25 / 30
二度目
25 婚約破棄
しおりを挟む
陛下は態度を変えず続けた。
「おまえははっきり言って不出来な王子だ。マリエナがそれを補っていたから可能性を残していたのだ。こうなっては慈悲はこれ以上かけられない。私も裏切られたようなものだからな。
婚姻までローランの予算を大幅に削減し、婚姻と同時に王宮から追放する。
ヴァルス伯爵家の籍に入らないのであれば夫婦で辺境の地へ行かせる」
「父上!!」
「仕方ないだろう。王家の申し入れで成した婚約は王命婚と同じ意味を持つ。それを破ったのだからな。おまえは最低でも一度は忠告を受けただろう。
それでもカティーナ・ヴァルスを呼び付けては執務中に執務室で淫らな行為をし続けた。その結果に責任を取るのは当たり前のことだ。
そもそも仕事ができないくせに、執務中にそんなことをするとは、仕事の放棄と同じだ。
せめて仕事が出来たなら残してやったが使えない男を養うことは出来ない。仮にも王子だ。王宮にとどまれば予算はつくし使用人や兵士などの人員を割かなくてはならない。加えて浮気相手と子供にも付けなくてはならない。
そんなことをしたら必ず王宮内で不満が出る。
貴族出身の者も多い。その情報はすぐに貴族達の間にも広まってしまうだろう。
貴族だけに厳しくして おまえにこれ以上甘くは出来ない。
本日を持ってローランとマリエナとの婚約は破棄とする。同時にローランとカティーナの婚約を認める」
「う、うちには後継がおります」
「伯爵。誰も跡継ぎにしろとは言っていない。領地のどこかに住まわせればいい。仕事が出来なければ必要最低限の支援でいい」
「それではヴァルス家は大損です!
娘の純潔を奪われ婚約は破棄され、孕まされだ挙句…あんまりです!」
「カティーナは自身にも婚約者がいるにも関わらず、学園で婚約者のいるローランに何度と近付いた。ローランとデートに出掛けたりパートナーとして茶会やパーティに出席した。それは強制されたものではない。何人もの目撃証言を押さえている。
そして身体を差し出し自分が王子妃になろうと避妊を止めた。カティーナの責任も大きいのだぞ。
伯爵家がその娘の責を負うのは当然だろう。
だがローランが誘惑に負けたことが大きいから慰謝料をこちらだけで引き受けたのだ。
不満なら、マルブール侯爵家に支払う慰謝料を半分負担しろ。子が産まれたら子だけ引き取る。婚姻はしなくていいしローランだけ辺境へ飛ばす。
どちらか選ばせてやる。
だがな、婚約者がいるのに他の男と寝て 婚約者のいる男との子を孕んで産む傷モノを嫁に迎えたい変わり者がいるか?平民に嫁がせるのか?
使用人が雇えるような裕福な平民はそんな貴族令嬢は絶対嫌がるぞ?」
「…娘とローラン殿下の婚約を受け入れます」
「待ってください!
父上、これからマリエナの力を借りて仕事に励みます!だから王宮に置いてください!
マリエナ、早まるな。私の妃に相応しいのはマリエナだけだ!カティーナに誘惑されて道を誤ったが、今からでもやりなおせるはずだ!」
「それは殿下が他者に私への不満やそちらの方を王子妃にしたいと漏らす前なら叶ったかもしれませんが、今更ですわ。もうマリエナと呼ばないでくださいませ」
「マリエナ!」
「ローラン!煩い!
マリエナ。本来ならマルブール夫人か侯爵を同席させたかったが領地にいると聞いた。緊急を要したのでそなただけ来てもらった。すまなかった。すぐに侯爵宛に文を出す。王妃の手伝いも終わりだ。今まで感謝している」
「皆様には大変お世話になりました」
「気をつけて帰ってくれ」
「失礼いたします」
「マリエナ!!」
部屋を出た後は、私に与えられた執務室へ行き荷物を纏め、宮庭医を訪ねた。
用が終わると屋敷に戻り婚約破棄の知らせをアルシェ様に伝えた。
彼は直ぐに馬に乗って駆け付けた。
「マリエナ!!」
「アルシェ様っ」
力強く抱きしめてくれた。
「今すぐ婚約をしよう」
「直ぐにと申しましても兄は領地におりますし、せめて1ヶ月はあけましょう。直ぐでは不貞は両者ということになりかねません」
「だが、王家の気が変わったら」
「ですが、そうならないよう先にアルシェ様に純潔を捧げたいと思います。
デスター公爵の許可をいただいた後にデスター家の主治医に乙女の証を確認してもらい、その後初夜を迎えましょう」
「分かった」
アルシェ様は大慌てでデスター邸に戻った。そして遣いの者が来て、許可が降りたので夕刻に迎えに来ると伝言を受け取った。
「おまえははっきり言って不出来な王子だ。マリエナがそれを補っていたから可能性を残していたのだ。こうなっては慈悲はこれ以上かけられない。私も裏切られたようなものだからな。
婚姻までローランの予算を大幅に削減し、婚姻と同時に王宮から追放する。
ヴァルス伯爵家の籍に入らないのであれば夫婦で辺境の地へ行かせる」
「父上!!」
「仕方ないだろう。王家の申し入れで成した婚約は王命婚と同じ意味を持つ。それを破ったのだからな。おまえは最低でも一度は忠告を受けただろう。
それでもカティーナ・ヴァルスを呼び付けては執務中に執務室で淫らな行為をし続けた。その結果に責任を取るのは当たり前のことだ。
そもそも仕事ができないくせに、執務中にそんなことをするとは、仕事の放棄と同じだ。
せめて仕事が出来たなら残してやったが使えない男を養うことは出来ない。仮にも王子だ。王宮にとどまれば予算はつくし使用人や兵士などの人員を割かなくてはならない。加えて浮気相手と子供にも付けなくてはならない。
そんなことをしたら必ず王宮内で不満が出る。
貴族出身の者も多い。その情報はすぐに貴族達の間にも広まってしまうだろう。
貴族だけに厳しくして おまえにこれ以上甘くは出来ない。
本日を持ってローランとマリエナとの婚約は破棄とする。同時にローランとカティーナの婚約を認める」
「う、うちには後継がおります」
「伯爵。誰も跡継ぎにしろとは言っていない。領地のどこかに住まわせればいい。仕事が出来なければ必要最低限の支援でいい」
「それではヴァルス家は大損です!
娘の純潔を奪われ婚約は破棄され、孕まされだ挙句…あんまりです!」
「カティーナは自身にも婚約者がいるにも関わらず、学園で婚約者のいるローランに何度と近付いた。ローランとデートに出掛けたりパートナーとして茶会やパーティに出席した。それは強制されたものではない。何人もの目撃証言を押さえている。
そして身体を差し出し自分が王子妃になろうと避妊を止めた。カティーナの責任も大きいのだぞ。
伯爵家がその娘の責を負うのは当然だろう。
だがローランが誘惑に負けたことが大きいから慰謝料をこちらだけで引き受けたのだ。
不満なら、マルブール侯爵家に支払う慰謝料を半分負担しろ。子が産まれたら子だけ引き取る。婚姻はしなくていいしローランだけ辺境へ飛ばす。
どちらか選ばせてやる。
だがな、婚約者がいるのに他の男と寝て 婚約者のいる男との子を孕んで産む傷モノを嫁に迎えたい変わり者がいるか?平民に嫁がせるのか?
使用人が雇えるような裕福な平民はそんな貴族令嬢は絶対嫌がるぞ?」
「…娘とローラン殿下の婚約を受け入れます」
「待ってください!
父上、これからマリエナの力を借りて仕事に励みます!だから王宮に置いてください!
マリエナ、早まるな。私の妃に相応しいのはマリエナだけだ!カティーナに誘惑されて道を誤ったが、今からでもやりなおせるはずだ!」
「それは殿下が他者に私への不満やそちらの方を王子妃にしたいと漏らす前なら叶ったかもしれませんが、今更ですわ。もうマリエナと呼ばないでくださいませ」
「マリエナ!」
「ローラン!煩い!
マリエナ。本来ならマルブール夫人か侯爵を同席させたかったが領地にいると聞いた。緊急を要したのでそなただけ来てもらった。すまなかった。すぐに侯爵宛に文を出す。王妃の手伝いも終わりだ。今まで感謝している」
「皆様には大変お世話になりました」
「気をつけて帰ってくれ」
「失礼いたします」
「マリエナ!!」
部屋を出た後は、私に与えられた執務室へ行き荷物を纏め、宮庭医を訪ねた。
用が終わると屋敷に戻り婚約破棄の知らせをアルシェ様に伝えた。
彼は直ぐに馬に乗って駆け付けた。
「マリエナ!!」
「アルシェ様っ」
力強く抱きしめてくれた。
「今すぐ婚約をしよう」
「直ぐにと申しましても兄は領地におりますし、せめて1ヶ月はあけましょう。直ぐでは不貞は両者ということになりかねません」
「だが、王家の気が変わったら」
「ですが、そうならないよう先にアルシェ様に純潔を捧げたいと思います。
デスター公爵の許可をいただいた後にデスター家の主治医に乙女の証を確認してもらい、その後初夜を迎えましょう」
「分かった」
アルシェ様は大慌てでデスター邸に戻った。そして遣いの者が来て、許可が降りたので夕刻に迎えに来ると伝言を受け取った。
3,553
あなたにおすすめの小説
わたしは婚約者の不倫の隠れ蓑
岡暁舟
恋愛
第一王子スミスと婚約した公爵令嬢のマリア。ところが、スミスが魅力された女は他にいた。同じく公爵令嬢のエリーゼ。マリアはスミスとエリーゼの密会に気が付いて……。
もう終わりにするしかない。そう確信したマリアだった。
本編終了しました。
夫のかつての婚約者が現れて、離縁を求めて来ました──。
Nao*
恋愛
結婚し一年が経った頃……私、エリザベスの元を一人の女性が訪ねて来る。
彼女は夫ダミアンの元婚約者で、ミラージュと名乗った。
そして彼女は戸惑う私に対し、夫と別れるよう要求する。
この事を夫に話せば、彼女とはもう終わって居る……俺の妻はこの先もお前だけだと言ってくれるが、私の心は大きく乱れたままだった。
その後、この件で自身の身を案じた私は護衛を付ける事にするが……これによって夫と彼女、それぞれの思いを知る事となり──?
(1万字以上と少し長いので、短編集とは別にしてあります)
ある辺境伯の後悔
だましだまし
恋愛
妻セディナを愛する辺境伯ルブラン・レイナーラ。
父親似だが目元が妻によく似た長女と
目元は自分譲りだが母親似の長男。
愛する妻と妻の容姿を受け継いだ可愛い子供たちに囲まれ彼は誰よりも幸せだと思っていた。
愛しい妻が次女を産んで亡くなるまでは…。
私の療養中に、婚約者と幼馴染が駆け落ちしました──。
Nao*
恋愛
素適な婚約者と近く結婚する私を病魔が襲った。
彼の為にも早く元気になろうと療養する私だったが、一通の手紙を残し彼と私の幼馴染が揃って姿を消してしまう。
どうやら私、彼と幼馴染に裏切られて居たようです──。
(1万字以上と少し長いので、短編集とは別にしてあります。最終回の一部、改正してあります。)
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢
岡暁舟
恋愛
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢マリアは、それでも婚約者を憎むことはなかった。なぜか?
「すまない、マリア。ソフィアを正式な妻として迎え入れることにしたんだ」
「どうぞどうぞ。私は何も気にしませんから……」
マリアは妹のソフィアを祝福した。だが当然、不気味な未来の陰が少しずつ歩み寄っていた。
愛のゆくえ【完結】
春の小径
恋愛
私、あなたが好きでした
ですが、告白した私にあなたは言いました
「妹にしか思えない」
私は幼馴染みと婚約しました
それなのに、あなたはなぜ今になって私にプロポーズするのですか?
☆12時30分より1時間更新
(6月1日0時30分 完結)
こう言う話はサクッと完結してから読みたいですよね?
……違う?
とりあえず13日後ではなく13時間で完結させてみました。
他社でも公開
婚約破棄の代償
nanahi
恋愛
「あの子を放って置けないんだ。ごめん。婚約はなかったことにしてほしい」
ある日突然、侯爵令嬢エバンジェリンは婚約者アダムスに一方的に婚約破棄される。破局に追い込んだのは婚約者の幼馴染メアリという平民の儚げな娘だった。
エバンジェリンを差し置いてアダムスとメアリはひと時の幸せに酔うが、婚約破棄の代償は想像以上に大きかった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる