【完結】生まれ変わった男装美少女は命を奪った者達に復讐をする

ユユ

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エストフラムへの復讐

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早速セシール、ベアトリス、ロレーヌと食堂に来た。少し離れた所に座り情報を聞く。
勝手に話してくれるからありがたい。

「質問を沢山して誘って来た人はトリノアさんといって伯爵家の令息で、ちょっと困ったところがありますの。

王太子殿下の乳兄弟で少し傲慢なところがあるのです」

「何も考えてないだけでしょうけど。

さっきのは面白かったですわ。
質問で遇らわれたのに懲りずに昼食を誘うだなんて。
断られて我儘言いそうでしたのにノエリア様が微笑んだら頬を染めて引き下がったのには驚きましたわ」

「ノエリアさんは美少女ですもの」

「同年代ナンバーワンは間違いありませんわね。もしかしたらエストフラムで一番かもしれませんわ」

「嫌ですわ。留学生だからってお世辞で歓迎してくださらなくても」

「まあ!本当のことを言っているだけですわ」

「街は見てみましたか」

「疲れていなかったら週末に出かけようと思っています」

「私達は寮組ですの。ノエリアさんは?」

「護衛を連れて来ているのでホテルにしましたわ。屋敷を構えるより手軽で便利ですから」

「確かにノエリアさんには護衛が必要ですわね」

「ロレーヌさんのお店は王都にあるのですか」

「ええ。カフェが1店舗と夜営業のレストランが2店舗出しています」

「後で教えてくださるかしら。地図を持って来ていますの。行ってみたいですわ」

「喜んで」



午後は選択科目90分で終了したが、帰る前に校長室に行くよう言われてしまった。

バレたかとドキドキして行くと、校長と男子学生が座っていた。

「ロネさん、座ってください」

「失礼します」

「ロネさん、こちらの方は特別クラスに在籍されている王太子のエリアス・アリオン・パルテオ殿下です」

「ノエリア・ロネです。初めまして」

「いくつか質問があるのだがいいかな」

「答えたくない質問以外は答えます」

「……1位の実力で伯爵家の令嬢なら王宮を通せば良かったのに何故一般編入にしたの?」

「王宮を通すことは私にはメリットにならないと判断したからです」

「メリットにならない?」

「学費が無料と、王宮の部屋を与えていただけるということでした。

私にとっては縛りあるものとなりますし、私には専属護衛がおります。高級ホテルに滞在できて不自由はありません。

学費の件は払うことができるので払ったまでですわ」

「縛り?」

「行動制約もあるでしょうし、様々な貴族の方や働く方もおられます。
他国で慣れない生活をするのに、学校以外で気を使う生活をしたくなかったのです」

「そうか」

「他にご用はございますか」

「急ぐのか」

「護衛を待たせておりますので」

「護衛は待たせるものだろう」

「そうでしょうか」

そう言って席を立った。

「ロネさん、グローリー侯爵様から多額の寄付をいただきました」

「マクセルから…」

「何かありましたらご相談ください」

「ありがとうございます。
では、校長先生、パルテオさん、失礼します」

軽くお辞儀をして校長室を出た。




ノエリアの去った校長室では。

「グローリー侯爵と彼女の関係は?」

「ロネ家とは親戚だそうです」

「随分と親しげだった」

「近い親類なのかもしれませんが、フロワ王国のグローリー侯爵と言ったら現役の宰相ですね」

「フロワの宰相!? なら国賓扱いで良かっただろうに。王宮に憧れるレディはいても、嫌がるレディは初めてだ。

彼女との点差はどのくらいなんだ?」

「30点近く差があります」

「そんなにか」

「ミランダは?」

「殿下とは100点近く差があります」

「Aクラスにいる資格は?」

「本来ならBクラスですが、王太子殿下の婚約者がBクラスでは体裁が悪いということで国王陛下のご命令によりAクラスにしました。
流石に特別クラスは授業中にバレてしまうとお断りしました」

「ロネ嬢について何か知っていることはないか」

「ロネ夫人の妹がエストフラムの商家に嫁いだようで、今年葬儀があったそうです」

「叔母を亡くしたのか」

「そのようです」

「戦争中に来たのか」

「戦地と呼べたのは中央国だけでしょう。あとはフロワにとって敵ではなかったようですから、警戒は必要ですが可能です。
それにロネさんの護衛騎士は氷の魔法使いだと聞いています」

「氷の魔法使いが護衛で、宰相が名前呼びを許すならかなり重要な令嬢なのだろう」

「本人が特別扱いを望んでおりませんでしたので詳しく探りませんでした」

「一般編入で優秀で寄付もあれば調べる必要はないからな。
寄付はどのくらいなんだ」

「当校の最高額です」

「今までの誰よりも多額の寄付をしたということか」

「グローリー侯爵にとって余程大事な存在なのでしょう。問題がないように気を配らなくてはなりません」

「そうだな。大変なことになる。気を配ろう」



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