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第十一章 ファンデンダルク侯爵
11ー2 ガランディア帝国との紛争 その一
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私はδ2041号、船舶監視用ゴーレムである。
ジェスタ国ファンデンダルク家の碧地に黄色で描かれた双頭の鷲の商船旗を掲げる大型交易船アーレマイン号に配置されている。
交易船アーレマイン号は、全長64.7イード(107m)、10.3イード(17m)、深さ3.87イード(6.4m)で、約7000レボレム(1ボレム≒0.7Kg、1レボレムは千ボレム)程度の貨物が搭載可能な大型商船である。
本来は、1万5000レボレムクラスの大型船の就航を検討していたのだが、海外のいずれの港においても水深が浅いことから、吃水制限でこの程度の大型船になったと承知している。
私は、百分の一秒遅れの亜空間である「ディアトラゾ空間」に常時潜んでいるから常人には見えない。
そうして私が配置されていることを知る者は、ファンデンダルク卿とその身内だけに限られている。
我らδ型ゴーレムの生みの親であるファンデンダルク卿のお子達が我らの存在を知り、未だ幼いお子達が我らの監視場所を特定してしまうので、やむを得ず、ファンデンダルク卿が奥方様達にも警護等の目的でδ型ゴーレムが要所、要所に張り付けられていることを打ち明けられたのだ。
我らにはわからぬが、母親というものは幼子の異常な振る舞いに敏感であり、いずれはその存在を何らかの形で推察するものと判断して、お子たちの持っている常人には在るはずの無い能力の存在と共に、我らの存在を打ち明けられたようだ。
打ち明けられたにしても奥方様が我らを感知できるわけではない。
ただ、目に見えぬ我らの仲間が奥方様やお子達を常に守護していることは承知されている。
ファンデンダルク卿とそのお身内や大事な知人等の警護と異なり、アーレマイン号に配置された私は、主としてアーレマイン号の動静監視が主任務である。
乗組員の健康状態、積み荷の状況、船体及び魔導機関の状況等を監視し、異常があれば主に知らせるのが主要な任務だが、必要に応じて船外の情報収集も行っている。
私の指揮下にはドローン型ゴーレム8機、インセクトアイ24体が存在するので、必要に応じて、いつでも船外監視と情報収集が可能なのだ。
アーレマイン号は、母港であるウィルマリティモが存在するアルバンド大陸を離れて、アルバンド大陸の西、北エオール海の対岸にあるファランド北大陸の貿易港バルマラードに寄港している。
ファランド北大陸はアルバンド大陸の三分の二ほども有る大陸であるが、貿易港バルマラードはガランディア帝国の主要貿易港である。
ガランディア帝国はファランド北大陸でもっとも大きな勢力を持つ大国であり、ファランド北大陸のその他の国々である十二か国と拮抗する軍事力を有している。
晩秋(月)半ばに北エオール海を横断してアルバンド大陸から到来した交易船は、アーレマイン号が初めてであり、ある意味でガランディア帝国を揺るがした。
従来からアルバンド大陸随一の強国と見做されているオルテンシュタイン帝国とは少なからず交易もあったが、ジェスタ国とはアルバンド大陸でも内陸の小国としてしか認識していなかったのだが、その国の交易船がそもそもこの時期に荒れる北エオール海を横断してやってくること自体が驚きなのである。
また、彼らは帆船ではない船を始めて見たし、同時に長さだけでも帝国の大型交易船の3倍ほどもある巨大な交易船を見て驚愕した。
折しも、帝国は北ファランド大陸南部の連合国と戦端を開いていた。
北ファランド大陸南部の国家群は強大なガランティア帝国の侵攻に対して大同団結して連合軍を編成し、ガランティア南部のアルロジア山脈の分水嶺で帝国の侵略を食い止めていた。
このため、ガランティア帝国は、ファランド南北大陸をつなぐベルカ回廊付近のアルミディ半島に海路侵攻して橋頭保を築き、南から侵攻しようとしたのだが、これもまた頑強な抵抗に遭い、南北両方向からの侵攻が止まっていたのである。
ファランド北大陸東部にあるサプランという港からのアルミディ半島への補給は、海路で3日から4日かかるのだが、風向きや海象模様でさらに遅れることもあり、特に秋季から冬季にかけては海が荒れることが多く武器・食料の補給が非常に困難になってきていたのだった。
そこへ巨大な異国の貨物船が到来したので、帝国の宰相等為政者はこれを接収しようと目論んだのだった。
巨大な貨物船を摂取することができれば、荒れる時期でも補給は可能となるからである。
従って二回の交易までは無事に済んだのだが、アーレマイン号が三度目にバルマラード港を訪れた際には一切の通告無しに拿捕されたのだった。
そうして何の罪も無いのに乗員は捕縛されて牢に入れられた。
ジェスタ国とガランティア帝国との間に通商条約など無いので交易を拒否するのは特段の問題も無いが、拿捕ともなれば間違いなく国家同士の国際問題になるし、まして全く罪のない船を拿捕したとなればこれはもう戦犯モノである。
いずれにせよ、昔から在る国際商慣習を無視してガランディア帝国海軍の将兵が無理やりアーレマイン号に乗り込んできたわけだが、私(δ2041号)はかねてよりの計画に従って、アーレマイン号の動力を全て切断した。
錨も下ろしたままであるので、アーレマイン号が動くことは無い。
このまま艀や倉庫には使えるかもしれないが、巨大なアーレマイン号を曳(ひ)ける船などないから、船は港のある湾内に停泊したままになるだろう。
一応、無人のままウィルマリティモに戻ることができるようなプログラムも有るのだが、今回は発動しない。
主に報せ、私はひたすら待機するのみである。
無論全てのドローンとインセクトアイを作動させ、入念な情報収集を行っている。
乗員の居場所は全て把握しているし、彼らが受けている拷問の類もすべて把握している。
主からは、私だけでは漏れがあるかもしれないとして、既に三体のδ型ゴーレムと付属のドローンやインセクトアイも転移で送られてきている。
主からの連絡によれば、遠征艦隊として大型フリゲート艦6隻が既にウィルマリティモを出港しているようだ。
大型フリゲート艦の速度からすると、おそらく到着はウィルマリティモを出港後三日後ぐらいになるだろう。
◇◇◇◇
ベルム歴730年中春(月)の5日、船舶監視用ゴーレムδ2041号からアーレマイン号が拿捕された旨の連絡を受けてすぐに、俺(リューマ)は王都に向かい、国王陛下と宰相に今回の一件について詳細に報告した上で、開戦まで含めた全面的な交渉権限を頂いた。
本来の国際交渉は宰相の権限であるかもしれないが、相手のガランディア帝国はファランド北大陸の半ばを掌握している大国であり、そもそもアルバンド大陸でも中の中程度の国土しか持たないジェスタ王国など歯牙にもかけないだろう。
何しろオルテンシュタイン帝国と同等の領域を占めており、人口もジェスタ王国の15倍に近い超大国である。
このような驕れる超大国を相手取って交渉するには、最初にガツンと叩いておかねば交渉にすらならないのである。
俺はとんぼ返りでウィルマリティモに向かい、大型フリゲート艦301に乗艦した。
302から306までのフリゲート艦5隻を率いてウィルマリティモを出港したのはベルム歴730年中春(月)の6日の夕刻だった。
魔境湾入り口からファランド北大陸の貿易港バルマラードまでは2500ケール(≒4000キロ)ほどの距離があり、大型フリゲート艦の巡航速力の「強速」では毎時(ホブランド時間)45ケールほどなので、概ね56時間(1日は20時間)ほどで到着できる。
そうしてベルム歴730年中春(月)の9日早朝には、バルマラード港のあるファーブランド湾口に到着、304から306までの三隻を湾口に残して湾を封鎖、301を先頭に湾内に侵入した。
大型フリゲート艦は、全長100イード(165m)、幅13.4イード(22.1m)、深さ7.2イード(11.9m)、吃水3.5イード(5.7m)、排水量約6千トンの戦闘艦である。
特殊軽量金属を用いて作られているので全体に軽いのだが、強靭である。
おそらくは誤って座礁しても、船体に破損は生じないとは思うのだがこれまで試したことはない。
ファーブランド湾はフィヨルドに似た地形であり、湾口で2ケール幅、湾中央部で0.8ケールと若干絞られるが、湾奥部は再度広がって2.5ケールほどの幅と奥行きがあり、水深が深く、三方を山に囲まれているためにバルマラード港は大陸でも一、二を争う良港なのだ。
事前に水中ドローンを使って海底地形を調査の上で海図も既に作成している。
高々度監視ドローンも一機バルマラード上空に配置しており、周囲100ケール四方の情勢はいつでも把握できるようにしている。
因みにガランディア帝国の帝都は、バルナラード港から40ケールほど内陸に位置している。
俺の乗るフリゲート艦301号は毎時12ケールほどの速力で一列縦隊で湾奥に侵攻した。
水深5イード線まで港に接近すると、港を形作る城塞が見える。
アーレマイン号はすぐそばに停泊しているが、どうやらガランディア帝国軍の将兵が占拠している様だ。
こいつらは船内のどこに潜んでいようともいつでも叩き出せる。
俺は船外用の魔導スピーカーを作動させ、バルマラードに向けて勧告した。
「私は、ジェスタ国海軍元帥リューマ・フルト・アグティ・ファンデンダルク侯爵である。
我が国に属するアーレマイン号を不法にも拿捕した責任者は直ちに我が艦隊に出頭し、その理由及び現在の状況を説明せよ。
さもなくば我が国に対する敵対行為と取り、場合によってはガランディア帝国に対して宣戦布告も辞さず。
責任者の出頭期限は明日日没までとする。
その間に我が艦隊に対する不法行為若しくは攻撃があれば直ちに応戦する。
その場合、このバルマラードの市街地は全て破壊されるおそれがあるものと心得よ。
期限は明日夕刻までである。」
俺は最後通牒に近いこの周知放送を二度繰り返した。
明日の正午にも同じ趣旨の放送をするつもりだ。
さてさて意気軒高なガランディア帝国がどう出て来るかだ。
ジェスタ国ファンデンダルク家の碧地に黄色で描かれた双頭の鷲の商船旗を掲げる大型交易船アーレマイン号に配置されている。
交易船アーレマイン号は、全長64.7イード(107m)、10.3イード(17m)、深さ3.87イード(6.4m)で、約7000レボレム(1ボレム≒0.7Kg、1レボレムは千ボレム)程度の貨物が搭載可能な大型商船である。
本来は、1万5000レボレムクラスの大型船の就航を検討していたのだが、海外のいずれの港においても水深が浅いことから、吃水制限でこの程度の大型船になったと承知している。
私は、百分の一秒遅れの亜空間である「ディアトラゾ空間」に常時潜んでいるから常人には見えない。
そうして私が配置されていることを知る者は、ファンデンダルク卿とその身内だけに限られている。
我らδ型ゴーレムの生みの親であるファンデンダルク卿のお子達が我らの存在を知り、未だ幼いお子達が我らの監視場所を特定してしまうので、やむを得ず、ファンデンダルク卿が奥方様達にも警護等の目的でδ型ゴーレムが要所、要所に張り付けられていることを打ち明けられたのだ。
我らにはわからぬが、母親というものは幼子の異常な振る舞いに敏感であり、いずれはその存在を何らかの形で推察するものと判断して、お子たちの持っている常人には在るはずの無い能力の存在と共に、我らの存在を打ち明けられたようだ。
打ち明けられたにしても奥方様が我らを感知できるわけではない。
ただ、目に見えぬ我らの仲間が奥方様やお子達を常に守護していることは承知されている。
ファンデンダルク卿とそのお身内や大事な知人等の警護と異なり、アーレマイン号に配置された私は、主としてアーレマイン号の動静監視が主任務である。
乗組員の健康状態、積み荷の状況、船体及び魔導機関の状況等を監視し、異常があれば主に知らせるのが主要な任務だが、必要に応じて船外の情報収集も行っている。
私の指揮下にはドローン型ゴーレム8機、インセクトアイ24体が存在するので、必要に応じて、いつでも船外監視と情報収集が可能なのだ。
アーレマイン号は、母港であるウィルマリティモが存在するアルバンド大陸を離れて、アルバンド大陸の西、北エオール海の対岸にあるファランド北大陸の貿易港バルマラードに寄港している。
ファランド北大陸はアルバンド大陸の三分の二ほども有る大陸であるが、貿易港バルマラードはガランディア帝国の主要貿易港である。
ガランディア帝国はファランド北大陸でもっとも大きな勢力を持つ大国であり、ファランド北大陸のその他の国々である十二か国と拮抗する軍事力を有している。
晩秋(月)半ばに北エオール海を横断してアルバンド大陸から到来した交易船は、アーレマイン号が初めてであり、ある意味でガランディア帝国を揺るがした。
従来からアルバンド大陸随一の強国と見做されているオルテンシュタイン帝国とは少なからず交易もあったが、ジェスタ国とはアルバンド大陸でも内陸の小国としてしか認識していなかったのだが、その国の交易船がそもそもこの時期に荒れる北エオール海を横断してやってくること自体が驚きなのである。
また、彼らは帆船ではない船を始めて見たし、同時に長さだけでも帝国の大型交易船の3倍ほどもある巨大な交易船を見て驚愕した。
折しも、帝国は北ファランド大陸南部の連合国と戦端を開いていた。
北ファランド大陸南部の国家群は強大なガランティア帝国の侵攻に対して大同団結して連合軍を編成し、ガランティア南部のアルロジア山脈の分水嶺で帝国の侵略を食い止めていた。
このため、ガランティア帝国は、ファランド南北大陸をつなぐベルカ回廊付近のアルミディ半島に海路侵攻して橋頭保を築き、南から侵攻しようとしたのだが、これもまた頑強な抵抗に遭い、南北両方向からの侵攻が止まっていたのである。
ファランド北大陸東部にあるサプランという港からのアルミディ半島への補給は、海路で3日から4日かかるのだが、風向きや海象模様でさらに遅れることもあり、特に秋季から冬季にかけては海が荒れることが多く武器・食料の補給が非常に困難になってきていたのだった。
そこへ巨大な異国の貨物船が到来したので、帝国の宰相等為政者はこれを接収しようと目論んだのだった。
巨大な貨物船を摂取することができれば、荒れる時期でも補給は可能となるからである。
従って二回の交易までは無事に済んだのだが、アーレマイン号が三度目にバルマラード港を訪れた際には一切の通告無しに拿捕されたのだった。
そうして何の罪も無いのに乗員は捕縛されて牢に入れられた。
ジェスタ国とガランティア帝国との間に通商条約など無いので交易を拒否するのは特段の問題も無いが、拿捕ともなれば間違いなく国家同士の国際問題になるし、まして全く罪のない船を拿捕したとなればこれはもう戦犯モノである。
いずれにせよ、昔から在る国際商慣習を無視してガランディア帝国海軍の将兵が無理やりアーレマイン号に乗り込んできたわけだが、私(δ2041号)はかねてよりの計画に従って、アーレマイン号の動力を全て切断した。
錨も下ろしたままであるので、アーレマイン号が動くことは無い。
このまま艀や倉庫には使えるかもしれないが、巨大なアーレマイン号を曳(ひ)ける船などないから、船は港のある湾内に停泊したままになるだろう。
一応、無人のままウィルマリティモに戻ることができるようなプログラムも有るのだが、今回は発動しない。
主に報せ、私はひたすら待機するのみである。
無論全てのドローンとインセクトアイを作動させ、入念な情報収集を行っている。
乗員の居場所は全て把握しているし、彼らが受けている拷問の類もすべて把握している。
主からは、私だけでは漏れがあるかもしれないとして、既に三体のδ型ゴーレムと付属のドローンやインセクトアイも転移で送られてきている。
主からの連絡によれば、遠征艦隊として大型フリゲート艦6隻が既にウィルマリティモを出港しているようだ。
大型フリゲート艦の速度からすると、おそらく到着はウィルマリティモを出港後三日後ぐらいになるだろう。
◇◇◇◇
ベルム歴730年中春(月)の5日、船舶監視用ゴーレムδ2041号からアーレマイン号が拿捕された旨の連絡を受けてすぐに、俺(リューマ)は王都に向かい、国王陛下と宰相に今回の一件について詳細に報告した上で、開戦まで含めた全面的な交渉権限を頂いた。
本来の国際交渉は宰相の権限であるかもしれないが、相手のガランディア帝国はファランド北大陸の半ばを掌握している大国であり、そもそもアルバンド大陸でも中の中程度の国土しか持たないジェスタ王国など歯牙にもかけないだろう。
何しろオルテンシュタイン帝国と同等の領域を占めており、人口もジェスタ王国の15倍に近い超大国である。
このような驕れる超大国を相手取って交渉するには、最初にガツンと叩いておかねば交渉にすらならないのである。
俺はとんぼ返りでウィルマリティモに向かい、大型フリゲート艦301に乗艦した。
302から306までのフリゲート艦5隻を率いてウィルマリティモを出港したのはベルム歴730年中春(月)の6日の夕刻だった。
魔境湾入り口からファランド北大陸の貿易港バルマラードまでは2500ケール(≒4000キロ)ほどの距離があり、大型フリゲート艦の巡航速力の「強速」では毎時(ホブランド時間)45ケールほどなので、概ね56時間(1日は20時間)ほどで到着できる。
そうしてベルム歴730年中春(月)の9日早朝には、バルマラード港のあるファーブランド湾口に到着、304から306までの三隻を湾口に残して湾を封鎖、301を先頭に湾内に侵入した。
大型フリゲート艦は、全長100イード(165m)、幅13.4イード(22.1m)、深さ7.2イード(11.9m)、吃水3.5イード(5.7m)、排水量約6千トンの戦闘艦である。
特殊軽量金属を用いて作られているので全体に軽いのだが、強靭である。
おそらくは誤って座礁しても、船体に破損は生じないとは思うのだがこれまで試したことはない。
ファーブランド湾はフィヨルドに似た地形であり、湾口で2ケール幅、湾中央部で0.8ケールと若干絞られるが、湾奥部は再度広がって2.5ケールほどの幅と奥行きがあり、水深が深く、三方を山に囲まれているためにバルマラード港は大陸でも一、二を争う良港なのだ。
事前に水中ドローンを使って海底地形を調査の上で海図も既に作成している。
高々度監視ドローンも一機バルマラード上空に配置しており、周囲100ケール四方の情勢はいつでも把握できるようにしている。
因みにガランディア帝国の帝都は、バルナラード港から40ケールほど内陸に位置している。
俺の乗るフリゲート艦301号は毎時12ケールほどの速力で一列縦隊で湾奥に侵攻した。
水深5イード線まで港に接近すると、港を形作る城塞が見える。
アーレマイン号はすぐそばに停泊しているが、どうやらガランディア帝国軍の将兵が占拠している様だ。
こいつらは船内のどこに潜んでいようともいつでも叩き出せる。
俺は船外用の魔導スピーカーを作動させ、バルマラードに向けて勧告した。
「私は、ジェスタ国海軍元帥リューマ・フルト・アグティ・ファンデンダルク侯爵である。
我が国に属するアーレマイン号を不法にも拿捕した責任者は直ちに我が艦隊に出頭し、その理由及び現在の状況を説明せよ。
さもなくば我が国に対する敵対行為と取り、場合によってはガランディア帝国に対して宣戦布告も辞さず。
責任者の出頭期限は明日日没までとする。
その間に我が艦隊に対する不法行為若しくは攻撃があれば直ちに応戦する。
その場合、このバルマラードの市街地は全て破壊されるおそれがあるものと心得よ。
期限は明日夕刻までである。」
俺は最後通牒に近いこの周知放送を二度繰り返した。
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