帰還方法は、コーヒーブレイクののちに…文学少女の小国開拓譚

蒼伊シヲン

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3章-首都の珈琲警察-

16『夜道の襲撃』

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 コーヒーハウス『フランツ・メランジュ』から下宿先への帰路に着くなか…キシル、シナモン、ブルボンの3人は、フード付きのコート姿の存在二人からの急襲を受ける。

手斧を術式によって創造した男が、正面からキシルに襲い掛かる…
それに対して、キシルは即座に正確な狙いを付け…回転式拳銃リボルバーの引き金を引く。

キシルが放った銃弾は、男の手斧を持つ右腕に命中したかと思いきや…僅かな火花と共に弾かれる。

「結界術式による、強化してる!?」
驚きつつも、キシルは2発目の狙いを付けようとするが…男に接近戦の間合いまで近付かれた為に、手斧の一振り目…二降り目を回避する。

そして、キシルへの三度目の攻撃を加えようとした男は、視覚外から聞こえてきた術式の発動音がした方向に視線を向ける…

「貴方たちは、何者ですか!」
珍しく語気が強くなったシナモンの眼前には…薄氷の様に薄く鋭い結界が複数個、浮遊している…

そして、放たれた薄氷の様な結界たちが、左右と上方向から襲い掛かる…
その結界術式を応用した攻撃を、男は手斧で次々に粉々にしていく…

しかし、その男の行動に対して、シナモンの口角が僅かに上がる。

男が怪訝に思った次の瞬間…周囲に飛散した結界の破片たちが青白く発光し出したかと思いきや…男は四肢に強い電気が走った感覚に襲われ、その場で拘束されてしまう。

「やるわね、シナモンさんとキシルさん…」
ブルボンは、後方からの襲撃者と刃を交えながら、短く称賛する。

後方の襲撃者は、一旦、ブルボンとの距離を取ったかと思いきや…
即座に創造した投げナイフを、ブルボンだけではなく…キシルとシナモンへにも向けて投擲する。

「この私の扱いをぞんざいにするなんて、良い度胸ねぇ!」
強くなった語尾に呼応するかの如く、ブルボンの足元から即座に、複数の矛先が創造され…全ての投げナイフを相殺する。

そのまま地面から竹槍の様に創造されていく矛先が、後方からの襲撃者を壁際まで追い込んでいく…

そして、飛び越えるのを防ぐ為にも、壁もブルボンによって創造された矛先だらけになり…標的は逃げ場を失う。

「まぁ、こんなところかしらね。」
襲撃者を拘束したブルボンは、得意気な表情を見せる。

拘束された二人の襲撃者は、揃ってキシル達の正面で膝を着く…

「それで…貴方たちは何者なの?雇い主は?答えれば警察に引き渡すだけにするから…」
キシルが銃口を向けた状態で、改めて問い掛ける。

しかし、襲撃者達は口を割らない…
その態度に対して、霧島キシルの目の色が変わる…

次の瞬間…先ず銃声、そして、間髪を入れずに少女の短い悲鳴が聞こえ…
ブルボンによって拘束された少女の右肩から出血する。

予期せぬ発砲に対して、シナモンとブルボンも驚きを隠せない…

「くっ、ふふ…どうしてだよ…」
だんまりだった男が、口を開く…

「どうして、3人いたんだよ!情報通りなら二人の筈だろ!」
男が心中を叫ぶ。
それに対して、キシルとシナモンが首を傾げる。

「どういうことか教えてくれるかしら?」
ブルボンが問い掛ける。

すると、次は…少女の方が不気味に笑い出す…

「そ、そんな!?お二人とも早く!私の後ろへ!」
襲撃者の少女の更なる一手を、術式によって探知したシナモンが声を上げる。

結界の術式を得意とするシナモンの発言から、察したキシルとブルボンは即座に行動する。

次の瞬間…少女の足元に黒い術式が展開され、数回ほど点滅する…
それに対してシナモンは、キシルとブルボンも覆える程の結界を即座に創造する。

そして、周囲が凄まじい爆発と轟音によって包まれる。

更なる爆発の危険性が無くなったことを確認したシナモンが、結界を解除する。

「男性のほうを確保した状態で、結界を展開出来れば良かったのですが…」
自身を含め、キシルとブルボンの命を守ったシナモンが反省点を述べる。

「ううん、私達を助けてくれただけで十分だよ…ありがとう。」
キシルがシナモンへ感謝する。
「えぇ…あの男の方も危険だった可能性もあったし仕方ないわよ…助かったわ、シナモンさん。」
ブルボンもフォローする。

「それにしても…情報通りならって…誰からの情報なの?」
爆煙が舞うなか…残された疑問をキシルが口にしている所に、警察と共に野次馬が集まってくる…
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