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ジュストの怒り
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【 ジュストの視点 】
国境でセリーナと叔母上を待つこと1日。
検閲所に並ぶカークファルド製の馬車を見かけた。
「あの馬車を通せ!王族だ!」
兵士が慌てて車列から出して一行を通過させた。
近寄ると、ドアを開けた叔母上が叫んだ。
「セリーナが!! 殿下!!」
「叔母上、あちらの馬車に移ってください」
叔母上を一旦出して乗り込んだ。
「セリーナ!セリーナ!」
顔が赤く 額に触れると熱があった。
「近くの診療所に運ぶぞ!」
「はっ!」
診療所に運び込み診察を受けながら叔母上が質問に答えた。
「いつも疲れが溜まると熱を出します。
今回もそれかと。
学業と仕事と……不眠を抱えてしまって」
不眠!?
「それはいけませんな。不眠はどの程度でしょう」
「薬を飲まないと眠れないようです。
最初は効果の短い安眠剤を使っていましたが、今は睡眠薬を使っています。
癖になるといけないので3日に一度の使用に控えています」
「しっかりとした静養が必要です」
「はい。今回学園の夏休みで、ほぼ休めますので安静にさせます」
「熱が高いので解熱剤を処方しましょう」
「お願いします」
「叔母上、留学中、セリーナは仕事しながら学園に通っていましたが不眠になる程というのが想像できません。疲れが溜まらないよう調整してたはずなのに」
「前回の来国と、今回の来国のために無理をしたの。
それに……」
「何ですか」
「……」
「叔母上」
「セリーナは傷付いているの。
シオーヌ公爵が他のご令嬢とキスをしているところを目撃したようで」
「は?」
「何も言わないし、ただ学園に行って仕事をする日々を送っていたらしいのだけど、その日の夜から眠れていないとメイド長から領地に手紙が届いて」
「……」
「愛人の存在や 不妊だと思わされて苦しんで命を絶った子にあんまりだわ」
「報いを受けさせましょう」
「駄目よ。イザベラはセリーナの親友なのよ?
それにセリーナは何も言わないから知らないことになっているの。
心の整理が付くまで待たないと」
「ジュスト殿下、物騒なことをおっしゃらないでください。心身の疲れた若いお嬢さんには安らぎが必要なだけです」
「先生の仰る通りよ。カークファルドを守るために、セリーナは必ず立ち直るわ」
「熱が落ち着くまで、この町に滞在しましょう。宿を確保させます」
診療室を出て侍従に宿の手配とシモン従兄上への手紙を任せた。
「熱を出して倒れたことと、治療しているから問題ないことを伝えてくれ」
「かしこまりました」
「カークファルドがセントフィールドに無けれは 滅ぼしてやるのに」
「殿下。深呼吸をして姫様の手を握っていてください。
姫様に必要なのは武力ではなく癒しです。
傷付いた姫様を癒す機会を神が与えてくださったのです」
「そうだな。
父上にも早馬を出してくれ。帰城が遅れるからな」
「かしこまりました」
診療室に戻り、セリーナを病室へ移した。
椅子に座りセリーナの手を握った。
なぜ神はセリーナに苦痛を与えるのか。
巻き戻したのなら幸せにしてやってくれと腹が立ってしまう。
セリーナがグリーンデサントで生まれ育ってくれていたら、絶対に辛い思いなどさせなかったのに。
「セリーナ、俺が守るからな」
国境でセリーナと叔母上を待つこと1日。
検閲所に並ぶカークファルド製の馬車を見かけた。
「あの馬車を通せ!王族だ!」
兵士が慌てて車列から出して一行を通過させた。
近寄ると、ドアを開けた叔母上が叫んだ。
「セリーナが!! 殿下!!」
「叔母上、あちらの馬車に移ってください」
叔母上を一旦出して乗り込んだ。
「セリーナ!セリーナ!」
顔が赤く 額に触れると熱があった。
「近くの診療所に運ぶぞ!」
「はっ!」
診療所に運び込み診察を受けながら叔母上が質問に答えた。
「いつも疲れが溜まると熱を出します。
今回もそれかと。
学業と仕事と……不眠を抱えてしまって」
不眠!?
「それはいけませんな。不眠はどの程度でしょう」
「薬を飲まないと眠れないようです。
最初は効果の短い安眠剤を使っていましたが、今は睡眠薬を使っています。
癖になるといけないので3日に一度の使用に控えています」
「しっかりとした静養が必要です」
「はい。今回学園の夏休みで、ほぼ休めますので安静にさせます」
「熱が高いので解熱剤を処方しましょう」
「お願いします」
「叔母上、留学中、セリーナは仕事しながら学園に通っていましたが不眠になる程というのが想像できません。疲れが溜まらないよう調整してたはずなのに」
「前回の来国と、今回の来国のために無理をしたの。
それに……」
「何ですか」
「……」
「叔母上」
「セリーナは傷付いているの。
シオーヌ公爵が他のご令嬢とキスをしているところを目撃したようで」
「は?」
「何も言わないし、ただ学園に行って仕事をする日々を送っていたらしいのだけど、その日の夜から眠れていないとメイド長から領地に手紙が届いて」
「……」
「愛人の存在や 不妊だと思わされて苦しんで命を絶った子にあんまりだわ」
「報いを受けさせましょう」
「駄目よ。イザベラはセリーナの親友なのよ?
それにセリーナは何も言わないから知らないことになっているの。
心の整理が付くまで待たないと」
「ジュスト殿下、物騒なことをおっしゃらないでください。心身の疲れた若いお嬢さんには安らぎが必要なだけです」
「先生の仰る通りよ。カークファルドを守るために、セリーナは必ず立ち直るわ」
「熱が落ち着くまで、この町に滞在しましょう。宿を確保させます」
診療室を出て侍従に宿の手配とシモン従兄上への手紙を任せた。
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「かしこまりました」
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「殿下。深呼吸をして姫様の手を握っていてください。
姫様に必要なのは武力ではなく癒しです。
傷付いた姫様を癒す機会を神が与えてくださったのです」
「そうだな。
父上にも早馬を出してくれ。帰城が遅れるからな」
「かしこまりました」
診療室に戻り、セリーナを病室へ移した。
椅子に座りセリーナの手を握った。
なぜ神はセリーナに苦痛を与えるのか。
巻き戻したのなら幸せにしてやってくれと腹が立ってしまう。
セリーナがグリーンデサントで生まれ育ってくれていたら、絶対に辛い思いなどさせなかったのに。
「セリーナ、俺が守るからな」
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