5 / 14
バラされるレオナール
シンシアが伯爵家に冤罪を掛けようとするなら仕方がない。
「父がいないと話せません」
「伯爵が戻り次第ここに連れて来させよう」
「門番に屋敷に入れずにこっちに来させるようにさせてください。シンシアに気付かれないように」
「遣いを出そう」
「お願いします」
夫人も交えて父の到着を待ちながら話をしていた。
「公爵家はレイナ嬢を指名していたのですね」
「そうですのよ。前に友人の家の茶会に出ていたレイナさんを見かけたレオナールが一目惚れをして、婚約できる日を待ち構えていたの。
日付けが変わりそうになって伯爵家に行こうとするから皆で止めたのよ。
夜中に求婚したら100%断られるって」
「母上!」
「承諾の返事をもらえるまで眠れなかったのよ。貰ったら大喜びした後に倒れ込むように寝てしまったわ」
「母上っ!」
「なのにこの子ったら、いざレイナさんが目の前に座ったら緊張して…。
レイナさんが帰った後は落ち込んだりニヤニヤしたり大変よ」
「母上!止めてください!」
「分かりますよ。こんなに可愛いレイナ嬢を婚約者に迎えられたらそうなります」
「殿下、レイナはもう私の部屋で暮らしています。譲れません」
ちょっと!誤解が生じるじゃないの!
「レオナール様!おかしな言い回しは止めてください!」
「レイナ、浮気は許さない」
「は?何言っちゃってるんですか!」
「失礼します。シャルム伯爵が到着なさいました」
「お通しして」
ちょっと!このままじゃ醜聞になっちゃう!
「これだけははっきりさせておきますが、私とレオナール様は清い婚約関係ですから!」
「当然だ」
「お父様」
「エルネスト殿下にご挨拶を申し上げます」
「シャルム伯爵、こんなかたちで呼び出して申し訳ない。大事な話がある」
殿下は見舞いに行った先でシンシアに何と言われたのかを父に話した。
「まさか、チャンスを無にするとは…」
「シンシアの話は事実ではないのですね」
「監禁はしていますが経緯と理由が違います。理由は危険だからです」
父はシンシアが私にした事を話した。
「というわけで、病気ということにして婚約者候補から除いていただこうかと思ったのです。
急だと変に思われますので1ヶ月程療養の実績を作ろうとしたのです」
「王子が来たから部屋から出してもらえたということか。
伯爵、シンシアをここに連れてくるか、レイナ嬢を伯爵家に連れて行きたいのですが」
「レイナは駄目です!」
「…シンシアを連れてこよう」
父がシンシアを迎えに行き、連れてきたが伯爵家の騎士に羽交締めにされていた。
「エルネスト様!」
「レオナール殿、椅子を借りるよ」
そう言って父はシンシアを椅子に座らせて縄で椅子の背もたれに縛りつけさせた。
「見てください!私はこうやっていつも虐待を受けて…」
騒ぐシンシアに向かって殿下は手を挙げた。
制されたシンシアは黙った。
「シンシア・シャルム。
君は勘違いをしていないか?
今回私の婚約者候補として王家から申し込みをしたのは、私が選んだわけではない。
今回のどの候補も愛していない。
君は私が助けて当然という言動をとっているが何故だ。
婚約者に決まって王子妃教育を終えた状態ならまだ分かる。候補のひとりという立場で何故王族に助けてもらえると思うのだ」
「エルネスト様?」
「其方に関して言えば、王家は伯爵家を評価して申し込んだだけ。其方を選んだわけではない。
扱いは当主が決めることだ。君は傷も無ければ痣も無い、肌艶は良く髪も手入れされ、痩せてもいない。叫んで主張できるほど元気で強い。何の問題もない。
君を外に出せない瑕疵があるということだ。
聞いたぞ。睡眠薬の件と毒蛇の件」
「そ、それは誤解てす」
「睡眠薬の時はレイナか湯に入った時は正常で、少し場を離れたら湯に沈んでいた。湯を吐かせた後もそのまま眠り続け、朝も何度も起こしたが全く起きず昼前にようやく起きた。
メイドの証言だ。途中私も何度か様子を見に行き起こそうとしたが起きなかった。
お前の持っていた睡眠薬を使ったならあの状態は納得だ」
「あれはお母様から眠れない時に貰った薬の残りです!」
「ひと包みではあんなにならない。2包み以上入れたはずだ。
それにお前は認めたではないか。毒蛇も一緒にやったと」
「あれは怖くて」
「親が怖くて殺人未遂2件を認めるわけがないだろう!」
「シンシア、いずれにしても婚約者候補の申し入れは取り消す」
「えっ」
「この手の問題は王族は受け入れない。
薬や毒について王族はとても敏感だ。
何かあった時、真っ先に其方を疑うし、安心して過ごすことができない。
それに私に嘘を述べて逃げようとした。
しかも王宮で保護しろだと!?
王族を騙し誘拐犯になれと言ったのだ。
もう父親の優しい処罰では済まない。
陛下と相談してまた戻ってくる。
伯爵、シンシアと伯爵邸に戻っていてくれ」
「かしこまりました」
「そんな!」
「父がいないと話せません」
「伯爵が戻り次第ここに連れて来させよう」
「門番に屋敷に入れずにこっちに来させるようにさせてください。シンシアに気付かれないように」
「遣いを出そう」
「お願いします」
夫人も交えて父の到着を待ちながら話をしていた。
「公爵家はレイナ嬢を指名していたのですね」
「そうですのよ。前に友人の家の茶会に出ていたレイナさんを見かけたレオナールが一目惚れをして、婚約できる日を待ち構えていたの。
日付けが変わりそうになって伯爵家に行こうとするから皆で止めたのよ。
夜中に求婚したら100%断られるって」
「母上!」
「承諾の返事をもらえるまで眠れなかったのよ。貰ったら大喜びした後に倒れ込むように寝てしまったわ」
「母上っ!」
「なのにこの子ったら、いざレイナさんが目の前に座ったら緊張して…。
レイナさんが帰った後は落ち込んだりニヤニヤしたり大変よ」
「母上!止めてください!」
「分かりますよ。こんなに可愛いレイナ嬢を婚約者に迎えられたらそうなります」
「殿下、レイナはもう私の部屋で暮らしています。譲れません」
ちょっと!誤解が生じるじゃないの!
「レオナール様!おかしな言い回しは止めてください!」
「レイナ、浮気は許さない」
「は?何言っちゃってるんですか!」
「失礼します。シャルム伯爵が到着なさいました」
「お通しして」
ちょっと!このままじゃ醜聞になっちゃう!
「これだけははっきりさせておきますが、私とレオナール様は清い婚約関係ですから!」
「当然だ」
「お父様」
「エルネスト殿下にご挨拶を申し上げます」
「シャルム伯爵、こんなかたちで呼び出して申し訳ない。大事な話がある」
殿下は見舞いに行った先でシンシアに何と言われたのかを父に話した。
「まさか、チャンスを無にするとは…」
「シンシアの話は事実ではないのですね」
「監禁はしていますが経緯と理由が違います。理由は危険だからです」
父はシンシアが私にした事を話した。
「というわけで、病気ということにして婚約者候補から除いていただこうかと思ったのです。
急だと変に思われますので1ヶ月程療養の実績を作ろうとしたのです」
「王子が来たから部屋から出してもらえたということか。
伯爵、シンシアをここに連れてくるか、レイナ嬢を伯爵家に連れて行きたいのですが」
「レイナは駄目です!」
「…シンシアを連れてこよう」
父がシンシアを迎えに行き、連れてきたが伯爵家の騎士に羽交締めにされていた。
「エルネスト様!」
「レオナール殿、椅子を借りるよ」
そう言って父はシンシアを椅子に座らせて縄で椅子の背もたれに縛りつけさせた。
「見てください!私はこうやっていつも虐待を受けて…」
騒ぐシンシアに向かって殿下は手を挙げた。
制されたシンシアは黙った。
「シンシア・シャルム。
君は勘違いをしていないか?
今回私の婚約者候補として王家から申し込みをしたのは、私が選んだわけではない。
今回のどの候補も愛していない。
君は私が助けて当然という言動をとっているが何故だ。
婚約者に決まって王子妃教育を終えた状態ならまだ分かる。候補のひとりという立場で何故王族に助けてもらえると思うのだ」
「エルネスト様?」
「其方に関して言えば、王家は伯爵家を評価して申し込んだだけ。其方を選んだわけではない。
扱いは当主が決めることだ。君は傷も無ければ痣も無い、肌艶は良く髪も手入れされ、痩せてもいない。叫んで主張できるほど元気で強い。何の問題もない。
君を外に出せない瑕疵があるということだ。
聞いたぞ。睡眠薬の件と毒蛇の件」
「そ、それは誤解てす」
「睡眠薬の時はレイナか湯に入った時は正常で、少し場を離れたら湯に沈んでいた。湯を吐かせた後もそのまま眠り続け、朝も何度も起こしたが全く起きず昼前にようやく起きた。
メイドの証言だ。途中私も何度か様子を見に行き起こそうとしたが起きなかった。
お前の持っていた睡眠薬を使ったならあの状態は納得だ」
「あれはお母様から眠れない時に貰った薬の残りです!」
「ひと包みではあんなにならない。2包み以上入れたはずだ。
それにお前は認めたではないか。毒蛇も一緒にやったと」
「あれは怖くて」
「親が怖くて殺人未遂2件を認めるわけがないだろう!」
「シンシア、いずれにしても婚約者候補の申し入れは取り消す」
「えっ」
「この手の問題は王族は受け入れない。
薬や毒について王族はとても敏感だ。
何かあった時、真っ先に其方を疑うし、安心して過ごすことができない。
それに私に嘘を述べて逃げようとした。
しかも王宮で保護しろだと!?
王族を騙し誘拐犯になれと言ったのだ。
もう父親の優しい処罰では済まない。
陛下と相談してまた戻ってくる。
伯爵、シンシアと伯爵邸に戻っていてくれ」
「かしこまりました」
「そんな!」
あなたにおすすめの小説
【完結】白い結婚をした悪役令嬢は田舎暮らしと陰謀を満喫する
ツカノ
恋愛
「こんな形での君との婚姻は望んでなかった」と、私は初夜の夜に旦那様になる方に告げられた。
卒業パーティーで婚約者の最愛を虐げた悪役令嬢として予定通り断罪された挙げ句に、その罰としてなぜか元婚約者と目と髪の色以外はそっくりな男と『白い結婚』をさせられてしまった私は思う。
それにしても、旦那様。あなたはいったいどこの誰ですか?
陰謀と事件混みのご都合主義なふんわり設定です。
捨てられたなら 〜婚約破棄された私に出来ること〜
ちくわぶ(まるどらむぎ)
恋愛
長年の婚約者だった王太子殿下から婚約破棄を言い渡されたクリスティン。
彼女は婚約破棄を受け入れ、周りも処理に動き出します。
さて、どうなりますでしょうか……
別作品のボツネタ救済です(ヒロインの名前と設定のみ)。
突然のポイント数増加に驚いています。HOTランキングですか?
自分には縁のないものだと思っていたのでびっくりしました。
私の拙い作品をたくさんの方に読んでいただけて嬉しいです。
それに伴い、たくさんの方から感想をいただくようになりました。
ありがとうございます。
様々なご意見、真摯に受け止めさせていただきたいと思います。
ただ、皆様に楽しんでいただけたらと思いますので、中にはいただいたコメントを非公開とさせていただく場合がございます。
申し訳ありませんが、どうかご了承くださいませ。
もちろん、私は全て読ませていただきますし、削除はいたしません。
7/16 最終部がわかりにくいとのご指摘をいただき、訂正しました。
※この作品は小説家になろうさんでも公開しています。
王太子殿下が私を諦めない
風見ゆうみ
恋愛
公爵令嬢であるミア様の侍女である私、ルルア・ウィンスレットは伯爵家の次女として生まれた。父は姉だけをバカみたいに可愛がるし、姉は姉で私に婚約者が決まったと思ったら、婚約者に近付き、私から奪う事を繰り返していた。
今年でもう21歳。こうなったら、一生、ミア様の侍女として生きる、と決めたのに、幼なじみであり俺様系の王太子殿下、アーク・ミドラッドから結婚を申し込まれる。
きっぱりとお断りしたのに、アーク殿下はなぜか諦めてくれない。
どうせ、姉にとられるのだから、最初から姉に渡そうとしても、なぜか、アーク殿下は私以外に興味を示さない? 逆に自分に興味を示さない彼に姉が恋におちてしまい…。
※史実とは関係ない、異世界の世界観であり、設定はゆるゆるで、ご都合主義です。
傲慢令嬢は、猫かぶりをやめてみた。お好きなように呼んでくださいませ。愛しいひとが私のことをわかってくださるなら、それで十分ですもの。
石河 翠
恋愛
高飛車で傲慢な令嬢として有名だった侯爵令嬢のダイアナは、婚約者から婚約を破棄される直前、階段から落ちて頭を打ち、記憶喪失になった上、体が不自由になってしまう。
そのまま修道院に身を寄せることになったダイアナだが、彼女はその暮らしを嬉々として受け入れる。妾の子であり、貴族暮らしに馴染めなかったダイアナには、修道院での暮らしこそ理想だったのだ。
新しい婚約者とうまくいかない元婚約者がダイアナに接触してくるが、彼女は突き放す。身勝手な言い分の元婚約者に対し、彼女は怒りを露にし……。
初恋のひとのために貴族教育を頑張っていたヒロインと、健気なヒロインを見守ってきたヒーローの恋物語。
ハッピーエンドです。
この作品は、別サイトにも投稿しております。
表紙絵は写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。
お飾りの私と怖そうな隣国の王子様
mahiro
恋愛
お飾りの婚約者だった。
だって、私とあの人が出会う前からあの人には好きな人がいた。
その人は隣国の王女様で、昔から二人はお互いを思い合っているように見えた。
「エディス、今すぐ婚約を破棄してくれ」
そう言ってきた王子様は真剣そのもので、拒否は許さないと目がそう訴えていた。
いつかこの日が来るとは思っていた。
思い合っている二人が両思いになる日が来ればいつの日か、と。
思いが叶った彼に祝いの言葉と、破棄を受け入れるような発言をしたけれど、もう私には用はないと彼は一切私を見ることなどなく、部屋を出て行ってしまった。
宮廷外交官の天才令嬢、王子に愛想をつかれて婚約破棄されたあげく、実家まで追放されてケダモノ男爵に読み書きを教えることになりました
悠木真帆
恋愛
子爵令嬢のシャルティナ・ルーリックは宮廷外交官として日々忙しくはたらく毎日。
クールな見た目と頭の回転の速さからついたあだ名は氷の令嬢。
婚約者である王子カイル・ドルトラードを長らくほったらかしてしまうほど仕事に没頭していた。
そんなある日の夜会でシャルティナは王子から婚約破棄を宣言されてしまう。
そしてそのとなりには見知らぬ令嬢が⋯⋯
王子の婚約者ではなくなった途端、シャルティナは宮廷外交官の立場まで失い、見かねた父の強引な勧めで冒険者あがりの男爵のところへ行くことになる。
シャルティナは宮廷外交官の実績を活かして辣腕を振るおうと張り切るが、男爵から命じられた任務は男爵に文字の読み書きを教えることだった⋯⋯
婚約破棄を申し入れたのは、父です ― 王子様、あなたの企みはお見通しです!
みかぼう。
恋愛
公爵令嬢クラリッサ・エインズワースは、王太子ルーファスの婚約者。
幼い日に「共に国を守ろう」と誓い合ったはずの彼は、
いま、別の令嬢マリアンヌに微笑んでいた。
そして――年末の舞踏会の夜。
「――この婚約、我らエインズワース家の名において、破棄させていただきます!」
エインズワース公爵が力強く宣言した瞬間、
王国の均衡は揺らぎ始める。
誇りを捨てず、誠実を貫く娘。
政の闇に挑む父。
陰謀を暴かんと手を伸ばす宰相の子。
そして――再び立ち上がる若き王女。
――沈黙は逃げではなく、力の証。
公爵令嬢の誇りが、王国の未来を変える。
――荘厳で静謐な政略ロマンス。
(本作品は小説家になろう、カクヨムにも掲載中です)
やさしい・悪役令嬢
きぬがやあきら
恋愛
「そのようなところに立っていると、ずぶ濡れになりますわよ」
と、親切に忠告してあげただけだった。
それなのに、ずぶ濡れになったマリアナに”嫌がらせを指示した張本人はオデットだ”と、誤解を受ける。
友人もなく、気の毒な転入生を気にかけただけなのに。
あろうことか、オデットの婚約者ルシアンにまで言いつけられる始末だ。
美貌に、教養、権力、果ては将来の王太子妃の座まで持ち、何不自由なく育った箱入り娘のオデットと、庶民上がりのたくましい子爵令嬢マリアナの、静かな戦いの火蓋が切って落とされた。