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3章-首都の珈琲警察-
18『司書と珈琲の新天地』
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首都の中心地にある7階建ての国立図書館『エテメン』の6階『水星の階層』…その床下への入り口の先で、再び『黄昏時の図書館』にて霧島は、自身をこの異世界へ導いた存在と再会している。
「初めまして?…一度、お会いしていますよね?こことは違う別の世界の日本の高校の図書室で?」
霧島が神妙な面持ちで訂正しつつ問い掛ける。
問い掛けられた黄昏時の図書館の主は、深く被っている帽子を僅かに左手で持ち上げ…瑠璃色の光を放つ左目で、霧島の事を改めてよく見る。
「あぁ…思い出した、あの日の夕刻に出会ったお嬢さんだったか…ふぅん…君は、記憶を引き継いでこちらに来れたのか…まぁ…いいか」
霧島の事を思い出した図書館の主は、僅かに考える素振りを見せる。
「私は…ってことは、金手さんについても何か知っているんですか?」
霧島が、元いた世界でも同級生だった金手について問い掛ける。
「うん?あぁ…あの金髪縦ロールの子のことかな…あの子は、私の『担当』ではないからな…ちゃんと見れていないし…それに機密事項だから教えられないし…」
図書館の主が、のらりくらりといった感じで返事をする。
「私をこちらの世界へ連れて来た貴方なら、元いた世界へ帰る方法もご存知なのでは?」
これ以上、この件については追及する意味がないと判断した霧島は、話題を変える。
「まぁ、もちろん知ってはいるけどさ…この国の流儀に則るのならば…その『帰還方法』は、今の君の魔術師としての階級のままでは、教えられない情報に該当するんだよね。」
図書館の主は、霧島の制服の胸元にあるアッシュグレイの色合いのリボンを見る。
「そうですか…帰還方法が存在していることが分かっただけでも一歩、前進出来ました。」
そう返した霧島は、改めてリボンの色を確認するかの様に…リボンに視線を落としながら、その先端を右手でなぞる。
「でも…どうすれば、今まで以上に魔術師としての階級を上げる事が出来るのか分かりません…」
そう不安と問題点を溢した霧島は、ため息をつく。
また一口、抹茶を飲んだ図書館の主が、切り出す。
「そうだね…迷える若者に手を差し伸べるのも、私達の仕事だからね…」
図書館の主が、右手で指を鳴らすと…右隣に立つ本棚から、勝手に一冊の本が浮遊し…図書館の主の手元までひとりでに辿り着く。
そして、一際、図書館の主の左目が瑠璃色に光るのに呼応するかの様に、その本のページが左から右に流れ…
次の瞬間、とあるページで止まったかと思いきや…その本自体も発光し出し、風も吹き出す。
「そうだねぇ…この国『ウリ・バルデン』のみで収穫出来る珈琲豆のみならず…国外からも珈琲豆を輸入するルートを確保する事で、更に経済面で貢献すると言うのはどうかな?」
図書館の主は、手元の本から視線を霧島へと向ける。
「貿易ですか…でも、どの国と?」
霧島が頷きつつ、質問する。
「う~ん…ここから南方にあって、複数の文化の交流地とも言える大国『モカシダモ』で商いをすれば色々と活路が拓けてくると思うよ…」
そう答えた図書館の主が続ける。
「今の君の主な拠点であるコーヒーハウス『フランツ・メランジュ』を近い内に訪れる青い帽子を被った貿易商に声を掛けるといいよ。」
そう告げた図書館の主の右肩に、何処からともなく現れたカラスが止まる。
「そうですか、ありがとうございます…最後にもう一つ聞いてもいいですか?」
霧島の言葉に対して図書館の主は…あぁ、いいよっと短く答える。
「貴方の名前は?」
霧島からの今までの会話の脈絡とは関係のない質問に対して、図書館の主は微笑む。
「う~ん、まぁ…この地域一帯では、【錬金術師のミーミル】と名乗っているけどね…また君とは会うかもね…それじゃあ、また…」
ミーミルと名乗った錬金術師が、再び指を鳴らすと…黄昏時の図書館が徐々に霧散していき…霧島が元々、いた国立図書館『エテメン』の6階『水星の階層』へと戻っていく…
その移り変わりに、キシルが意識を取られている合間に、ミーミル自身も姿を消す…
「嘘…ちゃんと本棚がある…」
水星の階層へと訪れた時にはなかった筈の多数の本棚があることに、キシルが驚きの言葉をこぼしている所へ足音が近付いて来る。
「ここは図書館なのですから当然です…そんな事よりもですね、キシル様…そろそろ閉館の時間となりますので、それをお知らせに来ました。」
1階にいた受付嬢の一人が、呆然とするキシルに閉館の時間を告げる。
「あっ、はい…一緒に降りても良いですか?」
我に帰ったキシルは、受付嬢に答えながら…その場を後にする。
「初めまして?…一度、お会いしていますよね?こことは違う別の世界の日本の高校の図書室で?」
霧島が神妙な面持ちで訂正しつつ問い掛ける。
問い掛けられた黄昏時の図書館の主は、深く被っている帽子を僅かに左手で持ち上げ…瑠璃色の光を放つ左目で、霧島の事を改めてよく見る。
「あぁ…思い出した、あの日の夕刻に出会ったお嬢さんだったか…ふぅん…君は、記憶を引き継いでこちらに来れたのか…まぁ…いいか」
霧島の事を思い出した図書館の主は、僅かに考える素振りを見せる。
「私は…ってことは、金手さんについても何か知っているんですか?」
霧島が、元いた世界でも同級生だった金手について問い掛ける。
「うん?あぁ…あの金髪縦ロールの子のことかな…あの子は、私の『担当』ではないからな…ちゃんと見れていないし…それに機密事項だから教えられないし…」
図書館の主が、のらりくらりといった感じで返事をする。
「私をこちらの世界へ連れて来た貴方なら、元いた世界へ帰る方法もご存知なのでは?」
これ以上、この件については追及する意味がないと判断した霧島は、話題を変える。
「まぁ、もちろん知ってはいるけどさ…この国の流儀に則るのならば…その『帰還方法』は、今の君の魔術師としての階級のままでは、教えられない情報に該当するんだよね。」
図書館の主は、霧島の制服の胸元にあるアッシュグレイの色合いのリボンを見る。
「そうですか…帰還方法が存在していることが分かっただけでも一歩、前進出来ました。」
そう返した霧島は、改めてリボンの色を確認するかの様に…リボンに視線を落としながら、その先端を右手でなぞる。
「でも…どうすれば、今まで以上に魔術師としての階級を上げる事が出来るのか分かりません…」
そう不安と問題点を溢した霧島は、ため息をつく。
また一口、抹茶を飲んだ図書館の主が、切り出す。
「そうだね…迷える若者に手を差し伸べるのも、私達の仕事だからね…」
図書館の主が、右手で指を鳴らすと…右隣に立つ本棚から、勝手に一冊の本が浮遊し…図書館の主の手元までひとりでに辿り着く。
そして、一際、図書館の主の左目が瑠璃色に光るのに呼応するかの様に、その本のページが左から右に流れ…
次の瞬間、とあるページで止まったかと思いきや…その本自体も発光し出し、風も吹き出す。
「そうだねぇ…この国『ウリ・バルデン』のみで収穫出来る珈琲豆のみならず…国外からも珈琲豆を輸入するルートを確保する事で、更に経済面で貢献すると言うのはどうかな?」
図書館の主は、手元の本から視線を霧島へと向ける。
「貿易ですか…でも、どの国と?」
霧島が頷きつつ、質問する。
「う~ん…ここから南方にあって、複数の文化の交流地とも言える大国『モカシダモ』で商いをすれば色々と活路が拓けてくると思うよ…」
そう答えた図書館の主が続ける。
「今の君の主な拠点であるコーヒーハウス『フランツ・メランジュ』を近い内に訪れる青い帽子を被った貿易商に声を掛けるといいよ。」
そう告げた図書館の主の右肩に、何処からともなく現れたカラスが止まる。
「そうですか、ありがとうございます…最後にもう一つ聞いてもいいですか?」
霧島の言葉に対して図書館の主は…あぁ、いいよっと短く答える。
「貴方の名前は?」
霧島からの今までの会話の脈絡とは関係のない質問に対して、図書館の主は微笑む。
「う~ん、まぁ…この地域一帯では、【錬金術師のミーミル】と名乗っているけどね…また君とは会うかもね…それじゃあ、また…」
ミーミルと名乗った錬金術師が、再び指を鳴らすと…黄昏時の図書館が徐々に霧散していき…霧島が元々、いた国立図書館『エテメン』の6階『水星の階層』へと戻っていく…
その移り変わりに、キシルが意識を取られている合間に、ミーミル自身も姿を消す…
「嘘…ちゃんと本棚がある…」
水星の階層へと訪れた時にはなかった筈の多数の本棚があることに、キシルが驚きの言葉をこぼしている所へ足音が近付いて来る。
「ここは図書館なのですから当然です…そんな事よりもですね、キシル様…そろそろ閉館の時間となりますので、それをお知らせに来ました。」
1階にいた受付嬢の一人が、呆然とするキシルに閉館の時間を告げる。
「あっ、はい…一緒に降りても良いですか?」
我に帰ったキシルは、受付嬢に答えながら…その場を後にする。
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