【完結】もう一度言いますね、貴方を誘惑したんじゃありません!信じてください!

ユユ

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メイド長の尋問

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おうちの食事も美味しいけど、ここの食事も美味しい!

「クレア様は美味しそうに召し上がりますね」

「はい、美味しいですから」

ルセール侯爵家のメイド長が笑顔で質問をする。

「クレア様はメイドのご経験が?」

「え、ええまぁ」

「ご経験が?」

「…ありません。おうちの手伝いです」

「男爵家でお手伝いですか。具体的には?」

「田舎の平凡な男爵家です。やることがないのでメイドと一緒に掃除とか手伝えることはやりました」

「人に触れるようなことはいかがでしょう」

「触れる?」

「湯浴みとかオイルマッサージとか髪結とか爪切りとか」

「祖父母の肩揉みをしました」

「厨房はどうでしょう」

「お手伝い程度です」

「給仕は?お茶は淹れられますか?」

「はい」

「そろそろお茶をお持ちしますね」

「ありがとうございます」



その後は、

「お嬢様、採寸しますね」

「え?」

「クレア様用のメイド服を作ります」

「採用なのですね!よろしくお願いします」

エプロンのポケットに貰った毒薬を忍ばせて隙を見て飲まさなければ。
その後は私も別の毒薬を飲んで……。
それを済ませればお父様もお母様もお祖父様もお祖母様も解放される。


採寸の後、侯爵に呼ばれた。

「制服ができるまでの君のスケジュールだ」

渡された紙には、“立ち振る舞いのレッスン、ダンスのレッスン、侯爵家の勉強、貴族の勉強、ティータイム” と書いてあった。

「あの…メイドなんですけど」

「全て必要だ」

「ダンスもですか?」

「主人が復習をしたいと言えば相手役を務める必要がある」

「貴族の勉強とは?」

「貴族の来客があったときに相手を知らねば持て成しができない」

「ティータイムとは?」

「毒味だ」

ビクッ

「か、かしこまりました」

「……茶を飲んでいいんだぞ」

「いただきます」

侯爵家で働くということは男爵家うちとは違うのね。

「…名前で呼んでもいいか」

「? はい どうぞ」

まさか通常は、“おい”とか“お前”と呼ぶのかしら。

「クレア」

肉付きがいいから“ブタ”とか呼ばれるかも。
呼んだら撲殺にしようかしら。
毒殺じゃなくて撲殺に変えたらお父様達は解放してもらえないのかしら。聞いておけばよかった。

「クレア」

「あっ、は、はいっ 侯爵様」

「制服が到着するまでは君は客人だ。そのつもりで過ごしてくれ」

「客人ですか」

「そうだ。だから私のこともアレンと呼んでくれ」

「む、無理です!無理ですよ」

「何故だ」

「客人だとしても呼ばないです」

「……命令だ」

「では制服が届きましたら侯爵様とお呼びします」

違和感があるが仕方ない。
早く制服できないかな。




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