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⑦雑談
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そんな自己紹介のような会話が終わった頃には、二人とも少しは打ち解けて会話もスムーズになってきた。
元々年も近いし、この時点ではまだ彼は猫の皮を30枚はかぶっていたので、感じも良かった。
そして1時間もたつと、お互い名前で呼ぼうかという事になっていた。
まあ、「気が合った」という事だろうけど、彼が僕のどこに興味を持ったのか未だにわからない。
というよりも・・・『それを知るのが怖い』という方が正解だと思う。
まあ、とにかく・・・ここからは彼の事を『冬弥』と呼ぶことにする。
冬弥とその後2時間程話をしていると、看護士さんが定期巡回に来た。
3日間の入院でもう顔なじみになっていたので、僕は軽く話しかけた。
「お疲れ様です。」
「住田さん、今日は明るい顔しているわね。やっぱり話し相手ができたからかな?」
「まあね。入院してから、こんなに長く話をしたのは初めてだし・・・
でも大丈夫。笑い過ぎて傷が広がらない様には気をつけるよ。」
「そんな理由で同じ手術させたら、先生、きっと怒るわよ。」
「ですよね・・・。」
いつもにこにことしている宮坂さんは、僕としては話しかけやすいタイプの看護士さんだ。
二十代半ばの、美人というより愛嬌があるといったタイプの看護士さんで、どうやら病院内での人気も結構あるらしい。
僕は新しい友人を紹介しようかと思ったが、冬弥が「一日だけですが、よろしくお願いします。」と丁寧だが簡単な挨拶を済ましてしまったので、僕は言葉をつなげることができなかった。
しばらく簡単な作業をした後、宮坂さんが出ていったので冬弥に聞いてみた。
「えらく無愛想だったけど、いつもあんな感じなのかい?」
「まあね・・・初対面の相手には、ああいう態度になりやすいかな。
弘幸の時もそうだっただろう。」
「うーん。
僕相手の時の方が、もう少し愛想がよかったと思うけど。」
「そうか?でも、一日だけの入院だから、あの位でも特に問題はないさ。
・・・さて、時間だ。ちょっと検査に行ってくるよ」
しばらくたち・・・
冬弥が検査から戻ってきたところで、また雑談となった。
元々年も近いし、この時点ではまだ彼は猫の皮を30枚はかぶっていたので、感じも良かった。
そして1時間もたつと、お互い名前で呼ぼうかという事になっていた。
まあ、「気が合った」という事だろうけど、彼が僕のどこに興味を持ったのか未だにわからない。
というよりも・・・『それを知るのが怖い』という方が正解だと思う。
まあ、とにかく・・・ここからは彼の事を『冬弥』と呼ぶことにする。
冬弥とその後2時間程話をしていると、看護士さんが定期巡回に来た。
3日間の入院でもう顔なじみになっていたので、僕は軽く話しかけた。
「お疲れ様です。」
「住田さん、今日は明るい顔しているわね。やっぱり話し相手ができたからかな?」
「まあね。入院してから、こんなに長く話をしたのは初めてだし・・・
でも大丈夫。笑い過ぎて傷が広がらない様には気をつけるよ。」
「そんな理由で同じ手術させたら、先生、きっと怒るわよ。」
「ですよね・・・。」
いつもにこにことしている宮坂さんは、僕としては話しかけやすいタイプの看護士さんだ。
二十代半ばの、美人というより愛嬌があるといったタイプの看護士さんで、どうやら病院内での人気も結構あるらしい。
僕は新しい友人を紹介しようかと思ったが、冬弥が「一日だけですが、よろしくお願いします。」と丁寧だが簡単な挨拶を済ましてしまったので、僕は言葉をつなげることができなかった。
しばらく簡単な作業をした後、宮坂さんが出ていったので冬弥に聞いてみた。
「えらく無愛想だったけど、いつもあんな感じなのかい?」
「まあね・・・初対面の相手には、ああいう態度になりやすいかな。
弘幸の時もそうだっただろう。」
「うーん。
僕相手の時の方が、もう少し愛想がよかったと思うけど。」
「そうか?でも、一日だけの入院だから、あの位でも特に問題はないさ。
・・・さて、時間だ。ちょっと検査に行ってくるよ」
しばらくたち・・・
冬弥が検査から戻ってきたところで、また雑談となった。
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