【完結】もう一度言いますね、貴方を誘惑したんじゃありません!信じてください!

ユユ

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客人生活

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朝、メイドが身支度を手伝ってくれる。

「クレア様、今日の髪型はいかがですか」

「とても素敵です。エマさんはとても器用なのですね」


そして食堂で侯爵様と朝食をとる。

「クレア、よく眠れたか?」

「はい。おかげさまでぐっすり眠れました」

「不便はないか」

「はい。おかげさまで快適です」

「嫌いな食べ物は無いか?」

「虫や内臓や犬や猫でなければ」

「わ、分かった」


午前中はルセール侯爵家について勉強。1日目は主な使用人や建物の中のことを教えてもらい、昼食。

午後はダンスの練習。
基本のステップを復習し終わる頃に侯爵様が現れた。

「クレア」

侯爵様が手を差し出した。

「あの?」

「ダンスは2人で踊るものだ」

「お忙しいのでは?」

「クレアは主人のために習うのだから 相手は私に決まっている。それにどこまで踊れるのか確認しないと」

「よろしくお願いします」

二回踊って侯爵様から質問をされた。

「パーティとかで誰かと踊ったことは?」

「あります」

「誰と」

「父と祖父です」

「他には」

「ありません」

「申し込まれなかったのか?」

「父が断っていました」

「いいお父上だな」

「そうですか? 母は“出会いを摘むな”と父を叱っていました」

「いや、お父上が正しい。
かなり練習が必要だ。1ヶ月では無理だな」

「え?」

「あんなに体が強張って相手の目を見れないのはまずい」

だって、すごい近いんだもの。
家族や親戚や使用人ではない男性とあんなに近寄ったのは初めてで…。

「申し訳ございません」

「謝る必要はない。ゆっくり確実に練習しよう」

「はい」

ティータイムは侯爵様に幼い頃の話を聞かれた。
あまりにも細かく話を掘り下げるから 最近の話に辿り着くまで数ヶ月かかりそう。

その後は語学と貴族の勉強だった。


それを繰り返すこと3週間。

「あの…制服は…」

「もう少しかかると聞いている。
それより、制服が来たとしても 今やっていることが終われば別の授業がある」

「え?」

「侯爵家のメイドになるならば若いだけでは駄目だ。
ここで辞めるのか?」

「や、やります!」

困った。お父様に出した手紙の返事が届かない。
まさか、私がモタモタしてるから……。


侯爵様が一週間程お仕事で屋敷を留守にしている間、外出しようとしたけれど、侯爵様の許しが貰えない今は外には出せないと言われてしまった。

「侯爵様が帰ってきたときに うんと成長したところをお見せできるようにしましょう。
今日から刺繍です。旦那様に贈るハンカチの図案を考えましょう。図書室に行って植物図鑑を見に行って参考にしましょう」

うげっ

「はぁい」

「クレア様?」

「はい、喜んで」


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