【完結】冷遇された翡翠の令嬢は二度と貴方と婚約致しません!

ユユ

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新たな留学生

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【 ジュストの視点 】



ラバルノ侯爵令嬢の一件で、セリーナがレイノルズ伯爵令息への態度を少し和らげた気がして不安感が出てきた。

ただでさえ従兄妹の域を出ないセリーナとの関係を拗らせているのはこの王女だった。


「ジュスト様~」

「はぁ。私も王女殿下と呼ぶので貴女も王子殿下と呼んでください」

「そんなぁ」

この王女様は反対側のグリーンデサントの隣国ロテュスの第二王女 エグランティーヌ。
緑青色の髪に黄緑色の瞳の美少女だ。


たった三ヶ月で、グリーンデサントの留学を切り上げ、こっちに留学してきてしまった。

元々ロテュスとの交易があったのと、他国の王子を留学生として受け入れている為、留学生は受け入れないとは言えず了承したのだという。

本宮の貴賓室を充てがったというのに、あまりにも私とセリーナとシモン従兄上が滞在している宮に押しかけるため、シモン従兄上はセリーナを連れてカークファルド邸に帰ってしまった。

学園でも昼食にくっついて来てしまうので、セリーナは避ける様に別で昼食を取る様になった。
休みの日も逃げ回っている状態だ。

祖国なら追い出したが、ここではそれが出来ない。他国間の関係を私が付き纏われているという理由で傷を付けることはできない。


「ジュスト様っ 次のお休みに王都のお店を巡りませんか?」

「私は君の接客要員ではない」

「冷たくして気を引きたいのですか?そんなことしないでください」

「私と君に何の繋がりもないし、君に興味は無い」

「だから、交流を持ちましょう」


「セ……」


廊下の先にセリーナを見かけた。こっちを見ていたが立ち去ってしまった。
週末の約束を取り付けたかったが、王女もついて来てしまう。



その夜、手紙を出したが、翌日の夜には“当面予定が詰まっております” と返って来てしまった。

確かに事業で忙しいのは分かるが…

「セリーナですか? 兄と遠出をする予定です」

「遠出?」

「馬車で半日のところに屋敷を構える貴族がいて、子供たち用の馬車をオーダーしたいそうなのです。
先に別の馬車を予約していて、そろそろ手を付ける順番が回って来たので取り掛かりますと連絡をしたら大人用は後回しにして子供用が欲しいと言われたみたいです。

実際に会って体の大きさや性格などを確認したいとセリーナが言い出して。
シモン様は婚約者の領地に行く約束があるので、兄が連れて行くことになりました。

兄様ったら、旅支度に大騒ぎで、使用人達が苦笑いしていましたわ」

「旅?」

「大人から要望を聞き出すのとは違いますから、日程は一泊二日になりますので、何を持っていくか、セリーナの分もとあれこれ言い出して。
セリーナ用の枕も持っていくとか、ドレスを持って行くとか煩くて」

「枕?」

「うちにはセリーナの部屋があって、全てセリーナ専用に買い揃えました。枕はセリーナのお気に入りです。兄が外国から取り寄せた高級品です。
ドレスや寝巻きや下着なども買い揃えて、泊まりに来た時に着てもらうのです。

セリーナが遠慮するので勝手に兄様と私で買うのですが、メイド達も加わって何時間もかけて選ぶのです。とても楽しいですわ」

「そうか。ありがとう」


イザベラ嬢は心底セリーナが好きで義理の姉妹になりたがっている。

そしてセリーナを泊まらせている。
週末は仕事とはいえ、公爵と二人で一泊してくるなんて。



金曜日、最後の授業が終わり、急いでセリーナの教室へ行こうとしたが、

「ジュスト様っ」

王女が腕に絡みついてきた。

「離してくれ」

「王都の少し外れた所に、素敵な観光地があるらしいの。連れて行って」

「離せ!」

「あっ」

王女を振り払った。

「いい加減にしてくれないか。
仮にも国の名を背負って留学している王女だろう!
はしたない真似をするな!
この国を知りたいのなら他国の私にではなくこの国の者に言え!

私はお前に付き纏われるためにこの国にいるのではない!お前のオモチャでもない!ここには学生としているがグリーンデサントの第一王子だということを思い出して敬意を払え!

次にこの様なことをしたら、ロテュスに抗議文を送るぞ。
抗議文の次は警告文、その次は開戦だ。
その時は真っ先にお前の首を刎ねる。

分かったな!」

「デュスト様…」

「こんな娼婦の様な女を寄越しやがって」

「酷いわ」

「夜の酒場に行ってみろ。お前とそっくりの言動の女が男と消えていくのが見れるぞ」

「ううっ…」


クラスメイトの前で言う気は無かったが、公爵との話を聞いた後では我慢する気になれなかった。

本来ならロテュスはグリーンデサントの従属国のようなもの。王女でも私に対しては不敬を問えるのだ。

「私の髪も瞳もグリーンデサントに相応しいと思いませんか。豊穣の神の加護を受けた、」

「貴様の色は豊穣の神の加護を受けた色では無い。
次にその様なことを言ったら言葉を話せない様にしてやるぞ。

甘やかされて育ったんだろうことはよく分かった。
その程度の色や容姿で何でも思い通りになると思うな。自国では王女ということもあって通用しただろうが、他国の者には通じない。
幻想の世界で生きたければロテュスを出るな。

今日抗議文を送ろう。日数はかかるが確実に送る」

王女を置き去りにして城へ戻った。




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