【完結】二度目は先に裏切ろうと思います

ユユ

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二度目

25 婚約破棄

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陛下は態度を変えず続けた。

「おまえははっきり言って不出来な王子だ。マリエナがそれを補っていたから可能性を残していたのだ。こうなっては慈悲はこれ以上かけられない。私も裏切られたようなものだからな。
婚姻までローランの予算を大幅に削減し、婚姻と同時に王宮から追放する。
ヴァルス伯爵家の籍に入らないのであれば夫婦で辺境の地へ行かせる」

「父上!!」

「仕方ないだろう。王家の申し入れで成した婚約は王命婚と同じ意味を持つ。それを破ったのだからな。おまえは最低でも一度は忠告を受けただろう。
それでもカティーナ・ヴァルスを呼び付けては執務中に執務室で淫らな行為をし続けた。その結果に責任を取るのは当たり前のことだ。
そもそも仕事ができないくせに、執務中にそんなことをするとは、仕事の放棄と同じだ。
せめて仕事が出来たなら残してやったが使えない男を養うことは出来ない。仮にも王子だ。王宮にとどまれば予算はつくし使用人や兵士などの人員を割かなくてはならない。加えて浮気相手と子供にも付けなくてはならない。
そんなことをしたら必ず王宮内で不満が出る。
貴族出身の者も多い。その情報はすぐに貴族達の間にも広まってしまうだろう。
貴族だけに厳しくして おまえにこれ以上甘くは出来ない。
本日を持ってローランとマリエナとの婚約は破棄とする。同時にローランとカティーナの婚約を認める」

「う、うちには後継がおります」

「伯爵。誰も跡継ぎにしろとは言っていない。領地のどこかに住まわせればいい。仕事が出来なければ必要最低限の支援でいい」

「それではヴァルス家は大損です!
娘の純潔を奪われ婚約は破棄され、孕まされだ挙句…あんまりです!」

「カティーナは自身にも婚約者がいるにも関わらず、学園で婚約者のいるローランに何度と近付いた。ローランとデートに出掛けたりパートナーとして茶会やパーティに出席した。それは強制されたものではない。何人もの目撃証言を押さえている。
そして身体を差し出し自分が王子妃になろうと避妊を止めた。カティーナの責任も大きいのだぞ。
伯爵家がその娘の責を負うのは当然だろう。
だがローランが誘惑に負けたことが大きいから慰謝料をこちらだけで引き受けたのだ。
不満なら、マルブール侯爵家に支払う慰謝料を半分負担しろ。子が産まれたら子だけ引き取る。婚姻はしなくていいしローランだけ辺境へ飛ばす。
どちらか選ばせてやる。
だがな、婚約者がいるのに他の男と寝て 婚約者のいる男との子を孕んで産む傷モノを嫁に迎えたい変わり者がいるか?平民に嫁がせるのか?
使用人が雇えるような裕福な平民はそんな貴族令嬢は絶対嫌がるぞ?」

「…娘とローラン殿下の婚約を受け入れます」

「待ってください!
父上、これからマリエナの力を借りて仕事に励みます!だから王宮に置いてください!

マリエナ、早まるな。私の妃に相応しいのはマリエナだけだ!カティーナに誘惑されて道を誤ったが、今からでもやりなおせるはずだ!」

「それは殿下が他者に私への不満やそちらの方を王子妃にしたいと漏らす前なら叶ったかもしれませんが、今更ですわ。もうマリエナと呼ばないでくださいませ」

「マリエナ!」

「ローラン!煩い!
マリエナ。本来ならマルブール夫人か侯爵を同席させたかったが領地にいると聞いた。緊急を要したのでそなただけ来てもらった。すまなかった。すぐに侯爵宛に文を出す。王妃の手伝いも終わりだ。今まで感謝している」

「皆様には大変お世話になりました」

「気をつけて帰ってくれ」

「失礼いたします」

「マリエナ!!」


部屋を出た後は、私に与えられた執務室へ行き荷物を纏め、宮庭医を訪ねた。
用が終わると屋敷に戻り婚約破棄の知らせをアルシェ様に伝えた。
彼は直ぐに馬に乗って駆け付けた。

「マリエナ!!」

「アルシェ様っ」

力強く抱きしめてくれた。

「今すぐ婚約をしよう」

「直ぐにと申しましても兄は領地におりますし、せめて1ヶ月はあけましょう。直ぐでは不貞は両者ということになりかねません」

「だが、王家の気が変わったら」

「ですが、そうならないよう先にアルシェ様に純潔を捧げたいと思います。
デスター公爵の許可をいただいた後にデスター家の主治医に乙女の証を確認してもらい、その後初夜を迎えましょう」

「分かった」

アルシェ様は大慌てでデスター邸に戻った。そして遣いの者が来て、許可が降りたので夕刻に迎えに来ると伝言を受け取った。







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