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奨学金
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アル様のエスコートで馬車を降りた私は目立っていたらしく。
入学式も2位と言うことでAクラス。
何を間違えたのかな。
式が終わり教室に行き全員が自己紹介した後、解散となった。明日からは普通の授業だ。
「カリオネさん、バルトさんは校長室までいらしてください」
何だろう。
一緒に呼ばれた彼の名はオスカー・カリオネ。
公爵家の嫡男だ。
担任の後について校長室に行くとアル様が校長と話していた。
「カリオネさん、バルトさん。再度確認をしたくて呼んだのだ。座ってくれ」
「「失礼します」」
「上位5名が奨学金を受ける資格があって、辞退したのは2人なのだが、本当にいいのかな」
「はい。間違いありません」
「私も意思は変わりません」
「次の2人に回すことも考えたのだが、変な前例を作るのは良くないと思って、他に使い道がないか悩んだのだが思いつかなかった。君達ならどうするか案があるかな」
「奨学金2人分ですか」
「そうだ」
「図書室の書籍を増やしては」
「管理が必要な高価な本は扱えないから普通の本になる。専門書は高いがそれにしても余るな」
そうだ。老朽化した場所があった。
「先生方の個室の改装費に充ててはいかがですか」
「生徒に還元したいのだがな」
「先生方が気持ちよく過ごしてくだされば自ずと生徒にも還元されますわ」
「ふむ。しかし教師の個室に修繕の必要があるとよく分かったな」
「ぐ、偶然ですわ。もう一つは馬小屋の建て替えを思い付きましたから」
「厩舎も古かったな」
どうしよう。
「先輩方のお話が耳に入りましたの」
「そうか。カリオネさんはどうかな」
「バルトさんに同意します」
「わかった。
それでは書籍を充実させてから残ったお金を教師達の個室、できれば厩舎にも充てさせてもらおう。感謝する。
要件は以上だ。気を付けて帰ってくれ」
「あの、校長先生」
「なにかな、バルトさん」
「できれば教えてもらいたいのですが、私は入試で何の問題を間違えたのでしょうか」
「ハハハッ!そうだったな。君だった。
全問正解していたよ。だけどひとつミスがあった。
名前が間違っていた」
「「「 は? 」」」
カリオネさんにアル様まで…声が揃ってしまったわ。
「私は何と書いたのでしょう」
「ネル・バルト」
「あ~!弟の名前です」
「校長先生、エマは小さな弟が心配だったので頭から離れなかったのでしょう。
試験の為に領地に残した弟のネルが別れ際に泣き叫んでおりましたので」
「仲の良い姉弟なのだな。
本来なら失格なのだが、家名は合っていたし、バルトは1人しかいない。
それに満点の優秀な者を入学させないのはもったいないと、満点から3点引かせてもらった」
「ありがとうございます」
「校長先生、だとしたら1位はバルトさんですか」
「カリオネさんも満点だ。だからこれでいい。名前を正しく書くのも試験のうちだからね」
「私は入学できたので有難いです。
ただ試験の時に全問できたと思っていたので間違いがあるならそこを勉強し直そうと思っただけでしたので」
「いい心掛けだ。頑張りなさい」
「ありがとうございます。それでは失礼いたします」
「校長先生、私も帰ります」
「サースワルド公爵令息もまた遊びに来てくだされ」
「ほぼ毎日エマの登下校に付き添いますのでよろしくお願いします」
サースワルド邸に帰るとネルが走ってお出迎えをしてくれた。
「にーに~!だっこ~!」
「お利口さんにしてたか?」
「お散歩したよ。植物園」
「良かったな」
「ねーね、おひるごはん!」
そしてやっぱりバラされた。
「ネルの名前を書いたの?」
「まぁ、号泣してたからな」
「天使のネルちゃんが泣いていたら試験どころじゃないわよね」
「満点か!すごいじゃないか!
エマちゃんにご褒美が必要だな」
「エマ、音痴な小鳥三姉妹の作者が、菜食主義の狼三兄弟を出版したらしいよ」
「なんだそれは」
「うちにある絵本ね」
「私が2人を寝かしつける時に本を選んでもらうのですが、エマのお気に入りの絵本なのです。ぐっすりですよ、父上」
「そうか。ではうちでも用意しよう」
「えっ、そろそろ卒業してもいいのでは」
「エマちゃん。アレクサンドルの楽しみなのよ。寝れないならともかく、眠れるなら受け入れてあげてちょうだい」
「あ、はい…」
「もうすぐデビュータントね。そろそろドレスが届くわ」
「なにそれ」
「エマお姉様が大人になりましたってお披露目があるのよ」
「ここで?」
「お城よ」
「僕も行く!」
「ネルは乳母とお留守番よ」
「いーやーだー!!」
「ネル。こればかりは駄目なのよ」
「ふえっ」
この後は泣き止むまでお母様とアル様が代わる代わる抱っこして宥めていた。
最後は公爵のお膝の上で泣き疲れて寝てしまった。
「公爵、申し訳ありません」
「可愛い子だ」
「甘え上手ですわね」
「30分経ったら起こそう。夜眠れなくなっては困るからな」
その後アル様あと私とネルで絵本を買いに行った。
入学式も2位と言うことでAクラス。
何を間違えたのかな。
式が終わり教室に行き全員が自己紹介した後、解散となった。明日からは普通の授業だ。
「カリオネさん、バルトさんは校長室までいらしてください」
何だろう。
一緒に呼ばれた彼の名はオスカー・カリオネ。
公爵家の嫡男だ。
担任の後について校長室に行くとアル様が校長と話していた。
「カリオネさん、バルトさん。再度確認をしたくて呼んだのだ。座ってくれ」
「「失礼します」」
「上位5名が奨学金を受ける資格があって、辞退したのは2人なのだが、本当にいいのかな」
「はい。間違いありません」
「私も意思は変わりません」
「次の2人に回すことも考えたのだが、変な前例を作るのは良くないと思って、他に使い道がないか悩んだのだが思いつかなかった。君達ならどうするか案があるかな」
「奨学金2人分ですか」
「そうだ」
「図書室の書籍を増やしては」
「管理が必要な高価な本は扱えないから普通の本になる。専門書は高いがそれにしても余るな」
そうだ。老朽化した場所があった。
「先生方の個室の改装費に充ててはいかがですか」
「生徒に還元したいのだがな」
「先生方が気持ちよく過ごしてくだされば自ずと生徒にも還元されますわ」
「ふむ。しかし教師の個室に修繕の必要があるとよく分かったな」
「ぐ、偶然ですわ。もう一つは馬小屋の建て替えを思い付きましたから」
「厩舎も古かったな」
どうしよう。
「先輩方のお話が耳に入りましたの」
「そうか。カリオネさんはどうかな」
「バルトさんに同意します」
「わかった。
それでは書籍を充実させてから残ったお金を教師達の個室、できれば厩舎にも充てさせてもらおう。感謝する。
要件は以上だ。気を付けて帰ってくれ」
「あの、校長先生」
「なにかな、バルトさん」
「できれば教えてもらいたいのですが、私は入試で何の問題を間違えたのでしょうか」
「ハハハッ!そうだったな。君だった。
全問正解していたよ。だけどひとつミスがあった。
名前が間違っていた」
「「「 は? 」」」
カリオネさんにアル様まで…声が揃ってしまったわ。
「私は何と書いたのでしょう」
「ネル・バルト」
「あ~!弟の名前です」
「校長先生、エマは小さな弟が心配だったので頭から離れなかったのでしょう。
試験の為に領地に残した弟のネルが別れ際に泣き叫んでおりましたので」
「仲の良い姉弟なのだな。
本来なら失格なのだが、家名は合っていたし、バルトは1人しかいない。
それに満点の優秀な者を入学させないのはもったいないと、満点から3点引かせてもらった」
「ありがとうございます」
「校長先生、だとしたら1位はバルトさんですか」
「カリオネさんも満点だ。だからこれでいい。名前を正しく書くのも試験のうちだからね」
「私は入学できたので有難いです。
ただ試験の時に全問できたと思っていたので間違いがあるならそこを勉強し直そうと思っただけでしたので」
「いい心掛けだ。頑張りなさい」
「ありがとうございます。それでは失礼いたします」
「校長先生、私も帰ります」
「サースワルド公爵令息もまた遊びに来てくだされ」
「ほぼ毎日エマの登下校に付き添いますのでよろしくお願いします」
サースワルド邸に帰るとネルが走ってお出迎えをしてくれた。
「にーに~!だっこ~!」
「お利口さんにしてたか?」
「お散歩したよ。植物園」
「良かったな」
「ねーね、おひるごはん!」
そしてやっぱりバラされた。
「ネルの名前を書いたの?」
「まぁ、号泣してたからな」
「天使のネルちゃんが泣いていたら試験どころじゃないわよね」
「満点か!すごいじゃないか!
エマちゃんにご褒美が必要だな」
「エマ、音痴な小鳥三姉妹の作者が、菜食主義の狼三兄弟を出版したらしいよ」
「なんだそれは」
「うちにある絵本ね」
「私が2人を寝かしつける時に本を選んでもらうのですが、エマのお気に入りの絵本なのです。ぐっすりですよ、父上」
「そうか。ではうちでも用意しよう」
「えっ、そろそろ卒業してもいいのでは」
「エマちゃん。アレクサンドルの楽しみなのよ。寝れないならともかく、眠れるなら受け入れてあげてちょうだい」
「あ、はい…」
「もうすぐデビュータントね。そろそろドレスが届くわ」
「なにそれ」
「エマお姉様が大人になりましたってお披露目があるのよ」
「ここで?」
「お城よ」
「僕も行く!」
「ネルは乳母とお留守番よ」
「いーやーだー!!」
「ネル。こればかりは駄目なのよ」
「ふえっ」
この後は泣き止むまでお母様とアル様が代わる代わる抱っこして宥めていた。
最後は公爵のお膝の上で泣き疲れて寝てしまった。
「公爵、申し訳ありません」
「可愛い子だ」
「甘え上手ですわね」
「30分経ったら起こそう。夜眠れなくなっては困るからな」
その後アル様あと私とネルで絵本を買いに行った。
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