【完結】生まれ変わった男装美少女は命を奪った者達に復讐をする

ユユ

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エストフラムへの復讐

罪人の集結

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翌日からエリアス達は登校しなくなった。カインは登校していた。

放課後、カインが話があると言われ教室に残った。

「ノエリア。

エストフラムは荒れる。
フロワの人間だから大丈夫かもしれないが心配だからフロワに帰国してくれないか」

「カイン?」

「詳細を話せなくてごめん。
だけど大きな過去の事件が公表される予定なんだ。統治ができるのかどうか分からない中でノエリアを黙って留めておけない。

ノエリアにもしものことがあれば……耐えられそうにない」

「ありがとう。
カインは優しくていい子ね」

「ノエリア、本当にどうなるか分からないからすぐに帰国してくれ!」

「カインは?」

「トリノア家も…渦中にいるんだ。
後を継いだ兄も母も皆知らなかったけど、被害者側から言わせればだから何だと思うだろう。

無念が少しでも晴れるなら、何でも受け入れるつもりだ」

「何でも?」

「何でもだよ。たとえ命を求められても差し出すつもりだ。
それで被害者の魂が救われるのならそれでいい。生まれ変わって幸せな人生を手に入れてくれたらと願うよ」

「うっ……ううっ」

「何でノエリアが泣くんだ?
泣かないでくれ。ノエリアにも笑顔でいて欲しい。

今日はこの話がしたくて登校した。明日からは登校できない。
お願いだから帰国してくれ。

仲良くしてくれて感謝している。大好きだよノエリア。今までありがとう」


カインはノエリアの鞄を持ち、泣くノエリアの手を引いて馬車乗り場に着くとガブリエルに引き渡した。
ノエリアの乗った馬車が見えなくなるまでカインは手を振って見送った。






エリアスがフロワ王国宛に書簡を送ってから2週間後、エストフラムの王城にフロワ軍が到着した。

「フロワ王国、王宮騎士団の団長を務めるソーサと申します。
貴国の王太子殿下より我が国のグローリー宰相宛に書簡をいただきました」

「お待ちしておりました」

門番は全面開放してフロワ軍を通した。


外に出て来たのは王太子と引き継いだ新宰相だった。

「ようこそお越しくださいました」

「王宮騎士団の団長を務めるソーサと申します」

「詳細を説明いたします。応接間でよろしいでしょうか」

ソーサ団長と数人の騎士以外は外に待機して応接間で説明を聞くことになった。



王太子が過去の出来事と今の起きていることを説明した。

「では、当時の関係者の生き残りを全員集めてください。現国王の父、カスタ団長の父、王妃の母、現国王、シュートウェル伯爵が揃ったら、各家門の嫡男に説明しますので彼等も集めてください。トリノア家は後を継いだ伯爵にしてください」

「かしこまりました」

「全員が揃いましたらノエリア様の滞在しているホテルにも連絡を入れてください」

「……かしこまりました」





全員が揃うのに8日かかった。
シュートウェル家の領地が遠かったからだ。

全員が演習場に集められた。
当事者達は縄で縛られて座らされていた。
現国王の父マテオだけは車椅子だった。

そこに無関係の公爵、侯爵、大臣達、騎士団の隊長・副隊長達が集められた。


「私は国王だぞ!こんなことが許されると思っているのか!エリアス!静観していないで何とかしろ!」

「静かにしてください。罪人ジェイムズ」

「お前!」

バシンッ!

「ギャアッ」

縛られている者も含めて周囲は驚愕した。
国王の顔に鞭が打たれたからだ。

「情け無い声を出すな。お前は十代の令嬢に何十発も鞭を打たせたじゃないか」

ソーサ団長が鞭を持って見下ろした。

「な、何のことだ……」


そこにノア達が現れた。

ノアは髪を後ろに束ね騎士服を着ていた。

「ノエリア?」

カイン、ビクトル、セヴランはノエリアの姿に訳がわからなかったが、エリアスは無表情だった。


ソーサ団長率いるフロワの騎士達がノアの前で跪いた。

「ノア様、お待たせしました」

「ありがとう。付き合ってくれて」

「光栄でございます」

「ノエリア!

ノエリア!どういうこと、 ギャアッ!」

「黙れと言っただろう」

ソーサ団長が立ち上がり、ジェイムズに鞭打ちした。



「では、始めよう」

ノアが縛られた国王達に向くと、声を張り上げた。

「私はフロワ国王直属の魔法使い、ノア・ヒート。此度はエストフラムで起きた過去の惨殺事件の制裁に出向いた。

直接罪を犯した者は、
元国王マテオ、現国王ジェイムズ、王妃ソフィアとその父。
モーリス・シュートウェルと元宰相のシュートウェル伯爵、セバスチャン・カスタとカスタ元団長、トリノア元伯爵、……、……」

ノアは偽証した当時の令嬢達の名まで告げるとエリアスに命じた。

「エリアス王太子殿下。
彼らの罪を説明願おう」

「かしこまりました」










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