38 / 79
3章.無神格と魔女の血
33『きりこと硝子細工』
しおりを挟む
ユキノと友達だった【きりこ】と出会った南花達は、彼女の工房の前に立っている…
「おしゃれな工房…」
南花の口から感嘆が漏れた外観は、外からでも店内を伺えるガラス窓兼ショーケース、レンガ造りの壁面に、屋根は日本瓦と和洋折衷の出で立ちをしている…
「アタシの親父、むさしと同郷だった鉄之助さんも、この工房の建設に協力してくれたらしいんだよね…」
軒下の風鈴が鳴らす、軽やかな音に耳を傾けながらきりこが、補足説明する。
「へぇ…私の父さん、こんな仕事もしていたんだ…」
「はい?…源さんって鉄之助さんの娘さんなの!?」
工房までの道中は、サクラ達と昔話に集中していた【きりこ】の瞳に、南花の背後から後光が差す。
「はっ!季節外れの暑さの中…こんな田舎まで、ご足労頂いてありがとうございます…なんてね、これも何かの縁だし宜しくね南花さん!」
「はい、こちらこそ宜しくお願いします。」
南花に戯けてみせた、きりこは工房の扉を開き、主として客人達を歓迎する。
ーーー
1階の商店部分から、地下の作業室に南花達は通され…
室内の片隅にある、木製の丸テーブルと椅子に座っている。
「お待たせ…大した茶菓子ではないけど良かったら食べてよ。」
きりこは、市松模様の透明感のあるグラスに入った抹茶ラテと栗羊羮を5人の前に差し出す。
「これもシベリアの仲間か!」
最近見た映画で知った菓子に似た存在に、コマチの瞳は輝く。
「ううん、これはシベリアの中身だけって言えばいいのかな?羊羹だよ。」
きりこへ短く礼を伝えた南花が、コマチに諭す。
「これはゼリー?…なぜ、カリカチュアに出てくるモノリスみたく黒いのかしら?」
初めて見る黒い物体に、アリサは戸惑いの視線を向ける。
「『この世の全ては、創造主の導き通りに…』って、なんてね…羊羹、私も初めて見るよ。」
サクラは、掛けている丸眼鏡のブリッジ部分を、右手の人差し指で軽く上げる。
「初めて食べたけど、きりこさん美味しいよ。」
一口食べたアオイは、上品な甘さを讃える。
「それは良かった。」
きりこも木製の椅子に座る。
「それで、アタシに私に手伝えることって何かな?」
市松模様のグラスに入る抹茶ラテを一口、飲んだきりこが切り出す。
「きりこさん、それはですね…」
サクラが、代表して口を開く。
「ふぅ~ん…あのユキノが帝国憲兵に姿を変えている可能性か…」
衝撃の内容に、寂しげな表情を見せたきりこが、小さい頃の記憶を辿る。
「確か…10年前の魔獣達の襲撃で両親を失ったユキノを、うちで面倒見るっていう話をアタシの親父がしていたんだけれど…そこに首都機関から、事件の事後処理に来ていた職員が家を訪れて…」
「その職員がユキノを別の孤児院に連れて行ったはず、それがサクラ達が言っている場所と同じとは限らないけれどね…アタシの親父が生きていたら、詳しいことを知れたと思うけれどごめんね…あの時の【流行り病】で命を落としてね。」
辛い記憶を、ドミノ倒しの様に更に思い出した、きりこの表情が更に曇る。
「それは残念ですね…あの【流行り病】に…」
同情を示したアリサは、冥界の統括長である【エレシュキガル】の関与を思索する。
「ううん、きりこさんありがとうございます。ユキノ姉さんが孤児院に引き取られたっていう事実を聞けただけでも進展したので…」
感謝するアオイが、きりこをフォローする。
抹茶ラテを一口飲んだ、南花が作業室に並ぶ硝子細工達を見渡す。
そして、キューブ状の淡いガラスに埋め込めれた時計を見つけると、何故か惹き付けられ…
席を立った南花はその時計が置かれた棚の前に立ち、更にじっくりと見る。
「あぁ、その時計はね…親父と意気投合した旅人【アトラ】さんが、うちの工房で硝子細工の体験をした際に作って、置いていった物だったかな?」
きりこの説明を何となく聞いている南花だが…
「ふぇ!?【アトラ】さんの時計!」
南花を始め、他のアリサ達4人も驚嘆する様に、きりこも驚く。
「みんなの驚き過ぎた様子に、アタシもびっくりしたじゃんか…この時計ってそんなに貴重な物なの?」
親父の形見の一つとしてしか見えないきりこが不思議がる。
南花が少し考える素振りを見せた後に、口を開く。
「実はですね…私とアリサも同じくアトラさんの時計を、父親から引き継いでいまして…」
南花がどこまで話すのか、気になるアリサが眉をひそめる。
「アトラさんの時計を全て組み合わせることで、完成する【作品】がある事を、少し前に知ってですね…きりこさんのお父様の大事な形見であることは承知の上で、お譲り頂けたらと思います。」
神妙な面持ちで申し出た南花が、深く頭を下げる。
「その【作品】を見れば世界が変わるとも聞かされて…最近、疑念を抱かざるを得ない現実が立て続けに起こってですね…余計に見てみたくなってしまったんです。」
視線をきりこに戻した、南花が決意する。
「そう…私も、鉄之助さんとアタシの親父の合同作品をもう一度、見てみたいな…」
それまでの明るい表情とは、打って代わり、南花の徒ならぬ空気を汲み取るきりこ。
「うん、そうだね…私もその作品、俄然気になるなぁ。」
南花が立ち上がったことで、空席になった椅子に、冥界の【生徒会長】が座っている。
「へっ?…いつの間に」
隣に唐突に現れた統括長に驚きを隠せないアリサ。
「あっ、これ美味しい!」
唖然とするアリサ達を他所に、南花が残した羊羹を頬張るエレシュキガルの瞳はキラキラとしている。
「全く…いつも黄泉ちゃんは、急に現れるんだから。毎回、何処から入ってきているんだか…」
南花達とは、異なり差ほど驚いていないきりこ。
「黄泉ちゃん?貴方は、エレ…」
サクラが、エレシュキガルであることを確認しようとするが、黄泉ちゃんは口元に人差し指を当てて、シッーっと呟く。
「どうやって?って作業室よりも更なる地下から入って来ているよ…ぷはぁ!」
南花が残した抹茶ラテを、勢い良く飲み干すエレシュキガル。
「ここの工房は作業室の地下一階しかないのに、何を言ってんだが…」
やれやれ、といった表情をきりこが見せる。
「(この人の場合は、本当の冥界から来ているんだよ…)」
っと南花は、伝えようとするが呑み込む。
「どうやら、決意してくれたみたいだね…期待しているよ。」
席から立ち上がったエレシュキガルは、真剣な眼差しで南花を一瞥する。
そして、きりこが茶菓子を運んできたキッチンの方へ歩みを進める。
「それじゃあ、また会う日まで!」
そう軽く手を振ったエレシュキガルは、きりこが羊羹を取り出した冷蔵庫の扉を開けると…
その冷蔵庫の中に消えて行く…
「ど…どういう原理…」
取り残された南花達は、全員同じ疑問を浮かべている。
「おしゃれな工房…」
南花の口から感嘆が漏れた外観は、外からでも店内を伺えるガラス窓兼ショーケース、レンガ造りの壁面に、屋根は日本瓦と和洋折衷の出で立ちをしている…
「アタシの親父、むさしと同郷だった鉄之助さんも、この工房の建設に協力してくれたらしいんだよね…」
軒下の風鈴が鳴らす、軽やかな音に耳を傾けながらきりこが、補足説明する。
「へぇ…私の父さん、こんな仕事もしていたんだ…」
「はい?…源さんって鉄之助さんの娘さんなの!?」
工房までの道中は、サクラ達と昔話に集中していた【きりこ】の瞳に、南花の背後から後光が差す。
「はっ!季節外れの暑さの中…こんな田舎まで、ご足労頂いてありがとうございます…なんてね、これも何かの縁だし宜しくね南花さん!」
「はい、こちらこそ宜しくお願いします。」
南花に戯けてみせた、きりこは工房の扉を開き、主として客人達を歓迎する。
ーーー
1階の商店部分から、地下の作業室に南花達は通され…
室内の片隅にある、木製の丸テーブルと椅子に座っている。
「お待たせ…大した茶菓子ではないけど良かったら食べてよ。」
きりこは、市松模様の透明感のあるグラスに入った抹茶ラテと栗羊羮を5人の前に差し出す。
「これもシベリアの仲間か!」
最近見た映画で知った菓子に似た存在に、コマチの瞳は輝く。
「ううん、これはシベリアの中身だけって言えばいいのかな?羊羹だよ。」
きりこへ短く礼を伝えた南花が、コマチに諭す。
「これはゼリー?…なぜ、カリカチュアに出てくるモノリスみたく黒いのかしら?」
初めて見る黒い物体に、アリサは戸惑いの視線を向ける。
「『この世の全ては、創造主の導き通りに…』って、なんてね…羊羹、私も初めて見るよ。」
サクラは、掛けている丸眼鏡のブリッジ部分を、右手の人差し指で軽く上げる。
「初めて食べたけど、きりこさん美味しいよ。」
一口食べたアオイは、上品な甘さを讃える。
「それは良かった。」
きりこも木製の椅子に座る。
「それで、アタシに私に手伝えることって何かな?」
市松模様のグラスに入る抹茶ラテを一口、飲んだきりこが切り出す。
「きりこさん、それはですね…」
サクラが、代表して口を開く。
「ふぅ~ん…あのユキノが帝国憲兵に姿を変えている可能性か…」
衝撃の内容に、寂しげな表情を見せたきりこが、小さい頃の記憶を辿る。
「確か…10年前の魔獣達の襲撃で両親を失ったユキノを、うちで面倒見るっていう話をアタシの親父がしていたんだけれど…そこに首都機関から、事件の事後処理に来ていた職員が家を訪れて…」
「その職員がユキノを別の孤児院に連れて行ったはず、それがサクラ達が言っている場所と同じとは限らないけれどね…アタシの親父が生きていたら、詳しいことを知れたと思うけれどごめんね…あの時の【流行り病】で命を落としてね。」
辛い記憶を、ドミノ倒しの様に更に思い出した、きりこの表情が更に曇る。
「それは残念ですね…あの【流行り病】に…」
同情を示したアリサは、冥界の統括長である【エレシュキガル】の関与を思索する。
「ううん、きりこさんありがとうございます。ユキノ姉さんが孤児院に引き取られたっていう事実を聞けただけでも進展したので…」
感謝するアオイが、きりこをフォローする。
抹茶ラテを一口飲んだ、南花が作業室に並ぶ硝子細工達を見渡す。
そして、キューブ状の淡いガラスに埋め込めれた時計を見つけると、何故か惹き付けられ…
席を立った南花はその時計が置かれた棚の前に立ち、更にじっくりと見る。
「あぁ、その時計はね…親父と意気投合した旅人【アトラ】さんが、うちの工房で硝子細工の体験をした際に作って、置いていった物だったかな?」
きりこの説明を何となく聞いている南花だが…
「ふぇ!?【アトラ】さんの時計!」
南花を始め、他のアリサ達4人も驚嘆する様に、きりこも驚く。
「みんなの驚き過ぎた様子に、アタシもびっくりしたじゃんか…この時計ってそんなに貴重な物なの?」
親父の形見の一つとしてしか見えないきりこが不思議がる。
南花が少し考える素振りを見せた後に、口を開く。
「実はですね…私とアリサも同じくアトラさんの時計を、父親から引き継いでいまして…」
南花がどこまで話すのか、気になるアリサが眉をひそめる。
「アトラさんの時計を全て組み合わせることで、完成する【作品】がある事を、少し前に知ってですね…きりこさんのお父様の大事な形見であることは承知の上で、お譲り頂けたらと思います。」
神妙な面持ちで申し出た南花が、深く頭を下げる。
「その【作品】を見れば世界が変わるとも聞かされて…最近、疑念を抱かざるを得ない現実が立て続けに起こってですね…余計に見てみたくなってしまったんです。」
視線をきりこに戻した、南花が決意する。
「そう…私も、鉄之助さんとアタシの親父の合同作品をもう一度、見てみたいな…」
それまでの明るい表情とは、打って代わり、南花の徒ならぬ空気を汲み取るきりこ。
「うん、そうだね…私もその作品、俄然気になるなぁ。」
南花が立ち上がったことで、空席になった椅子に、冥界の【生徒会長】が座っている。
「へっ?…いつの間に」
隣に唐突に現れた統括長に驚きを隠せないアリサ。
「あっ、これ美味しい!」
唖然とするアリサ達を他所に、南花が残した羊羹を頬張るエレシュキガルの瞳はキラキラとしている。
「全く…いつも黄泉ちゃんは、急に現れるんだから。毎回、何処から入ってきているんだか…」
南花達とは、異なり差ほど驚いていないきりこ。
「黄泉ちゃん?貴方は、エレ…」
サクラが、エレシュキガルであることを確認しようとするが、黄泉ちゃんは口元に人差し指を当てて、シッーっと呟く。
「どうやって?って作業室よりも更なる地下から入って来ているよ…ぷはぁ!」
南花が残した抹茶ラテを、勢い良く飲み干すエレシュキガル。
「ここの工房は作業室の地下一階しかないのに、何を言ってんだが…」
やれやれ、といった表情をきりこが見せる。
「(この人の場合は、本当の冥界から来ているんだよ…)」
っと南花は、伝えようとするが呑み込む。
「どうやら、決意してくれたみたいだね…期待しているよ。」
席から立ち上がったエレシュキガルは、真剣な眼差しで南花を一瞥する。
そして、きりこが茶菓子を運んできたキッチンの方へ歩みを進める。
「それじゃあ、また会う日まで!」
そう軽く手を振ったエレシュキガルは、きりこが羊羹を取り出した冷蔵庫の扉を開けると…
その冷蔵庫の中に消えて行く…
「ど…どういう原理…」
取り残された南花達は、全員同じ疑問を浮かべている。
0
あなたにおすすめの小説
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
生きるために逃げだした。幸せになりたい。
白水緑
ファンタジー
屋敷内に軟禁状態だったリリアは、宝物を取り戻したことをきっかけに屋敷から逃げ出した。幸せになるために。体力も力もない。成り行きに身を任せる結果になっても、自分の道は自分で選びたい。
2020/9/19 第一章終了
続きが書け次第また連載再開します。
2021/2/14 第二章開幕
2021/2/28 完結
帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす
黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。
4年前に書いたものをリライトして載せてみます。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
修学旅行に行くはずが異世界に着いた。〜三種のお買い物スキルで仲間と共に〜
長船凪
ファンタジー
修学旅行へ行く為に荷物を持って、バスの来る学校のグラウンドへ向かう途中、三人の高校生はコンビニに寄った。
コンビニから出た先は、見知らぬ場所、森の中だった。
ここから生き残る為、サバイバルと旅が始まる。
実際の所、そこは異世界だった。
勇者召喚の余波を受けて、異世界へ転移してしまった彼等は、お買い物スキルを得た。
奏が食品。コウタが金物。紗耶香が化粧品。という、三人種類の違うショップスキルを得た。
特殊なお買い物スキルを使い商品を仕入れ、料理を作り、現地の人達と交流し、商人や狩りなどをしながら、少しずつ、異世界に順応しつつ生きていく、三人の物語。
実は時間差クラス転移で、他のクラスメイトも勇者召喚により、異世界に転移していた。
主人公 高校2年 高遠 奏 呼び名 カナデっち。奏。
クラスメイトのギャル 水木 紗耶香 呼び名 サヤ。 紗耶香ちゃん。水木さん。
主人公の幼馴染 片桐 浩太 呼び名 コウタ コータ君
(なろうでも別名義で公開)
タイトル微妙に変更しました。
美男美女の同僚のおまけとして異世界召喚された私、ゴミ無能扱いされ王城から叩き出されるも、才能を見出してくれた隣国の王子様とスローライフ
さら
恋愛
会社では地味で目立たない、ただの事務員だった私。
ある日突然、美男美女の同僚二人のおまけとして、異世界に召喚されてしまった。
けれど、測定された“能力値”は最低。
「無能」「お荷物」「役立たず」と王たちに笑われ、王城を追い出されて――私は一人、行くあてもなく途方に暮れていた。
そんな私を拾ってくれたのは、隣国の第二王子・レオン。
優しく、誠実で、誰よりも人の心を見てくれる人だった。
彼に導かれ、私は“癒しの力”を持つことを知る。
人の心を穏やかにし、傷を癒す――それは“無能”と呼ばれた私だけが持っていた奇跡だった。
やがて、王子と共に過ごす穏やかな日々の中で芽生える、恋の予感。
不器用だけど優しい彼の言葉に、心が少しずつ満たされていく。
断罪後の気楽な隠居生活をぶち壊したのは誰です!〜ここが乙女ゲームの世界だったなんて聞いていない〜
白雲八鈴
恋愛
全ては勘違いから始まった。
私はこの国の王子の一人であるラートウィンクルム殿下の婚約者だった。だけどこれは政略的な婚約。私を大人たちが良いように使おうとして『白銀の聖女』なんて通り名まで与えられた。
けれど、所詮偽物。本物が現れた時に私は気付かされた。あれ?もしかしてこの世界は乙女ゲームの世界なのでは?
関わり合う事を避け、婚約者の王子様から「貴様との婚約は破棄だ!」というお言葉をいただきました。
竜の谷に追放された私が血だらけの鎧を拾い。未だに乙女ゲームの世界から抜け出せていないのではと内心モヤモヤと思いながら過ごして行くことから始まる物語。
『私の居場所を奪った聖女様、貴女は何がしたいの?国を滅ぼしたい?』
❋王都スタンピード編完結。次回投稿までかなりの時間が開くため、一旦閉じます。完結表記ですが、王都編が完結したと捉えてもらえればありがたいです。
*乙女ゲーム要素は少ないです。どちらかと言うとファンタジー要素の方が強いです。
*表現が不適切なところがあるかもしれませんが、その事に対して推奨しているわけではありません。物語としての表現です。不快であればそのまま閉じてください。
*いつもどおり程々に誤字脱字はあると思います。確認はしておりますが、どうしても漏れてしまっています。
*他のサイトでは別のタイトル名で投稿しております。小説家になろう様では異世界恋愛部門で日間8位となる評価をいただきました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる