【完結】笑顔で冷遇する婚約者に疲れてしまいました

ユユ

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続編:シャルルと王女

夫の役割は1つではない

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結婚して半年、今日は王女のバースデーパーティの日だ。結婚したから主催は王女になるようだ。出席者は当主夫妻中心ではなく同じ世代の貴族達が招待されている。主催を務めるのは初めてなのでかなり緊張しているようだ。結局は王宮の者達が動くのだから肩の力を抜けばいいのに。

5日前、苛立つ王女に無理をするなと言ったけど、“シャルル様には分からないことですわ”と言われてしまった。
そこで王女の侍女を呼び出して事情を聞いた。

『パリサ王女殿下にはお付き合いがございます。招待される全てのものに出席なさるわけではありませんがお茶会もパーティもそこそこございます。
本来でしたら同伴者が必要な催しもございますが1人で出席なさるか日程が合えば王子殿下にパートナーを頼んでいらっしゃいます。
伯爵様が同伴なさらないのは国王陛下のお言葉によるものですが、やはり既婚者なのに特別な理由もなく夫である伯爵様が同伴なさらないと肩身の狭い思いをしてしまいます』

『結婚前は誰と?』

『どうしても必要であれば王子殿下やご友人の伝手を。ですが歳月と共に皆様も結婚してしまいました。既婚者には頼めませんので、仕方なくお一人でご出席なさることが多くなっております』

『せっかく出席してくださる王女殿下に肩身の狭い思いをさせる貴族がいるのか?』

『王太子殿下の伴侶は貴族派の家門出身です』

王妃と敵対する勢力か。

『王女の友人はいないのか?』

『アンダンスト公爵家に嫁がれたカテリーナ様が出席なさっているときは、そのようなことは起こらないそうです』

『他に友人は?』

『対抗できないご友人になります』

『分かった』

この話を聞いてから、特別扱いされている僕にできることがないか、今日まで探ってきた。


招待客が次々と到着し、会場へ向かっていく。

「パリサ様」

「あの、行かないと」

「今日は僕が何を言おうと肯定してください」

「はい?」

「肯定して微笑んでください」

「分かりました」

「そして僕はわざと遅れます。エスコートはローラン王子殿下にお願いをしました。いいですね」

「…分かりました」


王女の侍女に彼女を見張らせて合図を送るように言ったし、王女の友人のアンダンスト夫妻は別室へ案内して事情を話してできるだけ王女から離れているようお願いをした。

パーティが始まってしばらく経ち、王女の周りに令嬢や夫人達が集まっていた。侍女が合図を送ったので、僕はダオスに合図を出した。ダオスは王女達の近くに給仕や侍従達を立たせて人壁を作った。ゆっくり4人で近寄って聞き耳を立てた。

「バースデーパーティにも現れないだなんて、やっぱり逃げられたのではありませんか?」

「違います」

「不釣り合いだと思いましたのよ、こんなことになると分かっていましたらどなたかご紹介して差し上げましたのに」

「私が王女殿下の立場でしたらとてもパーティどころではありませんわ。次のお婿さんを探さないといけませんもの」

クスクスと笑う取り巻き達を連れて王女に無礼をはたらくのは2人か。
クリスティーナが虐められていたとき、僕は放置した。あの時は誤解していたから、目を逸らした。王女こそ顔だけ見て僕を取り寄せて結婚した嫌いなタイプの女だけど、彼女は僕の妻だしジェルヴェの姉だし、陛下からも良くしてもらっているから恩は返さないと。

給仕達の人壁を崩させてジェルヴェの車椅子を押して王女の横に立った。

「きゃあっ、シャルル様よ」

「わ、私、結婚式に参列しました ルイーゼです、覚えていらっしゃいますか?」

国が違っても結局同じだな。

「パリサ、遅れてごめんね。ルヴェもパリサを祝いたいというから連れて来たよ」

「姉様、お誕生日おめでとう」

「あ、ありがとう」

「新婚なのにいつもごめんね。姉様は優しいからほとんどベッドの上で療養している僕のためにシャルを貸してくれて、社交も1人で参加してるんだよね。本当にありがとう」

「…いいのよ」

「パリサは弟思いだからな」

王女の体を引き寄せて額にキスをした。

「ところで、あまりにも不敬極まりない言葉を紡いでいたようですね」

「わ、私たちは友人として心配をしていただけで…ねえ、」

「そうですわ、心配していましたの」

「国が違うと言葉の意味が変わるとは知りませんでした。逃げられたんだろうとか不釣り合いとか、あなた方は何様なんですか?」

「私たちはただ、」

「貴族として女性として人として友人として、どの立場でもあなた方の言葉は悪意の塊でしたよ。醜い心がそのままあなた方の顔を作り上げていますよ。実に醜い」

「なっ!」

「酷い!あんまりです!」

「あんまりでも仕方ないですよ。茶会やパーティの度にパリサを侮辱しているクズが、パリサ主催のパーティでも調子に乗っていたら腹を立てるのが普通です。ですよね?ゼブラン王太子殿下」

彼女達は近くに王太子夫妻がいるのに気が付いていなかった。血の気が引いて顔色が悪くなっていった。




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