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4章.モネータとハンムラビ
41『ポットスチルと面従腹背』
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南花達5人への自己紹介を終えたハンムラビは、木槌でクラブのクイーンが描かれたトランプカードを叩く…
すると、叩かれたカードは分身して、地下線路の四方へ散らばる。
「どうやら…一旦、撤退したみたいですね。」
ハンムラビが術式で周囲に、自分たち以外の人の気配が無いことを確認する。
「流石はハンちゃん…手際が良くてぇ…頼りになるね…うっ!」
酔っ払いシスターことヨハンナの口から、再度、虹が出そうになる。
「ハンちゃん…なんか…麺類と相性が良さそうな響きだな…」
「コマチ…失礼でしょ。」
小声で呟きながらヨダレを飲み込むコマチに、アオイが手刀と言う物理的な突っ込みを入れる。
「はぁ~誰かさんが昼間から飲んでいるせいでしょうが…皆さん、第一騎士団の拠点へ案内いたします。付いてきて下さい。」
思考力が低下している騎士団長に代わって、ハンムラビが南花達を先導する。
先頭を歩くハンムラビが、地下の線路から壁際に移動し、木槌で壁を決まったリズムで軽快に叩くと…
壁の一部が、瑠璃色の門へと変質する。
その門の上部には、天秤が紋章として刻まれており…左右の皿の上には、蛇と林檎が乗っておりバランスを保っている。
「さぁ…こちらです。」
ハンムラビが、その瑠璃色の門を開く。
「はい…ありがとうございます。」
どういう理屈なの?っと門全体を見渡した南花が、戸惑いながら入っていく。
そして、全員が門の中へ入ると…壁は元の地下線路のレンガへと戻る…
ーーー
しばらく、幾つもに分岐した瑠璃色の地下廊を歩く一行…
「螺旋階段みたいな迷路ね…」
徐々に、地上へ上昇している事を勘づくアリサ。
「流石は…ダージリンの妹さんで、士官学校を首席で卒業したアリサちゃんね。」
一行の最後尾をフラフラと歩くヨハンナが、目の前を歩くアリサへ話しかける。
「いえ、ありがとうございます…その、私の兄とはどのような関係なのでしょうか?」
振り返ったアリサが、問いかける。
「んぅ?あぁ…ダージリンとは、西圏側の騎士養成学園で同じ教室だった頃からの知り合いだったかなぁ…」
そう応えたヨハンナは、スキットルの中身であるウィスキーをもう一口飲む。
「皆さん、着きましたよ…一先ず、こちらで小休止するとしましょう。」
先頭を歩くハンムラビが、目の前に現れたオークの木で出来た、木造の扉を開ける…
「ここは…何の施設?」
「確か…これは、ウィスキーの蒸留装置と貯蔵庫ね…」
南花の疑問に対して、アリサが記憶の片隅から答えを引っ張り出してくる。
「ピンポ~ン、ここがアタシの蒸留所ですぅ。」
ヨハンナの発言通り…室内には、小型の単式蒸留器やウィスキーを寝かせる為の木樽が並ぶ棚などがある。
「生命の水…帝国から追放された錬金術に関する一つの技術を追究した結果がこれですよ…はぁ~」
貯蔵されている木樽を、自身の子供の頭の様に撫でるヨハンナの姿を見る、ハンムラビが再度、ため息を漏らす。
「錬金術?…追放された?」
木造の部屋全体を見渡したサクラが質問する。
「はい…錬金術は、東圏側A区の元統括長だった【モルガーナ・ピルグリム】様が先駆者であり…モルガーナ様が追放されたのと時をお同じくして、このバビロニア帝国では禁じられた技術分野なのです。」
サクラへの問いに答えたハンムラビが、部屋の中心にあるテーブル席へ座る様に、南花達を促す。
「モルガーナ様?…東圏側A区の統括長は、最初からギルガメッシュ様ではなかったんですか?」
木造の席へ座った南花が、ハンムラビへ問いかける。
「はい…元々は、見識を広める為に異邦の地である【イタリ】への長旅を終えた、モルガーナ様が担われていました。そして…モルガーナ様は、冥界の統括長である【エレシュキガル様】と同様に、【ティアマト】側の生き残りの錬金術師なのです。」
最後にハンムラビが席へ座る。
「なぜ?モルガーナっていう方は、帝国から追放されたのですか?」
アオイが更に質問を問いかける。
「その点は、私も詳しくは存じませんが…エンキ様が関係してるとか…してないとか…っとは聞いていますね。」
それまでキッパリとした受け答えを見せていたハンムラビの言葉が濁る。
「そろそろ、今回の本題について話しても宜しいでしょうか?」
「はい…そうですね。」
アリサに応じた、ハンムラビの表情が、一段と神妙な面持ちになる。
「私達に、ヨハンナ騎士団長とハンムラビさんが協力して頂ける理由を教えて貰ってもよろしいでしょうか?」
アリサは、木樽に寄りかかる状態で、うとうとしているヨハンナ、ハンムラビの順番で視線を向ける。
「私は、未遂に終わったとは言え、イシュタル様の冥界攻略という横暴と…同胞であった冥界の執事達の為に、敵を果たせる時を待っていました。」
キリッとしていたハンムラビの目元が、涙ぐみ、僅かに崩れる。
「アタシもねぇ…そんなハンちゃんが可愛そうっと思ってねぇ…」
酔いが残るなか、ヨハンナが言葉を紡ぐが…
「団長の場合は、それが一番の理由ではないでしょう…嘘をつかないでくださいます?」
「(やっぱり…嘘なのか?…嘘か…)」
ハンムラビの指摘に対して、南花達が心の中で同意する。
「やい!ハンちゃん…私も面識のある鉄之助さんの娘さんと、ダージリンの妹さんの前で、私を悪者扱いばかりしないでよ…本当にハンちゃんとグレイちゃんを思って言っているんだから…」
そうぼやいたヨハンナが、言葉を続ける。
「それに…こんな美味しいお酒の発展を禁じることは、文化の発展に対する圧制ではないのかっと思っているから…南花ちゃんやアリサちゃん達に協力したいと思ったの…それに…それと…しょく…」
ヨハンナはまたしても、酔いによる睡魔に負ける。
「そうですか、ありがとうございます。」
南花が代表して感謝する。
「ハンムラビさん…【アヌの使徒】である【アトラさん】が帝国にもたらした、懐中時計の所在をご存知ですか?」
アリサが更に話を進めようとするが…
「ええと…その…アトラ・ハーシス様の懐中時計に関してですが…」
さっきまでキリッとしていたハンムラビが、言葉を詰まらせて、モゾモゾとした様子を見せる。
「うん?どうしたんだ?」
コマチが怪訝を示す。
「そのですね…私が珍しくウィスキーを嗜んでいた時のことなのですが…第一騎士団の管理区域内にある湖畔で、アトラ様の懐中時計と満月を酒の肴にしていたのですが…」
うつむいたハンムラビは、一瞬、黙ってしまう…
「その湖に、懐中時計を落としてしまいました!申し訳ありません!」
ハンムラビが、室内に響き渡る程の声量で告白する。
「へぇ?」
「えっ?」
南花達は、予想外の事実にキョトンとしてしまう。
「ふっ…ふふ…うっかりハンちゃん…」
ハンムラビの大声で眠りが浅くなった、ヨハンナがツッコミを入れる。
すると、叩かれたカードは分身して、地下線路の四方へ散らばる。
「どうやら…一旦、撤退したみたいですね。」
ハンムラビが術式で周囲に、自分たち以外の人の気配が無いことを確認する。
「流石はハンちゃん…手際が良くてぇ…頼りになるね…うっ!」
酔っ払いシスターことヨハンナの口から、再度、虹が出そうになる。
「ハンちゃん…なんか…麺類と相性が良さそうな響きだな…」
「コマチ…失礼でしょ。」
小声で呟きながらヨダレを飲み込むコマチに、アオイが手刀と言う物理的な突っ込みを入れる。
「はぁ~誰かさんが昼間から飲んでいるせいでしょうが…皆さん、第一騎士団の拠点へ案内いたします。付いてきて下さい。」
思考力が低下している騎士団長に代わって、ハンムラビが南花達を先導する。
先頭を歩くハンムラビが、地下の線路から壁際に移動し、木槌で壁を決まったリズムで軽快に叩くと…
壁の一部が、瑠璃色の門へと変質する。
その門の上部には、天秤が紋章として刻まれており…左右の皿の上には、蛇と林檎が乗っておりバランスを保っている。
「さぁ…こちらです。」
ハンムラビが、その瑠璃色の門を開く。
「はい…ありがとうございます。」
どういう理屈なの?っと門全体を見渡した南花が、戸惑いながら入っていく。
そして、全員が門の中へ入ると…壁は元の地下線路のレンガへと戻る…
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しばらく、幾つもに分岐した瑠璃色の地下廊を歩く一行…
「螺旋階段みたいな迷路ね…」
徐々に、地上へ上昇している事を勘づくアリサ。
「流石は…ダージリンの妹さんで、士官学校を首席で卒業したアリサちゃんね。」
一行の最後尾をフラフラと歩くヨハンナが、目の前を歩くアリサへ話しかける。
「いえ、ありがとうございます…その、私の兄とはどのような関係なのでしょうか?」
振り返ったアリサが、問いかける。
「んぅ?あぁ…ダージリンとは、西圏側の騎士養成学園で同じ教室だった頃からの知り合いだったかなぁ…」
そう応えたヨハンナは、スキットルの中身であるウィスキーをもう一口飲む。
「皆さん、着きましたよ…一先ず、こちらで小休止するとしましょう。」
先頭を歩くハンムラビが、目の前に現れたオークの木で出来た、木造の扉を開ける…
「ここは…何の施設?」
「確か…これは、ウィスキーの蒸留装置と貯蔵庫ね…」
南花の疑問に対して、アリサが記憶の片隅から答えを引っ張り出してくる。
「ピンポ~ン、ここがアタシの蒸留所ですぅ。」
ヨハンナの発言通り…室内には、小型の単式蒸留器やウィスキーを寝かせる為の木樽が並ぶ棚などがある。
「生命の水…帝国から追放された錬金術に関する一つの技術を追究した結果がこれですよ…はぁ~」
貯蔵されている木樽を、自身の子供の頭の様に撫でるヨハンナの姿を見る、ハンムラビが再度、ため息を漏らす。
「錬金術?…追放された?」
木造の部屋全体を見渡したサクラが質問する。
「はい…錬金術は、東圏側A区の元統括長だった【モルガーナ・ピルグリム】様が先駆者であり…モルガーナ様が追放されたのと時をお同じくして、このバビロニア帝国では禁じられた技術分野なのです。」
サクラへの問いに答えたハンムラビが、部屋の中心にあるテーブル席へ座る様に、南花達を促す。
「モルガーナ様?…東圏側A区の統括長は、最初からギルガメッシュ様ではなかったんですか?」
木造の席へ座った南花が、ハンムラビへ問いかける。
「はい…元々は、見識を広める為に異邦の地である【イタリ】への長旅を終えた、モルガーナ様が担われていました。そして…モルガーナ様は、冥界の統括長である【エレシュキガル様】と同様に、【ティアマト】側の生き残りの錬金術師なのです。」
最後にハンムラビが席へ座る。
「なぜ?モルガーナっていう方は、帝国から追放されたのですか?」
アオイが更に質問を問いかける。
「その点は、私も詳しくは存じませんが…エンキ様が関係してるとか…してないとか…っとは聞いていますね。」
それまでキッパリとした受け答えを見せていたハンムラビの言葉が濁る。
「そろそろ、今回の本題について話しても宜しいでしょうか?」
「はい…そうですね。」
アリサに応じた、ハンムラビの表情が、一段と神妙な面持ちになる。
「私達に、ヨハンナ騎士団長とハンムラビさんが協力して頂ける理由を教えて貰ってもよろしいでしょうか?」
アリサは、木樽に寄りかかる状態で、うとうとしているヨハンナ、ハンムラビの順番で視線を向ける。
「私は、未遂に終わったとは言え、イシュタル様の冥界攻略という横暴と…同胞であった冥界の執事達の為に、敵を果たせる時を待っていました。」
キリッとしていたハンムラビの目元が、涙ぐみ、僅かに崩れる。
「アタシもねぇ…そんなハンちゃんが可愛そうっと思ってねぇ…」
酔いが残るなか、ヨハンナが言葉を紡ぐが…
「団長の場合は、それが一番の理由ではないでしょう…嘘をつかないでくださいます?」
「(やっぱり…嘘なのか?…嘘か…)」
ハンムラビの指摘に対して、南花達が心の中で同意する。
「やい!ハンちゃん…私も面識のある鉄之助さんの娘さんと、ダージリンの妹さんの前で、私を悪者扱いばかりしないでよ…本当にハンちゃんとグレイちゃんを思って言っているんだから…」
そうぼやいたヨハンナが、言葉を続ける。
「それに…こんな美味しいお酒の発展を禁じることは、文化の発展に対する圧制ではないのかっと思っているから…南花ちゃんやアリサちゃん達に協力したいと思ったの…それに…それと…しょく…」
ヨハンナはまたしても、酔いによる睡魔に負ける。
「そうですか、ありがとうございます。」
南花が代表して感謝する。
「ハンムラビさん…【アヌの使徒】である【アトラさん】が帝国にもたらした、懐中時計の所在をご存知ですか?」
アリサが更に話を進めようとするが…
「ええと…その…アトラ・ハーシス様の懐中時計に関してですが…」
さっきまでキリッとしていたハンムラビが、言葉を詰まらせて、モゾモゾとした様子を見せる。
「うん?どうしたんだ?」
コマチが怪訝を示す。
「そのですね…私が珍しくウィスキーを嗜んでいた時のことなのですが…第一騎士団の管理区域内にある湖畔で、アトラ様の懐中時計と満月を酒の肴にしていたのですが…」
うつむいたハンムラビは、一瞬、黙ってしまう…
「その湖に、懐中時計を落としてしまいました!申し訳ありません!」
ハンムラビが、室内に響き渡る程の声量で告白する。
「へぇ?」
「えっ?」
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