞ?」
「……」
「よくもまあ、自分の娘と同じ歳の子供にあんな仕打ちをしたものだ。
だが、さすが侯爵家の娘だ。賢かったようだ。
会った瞬間に悪意を勘取られるなんて、愚か過ぎる。
私がお前達を殺したいくらいだよ」
「どうかお慈悲を」
「今 与えているだろう。
領地を越えた茂みに捨てても良かったんだぞ」
「伯爵様」
「平民らしくしろ。義兄などと呼ぶなよ。
3ヶ月経ったら小屋を壊す。中に居ようがやるからな」
「伯爵様」
「そして領地内で見かけたら捕らえて処刑する。
お前達では売るに売れないからな」
「もう一度だけチャンスをください!」
「明日から職でも探せ。向こうへ五分歩くと領境だ。出ていくことを考えたら向こうで探した方が良いだろう」
「何でもします! どうか!」
「何ができるんだ」
「お、お慰めします」
「気持ち悪いことを言うな!弟の嫁だった女に手をつけるわけがないだろう!
それにもっと若い女を選ぶに決まっているだろう」
「ううっ…」
翌日、町に持ち物を換金しに行った。
幸いにもドレスや宝飾品は手元に残っていた。
借りる家次第だけど十年以上は平民の暮らしができそうだった。
1ヶ月後。
「どうして大きな病院に連れて行かなかったのですか!」
「……」
「これは壊死と言って元には戻りません。
単純に黒い部分を切り落とせば直るというものではないのです。
マリッサさんは手遅れです」
「そんな!」
次にカーラの顔の包帯を取ると医師の助手は目を背けた。
「鼻が壊死して崩れたのですね。穴が空いていますが、正気ですか」
「……」
「お二人とも何もできることはありません。
崩れ落ちて死ぬなら時間がかかる場合があります。
もしかしたら悪いモノが体を巡って突然亡くなるかもしれません。
痛み止めを飲ませて、床擦れを防ぎ、オシメや包帯などを交換する程度です。体を清潔にしてください」
医師と助手は帰ってしまった。
「お母様」
「マリッサ」
「楽にして…お願い」
その夜、マリッサとカーラの首に手を掛けた。
翌朝、小屋ごと火を付けて町に向かい辻馬車に乗った。
侯爵は封筒をテーブルに置いた。
!! あれは!
侯「この手紙を確認してくれ。
これはヘレナが領地にいるマリッサに宛てた手紙だ」
伯「!!」
侯「クリスティーナに小さな冤罪をかけ続けて 孤立させた上に、皆が悪意を持つように扇動させる具体的な指示が書いてある。
伯爵のお墨付きの犯罪者3人を返却するから引き取ってくれ。夫人の荷物は馬車の屋根に乗せさせる」
どうしよう…大変なことになってしまった。
侯爵が合図をすると、変わり果てたマリッサとカーラが運び込まれた。
私「マリッサ! カーラ!」
娘「うっ…助けて…」
顔や体に大怪我を負っていた。
顔は腫れ上がり血は固まって異臭も放っていた。
伯「これは一体」
侯「マリッサとカーラがクリスティーナにしたことを診断書で説明したと思うが?」
私「鼻が!指も膝も…腕が…どうしたの!!」
キ「発言をよろしいでしょうか」
侯「キラ卿、頼む」
キ「クリスティーナ様は現在跡継ぎとして指名を受けております。当時侯爵様は王都におられましたので、領地の屋敷はクリスティーナ様が当主代理として領主法の執行を行う権利…義務がございます。
当主代理にマリッサ嬢とカーラ嬢が酷い暴行を私の目の前で行いましたので、制裁をなさいました。
腕は脱臼です。膝は完治は無理でしょう。
死にはしませんのでご安心ください」
私「だからといって、こんな惨いことを!
しかも傷の手当もしないだなんて!!」
侯「罪人に手当をする必要が?
本来なら処刑でもよかったのだぞ?
だが、母親が指示を出した証拠があったから、コレで済ませてやったんだ。
伯爵。おかげで全使用人を入れ替えることになったし、改装も必要だ。様々な美術品や備品も粉々だ。
損害金とクリスティーナの治療費と慰謝料を請求する」
伯「なっ!」
侯「これは貴方が持ち掛けた縁談だ。しかも義妹と姪達なら無関係とは言えないだろう。
さあ、母娘を引き取って帰ってくれ」
兵士達に追い出されるかのように、外に連れ出され、馬車に4人で乗せられたが、娘達は座って乗ることができず足元に転がされた。
伯爵様は御者台に移ってしまった。
伯爵領の屋敷に到着するとしばらく馬車に放置された。
1時間後にドアが開いたが、地面に布が敷かれていた。
兵士が娘達を布の上に並べるとナイフで衣服を切り裂いた。
「ちょっと!レディなのよ!!」
「お前達は平民だ。手当をしてやるだけありがたいと思え」
「そんな!」
全裸にされた娘達に次々とバケツで水をかけていき布で体を擦られた。
血が渇いていて落ち難かった。
娘達は痛いと泣いていた。
兵士達はニヤニヤと娘達の体を見ていた。
「時間が経っておりますので、脱臼の治りは微妙です。指と脚は添え木をしましたが、鼻も含めて治りかけていますので、無理矢理整えるしかございません。指や脚は元の通りに動かせないでしょう。
場合によっては血流障害が起きて切り落とさねばならないかもしれません。
大きな病院に入院させるしかありません」
「分かった。もういい」
また待たされること1時間。
また馬車に乗せられた。
かなり外れた場所に小屋のようなものがあった。
「3人とも、3ヶ月だけ この小屋に滞在することを許す。以降は領地を出て自活していけ」
「そんな!お、お金は」
「聞いてなかったのか?
屋敷と調度品などの賠償金、治療費、慰謝料などが請求されるのだぞ?」
「……」
「よくもまあ、自分の娘と同じ歳の子供にあんな仕打ちをしたものだ。
だが、さすが侯爵家の娘だ。賢かったようだ。
会った瞬間に悪意を勘取られるなんて、愚か過ぎる。
私がお前達を殺したいくらいだよ」
「どうかお慈悲を」
「今 与えているだろう。
領地を越えた茂みに捨てても良かったんだぞ」
「伯爵様」
「平民らしくしろ。義兄などと呼ぶなよ。
3ヶ月経ったら小屋を壊す。中に居ようがやるからな」
「伯爵様」
「そして領地内で見かけたら捕らえて処刑する。
お前達では売るに売れないからな」
「もう一度だけチャンスをください!」
「明日から職でも探せ。向こうへ五分歩くと領境だ。出ていくことを考えたら向こうで探した方が良いだろう」
「何でもします! どうか!」
「何ができるんだ」
「お、お慰めします」
「気持ち悪いことを言うな!弟の嫁だった女に手をつけるわけがないだろう!
それにもっと若い女を選ぶに決まっているだろう」
「ううっ…」
翌日、町に持ち物を換金しに行った。
幸いにもドレスや宝飾品は手元に残っていた。
借りる家次第だけど十年以上は平民の暮らしができそうだった。
1ヶ月後。
「どうして大きな病院に連れて行かなかったのですか!」
「……」
「これは壊死と言って元には戻りません。
単純に黒い部分を切り落とせば直るというものではないのです。
マリッサさんは手遅れです」
「そんな!」
次にカーラの顔の包帯を取ると医師の助手は目を背けた。
「鼻が壊死して崩れたのですね。穴が空いていますが、正気ですか」
「……」
「お二人とも何もできることはありません。
崩れ落ちて死ぬなら時間がかかる場合があります。
もしかしたら悪いモノが体を巡って突然亡くなるかもしれません。
痛み止めを飲ませて、床擦れを防ぎ、オシメや包帯などを交換する程度です。体を清潔にしてください」
医師と助手は帰ってしまった。
「お母様」
「マリッサ」
「楽にして…お願い」
その夜、マリッサとカーラの首に手を掛けた。
翌朝、小屋ごと火を付けて町に向かい辻馬車に乗った。
297
あなたにおすすめの小説
学園では婚約者に冷遇されていますが、有能なので全く気になりません。〜学園でお山の大将されてても、王宮では私の方が有能ですから〜
織り子
恋愛
王都カラディナにある国立魔術学園では、満十六歳の生徒たちの社交界デビューを兼ねた盛大なパーティーが開かれていた。
侯爵令嬢タレイア・オルトランは、婚約者である第二王子アスラン・オグセリアの迎えを待つも、結局ひとりで会場へ向かうことになる。
学園では身分の差がないとはいえ、アスランが公然とタレイアを侮辱し続けてきたことで、彼女は生徒たちから冷笑と蔑視の的となっていた。しかしタレイアは、王城で政務を担ってきた聡明さと矜持を失わず、毅然と振る舞う。
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
義妹の嫌がらせで、子持ち男性と結婚する羽目になりました。義理の娘に嫌われることも覚悟していましたが、本当の家族を手に入れることができました。
石河 翠
ファンタジー
義母と義妹の嫌がらせにより、子持ち男性の元に嫁ぐことになった主人公。夫になる男性は、前妻が残した一人娘を可愛がっており、新しい子どもはいらないのだという。
実家を出ても、自分は家族を持つことなどできない。そう思っていた主人公だが、娘思いの男性と素直になれないわがままな義理の娘に好感を持ち、少しずつ距離を縮めていく。
そんなある日、死んだはずの前妻が屋敷に現れ、主人公を追い出そうとしてきた。前妻いわく、血の繋がった母親の方が、継母よりも価値があるのだという。主人公が言葉に詰まったその時……。
血の繋がらない母と娘が家族になるまでのお話。
この作品は、小説家になろうおよびエブリスタにも投稿しております。
扉絵は、管澤捻さまに描いていただきました。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
幼馴染みの婚約者が「学生時代は愛する恋人と過ごさせてくれ」と言ってきたので、秒で婚約解消を宣言した令嬢の前世が、社畜のおっさんだった件。
灯乃
ファンタジー
子爵家の総領娘である令嬢の前に、巨乳美少女と腕を組んだ婚約者がやってきた。
曰く、「学生時代くらいは、心から愛する恋人と自由に過ごしたい。それくらい、黙って許容しろ」と。
婚約者を甘やかし過ぎていたことに気付いた彼女は、その場で婚約解消を宣言する。
前半はたぶん普通の令嬢もの、後半はおっさんコメディーです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる