6 / 79
Intermezzo-間章-
間章-バベルの塔のギルガメッシュ-
しおりを挟む
バビロニア帝国全体の行政・司法を司る首都機関【バベルの塔】は、西圏側と東圏側の間に挟まれる様に、帝国の中心に位置する。
巨大なクレーターの中心部、大きな支柱の上に鎮座するレンガ造りの塔は3層で構成されており、支柱の内部の一部を地下施設として活用している。
バベルの塔、第3層のとある会議室には、広い室内に反して、四方に玉座の様な大きな座席が各一席ずつしか置かれていない。
その椅子は、帝国の各地域を統治するトップ【統括長】と呼ばれる4人のみが座る権利を得る。
既に3つの席は埋まっている。
「こうして4人が集まるのはいつぶりだ?」
北西の席に座る大男【マルドゥク】が室内に響き渡る程の声量で、他の2人から返答は無く、無視される。
百戦錬磨と言う単語を体現したかの様な風貌のマルドゥクの背丈は2メートル近くある。
帝国西圏側の第一騎士団と第二騎士団を束ねる。
マルドゥクは気を取り直して、南西の席に座る統括長に視線を向け、言葉を続ける。
「それでイシュタルは、いつ結婚して、俺の子を産んでくれるんだ?」
「なぁ!?議事録の残る公の場で、ナニをぶちかましてやがりますの!」
品の無い告白に、たじろぎ、艶やかな赤い長髪に負けじと長い耳も赤くする、品行方正な淑女【イシュタル】はエルフ一族の長である。
そして、西圏側の第三騎士団と第四騎士団を束ねる。
「なに、マジな反応をしてんだか…マルドゥクの何時もの冗談に。」
南東の座席に足を組んだ状態で座る、白衣を羽織った女性【エンキ】が気だるげに応える。
仄かに灰色がかったアンダーリムの眼鏡が特徴的なエンキは、東圏側南部B区の統括長であると同時に、首都機関の技術開発局にて局長を務める科学者でもある。
大あくびをするエンキに対して、すかさずカウンターを入れるイシュタル。
「エンキさん。また、徹夜明けのようですわね。局長がその様な不規則な生活では、技術開発局の風紀に問題ありなのではないのでしょうか?」
「そこは、仕事熱心と言って欲しいなぁ…それに徹夜が悪しき習慣だなんて、前時代過ぎるよ、オバサン。」
「おばっ!?その発言は聞き捨てなりませんわよ!カフェイン中毒の貴方よりも、肌艶は良いですわ!」
オバサンと言いつつも、統括長の4人の年齢差はさほどない…
統括長達の実年齢は3000歳前後である。
しかし、魔術を扱える人間の大半が有する神格【四神格】の上位互換…
【半神格】を有していて、より神に近い4人のフィジカルな年齢は、実年齢の約100分の1程度である。
「お、俺はいつも、冗談のつもりでは…」
またしても相手にされず傷付いたマルドゥクが、モジモジとしながら小声で否定するが、口論を始めた2人の女性には聞こえていない。
犬猿の仲の2人の口喧嘩に介入するかの様に、会議室の扉が開かれる。
「お前達、喜劇をしている場合ではないぞ。」
まだ暑さが残るなか、統括長の証である軍服を着こなす男が入室し、鶴の一声で場を静める。
そして、会議室の扉から見て北東に位置する座席へドサッと座った男こそ…
事実上、バビロニア帝国のトップ【ギルガメッシュ】である。
ギルガメッシュは東圏側北部A区の統括長のみならず、首都機関のトップとして首都機関長も務める。
「行政の形式上、致し方ないが…会議なんぞ時間の浪費でしかない!短時間で終わらせるぞ。」
多忙な首都機関の長は、太陰暦の暦に合わせて、満ち欠けする月の装飾が施された腕時計で時間を確認する。
「俺はこの後、進捗が4.8%遅れている東圏側A区のダム建設を手伝いに行かないといけない。そして、明日は朝から…」
「あぁ~はいはい…忙しいならさ、早速、本題に入ってよ。」
本当に帝国の事を思い、公僕になるギルガメッシュの真面目さに対して…
ただ己が、知的好奇心を満たしたいが為のエンキは、暑苦しさを感じ、言葉を遮る。
「あぁ、その通りだな…今回の議案、件の源南花とアリサ・クロウに対する今後の対処についてだったな。」
座席の前にある机に右腕を置き、考えを巡らせるギルガメッシュ。
「そうですわね…あの二人が出会ってしまったことが、一番、憂慮すべき事案ですわ。」
長い赤い髪を耳の後ろに掛けながら、イシュタルは眉をひそめる。
「こうなる前に、あの鉄之助の遺言なんて無視して、消しておけば良かったんじゃねぇか…」
短絡的でシンプルな解決策を行使しなかったことに対して批難するマルドゥク。
「まさか、貴方が私の大切な一族を、暗殺者に仕立て上げた訳じゃありませんわよね?」
イシュタルの鋭い視線が、マルドゥクに突き刺さる。
「そ、そんな訳ないだろ!何で、お前に嫌われるような事をするんだよ。俺は、10年前の話し合いの結論を守っていたぞ!」
マルドゥクは、焦りながら否定する。
「まぁ、あの二人を良く思っていない勢力は、幾つかあるからねぇ~」
眠たそうに応えるエンキ。
「その犯人探しは、各所に任せておけ…」
議論を本題へと修正するギルガメッシュ。
「あっ、そうだ…こう言うのはどうかな?」
含みのある笑みを見せた、エンキが提案する。
「2人を、私の技術開発局の職員として採用すれば、帝国の利益に繋がる上に、2人同時に監視することが出来る。」
「ふむ、確かに合理的ではあるな…」
ギルガメッシュが、好感触を示す。
「エンキさん、単純にあなたの手駒が増えて嬉しいだけじゃありませんの?」
己の研究欲を満たしたいが為では、と真意を突くイシュタル。
「あくまでも、それは結果論でしかないよ…少なくとも、事前に暗殺計画を察知出来なかったポンコツエルフには言われたくないな…」
エンキは、ふふっと笑いながらイシュタルのミスをいじる。
「なっ……オホン、確かにその失態については認めざるを得ませんわね。」
直感的に座席から立ち上がるが、イシュタルは反省の意を示す。
「まぁ、俺もこの件に関しては、エンキの案に賛成だな。」
マルドゥクは、幾つもの戦から得た組織に関する経験則から迎合する。
「賛成多数か…では、源南花は本人の目標でもある銃職人として…士官学校で首席のアリサ・クロウは、飛び級で卒業扱いとして首都機関の技術開発局へ就任させる。」
ギルガメッシュが決議案を宣言し、早々に会議を閉じる。
「では、2人の監視は任せたぞエンキ。」
「オッケイ…まぁ、監視役として適任は、あの子かな…」
ギルガメッシュへ軽く返事した、エンキは既に監視役の適任者に見当が付いている。
巨大なクレーターの中心部、大きな支柱の上に鎮座するレンガ造りの塔は3層で構成されており、支柱の内部の一部を地下施設として活用している。
バベルの塔、第3層のとある会議室には、広い室内に反して、四方に玉座の様な大きな座席が各一席ずつしか置かれていない。
その椅子は、帝国の各地域を統治するトップ【統括長】と呼ばれる4人のみが座る権利を得る。
既に3つの席は埋まっている。
「こうして4人が集まるのはいつぶりだ?」
北西の席に座る大男【マルドゥク】が室内に響き渡る程の声量で、他の2人から返答は無く、無視される。
百戦錬磨と言う単語を体現したかの様な風貌のマルドゥクの背丈は2メートル近くある。
帝国西圏側の第一騎士団と第二騎士団を束ねる。
マルドゥクは気を取り直して、南西の席に座る統括長に視線を向け、言葉を続ける。
「それでイシュタルは、いつ結婚して、俺の子を産んでくれるんだ?」
「なぁ!?議事録の残る公の場で、ナニをぶちかましてやがりますの!」
品の無い告白に、たじろぎ、艶やかな赤い長髪に負けじと長い耳も赤くする、品行方正な淑女【イシュタル】はエルフ一族の長である。
そして、西圏側の第三騎士団と第四騎士団を束ねる。
「なに、マジな反応をしてんだか…マルドゥクの何時もの冗談に。」
南東の座席に足を組んだ状態で座る、白衣を羽織った女性【エンキ】が気だるげに応える。
仄かに灰色がかったアンダーリムの眼鏡が特徴的なエンキは、東圏側南部B区の統括長であると同時に、首都機関の技術開発局にて局長を務める科学者でもある。
大あくびをするエンキに対して、すかさずカウンターを入れるイシュタル。
「エンキさん。また、徹夜明けのようですわね。局長がその様な不規則な生活では、技術開発局の風紀に問題ありなのではないのでしょうか?」
「そこは、仕事熱心と言って欲しいなぁ…それに徹夜が悪しき習慣だなんて、前時代過ぎるよ、オバサン。」
「おばっ!?その発言は聞き捨てなりませんわよ!カフェイン中毒の貴方よりも、肌艶は良いですわ!」
オバサンと言いつつも、統括長の4人の年齢差はさほどない…
統括長達の実年齢は3000歳前後である。
しかし、魔術を扱える人間の大半が有する神格【四神格】の上位互換…
【半神格】を有していて、より神に近い4人のフィジカルな年齢は、実年齢の約100分の1程度である。
「お、俺はいつも、冗談のつもりでは…」
またしても相手にされず傷付いたマルドゥクが、モジモジとしながら小声で否定するが、口論を始めた2人の女性には聞こえていない。
犬猿の仲の2人の口喧嘩に介入するかの様に、会議室の扉が開かれる。
「お前達、喜劇をしている場合ではないぞ。」
まだ暑さが残るなか、統括長の証である軍服を着こなす男が入室し、鶴の一声で場を静める。
そして、会議室の扉から見て北東に位置する座席へドサッと座った男こそ…
事実上、バビロニア帝国のトップ【ギルガメッシュ】である。
ギルガメッシュは東圏側北部A区の統括長のみならず、首都機関のトップとして首都機関長も務める。
「行政の形式上、致し方ないが…会議なんぞ時間の浪費でしかない!短時間で終わらせるぞ。」
多忙な首都機関の長は、太陰暦の暦に合わせて、満ち欠けする月の装飾が施された腕時計で時間を確認する。
「俺はこの後、進捗が4.8%遅れている東圏側A区のダム建設を手伝いに行かないといけない。そして、明日は朝から…」
「あぁ~はいはい…忙しいならさ、早速、本題に入ってよ。」
本当に帝国の事を思い、公僕になるギルガメッシュの真面目さに対して…
ただ己が、知的好奇心を満たしたいが為のエンキは、暑苦しさを感じ、言葉を遮る。
「あぁ、その通りだな…今回の議案、件の源南花とアリサ・クロウに対する今後の対処についてだったな。」
座席の前にある机に右腕を置き、考えを巡らせるギルガメッシュ。
「そうですわね…あの二人が出会ってしまったことが、一番、憂慮すべき事案ですわ。」
長い赤い髪を耳の後ろに掛けながら、イシュタルは眉をひそめる。
「こうなる前に、あの鉄之助の遺言なんて無視して、消しておけば良かったんじゃねぇか…」
短絡的でシンプルな解決策を行使しなかったことに対して批難するマルドゥク。
「まさか、貴方が私の大切な一族を、暗殺者に仕立て上げた訳じゃありませんわよね?」
イシュタルの鋭い視線が、マルドゥクに突き刺さる。
「そ、そんな訳ないだろ!何で、お前に嫌われるような事をするんだよ。俺は、10年前の話し合いの結論を守っていたぞ!」
マルドゥクは、焦りながら否定する。
「まぁ、あの二人を良く思っていない勢力は、幾つかあるからねぇ~」
眠たそうに応えるエンキ。
「その犯人探しは、各所に任せておけ…」
議論を本題へと修正するギルガメッシュ。
「あっ、そうだ…こう言うのはどうかな?」
含みのある笑みを見せた、エンキが提案する。
「2人を、私の技術開発局の職員として採用すれば、帝国の利益に繋がる上に、2人同時に監視することが出来る。」
「ふむ、確かに合理的ではあるな…」
ギルガメッシュが、好感触を示す。
「エンキさん、単純にあなたの手駒が増えて嬉しいだけじゃありませんの?」
己の研究欲を満たしたいが為では、と真意を突くイシュタル。
「あくまでも、それは結果論でしかないよ…少なくとも、事前に暗殺計画を察知出来なかったポンコツエルフには言われたくないな…」
エンキは、ふふっと笑いながらイシュタルのミスをいじる。
「なっ……オホン、確かにその失態については認めざるを得ませんわね。」
直感的に座席から立ち上がるが、イシュタルは反省の意を示す。
「まぁ、俺もこの件に関しては、エンキの案に賛成だな。」
マルドゥクは、幾つもの戦から得た組織に関する経験則から迎合する。
「賛成多数か…では、源南花は本人の目標でもある銃職人として…士官学校で首席のアリサ・クロウは、飛び級で卒業扱いとして首都機関の技術開発局へ就任させる。」
ギルガメッシュが決議案を宣言し、早々に会議を閉じる。
「では、2人の監視は任せたぞエンキ。」
「オッケイ…まぁ、監視役として適任は、あの子かな…」
ギルガメッシュへ軽く返事した、エンキは既に監視役の適任者に見当が付いている。
0
あなたにおすすめの小説
【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。
BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。
辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん??
私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?
クゥクーの娘
章槻雅希
ファンタジー
コシュマール侯爵家3男のブリュイアンは夜会にて高らかに宣言した。
愛しいメプリを愛人の子と蔑み醜い嫉妬で苛め抜く、傲慢なフィエリテへの婚約破棄を。
しかし、彼も彼の腕にしがみつくメプリも気づいていない。周りの冷たい視線に。
フィエリテのクゥクー公爵家がどんな家なのか、彼は何も知らなかった。貴族の常識であるのに。
そして、この夜会が一体何の夜会なのかを。
何も知らない愚かな恋人とその母は、その報いを受けることになる。知らないことは罪なのだ。
本編全24話、予約投稿済み。
『小説家になろう』『pixiv』にも投稿。
ガチャから始まる錬金ライフ
あに
ファンタジー
河地夜人は日雇い労働者だったが、スキルボールを手に入れた翌日にクビになってしまう。
手に入れたスキルボールは『ガチャ』そこから『鑑定』『錬金術』と手に入れて、今までダンジョンの宝箱しか出なかったポーションなどを冒険者御用達の『プライド』に売り、億万長者になっていく。
他にもS級冒険者と出会い、自らもS級に上り詰める。
どんどん仲間も増え、自らはダンジョンには行かず錬金術で飯を食う。
自身の本当のジョブが召喚士だったので、召喚した相棒のテンとまったり、時には冒険し成長していく。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?
シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。
クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。
貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ?
魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。
ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。
私の生活を邪魔をするなら潰すわよ?
1月5日 誤字脱字修正 54話
★━戦闘シーンや猟奇的発言あり
流血シーンあり。
魔法・魔物あり。
ざぁま薄め。
恋愛要素あり。
死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜
のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、
偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。
水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは――
古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。
村を立て直し、仲間と絆を築きながら、
やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。
辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、
静かに進む策略と復讐の物語。
『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?
釈 余白(しやく)
ファンタジー
毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。
その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。
最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
連載時、HOT 1位ありがとうございました!
その他、多数投稿しています。
こちらもよろしくお願いします!
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる