【完結】道をそれた少女は別世界でも竹刀を握る

ユユ

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お転婆なんてものじゃない

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【 オスカーの視点 】


彼女の頭の中はどうなっているのか。
意図してやっているのか。

それを覆す事件が翌日起きた。

イリスと昼前の庭園を散歩していると、奥から何やら揉め事の声が聞こえた。

護衛騎士達に合図を送り、声の方に向かう。


そこにはアドニアの王女ブリジットと、兵士がいた。王女の護衛騎士だろう。

「よくも恥をかかせてくれたわね!」

「勝手におかきになったのでは?」

「生意気なことを言っていられるのも今のうちよ!
今から醜聞にまみれて婚約を破棄されるといいわ。

私が代わりに公爵夫人になってあげる」

「公爵夫人ですか? 私には何の関係もありませんが?」

「は? 公子と婚約してるでしょう!」

「三男なので爵位無しですけど、平民にでもなるつもりですか?」

「三男!?」

「エリーゼ様が次期公爵夫人です。
エリーゼお義姉様にお伝えしますね。
王女がスプラナード公爵夫人の座を狙っていると。
では失礼」

「貴方達、小娘を好きになさい」

「し、しかし」

「王女様、さすがに、」

「言うことを聞けないならクビよ!」

まずい。

うちの護衛を向かわせたが、

「ギャア!!」

「グッ!!」

ゴキッ

「ギャアアアアッ!!」

一人の男の股間を蹴り上げ、もう一人の男の喉に手刀打ちを入れると咳き込んだ。

次に 先に股間を攻撃されて踞った男の腕を取り、関節を外した。

王女は顔を青くして後退りをした。

クリスティーナは手招きをして王女を挑発した。

「次はあんたよ、クソ王女」

「なっ!ふ、不敬だわっ!」

「それがどうした、犯罪者」

「何で私が犯罪者なの!」

「あんたバカだから こんな所で男達を嗾けて私を襲わせたじゃない。ほら、目撃者」

そう言って俺達を指差した。

指し示された先に俺達の姿を見て益々 顔色が悪くなった。

助けに入ろうと側まで駆け寄っていた うちの騎士は困っていた。

「オ、オスカー王太子殿下! これはそのっ」

「笛を吹け」

ピィーッ

うちの護衛が笛を吹くと王城の警備兵が駆けつけた。

「ブリジット王女の命令で 王女の護衛達がファーズ侯爵令嬢に襲いかかった。捕らえてくれ」

倒れ込んだ2人の護衛騎士は連行され、王女も同行を求められた。

「私はアドニアの王女なのよ!」

「そうだな。これからアドニアは大変だ」


そんなやり取りをしているうちに、イリスがクリスティーナの手をハンカチで拭いてあげていた。

「大丈夫?」

「このくらい大丈夫です。
申し訳ございません。指差しなどしてしまって」

「いいのよ。気持ち悪いモノを蹴っちゃったわね」

「王女命令でしたので潰すのは止めておきました。
脱臼は可哀想でしたけど 私もか弱い乙女ですから、先手で戦意を喪失してもらわねばとつい」

「分かっているわ。安心していいのよ。
聴取があるでしょうから一緒に参りましょう。
その後は一緒に昼食をとりましょうね」

「は、はい」


その後は国王陛下の前で聴取となったが、イリスが声を荒げて王女を責めた。

陛下は苦笑いだった。

「クリスティーナ嬢、怪我は無いのだな?」

「ございません」

「どうしたい」

「嫌がる護衛騎士に命じて無理矢理従わせたのは王女殿下です。
咎めは王女殿下にお願いします」

その後、サミュエル王太子殿下が駆けつけて平謝りだった。


翌日、王女が強制退去処分となったため、王太子殿下は王女を連れて出国した。


後日談として、アドニア王国には3つの国から抗議を受けることになる。

フォセット王国からは事件の聴取の写しと、遺憾の手紙だった。
“ブリジット王女の入国禁止” を処分とした。

エリーゼ様の祖国であるグラデミヌ王国は、エリーゼ様がご立腹で、王妃様に愚痴をこぼした手紙を送ったようだ。
“アドニアへの輸出入品の規制とブリジット王女の入国禁止” の措置が取られた。

ノーブル王国からは抗議の手紙を送った。
“ブリジット王女の入国禁止” の措置を取った。

それにより、ブリジット王女は王族籍から除籍され、厳しい修道院で死ぬまで刺繍の仕事をするよう命じられたとアドニア国王から手紙が届いた。



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