笑顔で冷遇する婚約者に疲れてしまいました

ユユ

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ヴェアトリスの帰国

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「もしかしてクリスティーナのベッドには?」

ヒューゴ様の顔が近い!

「あります」

「よし、今夜泊まりに行くぞ」

「嫌ですよ」

「なあ、その羽毛布団の話、知らなかったぞ?」

「昨年量産が完成したばかりだからです。その前に出来ていた数枚はセルヴィー家と協力してくれた親戚へ。そして量産が成功した時に例の宰相閣下に。その後は宰相閣下の国の国王夫妻と口伝えであっという間に完売になりました。
店頭販売とか宣伝とかする前に完売と予約でいっぱいになってしまいました。今後も店舗とか宣伝が必要無いため ご存知ない方が多いはずです」

「……」

「ヒューゴ様、そんな目をしても駄目ですからね」

「もしかして、それもセルヴィー嬢が?」

「ふふっ 
つい、“自然環境で生存し難いなら大事に家で飼えばいいのに”とお兄様に言ってしまいまして。そこから研究が始まりました。
羽の臭いも人の体臭と同じじゃないかと口にしてしまいまして、そこも研究が始まり、4年で何とかなりました」

「それにしても高価ですよね」

「設備と警備費用が莫大だからです」

「え?」

「鳥や卵や製品、あるいは情報を盗みに襲われることを想定して要塞を作ったんです。有名な不落城を参考に小さな不落城を作りました」

「なるほど」

「それに実際、恐ろしい値をつけても複数枚欲しがる方もいらっしゃいますから」

大公様は新たに注がれたお茶を飲み、一呼吸おくと姿勢を正した。



【 ヴェアトリスの視点 】


「…本当に申し訳ないことをしました。
陛下にお願いをして留学を中止して連れて帰ります」

「お、お父様っ」

「これ以上ご迷惑をかけることはできない。
おまえが変わっていなかったことが分かったからな。変わらないという前提で対処する」

「対処!?」

「戻っても外には出さない」

「学園は、」

「通わせない」

「でも、」

「通う資格がない」

「っ!」

「大公家から除籍する代わりに死ぬまで面倒をみてやる」

「お父様!?」

「既にエンブレーズ大公家と国王陛下あにうえ達に迷惑をかけているんだ。もう庇いきれないし、息子に落ちぶれたエンブレーズを継がせたくない。これ以上家族を苦しめるのは止めてくれ」

「っ!!」

「死ぬまで衣食住には困らないようにしてやる。メイドもつけてやるし敷地内の所定の場所なら散歩もさせてやる。だが外出も人と会うのも駄目だ。月に一度 家族4人で食事をしよう」

「お父様!幽閉なんて嫌です!」

「ならば僻地の修道院へ寄付金無しに行くか?」

「お父様っ、
実の娘にそんな!私は大公女で陛下の姪で、」

「ヴェアトリス!!」

「っ!」

「だからあの時 生かしてやっただろう。
あれからずっと教育係を3人もつけて、金を掛けて育ててやったじゃないか。
他国でチャンスも与えただろう。

貴族令嬢も王女も皆同じ、価値を示さなくてはならない。
目の前にお手本がいるだろう。
ウィロウ侯爵令嬢は優秀かつ品行方正と認められ第二王子の婚約者に選ばれ、令嬢達の手本となっておられるし、セルヴィー伯爵令嬢は自領に富をもたらしている。
おまえとは正反対だろう?
もうおまえの存在は大損害でしかない。これ以上は庇いたくない」

「大損害だなんて、親子ではありませんか」

「平民ならそれでもいいが、私達の暮らしはどう維持している?金貨や宝石が収穫できる木か湧く泉か何かがあるとでも思っているのか?
大公家に生まれて良い暮らしをさせてもらったら その分の恩を返さねばならない。
おまえのせいでエンブレーズが落ちぶれたら命を狙われるぞ」

「っ!」

「国王陛下、寛大なお心で娘を引き受けてくださったにも関わらず、このような結果を招いてしまい申し訳ございません。このまま連れて帰ります」

「残念ですな」

どうしてお父様が私にそこまで酷い対応をするのか理解できなかった。
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