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2度目
婚姻
しおりを挟む一年後
国をあげて盛大な婚姻式が行われた。
セントフィールドからは、巻き戻り前は他界していた両親、シモン兄様夫妻、フレデリク王太子殿下にイザベラ王太子妃殿下、テオドール、レミ・レイノルズ夫妻が参列してくれた。
妃教育は受けたが、グリーンデサントの歴史や貴族を覚え、法律を学んで終わりだった。
社交もほぼ無かった。
反対の声は無かった。
その理由は前夜にイザベラが教えてくれた。
「面白い噂が流れてるわよ」
「え?何?」
「セリーナは神の遣いで神託まで聞いているって」
「そうなっちゃうのね」
「ウェス卿、良い男じゃない。もったいない」
「確かに」
「イザベラ? 浮気か?」
「嫌だわ フレデリク。盗み聞き?」
「隣で話されたら聞こえるに決まっているだろう」
「殿下、イザベラは殿下一筋ですからご安心ください」
「セリーナ…聞きたい案件がいくつかあるんだが」
「ちょっと!明日は婚姻式なのに仕事を手伝わせるつもり!?」
「だって、天災で領地にいた後は妃教育でグリーンデサントだったし、これからはずっとこっちだろう?
手紙のやり取りで聞くしかないんだから、会えた時に直接聞きたいだろう」
「そうじゃなくて、セリーナ頼りになってることを言っているの!」
「イザベラ、いいのよ。
フレデリク殿下にはイザベラとカークファルドを守ってもらうから」
「そうよ。対価を払いなさいよ」
「分かってるよ」
婚姻式を終えるとウェス卿が挨拶に来た。
「セリーナ妃殿下。今後ともよろしくお願いします」
私の手をとり、手の甲に口付けた。
「ウェス卿には感謝しきれません」
「まだ余地があるかもしれませんので、」
「無い。無いからな」
ウェス卿を遮るようにジュスト様が間に入った。
「気を抜かず、彼女を悲しませないようお願いします」
「……ウェスに敵わないのは分かってる。
だけど子供の頃から愛していたセリーナを渡せない」
「ならば隙を見せないことです。特に他の女に手を出したら掻っ攫いますからね」
「そんな機会は永遠にない」
「セリーナ妃殿下。ご不満や殿下の浮気などありましたら、直ぐに迎えに上がります」
「だから俺の妻を口説くな」
その夜、ジュスト様は私を抱かなかった。
一カ月経った今も。
「しないのですか」
「何を?」
「子作りです」
「嫌われたくない」
「義務でしょう」
「セリーナとの子は欲しいが、跡継ぎとして作るという気はない。弟の子を指名すればいいだけだ」
「尽くしてくれるんじゃなかったんですか」
「いいのか?」
「優しく尽くしてください」
「セリーナっ」
翌朝
「優しく尽くしてって言いましたよね」
「5年以上振りで……抑えがきかなくて。
でも悦んでいたからいいだろう?」
「何しているんですか」
「昨夜の続きだよ」
「朝ですよ?」
「セリーナが意識を失ったから、まだ…」
ジュスト様のアレは毛布を押し上げていた。
「んっ」
「まだココも受け入れ態勢のままだ」
「んあっ!」
「すんなり全部入った」
「ダメっ」
「ダメって顔じゃないな。
昨夜見つけたセリーナのいいところを突いてあげるからな」
「あっ!」
ジュスト様との甘い生活は一生続いた。
今では返せるようになった。
「セリーナ、愛してる」
「私も愛しています」
【 ジュストの視点 】
5年程前。セリーナの同意なしに純潔を奪った。
直ぐに突き立てたい気持ちを必死に抑えながらセリーナを解したつもりだが、誰も侵入したことのない聖域は こじ開けるようなものだった。
痛みに歪み涙を浮かべるセリーナを見て感じ取って喜びに溢れた。
痛い程に締め付け振るわせるセリーナが愛おしい。
『愛してる』
返事のない愛の囁きも 一方通行の喜びもまだ気が付かなかった。
「くっ……」
これは早過ぎるというやつだと分かってはいるが、耐え切れるものじゃなかった。
早々に吐精し ゆっくり抜くと、広がった膣口からドロドロと白濁が零れ落ちた。
〈あれ?赤ちゃんが育つ子宮にたまるんじゃないのか?……こんなに出たのか〉
などと馬鹿なことを思い浮かべていたが、シーツに着いた破瓜の証を見て我に返った。
“妻としての義務を全うすべく、毎月決められた閨を受け入れました。
それは身も心も苦痛を伴いました”
巻き戻り前についてセリーナが語った言葉を思い出し、血の気が引いた。
嫌われてもおかしくないことをしたのだと気が付いた。
セリーナを後ろから抱きしめた。
セリーナは眠りについたが 俺は眠れなかった。
そして婚姻した今もセリーナを抱くのが怖い。
嫌悪の顔を向けられたら立ち直れる気がしない。
婚姻から一ヵ月後、“しないのか”と聞かれた。
素直に答えると、“優しく尽くしてください” とセリーナは言った。
初夜を塗り替えるべく徹底的に尽くした。
執拗に愛撫を繰り返し セリーナが放心したところでゆっくり挿入した。
初夜の時とは違う柔らかい膣壁が蠢き締め上げてくる。
「溶けそうに気持ちいい」
「ジュ…あっ」
突き当たりに到達し、フニフニと行き止まりを優しく押していた。
あたたかい何かが出てきた気がする。
馴染んだだろうと軽く抽送を始めた。
グチュッ
「……」
愛液が出てきていたのだと分かった。
せっかく出てきたのでそのまま膣壁を擦り上げながらセリーナの反応をみて、お気に召す場所を探した。
初夜と違って痛くないようで 良かったと安堵しながら反応のあった場所を優しく重点的に擦ると、身を捩らせ肌は薄桃色に染まっていた。
あの時の涙とは違う。
脚をグッと押し広げると抵抗があった。
「痛い?」
「…恥ずかしい」
可愛いセリーナ
「んっ!」
深く挿入し、今度は行き止まりを撫でるように腰を押し付けながら回した。
「んあっ!ダメっ!」
セリーナの手が俺の腕を押して離れようとする。
セリーナの手を掴み頭の上で押さえ付け、腰を押し付けて回し続けた。
唇を噛むセリーナに口付けをして止めさせた。
「セリーナ、俺を見て。
唇を噛んじゃ駄目だ。俺の指にしろ」
セリーナの両手首を右手で押さえ付け、左手の二本の指をセリーナの口の中に入れた。
柔らかくてあたたかい舌が指に触れた。
指を抜き差ししているとまるで口淫してもらってる気分になった。
また奥を撫でるように腰を回すと、指に強く吸い付いた。
指が少し深く入っていて苦しそうな顔をするセリーナに我慢が効かなかった。
指を抜き、膝裏を掴んで折り返すように押さえ付け、グイグイと押し付けた。
セリーナの顔は紅潮していた。
そのまま覆い被さり一心不乱に抽送を続けた後に、膣から抜き去り腹の上に吐精した。
勢いよく胸や首、顔や頭にも飛んでいく。
寝巻きで拭いて、また挿入した。
「え!?」
「まだまだこれからだ」
横を向かせたり、片脚をあげさせて肩に掛けたりして二度目の吐精はセリーナに握らせ吐精した。
次は四つん這いにして、秘部の肉を左右に大きく広げた。
「い…や…」
夜じゃなければ覗けたかもしれない。
可愛い後蕾に誘われている気になるが、膣口に陰茎を押し付けて一気に奥まで挿入した。
その後はセリーナが意識を飛ばすまで愛した。
翌朝、続きをして、やっと膣内に吐精した。
俺に抱き付いて再び眠りについたセリーナを見て幸せを感じる。初夜とは違う。
セリーナが受け入れて、身体で声で表情で悦んでくれているのが分かる。これがこんなに心を満たすとは。
「一生 愛を捧げるからな」
二年後、セリーナは完璧な翡翠の瞳の男児を産んだ。顔はセリーナに似ている。
その次に産んだのは完璧な翡翠の瞳の女児で俺に似ていた。
長男は活発で子守や護衛が慌てて追いかける姿をよく見る。
長女は一見大人しいがキレると怖いと言われている。城内に迷い込んだ猫を池に落として虐めていた兵士を、甲冑を着せたまま池に落とさせた。深さは兵士の身長ほどあって、浮かび上がれないので、必死にジャンプしていた。
それを長い棒で突いて沈めようとする。
長男が止めに入り、兵士はギリギリ死なずに済んだ。
そして長女が5歳の時に次男を産んだ。
薄い翡翠の瞳でどことなくシモン義兄上に似ている。
セリーナは次男を常に抱っこして離さなかった。
3歳の頃に、シモン義兄夫妻が遊びにきた。
「似てるわね」
「本当だ」
夫妻は様子を見ているうちにセリーナを叱った。
「セリーナ。私に似て可愛いのは分かる。だが、それでは上の子達が愛情不足を感じて良くない。
膝から降ろすのも断腸の思いだろう。
だが、少しだけこの子より上の子二人を優遇して帳尻を合わせなさい」
「兄様、分かりました。
シリウス。シオン兄様のお膝の上に行きましょうね」
セリーナは俺の言うことは聞かないが、シモン義兄上が少し言っただけで従った。
改めてシモン義兄上がセリーナの実の兄で良かったと心から思った瞬間だった。
「本当はセリーナが膝の上に座りたいんじゃないの?」
「お義姉様にはお見通しですね」
「セリーナ!?」
「セリーナも来るか?」
「セリーナが立とうとしたので手を引いて俺の膝の上に座らせて抱きしめた」
「え?何で?」
「セリーナは俺のだ!」
「まあ。実の兄ですから警戒なさらなくても」
「そうですよ。セリーナは私の妹ですよ?」
「もう駄目です!」
まだまだシモン義兄上に勝てていないことを実感した。
そこに長女がやってきた。
「お父様。またお母様に甘えているのですか?お客様の前ですよ」
次に入室した長男が無表情になった。
「父上のことは諦めろ。あの人は母上中毒だから」
この二人は誰に似たんだ!?
その夜は激しい営みになった。
翌日、シモン義兄上とセリーナはリッツ公爵家と面会した。
カークファルドを守った絆をいかして、グリーンデサント内の馬車事業権を渡したのだ。
特殊なものは、セリーナが面談をして仕様書を書いている。
他の仕様書も目を通している。
“ただの高級馬車であってはならない。乗る人に合わせた唯一無二となる馬車を作りなさい”というセリーナの馬車事業への方針を受け継いではいるものの、まだ痒いところまでは届かない。
それを打破したのは翌年。
「テオドール・シオーヌと申します」
「テオ!」
テオドールがカークファルドで鍛え上げられ、リッツ家に派遣された。
セリーナの代わりに仕様書の確認など請け負う。
ホッとした。
これでセリーナが俺に集中し……なかった。
俺はセリーナにとって何番目なのだろうか。
「セリーナ、愛してる」
「私も愛しています」
「え?」
「何で驚くんですか」
初めて愛してると言ってくれたからに決まってるだろう!!
「イヴァン!!今日を国の祝日に定めてくれ!!」
「駄目に決まってるじゃないですか。
セリーナ妃殿下。まだジュスト殿下にご褒美は早いですよ」
「え? ごめんなさい」
「なんて事を言うんだ!
セリーナ。イヴァンの言葉に耳を傾けなくていいからな」
「……」
「セリーナ、もう一度」
「……」
「セリーナ!頼む!」
「無理強いはよしましょう」
「イヴァン!」
イヴァンに回す仕事を増量した。
だけどセリーナはベッドで追い詰め、愛を囁くと返してくれる。
「私も愛しています」
終
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