6 / 15
ダニエル/制裁
しおりを挟む
【 ダニエルの転覆 】
“ダニエル。
この手紙を受け取った日から、お前は平民で、ただのダニエルだ。
朝、お前が呑気に湯浴みをしている間に王太子妃がいらした。
渡されたのはお前とコゼット嬢の婚約破棄の届出を受理したという書類と、王太子殿下からの抗議の手紙だった。
お前の頭はどこまで腐っているのだ。
王太子殿下の誕生パーティで、義理の妹にあたるコゼット嬢に、大声で呼び付け 愛人を抱き寄せながら婚約破棄を宣言したそうだな。しかも容姿を罵っていたとか。
二度とダニエルを王都に入れるなと書いてあった。
そして姉の王太子妃殿下からは、お前の不貞や暴言の数々。そしてエスコートはたった一度しかしたことがなく、いつもコゼット嬢以外の令嬢を伴っていたと聞いた。
お前はクズだ。
いくら熱が出て記憶が曖昧でもちゃんと見れば分かるだろう。コゼット嬢の髪はカツラだということが。
今、何故そんなものを?と思っているだろう。
それはお前がそうしろと言ってきかなかったからだ。
お前は会った瞬間に一目惚れをした。
散々ごねて、ついには首にナイフをあてて婚約してくれないなら死ぬと言い出した。
条件付きで伯爵家が折れると、途端に独占欲を丸出しにした。
コゼット嬢の美しいプラチナブロンドを地味なカツラで隠せと言った。
コゼット嬢の美しいアクアマリンの瞳を前髪で隠せと言った。
そんな可愛らしいドレスで気を引かず、ダサいドレスを着ろと言った。
そして少しでも可愛くなくなるように太れと言った。
コゼット嬢はお前の要望を忠実に守り、貞操を守ってきた。
なのにお前はそのことを忘れて“ブタ” “デブ” “田舎臭い” “ダサい” “汚い髪” “腐った髪” と言っていたそうだな。
王太子妃殿下から聞いて初めて知った。
不整脈を起こしかけた。
王太子妃殿下は激怒なさっていた。
“妹の大事な時期を辛いものにしてくれてありがとう。この先、未来永劫、フォリー家は日の目を見ることは無いわ。
男爵令嬢と必ず婚姻させてくださいね”
と仰った。
ダニエル。男爵家に婿入りしたら半年後に報告に来いとの仰せだ。お前達が王都入りできるのは半年後の一度きり。必ず来い。
フォリー公爵家は男爵家に援助しない。
婚姻の儀も金を出さないし出席しない。親戚も呼ぶな。友人は好きにしろ。
全て男爵家で賄え。
男爵家には婚約者のいる公爵家嫡男を惑わせた責任がある。
ミリアに縁談など来ていない。
お前との交際が広く知られているのに、高位貴族の愛人に求婚するはずがないだろう。
お前に自分を選ばせる為に嘘を吐いたんだよ。
本来なら男爵家を潰すところだが、お前の捨て場所が必要だからそのままにしてやった。
感謝して欲しい。
お前が破棄したから、公爵家はペナルティを科せられた。
今後50年間、公爵家の収益の半分をブラウニー伯爵家に支払うことになる。
私がお前を殺したかったよ。
今後フォリー公爵家の名を口にすることは許さない。
詐称で投獄されるからな。
半年後は公爵と呼ぶように。
弟達も気安く名前で呼ぶな。
フォリー公爵 ”
……は?
“ダニエル。
この手紙を受け取った日から、お前は平民で、ただのダニエルだ。
朝、お前が呑気に湯浴みをしている間に王太子妃がいらした。
渡されたのはお前とコゼット嬢の婚約破棄の届出を受理したという書類と、王太子殿下からの抗議の手紙だった。
お前の頭はどこまで腐っているのだ。
王太子殿下の誕生パーティで、義理の妹にあたるコゼット嬢に、大声で呼び付け 愛人を抱き寄せながら婚約破棄を宣言したそうだな。しかも容姿を罵っていたとか。
二度とダニエルを王都に入れるなと書いてあった。
そして姉の王太子妃殿下からは、お前の不貞や暴言の数々。そしてエスコートはたった一度しかしたことがなく、いつもコゼット嬢以外の令嬢を伴っていたと聞いた。
お前はクズだ。
いくら熱が出て記憶が曖昧でもちゃんと見れば分かるだろう。コゼット嬢の髪はカツラだということが。
今、何故そんなものを?と思っているだろう。
それはお前がそうしろと言ってきかなかったからだ。
お前は会った瞬間に一目惚れをした。
散々ごねて、ついには首にナイフをあてて婚約してくれないなら死ぬと言い出した。
条件付きで伯爵家が折れると、途端に独占欲を丸出しにした。
コゼット嬢の美しいプラチナブロンドを地味なカツラで隠せと言った。
コゼット嬢の美しいアクアマリンの瞳を前髪で隠せと言った。
そんな可愛らしいドレスで気を引かず、ダサいドレスを着ろと言った。
そして少しでも可愛くなくなるように太れと言った。
コゼット嬢はお前の要望を忠実に守り、貞操を守ってきた。
なのにお前はそのことを忘れて“ブタ” “デブ” “田舎臭い” “ダサい” “汚い髪” “腐った髪” と言っていたそうだな。
王太子妃殿下から聞いて初めて知った。
不整脈を起こしかけた。
王太子妃殿下は激怒なさっていた。
“妹の大事な時期を辛いものにしてくれてありがとう。この先、未来永劫、フォリー家は日の目を見ることは無いわ。
男爵令嬢と必ず婚姻させてくださいね”
と仰った。
ダニエル。男爵家に婿入りしたら半年後に報告に来いとの仰せだ。お前達が王都入りできるのは半年後の一度きり。必ず来い。
フォリー公爵家は男爵家に援助しない。
婚姻の儀も金を出さないし出席しない。親戚も呼ぶな。友人は好きにしろ。
全て男爵家で賄え。
男爵家には婚約者のいる公爵家嫡男を惑わせた責任がある。
ミリアに縁談など来ていない。
お前との交際が広く知られているのに、高位貴族の愛人に求婚するはずがないだろう。
お前に自分を選ばせる為に嘘を吐いたんだよ。
本来なら男爵家を潰すところだが、お前の捨て場所が必要だからそのままにしてやった。
感謝して欲しい。
お前が破棄したから、公爵家はペナルティを科せられた。
今後50年間、公爵家の収益の半分をブラウニー伯爵家に支払うことになる。
私がお前を殺したかったよ。
今後フォリー公爵家の名を口にすることは許さない。
詐称で投獄されるからな。
半年後は公爵と呼ぶように。
弟達も気安く名前で呼ぶな。
フォリー公爵 ”
……は?
応援ありがとうございます!
91
お気に入りに追加
2,980
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる