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侯爵を助けて
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夜遅く、エステルを除いた3人で家族会議が開かれた。
母「ねえ。どうなってるの?」
父「招待は侯爵夫人に頼まれて発行したらしい」
兄「エントランスに立っているリオナードを見たときは幻覚かと思ったよ」
母「ねえ。リオナード様はエステルが好きなんじゃないかしら。
パーティでも令息達を追い払ってしっかり番犬をしていたわ。
それにお皿に料理を少しずつよそって エステルを座らせて食べるように渡していたもの」
父「ヴァネッサとは全然違うからな。あり得る」
兄「でもまだ16歳ですよ!?
それにリオナードは…恋人をよく変えていたとヴァネッサが言っていました」
父「何とも言えんなぁ」
母「エステルは知っているのかしら」
父「知らないだろう」
兄「離縁できたらいいのに」
翌日は朝からベルナード一家と一緒にリオナードは食事をとった。
リオナードは4人に積極的に話しかけた。
その後、屋敷を案内してもらったりエステルの子供の頃の話を聞いたりして過ごし、午後はベルナード領の観光に出かけた。
エステルと夫人のテレサと3人で行き、リオナードは土産をたくさん買って帰ってきた。
ベルナード邸用とソワール邸用だった。
夜も食事と会話をして、翌日は昼食後にリオナードの馬車に乗せられてエステル達は帰っていった。
【 ベルナード伯爵の視点 】
「これ、どうする?」
「どうするって言われても、何かにするしかないだろう」
「高そうですね」
リオナードが伯爵夫妻に2粒の宝石を置いていったのだ。
「お返ししなくちゃ駄目よね」
「急に来たお詫びだって言ったのですから別にいいのでは?」
「だが、エステルが向こうにいるからな」
2週間もお返しに悩んでいる間にエステルの御者が単騎で戻って来た。
「伯爵様、お嬢様からお手紙を預かりました」
急いで開封した。
“お父様。
侯爵が酷い風邪を引いて、お医者様が肺炎を起こしていると言うのです。
咳も酷くて処方の薬が効いていません。
助けていただけませんか。
エステル”
「テレサ、研究室に行ってくる」
「私は薬草茶を準備するわ」
必要な物を揃えて屋敷に戻った。
「こっちの袋を全員に飲ませろ。私はソワールに行ってくる」
護衛達の馬と分散させて馬に荷物を固定して出発した。
数時間後、ソワール邸に到着すると、馬を降り荷物を外してベルを鳴らした。
「伯爵様」
「別棟に通してくれ」
別棟に行くとエステルがソワソワしていた。
「お父様!」
「怖かったな。パパが来たからな。
ビビ。この袋の中の薬草茶を全員に飲ませてここから出るな。私は本邸に行ってくる」
「私も、」
「エステル。うつると困るからここにいろ。
患者を増やしたくない」
「はい」
本邸に向かい、リオナードを呼んだ。
「リオナード殿!」
「伯爵」
「こっちのカバンの中の薬草を煎じて侯爵以外の全員に飲ませろ。
侯爵の部屋に案内してくれ。
あと、この紙に書いてあるものを用意して侯爵の部屋に至急運んで欲しい」
「分かりました。
バート、聞いていたか」
「お任せください」
「伯爵、こちらです」
鼻と口を布で覆い部屋に入り、医師に診断を聞いた。
「高熱が出て、寒気と火照りを繰り返し、関節痛や震え、頭痛、がありました。
熱は少し下がりましたが咳が続いて呼吸音が普通ではありません。
肺炎を起こしています。
私の持っている薬では改善が無くて」
「最後に薬を飲んでからどのくらいでしょう」
「4時間です」
「食欲は?」
「スープだけは何とか無理矢理飲み込んでもらっています」
「便や尿や痰などに異変は?」
「特別にはありません」
「タチの悪い風邪を召されて、体が負けてしまったのでしょう。
こちらは炎症を抑える薬です。スープを飲ませた後に水で飲ませてください。
こちらは煎じ薬です。これに蜂蜜を入れて温かいうちに朝、昼、夕、就寝前にゆっくり飲ませてください。
蜂蜜は少しでいいです。取り過ぎは体が負けることがありますので。
可能なら絞って酸味の少ないフルーツのジュースや、すりおろした林檎も与えてください。
食べないと治癒力が落ちますから」
そのまま5日間本邸に滞在して、侯爵の快方の兆しを確認した。
「リオナード殿、夫人。このまま続ければ後1週間から10日もすれば普通の風邪の予後として終わるでしょう。
これまで通り、接触メンバーを固定して他からは隔離してください。
エステルを別棟から出さないように」
「はい、感謝いたします」
「何とお礼を申し上げたら良いか」
「まだ治療中ですからね。
リオナード殿がくれた手土産のお礼です。
これでお返しができました。
今後も風邪の患者が出たら直ぐに隔離をしてください。被害を少なく抑えることに繋がりますから」
「はい。
隔離して接触人数を固定して、鼻と口を布で覆って清潔に保ちながら看病します。
トイレも分けます」
「頼んだよ。じゃあ私はこれで帰ります。失礼」
馬に乗り、護衛達とベルナードへ帰った。
母「ねえ。どうなってるの?」
父「招待は侯爵夫人に頼まれて発行したらしい」
兄「エントランスに立っているリオナードを見たときは幻覚かと思ったよ」
母「ねえ。リオナード様はエステルが好きなんじゃないかしら。
パーティでも令息達を追い払ってしっかり番犬をしていたわ。
それにお皿に料理を少しずつよそって エステルを座らせて食べるように渡していたもの」
父「ヴァネッサとは全然違うからな。あり得る」
兄「でもまだ16歳ですよ!?
それにリオナードは…恋人をよく変えていたとヴァネッサが言っていました」
父「何とも言えんなぁ」
母「エステルは知っているのかしら」
父「知らないだろう」
兄「離縁できたらいいのに」
翌日は朝からベルナード一家と一緒にリオナードは食事をとった。
リオナードは4人に積極的に話しかけた。
その後、屋敷を案内してもらったりエステルの子供の頃の話を聞いたりして過ごし、午後はベルナード領の観光に出かけた。
エステルと夫人のテレサと3人で行き、リオナードは土産をたくさん買って帰ってきた。
ベルナード邸用とソワール邸用だった。
夜も食事と会話をして、翌日は昼食後にリオナードの馬車に乗せられてエステル達は帰っていった。
【 ベルナード伯爵の視点 】
「これ、どうする?」
「どうするって言われても、何かにするしかないだろう」
「高そうですね」
リオナードが伯爵夫妻に2粒の宝石を置いていったのだ。
「お返ししなくちゃ駄目よね」
「急に来たお詫びだって言ったのですから別にいいのでは?」
「だが、エステルが向こうにいるからな」
2週間もお返しに悩んでいる間にエステルの御者が単騎で戻って来た。
「伯爵様、お嬢様からお手紙を預かりました」
急いで開封した。
“お父様。
侯爵が酷い風邪を引いて、お医者様が肺炎を起こしていると言うのです。
咳も酷くて処方の薬が効いていません。
助けていただけませんか。
エステル”
「テレサ、研究室に行ってくる」
「私は薬草茶を準備するわ」
必要な物を揃えて屋敷に戻った。
「こっちの袋を全員に飲ませろ。私はソワールに行ってくる」
護衛達の馬と分散させて馬に荷物を固定して出発した。
数時間後、ソワール邸に到着すると、馬を降り荷物を外してベルを鳴らした。
「伯爵様」
「別棟に通してくれ」
別棟に行くとエステルがソワソワしていた。
「お父様!」
「怖かったな。パパが来たからな。
ビビ。この袋の中の薬草茶を全員に飲ませてここから出るな。私は本邸に行ってくる」
「私も、」
「エステル。うつると困るからここにいろ。
患者を増やしたくない」
「はい」
本邸に向かい、リオナードを呼んだ。
「リオナード殿!」
「伯爵」
「こっちのカバンの中の薬草を煎じて侯爵以外の全員に飲ませろ。
侯爵の部屋に案内してくれ。
あと、この紙に書いてあるものを用意して侯爵の部屋に至急運んで欲しい」
「分かりました。
バート、聞いていたか」
「お任せください」
「伯爵、こちらです」
鼻と口を布で覆い部屋に入り、医師に診断を聞いた。
「高熱が出て、寒気と火照りを繰り返し、関節痛や震え、頭痛、がありました。
熱は少し下がりましたが咳が続いて呼吸音が普通ではありません。
肺炎を起こしています。
私の持っている薬では改善が無くて」
「最後に薬を飲んでからどのくらいでしょう」
「4時間です」
「食欲は?」
「スープだけは何とか無理矢理飲み込んでもらっています」
「便や尿や痰などに異変は?」
「特別にはありません」
「タチの悪い風邪を召されて、体が負けてしまったのでしょう。
こちらは炎症を抑える薬です。スープを飲ませた後に水で飲ませてください。
こちらは煎じ薬です。これに蜂蜜を入れて温かいうちに朝、昼、夕、就寝前にゆっくり飲ませてください。
蜂蜜は少しでいいです。取り過ぎは体が負けることがありますので。
可能なら絞って酸味の少ないフルーツのジュースや、すりおろした林檎も与えてください。
食べないと治癒力が落ちますから」
そのまま5日間本邸に滞在して、侯爵の快方の兆しを確認した。
「リオナード殿、夫人。このまま続ければ後1週間から10日もすれば普通の風邪の予後として終わるでしょう。
これまで通り、接触メンバーを固定して他からは隔離してください。
エステルを別棟から出さないように」
「はい、感謝いたします」
「何とお礼を申し上げたら良いか」
「まだ治療中ですからね。
リオナード殿がくれた手土産のお礼です。
これでお返しができました。
今後も風邪の患者が出たら直ぐに隔離をしてください。被害を少なく抑えることに繋がりますから」
「はい。
隔離して接触人数を固定して、鼻と口を布で覆って清潔に保ちながら看病します。
トイレも分けます」
「頼んだよ。じゃあ私はこれで帰ります。失礼」
馬に乗り、護衛達とベルナードへ帰った。
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